増山江威子 エピソード・人物

増山江威子

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 18:58 UTC 版)

エピソード・人物

宝塚歌劇団の大ファンであり、2010年代は宝塚に住んでいた時期があった[18]

同年代の仲間からは「トンチさん」と呼ばれることが多い。井上真樹夫によると、本名が「トモコ」であるため、かなり早い時期からそう呼ばれていたという[19]

アニメソングの歌唱も数多く担当していた。これは『ひょっこりひょうたん島』で出会った宇野誠一郎が増山をよく起用するようになったためで、当初は「私でいいの?」と思ったが、現在では「とてもうれしいことだった」と回想している[7]

近年の声優志望の人に対しては、読む時にキャラクターを想像することで役作りに生かせるため、様々な本を読むことが大事だと発言している[7]

仕事に対する姿勢

アニメのアフレコの際は「絵が主役」であり、「絵があるからこそ声もピッタリ合う」との考えを持っている。また、絵がないと演じてきた色々なキャラクターの声が混ざってしまうので、絵もなく突然「○○の声をやって下さい」と言われるのは苦手だと発言している[7]

アニメのアフレコの際に絵がほとんど入らないことに苦言を呈している。ある作品ではこのことが原因で台詞を入れ忘れたように見えるシーン[注 2]が完成してしまった他、絵と演技が一致しない場面が放送され「何で増山さんは何年もやってるのにこれ(演技)が出来ないのか」と投書が来てしまい、現場に「恥はかきたくない」「何とか収録時には絵が欲しい」と頼んだこともあるという[20]

以前はテレビ番組のゲスト出演など顔出しの出演も多かったが、近年は「みんなの知ってる私の声はハニーや不二子などの若い声。そんな若いキャラクターのイメージを壊したくない」という理由で顔出しをあまり好んでおらず[7]、『大胆MAP』では顔出しを拒否するような発言もしている[13]。ただし、同番組ではアフレコをしている様子を遠目で録るという条件で承諾し出演した。2019年9月21日放送のNHK BSプレミアム『セカンドの美学』でも同様に顔を映さないことを条件にインタビュー出演した[21]

キューティーハニー

1973年放送の『キューティーハニー』で、初代ハニーの声を担当。リメイクである『キューティーハニーF』では友情出演として、神崎美津子の声を担当した。

増山によると、それまでは可愛らしい役柄を演じることが多かったため、ハニーはセクシーな役を担当するようになる転機だったという[22]。また、ハニーはアンドロイドであることを意識して演じていたため、脱いでも「いやらしい」と思ったことはなかった[7]

2005年に再びハニーを演じた際は、「こんないい作品に出会えたということはそれだけで嬉しいものですね」とコメントしている[23]

峰不二子

1977年の『ルパン三世 (TV第2シリーズ)』より、峰不二子役を沢城みゆきに交代する2011年まで長年にわたり演じた。

元々、2本製作された『ルパン三世 パイロットフィルム』では増山が不二子を演じており『ルパン三世 (TV第1シリーズ)』にも参加予定だったが、実際に放送されると録音監督の田代敦巳から謝罪があり、何故か不二子役が二階堂有希子に代わっていたという[24]。一方、『TV第1シリーズ』の演出を担当したおおすみ正秋はこのことに関して後に「ルパンが不二子に挑みかかる場面があるんですよ。ところがその場面になるとシーンとしちゃって」「『どうしたの?』って聞くと『どうしてもできません』って」と、増山がお色気シーンをできなかったため仕方なく変更したと発言している[25]。その後、第14話「エメラルドの秘密」でキャサリン・マーチン役としてゲスト出演、キャサリンは前述の二階堂演じる不二子と頻繁に会話を交わしており、初代・二代目両不二子声優による共演回となっている。

その後も不二子への思いが強かった増山は、『TV第2シリーズ』放送前のオーディションに参加[注 3]。見事不二子を担当することになったという[7][26]

『パイロットフィルム』が一般に知られていなかった当初は、「何故不二子が二階堂さんじゃないんだ」という抗議の投書が殺到。しかし日本テレビのスタッフからこれを聞いた増山は、「どうあがいても二階堂さんにはなれないから、私の持ち味でやるしかない」と発奮して演じ続けたという[12]

増山は「不二子はすべての理想を兼ね備えた女性であり、いつも憧れている」と語っており[27]、不二子のファンは女性が圧倒的に多いと語っている[26]。ルパンについては、裏切っても不二子のことを想う所が「男性の可愛さみたいで、好きですネ」と語っている[28]。自身が演じた中で思い出深いルパン作品には『ルパン三世 カリオストロの城』を挙げている。

