地球 構造

地球

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構造

地球の構造 1:内核、2:外核、3:下部マントル、4:上部マントル、5:地殻、6:地表
地球の断面構造。組成鉱物相、力学性質から分類。

以下に、地表からの距離に応じた領域の名称を示す。境界の高度(深度)に幅があるのは、位置又は時間によって境界が変化するためである。

  • 80・90 km - 10地球半径 -- 外圏。概ね500km以下が地球大気圏である。
    • 80・90 - 1,000 km -- 上層大気。熱圏
  • 10 - 80・90 km -- 中層大気。
  • 0 - 17 km -- 下層大気。対流圏
  • 0 km -- 地表
  • 0 - 150 km -- 岩石圏
  • 6・35 - 2,891 km -- マントル
    • 6・35 - 670 km -- 上部マントル
    • 670 - 2,891 km -- 下部マントル
  • 2,891 - 6,371 km -- コア

地球内部の構造は地表面での観測で得るしかない。その中で最も優れた方法は地震波の分析である。地震波解析によると、地球は外側から、岩石質の地殻、岩石質の粘弾性体であるマントル、金属質流体の外核、金属質固体の内核という大構造に分けられる。岩石質とはいっても、地殻とマントルでは化学組成が違う。外核と内核も金属質とはいうが、若干化学組成が異なると推定されている[30]

上部マントルには、地表面からの深さ100km付近に、地震波が低速になる層(低速度層アセノスフェア)がある。この層は部分的に溶融していると考えられ、上部の相対的に冷たく硬い層とは物理的に区別される。アセノスフェアの上にあり、上部マントルの一部と地殻とから成るこの層を岩石圏リソスフェア)という[31]。岩石圏は10数枚のプレートと呼ばれる板に分かれている。

プレートには2種類ある。大陸を含む大陸プレートと、海洋地域のみを含む海洋プレートである。海洋プレートは中央海嶺で生産され、マントル対流に運ばれて中央海嶺から離れる。その間にも中央海嶺では次々にプレートが生産されるので、海洋底が拡大する。大陸プレートは海洋プレートより相対的に軽いため、海洋プレートが大陸プレートとぶつかるとその境界でマントル中に沈み込み、日本海溝のような沈み込み帯を造る。海洋プレートには海溝を伴うものと伴わないものとがあるが、これは海洋底拡大の期間の違いによると考えられる。海溝があるものは、海洋底拡大が始まってから年月が経っている。前記のように、プレートはマントル対流によって運ばれる。海溝を伴う海洋プレートはそうでないものより拡大速度が速い。これは、マントル対流の他に、沈み込んだプレートに引っ張られる効果が加わるためとされている。

海洋底の年代は、放射性元素による年代測定によると2億年以内である。これは海洋プレートがこの程度の期間を経た後、地球内部に潜り込んでしまうためである。これに対して、大陸プレートは大部分が現代から30億年前までの間に形成されており、地球の歴史を通じて形成・成長してきたものと考えられている。特に古いものは安定陸塊とも呼ばれ、最も古い部分は約44億年前に形成された。

中心核、コアとも言う。外核と内核に分かれ、液相の外核の半径は3480km、固相の内核の半径は1220kmである。外核は鉄とニッケルが主成分であると推定されているが、水素や炭素などの軽元素を10%以上含んでいるとしなければ、地震波速度と密度の説明ができない。内核は、地球内部の冷却に伴い、外核の鉄とニッケルが析出・沈降してできたとされており、現在でも成長が続いていると考えられている。ただし、内核の環境である320万気圧では金属鉄はその性質上固相を取るためともされる[31]。地球中心部の圧力は約400万気圧、温度は物質組成とエネルギー輸送過程に依存するため正確にはわからないが、約5000K - 8000Kと推定されている。

対流や地球自転などに起因する外核の金属流体の動きによって電流が生じ、この電流により磁場が生じると考えられている。これが地球磁場である。このように地球の力学的な運動と結びついた磁場発生・維持機構を、ダイナモ機構という[31]

マントル

珪酸塩鉱物のマントルは深さ約2900kmまで存在し、地球の体積の83%を占めている[32]。マントル全体の化学組成は、必ずしもわかっているわけではない。上部マントルは、かんらん岩または仮想的な岩石であるパイロライトから成るとする考えが主流であるが、下部マントルについては輝石に近い組成であるとする説もあり、定まっていない。

