大阪府立大学
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概観
大学全体
大阪府立大学は、2005年に旧大阪府立大学、大阪女子大学、大阪府立看護大学の3大学を統合し誕生した。現在、4学域13学類、7研究科を設置している。また近畿の大学で唯一の獣医学領域を設置している。学術情報センター図書館は大阪府民も利用することができる。
理念
日本のみならず世界の研究型大学の変革の起点となり、地域に信頼される知の拠点となるべき基本理念を表す言葉として、「高度研究型大学 ―世界に翔く地域の信頼拠点―」を掲げている。そのために「多様」「融合」「国際」という3つの視点を重んじている。
沿革
略歴
大阪府立大学は、2005年に大阪府立の3大学を統合し誕生した。その中の旧大阪府立大学は、1949年の学制改革に伴い誕生した新制浪速大学が1955年に改称したものである。大学の起源となる獣医学講習所が1883年に設置された事から、大阪府立大学は2013年を創基130年と位置づけている。
年表
統合以前
旧大阪府立大学
- 1883年 獣医学講習所を大阪府立大阪医学校(後の大阪大学)内に設置
- 1888年 大阪府立農学校(後の大阪獣医畜産専門学校)が堺市車之町で開校
- 1890年 大阪府立農学校が大阪市生野区勝山に移転する(勝山農学校と呼ばれた)
- 1925年 大阪府立農学校が堺市大仙町に再移転、広大な農地を確保する(現在の大仙公園)
- 1935年 大阪青年師範学校(※ 当時は「大阪府立青年学校教員養成所」)が大阪市天王寺区夕陽丘で[要出典]開校
- 1939年 官立大阪工業専門学校が堺市百舌鳥東之町(現在の中区中百舌鳥町)で開校
- 1943年 府立堺高等工業学校が開校
- 1944年 大阪農業専門学校が池田市神田町で開校。大阪府立青年学校教員養成所が師範学校令改正により大阪青年師範学校に改組(2月)、堺市百舌鳥西之町(現在の北区百舌鳥西之町)で開校[3]
- 1946年 府立堺高等工業学校が府立化学工業専門学校と改称
- 1949年 官立大阪工業専門学校・府立化学工業専門学校・大阪獣医畜産専門学校・大阪農業専門学校・大阪青年師範学校が母体となり、工学部・農学部・教育学部を擁する浪速大学が発足
- 1950年 短期大学部を設置
- 1953年 農業短期大学部を設置、それにともない「短期大学部」を工業短期大学部に変更
- 1954年 経済学部を設置
- 1955年 大阪府立大学に改称
- 1966年 農学部が堺市大仙町(後に大阪女子大学および大阪府立白菊高等学校となった場所)から現在の中百舌鳥キャンパス(堺市百舌鳥梅町[当時])に移転
- 1967年 教育学部を廃止し、教養部を設置
- 1977年 教養部を廃止し、総合科学部を設置
- 1981年 大阪社会事業短期大学と合併し、社会福祉学部を設置
大阪女子大学
- 1924年 大阪府東成郡天王寺村に大阪府女子専門学校が開校
- 1925年 大阪市住吉区に移転
- 1949年 大阪府女子専門学校を母体に大阪女子大学が発足、学芸学部を設置
- 1976年 堺市大仙町に移転
- 1999年 学芸学部を改組、人文社会学部・理学部を設置
大阪府立看護大学
- 1978年 大阪市住吉区帝塚山(大阪女子大学跡)に大阪府立看護短期大学が開学
- 1994年 大阪府立看護短期大学を母体として羽曳野市はびきのに大阪府立看護大学が開学し看護学部を設置、大阪府立看護短期大学は大阪府立看護大学医療技術短期大学部に改称
- 2003年 総合リハビリテーション学部を設置
大阪府立大学
- 2005年 上記の3大学を統合し発足。農学部が生命環境科学部に改称される
- 2006年 4月に大学設置者が公立大学法人大阪府立大学に移管される
- 2007年 4月に大阪市立大学と学術包括交流協定を締結
- 2008年 11月に大阪市立大学と共に関西大学と包括連携協定を締結
- 2009年 6月に理学部(現・生命環境科学域 理学類)が近畿大学薬学部との間で「学生交流協定」を締結
