失業 非自発的失業

失業

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非自発的失業

新古典派経済学マネタリストの見解では、市場経済が機能することで労働者の需要と供給は一致し、求職者はすべて職を得ることが可能となるとする[15]。ただし、ケインズ経済学は市場メカニズムは短期的には上手く働かないと指摘しており、非自発的失業が発生するとしている。非自発的失業はケインズによって発見されたものであり、非自発的失業の存在を認めるかどうかについては、ケインズ経済学的立場と新古典派的立場の間で意見が分かれる。

労働市場では、家計が労働を供給し、企業が労働を需要する[16]。労働の需給が一致するときに現実の雇用量と賃金が決まる[16]。労働市場では、賃金が高ければ、企業は雇用を減らし労働者は供給を増やす[17]新古典派経済学は、賃金が労働の需給を一致させるように決まると考えるため、非自発的失業は存在しないとする[17]。名目賃金の低下は、労働の供給が需要を上回るときに起こる[17]

これは新古典派が、価格の自在な伸縮によって全ての売れ残りの解消が可能とするセイの法則を前提として[18]、失業者は現在雇用されている労働者よりも低い賃金を提示して職を見付けることが可能であるとするためである。賃金価格の下落によって失業が解消されないのは、その賃金以下では働かないという労働者の選択に唯一の原因があるとする。

これに対してジョン・メイナード・ケインズのマクロ経済学は、有効需要の不足が失業発生の理由とみなした[19]ケインズ経済学では、「賃金は硬直的なので、需要と供給が一致することはない」とされる[20]。ケインズ経済学では、労働市場では賃金の下方硬直性があるため失業は存在する[21]。また、財・サービス市場においても価格は硬直的であり、価格が瞬時に調整されるわけではない[21]。価格・賃金は短期的にはゆっくりとしか調整されない[21]。ケインズ経済学の賃金・価格の硬直性は短期の仮定であり、数年間かければ賃金・価格はやがて調整される[22]。ただし、利子率の下方硬直性では、ケインズ的不況が短期ではなく中期(10年程度)に渡って継続される[22]

ケインズは、セイの法則と相対する有効需要の原理を提示し、社会全体の生産物に対する需要によって雇用量が決定されるとして[23]、不完全雇用を伴う均衡の可能性を認める。そのさい有効需要の不足によって発生した非自発的失業は、総需要を拡大することによって解消されなければならないとした。

名目賃金の下方硬直性を説明する要因としては、相対賃金仮説、効率賃金仮説、インサイダー・アウトサイダー仮説など様々な理由が考えられている(詳しくは労働経済学を参照)。

日本では非自発的失業者の数は、1990年の33万人から2000年には102万人へと急増しており、失業者の3人に1人が非自発的失業者となっている[24]




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