長年共演してきたレギュラー声優陣について、プライベートでも頻繁に交流があったと思われがちだが、増山曰く「実際には私語も少なくみんなバラバラで大人の関係。ただし、目的が一緒だとバッとまとまる」という、本当に演じるキャラクターのような関係だったという[7]

2019年に原作者のモンキー・パンチが亡くなった際は、「役者は作品との出会いが全てです。私の財産となった『峰不二子』に出会えたこと。モンキー・パンチ先生に感謝しています」とコメントしている[29]

バカボンのママ

天才バカボン』はこれまでに5回テレビアニメ化されているが、主要キャストが変わる中、バカボンのママだけは4作目『レレレの天才バカボン』まで一貫して増山が演じていた[注 4]。これは原作者である赤塚不二夫の希望であり、4回目のTVアニメ化に際して、赤塚からの唯一の希望が「ママの声だけは(増山から)変えないで欲しい」だったという[13][注 5]

増山は私生活でも母親だったことから、今でもママを「私そのもの」だと思っているという。また、初めてママの絵を見た際「私、絶対ピッタリだわ」と思ったという[7]

ある番組の収録で青梅赤塚不二夫会館へ行った際、壁に様々な赤塚のコメントが貼ってある中で実際に「ママは絶対増山さんじゃなきゃダメだ」と書かれているのを見つけた時は、「自分が勝手に言ってる訳ではなく、本当に原作者である先生に認められていた」という気持ちでとてもうれしかったという[7][30]

初代パパの声優だった雨森雅司について「もうね、普段の雨さんもバカボンのパパみたいなの」と語り、後任のパパ役は役を作らないと演じられない中、雨森は「持っているものそのもの」で演じていたと発言している[31]


注釈

  1. ^ 姉の夫。当時児童新聞に関する仕事をしており児童劇団とも交流があった。
  2. ^ 笑っている絵に笑い声がなかったという。そのため、後にインタビューで「当日でも呼んで下さればよかったのに」と発言している。
  3. ^ 『TV第2シリーズ』では、不二子の担当声優を変更することを日本テレビから要求されていた。このことは、飯岡順一の著書『私の「ルパン三世」奮闘記 アニメ脚本物語』で語られている。
  4. ^ ただし、第一作において1回だけ(第70話「パパとママがケンカをしたのだ」)増山に代わり北浜晴子が演じている。
  5. ^ 原作者死去後に制作された『深夜!天才バカボン』では日髙のり子が担当している。
  6. ^ 特定の名前は設定が無いものの、崩壊に巻き込まれそうになった始を助けて1000年女王(弥生)の元へ導いたり、弥生の遺体を入れた棺を引いて歴代女王たちと共にラーメタルに向かって帰星する直前にラーメタル人を代表して始に励ましと希望の言葉をかけるなど、戦闘には加わらないが要所要所で重要な役割を担っている。

