地質時代 地球環境の変遷

地質時代

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/12/15 21:46 UTC 版)

地球環境の変遷

顕生代後半の大陸の推移 左上より
ペルム紀末頃(2.25億年前) - 三畳紀末頃(2億年前) - ジュラ紀末頃(1.5億年前) - 白亜紀末頃(6500万年前) - 現在

地球誕生以来、多くの重大事象が起き、初期の地球環境はかなり極端であったと予想されている。45.5億年前のが出来る原因となったと思われる天体との衝突があり、地球の自転速度は月誕生直後では一日が5-8時間で、月は地球から1.5-2万キロ(現在は38万キロ)と近くにあり[15][16]、非常に大きな潮汐力であった。その後徐々に1日が長くなると同時に、月が離れていった[17]。(8.5億年前頃(新原生代)には一日は20.1時間で一年は435日であった[18]。) 41億年前から38億年前の間には後期重爆撃期と呼ばれる多くの天体衝突があり、初期の地球環境は何度も破壊された。以降も直径10㎞を超える小惑星を含めた隕石衝突があり環境を激変させた。

地球誕生直後はマグマで覆われていたが、比較的早期に冷えて固まり42億年前には既に海洋が形成されていた事が、発見された岩石情報から推定されている[19]。40億年前(太古代の初め)には地温勾配は現在の3倍程で、25億年前には2倍程になり[20]、地球が冷え地殻が形成され、マントルの対流により超大陸の形成分裂が繰り返され、火山活動・造山活動もそれに伴い引き起こされた。25億年前にはそれまでの海底での火成活動から、大規模な陸上での火山活動が起きた。

太陽の明るさは40億年前には現在の70-75%と冷たい太陽であったが[21]、温室効果ガスによると考えられ気温は現在とほぼ同じであった[22]地磁気は32億年前には現在の50%ぐらいで初期の地球大気を太陽風から守っていた[23]。地磁気の逆転は何度も起きている。幾度もの氷河時代が訪れており特に強い氷河時代には赤道付近まで凍結する雪玉地球の状態であったと推定されている。これらの気候変動により数百メートルの幅で海水準変動が起きた。

酸素濃度の推移。
地質時代のほぼ中間で大酸化イベントと呼ばれる大量の酸素放出が起き、それまでの還元環境から酸化環境となり、好気性生物の出現、その後の生物の陸上進出を可能にした。

また地学的事象との複合作用であるが、生物起源の地球環境の変化も起きており、その最たるものが24.5-18.5億年前の大酸化イベントと呼ばれる遊離酸素の大量供給である。推定では現在の大気中の酸素の約10倍の酸素がこの期間に供給され[24](数倍から20倍とも[25])、様々な酸化物を生成すると同時に大気中の酸素濃度がゼロから現在の10%[26](1%とも[27])以上になった。8-3億年前にも大気中酸素濃度の急上昇が起きており石炭紀末には最大で現在の1.7倍になったと考えられている[26]。 約4億8830万 - 4億4000万年前頃にオゾン層が形成され生物の陸上進出が可能となる。