- 2010年 1月に京都産業大学と「教育研究連携協定」を締結
- 2012年 学部・学科を廃止し、4学域13学類による学域制に移行
- 2019年 4月に公立大学法人大阪府立大学が公立大学法人大阪市立大学と統合し、公立大学法人大阪が発足
- 2020年 6月に大阪市立大学と統合により、2022年 4月に開学する新大学の名称が「大阪公立大学」に決定
- 2021年 9月1日 正式に「大阪公立大学」が設置認可される
- 2022年 4月に大阪市立大学と統合(※ 合併ではない)、上記の新法人が運営する大阪公立大学が開学(新設)した(これに伴い大阪府立大学は2021年度入学生を以て募集停止となったが、在校生が卒業・修了するまでは大阪府立大学は存続[1])
基礎データ
所在地
象徴
- 校章は、大阪府の木であるイチョウの葉を3枚組み合わせたもの。旧府立3大学の統合によって誕生した現府大の発展をイメージしている。2005年4月1日制定。
- スクールカラーは、ウルトラマリンブルー。
- 白鷺門通りにある石の彫刻「process(プロセス)」は大学のシンボルとなっている。
- ^ a b 『次期 大阪市立大学及び大阪府立大学の学長予定者を決定』(PDF)(プレスリリース)公立大学法人大阪、2021年12月22日。 オリジナルの2022年5月7日時点におけるアーカイブ 。2022年5月7日閲覧。"大阪市立大学と大阪府立大学(以降「両大学」)は2022 年4 月に統合し、新たに大阪公立大学が開学いたしますが、両大学は、両大学の学生(現在の1 年次生以上)が在籍する間は引き続き存続いたします。"。
- ^ “令和4年度開設予定大学等一覧” (PDF). 文部科学省 (2021年8月27日). 2021年12月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年2月18日閲覧。
- ^ “大阪府立大学の沿革” (PDF). 大阪府立大学キャンパスガイド2021. 大阪府立大学. (2020年6月). pp. 87-88. オリジナルの2022年3月9日時点におけるアーカイブ。
- ^ http://www.osakafu-u.ac.jp/data/open/cnt/3/5951/1/teigen_20130118.pdf
- ^ 「平成28年度入試について」学長からのメッセージ
- ^ 新大学の実現に向けて 大阪市立大学
- ^ “新名称は「大阪公立大」 府・市立大統合で、22年開学:時事ドットコム”. 時事ドットコム. 2020年11月1日閲覧。
- ^ 2015年入学生用の知識情報システム学類のパンフレット[1]によると、システムデザイン分野、経済・経営分野、医療・教育分野がある。
- ^ 2015年入学生用の電気電子系学類のパンフレット[2]によると、ソフトウェアシステム研究グループ、情報ネットワーキング研究グループ、知能メディア処理研究グループ、知的信号処理研究グループ、並列分散処理研究グループ、社会情報学研究グループ、人間情報システム研究グループ、計算知能工学研究グループ、知的アルゴリズム研究グループがある。
- ^ 2015年入学生用の電気電子系学類のパンフレットによると、モータドライブシステム研究グループ、電気システム制御研究グループ、電力システム研究グループ、マネジメントシステム研究グループ、光機能システム研究グループ、光電波システム研究グループ、知的情報通信研究グループがある。
- ^ 2015年入学生用の電気電子系学類のパンフレットによると、量子物性研究グループ、ナノ光物性研究グループ、有機半導体工学研究グループ、ナノデバイス研究グループ、プロセス物理研究グループ、量子・光デバイス工学研究グループ、機能デバイス物性研究グループ、スピン物性研究グループ、量子物理学研究グループ、非線形動力学・複雑系研究グループ、固体物性研究グループ
