大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/01/05 14:02 UTC 版)
法務・検察当局の対応
処分
法務大臣・柳田稔は、下記のとおり処分を行った(官職名はいずれも当時)。
懲戒免職
減給
- 大阪高検次席検事・玉井英章[注釈 11] 減給6ヶ月、100分の10
- 大阪地検検事正・小林敬 減給4ヶ月、100分の10
- 福岡高検検事長・三浦正晴[注釈 12] 減給1ヶ月、100分の10[注釈 13]
- 大阪地検検事・國井弘樹 減給1ヶ月、100分の10
戒告
- 京都地検検事正・太田茂[注釈 14]
訓告
人事の動き
上記の処分を受け、福岡高検検事長の三浦、大阪地検検事正の小林、大阪高検次席検事の玉井の3人が依願退官し、検事総長・大林宏も、法務大臣・柳田稔から「検察の信頼は地に墜ちた。信頼回復に向けてリーダーシップを発揮してほしい」と口頭での注意を受け、その後謝罪会見を開き[26]、12月に辞任した。
同年11月には、減給処分を受けた大阪地検検事・國井弘樹が捜査現場から外され法務省法務総合研究所教官に、障害者郵便制度悪用事件当時の大阪地検特捜部副部長で、名古屋地検特捜部長の田中素子が大阪地検交通部長に、改竄報告を受けながら公判を継続した大阪地検公判部長の谷岡賀美が大阪高検検事に、それぞれ異動となり、体制の刷新が図られた[27]。
2010年10月には、大阪地検検事・國井弘樹が、証拠の改竄を打ち明けられたのに放置していたことについて、市民からの申し出を受け、検察官適格審査会の審査にかけられた。2013年3月12日に不適格とは認められないと議決して、國井の不罷免が決定された。また、市民からの申し出があった他4人の現職検事を審査にかけないことを決定した。
諮問会議の設置
同年11月10日、前法務大臣で弁護士の千葉景子を座長とする「検察の在り方検討会議」が、法務大臣の私的諮問機関として設置された。
注釈
- ^ 過去に上級庁が身柄拘束をした上で直接捜査を担当した例としては、東京高等検察庁が1957年の売春汚職事件で「2人の代議士を収賄容疑で召喚」と誤報した読売新聞記者を名誉毀損罪で逮捕・取調べをしたことがある。
- ^ 福井地方検察庁検事正や東京地方検察庁特捜部長を歴任
- ^ 岐阜地検検事正などを歴任
- ^ 金沢地検検事正などを歴任
- ^ 大阪地検特捜部長の後、京都地検次席検事。逮捕の1時間前に大阪高検総務部付に異動
- ^ 大阪地検特捜部副部長の後、神戸地検特別刑事部長。逮捕の1時間前に大阪高検総務部付に異動
- ^ この事件の発覚時は京都地検次席検事
- ^ この事件の発覚時は神戸地検特別刑事部長
- ^ 大阪地検特捜部長の後、京都地検次席検事。逮捕の1時間前に大阪高検総務部付に異動
- ^ 大阪地検特捜部副部長の後、神戸地検特別刑事部長。逮捕の1時間前に大阪高検総務部付に異動
- ^ 前職は大阪地検次席検事
- ^ 前職は大阪地検検事正
- ^ 検事長については内閣が人事権を持つため、減給100分の10の処分の内閣への伝達を行った。
- ^ 前職は大阪高検次席検事
出典
- ^ 【押収資料改竄】証拠隠滅容疑で大阪地検特捜部主任検事を逮捕 郵便不正事件で 産経新聞 2010年9月21日閲覧
- ^ 『権力 VS.調査報道』に調査担当記者への詳細インタビューあり。
- ^ 特集・地検改ざん疑惑朝日新聞
- ^ “郵便不正事件、検事が押収データを改ざんした疑い”. 読売新聞. (2010年9月21日). オリジナルの2010年9月24日時点におけるアーカイブ。
- ^ “郵便不正事件:「非常におそろしい」弁護側が徹底解明要求”. 毎日新聞. (2010年9月21日). オリジナルの2012年7月10日時点におけるアーカイブ。