  1. ^ 地質学のスケールで
  2. ^ アメリカ地質調査所(USGS)作成のこの図は一般向け広報資料で、地質時代区分と基底年代は最新の情報ではない。更新依頼がUSGSに出されてはいる。英版のノートより。
  3. ^ 発表当時は残留磁場の異常は落雷によるものと見なされており、松山の発表は全く注目されなかった。松山の没後、海洋底の磁場測定結果から地磁気逆転が頻発していたことが判明し、海洋底拡大 - 大陸移動説 - プレートテクトニクスへと繋がる。松山が発見した磁気逆転期は松山‐ブリュンヌ逆転と名付けられた。
  4. ^ 地質年代の日本語名称については、JIS A 0204:2012「地質図-記号,色,模様,用語及び凡例表示」により、表記法が定められている[32][33]。それによると、地質時代の名称は、同規格の表7に示された名称を用いるが、表7に示されていない世及び期については、対応する英文名の読みをそのままカタカナで書き下ろし、その後ろに時代の単位を添えて表示する、としている。
  5. ^ 英語の記事では公式の色では読みづらいからと少数の議論参加者の多数決の結果独自の色の使用が始まっている。日本語版では整合性を保つため、公式の色を採用する。よって英語版の地質時代関連の記事の邦訳掲載に際しては、色使用がある場合は日本語版で使用のものと同一か確認が必要である。なお英語版による色記述がRGBコードやウェッブカラーの直書きでは無くTemplate:Period_colorによるものであれば、色コードを日本語版のマスターデータから引いてくるので統一性は保たれる。
  6. ^ 白亜紀以前は省略
  7. ^ 例えば「第三紀」の再定義による呼称の廃止は20世紀末期から議論され、2008年頃に正式に公式用語から除外されたが、10年後の2018年でも「第三紀(Tertiary)」の表記は主に図表を中心に残っている。また2018年7月にはArcheanの和名をArcheozoic由来の「始世代」から「太古代」に改訂されたが、教科書・専門書などを含めた書籍情報の更新には時間を要する。図表などへテキストが画像として書き込まれている場合は「検索・置換」では処理出来ないため、それらの図表の作り直しが必要となる。
  8. ^ 後述の13年以降の改訂履歴に記録のあるバージョンの中には記載されていないバージョンもある。
  1. ^ 「始生代」の新名称、日本地質学会が2018年7月に改訂
  2. ^ 基底年代の数値では、この表と本文中の記述では、異なる出典によるため違う場合もある。
  3. ^ 基底年代の更新履歴
  4. ^ 百万年前
  5. ^ kotobank https://kotobank.jp/word/%E6%AD%B4%E5%8F%B2%E6%99%82%E4%BB%A3-661448#E3.83.87.E3.82.B8.E3.82.BF.E3.83.AB.E5.A4.A7.E8.BE.9E.E6.B3.89 「歴史時代」]
  6. ^ kotobank 「地質時代」
  7. ^ kotobank 「歴史」
  8. ^ kotobank 「先史時代」
  9. ^ kotobank 「地質年代」
  10. ^ 地質時代区分と絶対年代”. 滋賀県立琵琶湖博物館. 2013年1月20日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。
  11. ^ 鹿児島県地学会 「地質時代」 閲覧2012-4-7
  12. ^ a b Dino Club 「自然の認識と産業革命」
  13. ^ 掛川武「太古代海洋における硫酸還元菌の活動と生息環境 (PDF) 」 、『地学雑誌』第112巻第2号、2003年、 218-225頁、2012年10月18日閲覧。
  14. ^ 兼岡一郎 (2011) 「地質年代表における年代数値」日本地質学会、閲覧2012-5-31
  15. ^ 知泉Wiki 「だんだんと遅くなる地球」 閲覧2012-10-26、仮リンク-参考情報
  16. ^ 国立天文台 「Q&A 昔の月は近かった」 閲覧2012-10-26、仮リンク-参考情報
  17. ^ 国立天文台 「Q&A 月がなぜ離れていく」
  18. ^ 葛生化石館 「最古の化石 ストロマトライト」 閲覧2012-10-26
  19. ^ 大阪市立自然史博物館 「地球と生命の誕生」
  20. ^ Stanley, Steven M. (1999). Earth System History. New York: W.H. Freeman and Company. pp. 297–301. ISBN 0-7167-2882-6
  21. ^ ネイチャー Nature Japan 「気候: 冷たい太陽」閲覧2012-6-21
  22. ^ Nature Japan 「始生代初期の微生物によるメタン生成に対する流体包有物からの証拠」閲覧2012-6-21
  23. ^ Nature Asia 「ケイ酸塩単結晶に記録された32億年前の地球磁場強度」閲覧2012-6-21
  24. ^ 惑星科学研究センター「大気の進化と酸素」 (PDF) 閲覧2012-6-21
  25. ^ 東京大学大学院・新領域創成科学研究科・杉田研究室「全球凍結(スノーボールアース)と酸素大気の形成」閲覧2012-6-21
  26. ^ a b Heinrich D Holland王立協会 The oxygenation of the atmosphere and oceans (PDF) 閲覧2012-6-21
  27. ^ 東京大学大学院新領域創成科学研究科「酸素は地球にいつどのように登場したのか -酸素大気形成のタイミングとメカニズムを解明-」閲覧2012-6-21
  28. ^ 岩手県立総合教育センター 「地質時代」 閲覧2012-4-7
  29. ^ 国際層序委員会 (ICS) International Stratigraphic Chart (PDF) 閲覧2015-05-25
  30. ^ 日本地質学会 「International Chronostratigraphic Chart (国際年代層序表) v2018/07」
  31. ^ 日本地質学会 「地質系統・年代の日本語記述ガイドライン 2015年4月改訂版」 閲覧2015-10-29
  32. ^ 日本工業規格 JIS A 0204:2012 地質図-記号,色,模様,用語及び凡例表示
  33. ^ 日本地質学会 「JISに定められた地質年代の日本語表記」閲覧2014-12-30
  34. ^ 世界地質図委員会 (CGMW) Geologic Time Scale 2008 閲覧2012-5-27
  35. ^ パデュー大学 Engineering Standard Color Codes for the Geological Time Scale
  36. ^ 鹿野和彦、星住英夫、巖谷敏光、酒井彰、山元孝広、牧本博、久保和也、柳沢幸夫 et al.「地質図に用いる用語,記号,模様,色及び凡例の表示に関する基準とその解説 (PDF) 」 、『地質調査所月報』第51巻第12号、地質調査総合センター2000年、 657-678頁、2012年6月3日閲覧。
  37. ^ 琵琶湖博物館「日本列島の成立」 閲覧2012-4-21
  38. ^ 化石のこばなし 生物の大量絶滅—P/T境界とK/Pg境界”. 第42回特別展大化石展. 大阪市立自然史博物館 (2011年). 2017年5月24日閲覧。
  39. ^ kotobank - 小学館・日本大百科全書(ニッポニカ) 「第三紀」
  40. ^ 日本地質学会 「第四紀下限変更に伴う諸問題検討に関する報告」
  41. ^ a b c 日本地質学会 「地質系統・年代の日本語記述ガイドライン_改訂履歴」
  42. ^ 日本地質学会 JISに定められた地質年代の日本語表記
  43. ^ 日本地質学会 「JISに定められた地質年代の日本語表記」
  44. ^ 現地語と英語で綴りや発音が異なっていても英語の発音をとる。
  45. ^ International Commission on Stratigraphy 国際層序委員会 Chart
  46. ^ International Commission on Stratigraphy Change Log




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