奇跡の一本松
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関連メディア・商品など
一本松をテーマにした書籍・楽曲がいくつか発表されており、一本松のイラストや写真をあしらった土産物なども多数発売されている[94]。また、一本松ほか松原の倒木を材料とした商品も作られている[95]。
書籍
- なかだえり『奇跡の一本松 大津波をのりこえて』汐文社、2011年10月、ISBN 978-4-8113-8826-7
- 新井満『希望の木』大和出版、2011年11月、ISBN 978-4-8047-6191-6
- 一本松の一人称視点で書かれた詩集。1冊につき100円が陸前高田市に送られる[97]。
- 涌井雅之『奇跡と希望の松 なぜ一本の松だけが生き残ったのか』創英社、2012年8月、ISBN 978-4-88142-559-6
- 津波を生き延びた一本松を守ろうとする専門家や著名人・ボランティアなどの人々を取り上げたノンフィクション[98]。
- のはらあい『きせきの一本松』河出書房新社、2013年3月、ISBN 978-4-309-90981-3
- 一本松を「松にゃん」という名で擬人化したアニメ絵本[99]。
楽曲
- 陸前高田市出身の編集者から一本松の話を聞いて感動したやなせが作詞作曲し、歌詞を印刷したハンカチとともに自費でCDを制作した[100]。著作権は陸前高田市に寄贈され[101]、売り上げも全額寄付される[20]。
- サスケ「生きてりゃいいこときっとある~高田の一本松~」2011年9月12日発売
- 陸前高田市出身である千が故郷への愛情や生きる希望を歌った曲[103]。当初は2012年1月11日発売の予定であったが、レコーディングの模様を公開したところ大きな反響が寄せられ、発売が繰り上げられた[104]。この曲の歌碑が2016年6月に茨城県石材業協同組合連合会から陸前高田市に寄贈され、旧道の駅高田松原跡に仮設置された[105]後、2022年5月中旬に高田松原津波復興祈念公園内に本設された[106]。
- 白井貴子「陸前高田 松の花音頭」2012年7月15日発売
- 白井が2011年7月に陸前高田市を訪れた際、被災して仮設住宅に暮らす住民の「元気になれる歌がほしい」という声を聞き、一本松と春に咲く花のイメージをもとに作曲した盆踊りの歌[107]。盆踊りの歌にしたのは、震災犠牲者への鎮魂の意味と、住民同士の交流につなげてほしいという思いが込められている。CD発売前の2011年8月に陸前高田市内のイベントで初披露された。収益の一部は「奇跡の一本松保存基金」と「高田松原を守る会」に寄付される[108]。
- ディサロ水城「みゆき橋〜like a bridge over troubled water〜」[109] 2018年11月28日発売
- 震災の報道で奇跡の一本松を見たディサロ水城がその日に作詞作曲。復興の橋をゆっくりと渡ってきてほしい思いと若い男女の未来への橋を重ねた。幸せな漁師町が枕草子の季節にちなんで盛り込まれ、バックコーラスの英語歌詞には「明日に架ける橋」へのシャドウメッセージが織り込まれている。中学校文化祭での掛け声のみならず日本国外からも掛け声コーラスがiPhoneのボイスメッセージで届き、トラックに取り込まれた。日本語歌詞・英語歌詞・歌全て本人による。鎮魂の意味で5年間は封印されていたが、2016年高野康弘の編曲でCD化された。地域の復興支援活動や陸前高田の支援ライブで歌われ、収益の一部は義捐金として寄付されている。
映画
- 『希望の木』(山本二三監督)
- 上記の同名詩集を原作として製作・公開が予定されていたアニメーション映画。監督の山本は長らく原作者の新井のファンであったところ、新井が講演会で自ら原作を朗読するのを聞いて感銘を受け、映画化を申し入れた[110]。山本は美術監督を兼任、新井自身も脚本と音楽を担当し[111]、製作費についてはクラウドファンディングを活用して調達する予定であった[110]。2014年の公開を目指していたが、集まった製作費が目標の金額に届かず、中止となった[112]。
記念貨幣・切手など
元号が平成となって25年になるのを記念して造幣局が2013年11月7日に発行した貨幣セットでは、年銘板の裏面に一本松が描かれた[113]。
また、財務省が2015年度(平成27年度)に第一次から第四次にわたって発行した東日本大震災復興事業記念貨幣の1万円金貨と1000円銀貨は、額面と発行時期によって片面(個別面)のデザインがそれぞれ異なるが、もう一方の面(共通面)にはいずれも「がんばろう日本」「平成○○年」の文字とともに一本松と鳩の意匠が施されている[114][115]。
郵便事業東北支社は、一本松を題材にしたオリジナルフレーム切手セット「希望の一本松~奇跡から希望へ~」を2013年3月11日から発売した。一本松をメインに、震災前の松原の姿や陸前高田市内の祭りの様子などの写真を用いている[116]。
陸前高田郵便局郵便分室では、一本松を図案化した風景印を2012年7月2日より使用している[117]。
一本松にちなんだ商品など
筆記具ブランドのモンブランは、2015年に一本松の枝を素材に使った万年筆を数量限定で発売した。震災の年から売上を寄付するなどの形で被災地を支援してきたモンブランに対し、一本松の保存作業で複製と付け替えた枝の有効活用を考えていた陸前高田市側が依頼したものであった。価格は1本48万1000円で、売上の20%にあたる額が震災からの復興のために寄付される[118]。
地元陸前高田市の蔵元である酔仙酒造は、「奇跡の一本松」の名前で吟醸酒を発売している[119]。
その他
陸前高田市は被災地からの情報発信および市の地域活性化を目的とし、一本松をデザインした公認ロゴマークを制定して2013年8月3日に発表した[120]。ロゴは緑地に白色で一本松のシルエットと「1PPON MATSU」の文字が入っており、一本松がデフォルメされたデザインのサブロゴも用意されている。使用には市への申請が必要だが、使用対象の制限はなく、無料で使用できる[121]。
陸前高田市のマスコットキャラクター「たかたのゆめちゃん」は、一本松の上に住んでいるという設定であり、2013年1月4日に交付された特別住民票では住所として「希望の一本松ノ上」と記載されている[122]。
2017年3月19日にプロ野球球団の東北楽天ゴールデンイーグルスと陸前高田市がパートナー協定を結んだことに伴い、震災で全壊し再整備予定の第一球場に「楽天イーグルス奇跡の一本松球場」の愛称が付けられることになった[123]。同球場は2020年8月8日、震災後新たに整備された高田松原運動公園内にオープンした[124]。
2020年4月11日に開館した陸前高田市民文化会館は、「奇跡の一本松ホール」の愛称が付けられており[125]、ホールの緞帳には一本松がデザインされている[125]。
注釈
出典
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