大阪弁 例文

大阪弁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/18 06:22 UTC 版)

例文

  • 設定した文を近畿各地の方言に訳してまとめた『近畿方言の総合的研究』の「近畿方言文例抄」から、旧摂津国の範囲の方言を抜粋する[42]。なお、この項目での「摂津」は狭義の摂津方言を指す。
    • 雨が降っているから、傘を差していきなさいよ
      • 摂津:アメ(ガ) フッテ(イ)ル ヨッテ(ニ)/サカイニ、カサ(オ) サシテ イキー/イキ(ナハレ) ヤ/ナ
      • 能勢:アメ フットル サカイ、カサ サシテ イキ/イキナハレ ヨ
      • 三島:アメ(ガ) フッタール/フッテル サカイ(ニ)、カサ サシテ/サヒテ イキ ヤ
      • 神戸:アメ フリヨル サカイ、カサ サシテ イキヨ
    • おはようございます。さあお上がりくださいませ。皆様が待っていらっしゃいますから
      • 摂津:オハヨーサンデス/オハヨーサン。サー アガットク(レ)ナハレ/オアガンナハッテ。ミナサンガ/ドナタハンモ マッテハリマッセ/マッテハリマスヨッテ
      • 能勢:オハヨーオス/オハヨーゴザイマス。サー アガットクナハレ/アガッテクナハレ。ミナハン/ミンナ マッタハリマッセ/マッタハリマッサカイ
      • 三島:オハヨーサンデス/オハヨーゴザイマス。サー アガットクナハレ/アガットクナーレ。ミ(ン)ナ/ミナハン マッテテクレタハリマスネン/マッターリマ
      • 神戸:オハヨーサンデス。マー アガットクンナハレ。ミナサンガ マットッテデッサカイ
    • 赤ん坊を寝させるのだから、静かにしていなければいけないよ
      • 摂津:ヤヤコ/アカンボー ネヤセルヨッテ/ネサセンナンサカイ、シズカニ/オトナシー セント/シテオカント アカンデ(ー)
      • 能勢:ヤヤコ/アカチャン ネサスネンサカイ/ネヤスノヤサカイ、シズカニ シテナ/シトラナ アカンデー/イカンデ
      • 三島:ヤーコオ ネヤスサカイ/ネサセルサカイ、シズカニ/オトナシー シテ(ヤ)ナ イカンデ/アカンデ
      • 神戸:アカンボー ネサセンネヤカラ、シズカニ シトラナ アカンデー
  • 1990年に記録された、明治44年生まれの大阪市生野区の女性(船場南久宝寺町出身)と調査者(岸江信介)のやりとり[43]。()は調査者の発言。なお、読みやすさのため、カタカナ表記をひらがな表記に、アクセント記号「」を[]に改め、共通語訳を加えた。
    (オワタリというのはどういう事?)
    おわたりわ[ね]ー、
    お渡りはねー
    そ[こ]の[うじがみさんの[ね、
    そこの氏神さんのね、
    あのー [ま、
    あのー ま、
    わたしらー あの [なんばじ]んじゃいー]まして ね あのーいまー[ま]ーまだ[のこってますけ]ど みどー[す]じに なんばじ]んじゃゆーの]が [のこってますけ]ど [その]おまつりの[ひ]ーが、
    私らー あの 難波神社といいまして ね あのー今まあまだ残っていますけど 御堂筋に 難波神社というのが 残っていますけど そのお祭りの日が、
    あのー[に]じゅー は[つか に]じゅー い[ち]とあります]ねん[な、
    あのー二十 二十日 二十一とあるんですよね、
    [ひち]がつのそーと その よ[み]やの ひ]ー[に、
    七月の その 宵宮の日に、
    あの[ほんまつりのひ]ーか あの [あれお[ね、
    あの本祭りの日か あの あれをね、
    ちょ[ー]ないから み]な[ね、
    町内から 皆ね、
    おちご[さん]も だし[ます]し そして あの まー おうち[の] おかた[が、
    お稚児さんも 出しますし そして あの まあ お家の お方が、
    おやくあのーお[せ]わ[したはる]おか[た]やら [じゅんばんに]ま]た[ではる]おう[ち]もありますちゃんと [い]み[た]だして そら も]んつき[はか]まで[ね、
    お役 あのーお世話しておられるお方やら 順番にまた出られるお家もあります ちゃんと 意味を正して そりゃ 紋付袴でね、
    それ ついて[いきはります]ね ほんで [その か]みさん[が、
    それ ついて行かれるんです それで その 神さんが、
    あの こ]しに[の]って [そして、
    あの 輿に乗って そして、
    あのあのー [なん]ちゅーねん[な]ー あの [む]この えー おた[び]しょゆー]のがありまして そ[こ][え あの [いかれます]ねん [そのぎょーれつお、
    あのあのー 何と言うのかなー あの 向こうの えー 御旅所というのがありまして そこへ あの 行かれるんです その行列を、
    そのーおみやさんから ずーっ[と、
    そのーお宮さんから ずーっと、
    [ぎょーれつし]て[いきはります ほて ちょ[ー]ないに[よ]ったら おちご[さん]だしはる[と]こもあれ]ば [そーゆ]ーなこ]とでまた [い]っしょー[け]んめー [い]っしょー[け]んめー[み]たもんです [ゆ]ーちょーな[も]ん[で]して
    行列していかれます そして 町内によったら お稚児さんを出されるところもあれば そういうようなことでまた 一生懸命 一生懸命見たものです 悠長なものでして
    (そういうのが今は全然なくなってますね)
    ありませ[ん ありませ[ん もー ぜん[ぜん、
    ありません ありません もう 全然、
    [そーでし]てん まー そ[れ]ぞれの[ね、
    そうだったんです まあ それぞれのね、
    あのーおみやさん[の、
    あのーお宮さんの、
    [その]おわた[り]わあるそ[れ]ぞれでっ[せ、
    そのお渡りはある それぞれですよ、
    ある[と]こもない[と]こもありまし]たやよってに[ね
    あるところもないところもありましたからね
    (やはり船場)
    まーやっ[ぱ]しあた[し]らー [そーゆーこ]とやっぱ [なつか]し[な]と [お]もて いま[で]も[おもてます]けど[ね、
    まあやっぱり私らー そういうことやっぱり 懐かしいなと 思って 今でも思っていますけどね、
    [もー おそ]らくわたしが[しまい]でしょ
    もう 恐らく私が最後でしょ