- ^ 2015年入学生用の物質化学系学類のパンフレット[3]によると、分析化学研究グループ、無機化学研究グループ、物理化学研究グループ、電気化学研究グループ、物質創成化学研究グループ、有機機能化学研究グループ、合成高分子化学研究グループ、有機合成化学研究グループ、生体高分子化学研究グループ、環境化学研究グループ、分子認識化学研究グループ、児島研究室、西野研究室がある。
- ^ 2015年入学生用の物質化学系学類のパンフレットによると、微粒子工学グループ、資源工学グループ、装置工学グループ、反応工学グループ、分離工学グループ、材料プロセス工学グループ、クラスター制御工学グループがある。
- ^ 2015年入学生用の物質化学系学類のパンフレットによると、マテリアル設計最適化研究グループ、ナノテク基盤材料研究グループ、生体材料研究グループ、材料構造物性研究グループ、照射場マテリアル科学研究グループ、社会基盤材料研究グループがある。
- ^ 2015年入学生用の機械系学類のパンフレット[4]によると、航空宇宙学講座、航空宇宙システム講座があるとされる。
- ^ 2015年入学生用の機械系学類のパンフレットによると、材料力学研究グループ、機械設計工学研究グループ、機械生産工学研究グループ、バイオプロダクション工学研究グループ、機械計測工学研究グループ、システム制御学研究グループ、機械力学研究グループ、伝熱工学研究グループ、動力工学研究グループ、流体工学研究グループ、エネルギーシステム工学研究グループ、環境工学研究グループ、環境保全学研究グループがある。
- ^ 2015年入学生用の獣医学類のパンフレット[5]によると、「動物構造機能学分野」(統合生体学領域、統合バイオ機能学領域)、「獣医環境科学分野」(生体環境制御学領域、感染症制御学領域)、「獣医臨床科学分野」(先端病態解析学領域、高度医療学領域)がある。
- ^ 2015年入学生用のキャンパスガイド[6]によると、3年次から「食品安全科学プログラム」を開講。
- ^ 2015年入学生用のキャンパスガイドによると、2年次から獣医学類と共同で「食生産科学副専攻」を開講。
- ^ 2015年入学生用のキャンパスガイドによると、2015年入学生用の自然科学類のパンフレット[7]によると、分野には、「分子創製科学分野」(有機反応化学研究室、有機合成化学研究室、物理有機化学研究室)、「分子創製科学分野」(有機金属化学/錯体化学研究室、マイクロ化学/生体触媒化学研究室、機能分子設計学研究室、機能物質科学研究室)、「分子解析科学分野」(理論化学研究室、物理化学研究室、計算化学研究室)がある。
- ^ 2015年入学生用の自然科学類のパンフレットによると、領域には、「生体分子科学領域」、「分子細胞生物学領域」、「生物環境科学領域」がある。
- ^ 2015年入学生用の看護学類のパンフレット[8]によると、専門科目は、「基礎看護学領域」、「療養支援看護学領域」、「生活支援看護学領域」、「家族支援看護学領域」、学域共通科目、「看護の統合と実践」に区分される。
- ^ 分野は、2015年入学生用のキャンパスガイドによる。
- ^ 2014年度に生命機能化学分野、生物情報科学分野、植物バイオサイエンス分野を統合。応用生命科学専攻および緑地環境科学専攻の博士前期課程の学生募集要項(2014年秋および2015年春入学生用)[9]、博士後期課程の学生募集要項(2014年秋および2015年春入学生用)[10]によると、領域として、環境資源化学、生体分子機能学、分子情報化学、細胞情報化学、生物情報工学、植物遺伝子科学、植物開発科学がある。
- ^ 応用生命科学専攻および緑地環境科学専攻の博士前期課程の学生募集要項(2014年秋および2015年春入学生用)、博士後期課程の学生募集要項(2014年秋および2015年春入学生用)によると、領域として、環境モニタリング・制御学、緑地保全・創成学がある。
- ^ 獣医学専攻の学生募集要項(2014年秋および2015年春入学生用)[11]によると、領域として、統合生体学、統合バイオ機能学がある。
- ^ 獣医学専攻の学生募集要項(2014年秋および2015年春入学生用)によると、領域として、生体環境制御学、感染症制御学がある。