マントルは核によって暖められ、また自らの内部にも熱源を持つ。そのため固相のマントルはゆっくりと対流(プルームテクトニクス)をしながら熱を地殻に運んでいる。地殻に近い位置ではこのマントル対流は起こらず、地殻と一体化するようなふるまいをしておりプレートテクトニクスという水平運動を起こす。マントルの動きは解明しきれず不明瞭な点が多い。深発地震が700kmより深いところではほとんど起こらない点から、対流運動が二層で独立している説も提唱されている一方で、観測技術の向上に伴い、従来の定説では地震が起こらないと考えられてきた深さ900km付近[33]でも地震が起きていることが判明したほか、岩石圏の沈み込みが核付近まで起こっているとの報告もあり、地震学的トモグラフィー法などにて構造推定が行われている[31]

地殻との境には地震波速度が不連続に変化する層があり、モホロビチッチ不連続面(モホ面)という。

地殻

火山噴火

地殻とは地球の固体表面を指し、マントルと同じく珪酸塩成分から成る。地殻は熱伝導でしか地球内部の熱を伝えないため、マントルの対流と比べると効率が悪く、結果的に核やマントルの冷却を遅延させている[31]

組成差や構造から大陸地殻と海洋地殻に分類される。表面の55%を占める海洋地殻は玄武岩質で、厚さは平均6km、平均密度は3.0g/cm3[34]である。固化形成は2億年以内となる。対して大陸地殻は花崗岩質で、厚さ20-70km(平均35km)、平均密度2.8g/cm3以下[35]と厚く軽い[31]

地殻表面の構造は、プレート運動による造山運動火山活動、大気と水による風化や浸食、堆積などによって決まる。

水圏

地球の地殻上に存在するは、氷河や極氷、など多様な形態を取っており、総量は13億8900万km3に相当する。そのほとんどは塩水である海で、13億5000万km3に当たる。海水の平均温度は3.9℃だが、緯度による差が大きい上に、季節や層によっても変化を持ちながら大規模な流動を起こす。これは蒸発降水などとともに水循環をもたらす[36]

大気圏

太平洋上(軌道から見られる)の層積雲

地球を取り囲む大気酸素を20.9%含み、これは他の太陽系惑星には見られない特徴である。大気圧は海面上を1気圧と定義され、上空に行くほど低くなる。水循環を担いほとんどの気象現象が生じる対流圏は、上空になるにつれ温度と大気密度は低下する。しかし約17kmを境に水蒸気が凝結を起こす領域(コールドトラップ)に入り、これより上空は非常に乾燥した成層圏となる。ここでは上空に行くにつれ気温は‐60℃から上昇に転じる。また、水が無い環境のため紫外線によって酸素からオゾンが作られる領域(オゾン層)が20-50km付近に広がる。これが太陽紫外線の短波長を吸収し、地表の生命を護る役目と成層圏を暖める機能を持つ[37]。また、成層圏は水を拡散させないため、地表の水が宇宙空間に拡散し失われることを防ぐ機能を持つ[38]

上空90kmの成層圏上域からは高度につれて温度が下がる中間圏に入り、ここからは電離層に当たる。温度低下は上空90kmで再び上昇を始め、この領域は熱圏と呼ばれる[38]

磁気圏

太陽風の影響を受ける地球磁気圏のシミュレーション

地球磁場は平均3-7/105kTであり、地球の外側まで展開している。この磁場は太陽から吹き付けるプラズマの風(太陽風)とぶつかり、干渉する面(衝撃波面-磁気圏境界面)を形成しながら太陽方向では押しつぶされて地球半径の約10倍、夜側では1000倍程度の閉じた領域を持つ[39]

20世紀になり、地殻上空約100kmに電波を反射する層(電離層)が発見され、これが長距離通信を可能としたことから磁気圏の研究が進んだ。電離層は大気がイオン電子に分離している層であり、90-300kmの領域ではオーロラが発生する[22]


注釈

  1. ^ GRS 80地球楕円体による定義値。
  2. ^ a b c d GRS 80地球楕円体による誘導数値。
  3. ^ 日本の計量法体系では、「日」は時間の単位ではなく、暦の単位と位置づけられている(日#時間の単位としての日)。

出典

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