  1. ^ 楳垣編(1962)、429頁。
  2. ^ a b 橋爪監修(2009)、12頁。
  3. ^ 平山ほか編(1997)、10頁。
  4. ^ 岡田・楳垣(1962), 506頁。
  5. ^ 山本(1962), 427-429頁。
  6. ^ 高木(2018), 74頁。
  7. ^ 原文ママ。「豊能町西部」の誤記か
  8. ^ 高木(2018), 77-79頁。
  9. ^ 楳垣・岡田(1962), 506頁。
  10. ^ 鎌田良二『兵庫県方言文法の研究』、1979年、桜楓社
  11. ^ 都染(2018), 83頁。
  12. ^ 前田(1977)、47頁。
  13. ^ 平山ほか編(1997)、19頁。
  14. ^ 谷崎潤一郎「私の見た大阪及び大阪人」、昭和七年二月~四月、『中央公論』
  15. ^ 宮本慎也の2006年12月のブログより[要出典]
  16. ^ 札埜(2006)、p13-23
  17. ^ 札埜(2006)、p13-23。朝日新聞大阪本社社会部編『ごめんやす「おおさか弁」』(1994年、リバティ書房)からの引用。
  18. ^ 前田(1977)、45頁。
  19. ^ 「新生」1947年(昭和22年)1月
  20. ^ 千葉桂司. “歴史都心船場のことばを守り伝える活動をする『伝統を守る なにわの会』”. JUDI関西. 2009年4月9日閲覧。
  21. ^ 彭飛(1993)『大阪ことばの特徴』和泉書院 p.14
  22. ^ 文学作品にみられる船場言葉と河内弁:谷崎純一郎「細雪」今東光「悪名」より」『大阪教育大学附属天王寺中学校 自由研究』2016年。 
  23. ^ 堀井令以知(1995)『大阪ことば辞典』東京堂出版 p.76
  24. ^ 前田勇(1977)『大阪弁』朝日新聞社
  25. ^ 楳垣実(1955)『船場言葉』近畿方言学会
  26. ^ 前田(1977)、31-32頁。
  27. ^ 金水(2003)、82-83頁。
  28. ^ 金水敏 (2003), 役割語の不思議な世界, http://www.let.osaka-u.ac.jp/~kinsui/ronbun/nightessay.html 2008年5月4日閲覧。 
  29. ^ 牧村史陽『大阪ことば事典』講談社、1979年。ISBN 978-4-06-158658-1 
  30. ^ a b 名物編集者の「一人語り劇場」と大阪愛関西テレビFNNスーパーニュースアンカー」2010年12月22日放送
  31. ^ 金水(2003)、84-85頁。
  32. ^ 金水(2003)、85-91頁
  33. ^ 八編下、472頁。
  34. ^ 札埜(2006)、p24-25では「がめつい」という言葉自体『がめつい奴』に由来しているとしており、つまり菊田の造語であると説明している。
  35. ^ 金水(2003)、92-95頁。
  36. ^ 札埜(2006)、p33-34。「お笑いの言葉と大阪弁―吉本興業の力とは―」『日本語学』2004年9月号からの引用。
  37. ^ 金水(2003)、90頁。
  38. ^ 金水(2003)、95-98頁。
  39. ^ 日本経済新聞社「大阪の挑戦 快適ナンバー1都市をめざして」ISBN 4-532-14109-5
  40. ^ 【新聞に喝!】関西大学副学長・黒田勇 (1-2ページ)」、「【新聞に喝!】関西大学副学長・黒田勇 (2-2ページ)MSN産経ニュース2009年10月31日。リンク切れ。
  41. ^ 大阪の今を知るとっておきの3冊 現在と過去が二重写しに毎日jpブックウオッチング
  42. ^ 楳垣編(1962), 598-607頁。
  43. ^ 山口幸洋岸江信介大阪方言談話資料の分析:文法とアクセント」『言語文化研究』第10巻、2003年、ISSN 13405632 






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