- ^ 獣医学専攻の学生募集要項(2014年秋および2015年春入学生用)によると、領域として、先端病態解析学、高度医療学がある。
- ^ 情報数理科学専攻の概要[12]によると、領域として、基礎数理学、情報数理学、情報科学がある。なお、これらは、大阪府立大学大学院理学系研究科規程で定められていない。
- ^ 物理科学専攻の概要[13]によると、分野として、物性物理学、宇宙物理学、地球科学がある。なお、これらは、大阪府立大学大学院理学系研究科規程で定められていない。
- ^ 分子科学専攻の概要[14]によると、分野として、分子創製科学、分子機能科学、分子解析科学がある。なお、これらは、大阪府立大学大学院理学系研究科規程で定められていない。
- ^ 生物科学専攻の概要[15]によると、領域として、生体分子科学領域(分野:構造生物学、生命化学、光生体制御科学、生体分子論)、分子細胞生物学領域(分野:細胞組織工学、分子生物学、細胞生物学、分子細胞遺伝学、放射線生物学)、生物環境科学領域(分野:植物環境生理学、生物多様性科学、数理生態学)がある。なお、これらは、大阪府立大学大学院理学系研究科規程で定められていない。
- ^ 分野、コースの構成は、2015年入学生用の博士前期課程の学生募集要項(一般選抜、外国人留学生特別選抜)[16]による。学習プログラムは、2015年入学生用の博士前期課程の学生募集要項(社会人特別選抜)[17]による。
- ^ a b 社会人が対象、講義はサテライト教室
- ^ 2013年4月新設、社会人が対象、講義はサテライト教室
- ^ 分野、コースの構成は、2015年入学生用の博士前期課程の学生募集要項[18]による。
- ^ 2015年入学生用の博士前期課程の学生募集要項[19]、2015年入学生用の博士後期課程の学生募集要項[20]
- ^ 領域、分野の構成は、大阪府立大学大学院看護学研究科規程による。
- ^ 領域は、大阪府立大学大学院総合リハビリテーション学研究科規程による。
- ^ 教員組織
- ^ a b 大阪府立大学学則、大阪府立大学大学院学則ではなく、大阪府立大学大学院人間社会学研究科規程で設置について定められている。
- ^ 大阪府立大学学則、大阪府立大学大学院学則ではなく、大阪府立大学大学院看護学研究科規程で設置について定められている。
- ^ a b c http://www.osakafu-u.ac.jp/affiliate/21c/index.html
- ^ 森本茂雄「大阪府立大学EV 開発研究センターの紹介」『パワーエレクトロニクス学会誌』第37巻、パワーエレクトロニクス学会、2012年、217-220頁、doi:10.5416/jipe.37.217、ISSN 1348-8538、NAID 130004940296。
- ^ “TGMY EV Himiko”. 株式会社TGMY. 2021年1月14日閲覧。
- ^ キャンパス ストリート名
- ^ a b 企業の人事担当者から見た大学イメージ調査 『就職力ランキング 総合1位は北海道大学』上位を国公立が占める|日経HR 2020.06.03 release
- ^ 日本の大学数は781 私立大学が約8割!「2020年度 日本の大学データ」より|旺文社
- ^ 小樽ジャーナル
- ^ 週間ダイヤモンド「大学出世ランキング」
- ^ 週刊ダイヤモンド「出世できる大学」 神戸商科大学は5位、大阪市立大学は27位 大阪府立大学は14位
- ^ 大学数・学生数|国立大学協会
- ^ 週刊ダイヤモンド 出世できる大学ランキング
- ^ 日本の人口推移と大学数の推移|大学改革 参考資料 平成30年2月 内閣官房人生100年時代構想推進室 14/17頁
- ^ 「有名大学卒ほど出世しやすい」はもはや昔の話?小樽商科、滋賀、大阪市立――地方の意外な実力校|週刊エコノミスト(2010年8月31日号)より
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