出典

  1. ^ 『声優名鑑』成美堂出版、1999年、262頁。ISBN 4-415-00878-X
  2. ^ a b c 増山江威子 のプロフィール - allcinema”. 2019年7月31日閲覧。
  3. ^ 増山 江威子 – seigura.com”. 2019年7月31日閲覧。
  4. ^ a b c 青二プロダクション 増山 江威子”. 2019年7月31日閲覧。
  5. ^ a b 増山 江威子”. タレントデータバンク. 2020年6月11日閲覧。
  6. ^ a b 増山 江威子|株式会社青二プロダクション”. 2020年6月11日閲覧。
  7. ^ a b c d e f g h i j 2017年6月『NHK ラジオ深夜便 時代を創った声』出演時の発言より
  8. ^ 増山江威子 2019, p. 4-9.
  9. ^ 『日本放送年鑑'68』p.732
  10. ^ 増山江威子 2019, p. 10.
  11. ^ 増山江威子 2019, p. 13.
  12. ^ a b 神谷明「増山江威子」『みんな声優になりたかった 神谷明と25人の声優たち』主婦の友社、1994年1月6日、193-202頁。ISBN 4-07-214333-2
  13. ^ a b c d 【声優の履歴書】第53回 『ルパン三世』シリーズの峰不二子(2代目)を演じた・増山江威子 - リアルライブ
  14. ^ TAAF2017「アニメ功労部門」顕彰者決定
  15. ^ 第十五回 声優アワード | //声優アワード//Seiyu Awards//”. www.seiyuawards.jp. 2021年3月15日閲覧。
  16. ^ 『声優の世界-アニメーションから外国映画まで』朝日ソノラマファンタスティックコレクション別冊〉、1979年10月30日、102頁。
  17. ^ 増山江威子 2019, p. 39.
  18. ^ 増山江威子 2019, p. 49-51.
  19. ^ 本人のツイートより(2019年3月27日)
  20. ^ 増山江威子 2019, p. 48.
  21. ^ “NHK「セカンドの美学」で峰不二子特集、増山江威子&沢城みゆきが魅力を語る”. コミックナタリー (Natasha). (2019年9月18日). https://natalie.mu/comic/news/348004 2019年12月7日閲覧。 
  22. ^ ルパン三世DVDコレクション 7 2015年 05/05 号
  23. ^ 超豪華5大特典付で「Re:キューティーハニー コンプリートDVD」発売
  24. ^ 増山江威子 2019, p. 33.
  25. ^ 「ルパン三世連載開始35周年記念スペシャル企画!モンキー・パンチ、大塚康生、おおすみ正秋、納谷悟朗、特別対談」『ルパン三世officialマガジン』、双葉社、2002年8月。
  26. ^ a b ルパン三世 Master File』THE PERFORMERS -その声の魅力- より
  27. ^ ルパン三世 くたばれ!ノストラダムス』映画パンフレットより
  28. ^ ルパン三世 バビロンの黄金伝説』映画パンフレットより
  29. ^ 「親であり戦友でした」 "ルパン"たちが追悼 - 日本経済新聞
  30. ^ 増山江威子 2019, p. 36.
  31. ^ 『僕らを育てた声 増山江威子編』 アンド・ナウの会、2019年[要ページ番号]
  32. ^ ジャングル大帝 進めレオ!”. 手塚治虫公式サイト. 2016年6月8日閲覧。
  33. ^ ハリスの旋風”. メディア芸術データベース. 2016年10月25日閲覧。
  34. ^ 天才バカボン”. メディア芸術データベース. 2016年11月8日閲覧。
  35. ^ 魔法使いチャッピー”. 東映アニメーション. 2016年6月16日閲覧。
  36. ^ キューティーハニー”. 東映アニメーション. 2016年5月23日閲覧。
  37. ^ 小さなバイキングビッケ”. メディア芸術データベース. 2016年12月7日閲覧。
  38. ^ アラビアンナイト シンドバットの冒険”. 日本アニメーション. 2016年6月3日閲覧。
  39. ^ 一休さん”. 東映アニメーション. 2016年5月23日閲覧。
  40. ^ 少年徳川家康”. 東映アニメーション. 2016年5月23日閲覧。
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  60. ^ “ルパン三世 1$マネーウォーズ”. トムス・エンタテインメント. http://www.tms-e.co.jp/search/introduction.php?pdt_no=466 2016年5月2日閲覧。 
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  63. ^ “ルパン三世 お宝返却大作戦!!”. トムス・エンタテインメント. http://www.tms-e.co.jp/search/introduction.php?pdt_no=469 2016年5月2日閲覧。 
  64. ^ “ルパン三世 盗まれたルパン 〜コピーキャットは真夏の蝶〜”. トムス・エンタテインメント. http://www.tms-e.co.jp/search/introduction.php?pdt_no=470 2016年5月2日閲覧。 
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  68. ^ “ルパン三世 SWEET LOST NIGHT ~魔法のランプは悪夢の予感~”. 金曜ロードショー. https://web.archive.org/web/20080705183530/http://www.ntv.co.jp/kinro/lineup/20080725/index.html 2016年5月2日閲覧。 
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  70. ^ “ルパン三世 the Last Job”. 金曜ロードショー. https://web.archive.org/web/20100102071114/http://www.ntv.co.jp/kinro/lineup/20100212/index.html 2016年5月2日閲覧。 
  71. ^ アンデルセン物語”. メディア芸術データベース. 2016年10月29日閲覧。
  72. ^ a b c d e f g h “作品データ”. ルパン三世NETWORK. オリジナルの2016年4月20日時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20160420200256/http://www.lupin-3rd.net/sakuhin_ova.html 2016年5月2日閲覧。 
  73. ^ アニメ「暗黒家族 ワラビさん」7月配信、山田孝之らが愚かな一家を演じる(動画あり) - コミックナタリー” (2021年7月7日). 2021年7月7日閲覧。


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