- ^ 鳥取地方検察庁検事正や東京地方検察庁特捜部副部長を歴任
- ^ 主任検事を証拠隠滅容疑で逮捕(TBS Newsi)2010年9月21日閲覧[リンク切れ]
- ^ “最高検「検察の信頼回復に努める」…検事逮捕”. 読売新聞. (2010年9月21日). オリジナルの2010年9月23日時点におけるアーカイブ。
- ^ 毎日新聞web9月23日(木)21時23分
- ^ “元高検部長が検事正ら4人告発 犯人隠避容疑で”. 共同通信. (2010年9月27日) 2011年12月16日閲覧。
- ^ 東京新聞2010年9月28日 13時56分
- ^ 2010/10/18 日本経済新聞
- ^ 『読売新聞』2010年9月24日朝刊、1面、35面。
- ^ 同僚に“書き換えた可能性”NHK総合「NHKニュース7」 2010年9月22日放送[リンク切れ]
- ^ “FD日付改ざん組織的隠ぺいか 地検幹部に報告 逮捕の検事”. 共同通信. (2010年9月22日) 2011年12月16日閲覧。
- ^ “前田検事、故意の改ざん認める 最高検調べ、供述一転”. 朝日新聞. (2010年9月23日) 2011年12月16日閲覧。
- ^ 産経2010.9.23 02:00、2010/09/23 01:59 【共同通信】
- ^ a b 朝日新聞、2010年10月2日、東京版朝刊、1,39面。
- ^ 朝日新聞、2010年10月3日、東京版朝刊、1面。
- ^ 朝日新聞、2010年10月4日、東京版朝刊、1面。
- ^ 朝日新聞、2010年12月15日、東京版朝刊、1面。
- ^ a b 朝日新聞、2010年12月25日、東京版朝刊、1面、35面。
- ^ “大阪地検犯人隠避、元部長らに懲役1年6月求刑”. 読売新聞. (2011年12月15日) 2011年12月16日閲覧。
- ^ 元特捜部長らに有罪判決 大阪地裁 産経新聞 2012年3月30日閲覧
- ^ “元特捜部長ら二審も有罪 FD改ざん事件、大阪高裁判決”. asahi.com (2013年9月25日). 2013年9月25日閲覧。
- ^ 2010年10月21日16時28分 読売新聞
- ^ 佐賀新聞2010年11月04日、産経新聞2010.11.4
- ^ 検事を刑事告発へ=朝鮮総連事件で偽証の疑い時事通信2010年9月21日[リンク切れ]
- ^ “朝鮮総連巡る事件で「虚偽証言」、前田検事を刑事告発へ”. 朝日新聞. (2010年9月22日). オリジナルの2010年9月25日時点におけるアーカイブ。
- ^ 「謎が謎を呼ぶ、この展開」(八木啓代のひとりごと 2010年11月5日)
- ^ 告発状全文(救援連絡センターブログ)
- ^ 2010年11月1日 刑事告発を行い、11月3日付で受理されました同市民の会公式サイト 2010年11月11日
- ^ 101101健全な法治国家のために声を上げる市民の会_インタビュー(Ustream動画42分13秒)
- ^ “障害者郵便割引不正:証拠改ざん 職権乱用の容疑、元検事不起訴に”. 毎日新聞. (2010年12月25日). オリジナルの2012年7月11日時点におけるアーカイブ。
- ^ (12月24日付不起訴の)処分通知書(Twipic, posted by nobuyoyagi 2010年12月25日)
- ^ “郵便不正事件で無罪の村木さん、国家賠償を提訴”. 読売新聞. (2010年12月27日). オリジナルの2010年12月30日時点におけるアーカイブ。
- ^ 八木啓代のひとりごと: 検審への長い道・前編 後編
- ^ 岩上安身オフィシャルサイト: 健全な法治国家のために声をあげる市民の会 2011年1月11日(インタビュー動画)
- 大阪地検特捜部主任検事証拠改ざん事件のページへのリンク