地球 動き

地球

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/09/15 03:34 UTC 版)

動き

公転

円に近い楕円形の軌道を描いて太陽の周りを1.0000太陽年に1回公転し、また0.9973平均太陽日[1]に1回自転している。天の北極から見て、自転・公転ともに反時計回りである。

この楕円の形は10万年ほどの周期で変化することが天文学者の研究でわかっている[23]。楕円の軌道離心率は0.0167[1]である。

1太陽年とは太陽が春分点から春分点まで一巡りする時間、すなわち季節が一巡する時間をいい、365.242 19[2]である。地球の歳差により春分点が移動するため、1太陽年は、恒星が動かないものとして見た時に地球が太陽の周りを一周する時間として定義される1年(恒星年)より短い。1恒星年は約365.256 36日である[2]

自転

地球の自転を再現した動画。

地球が自転して元の位置に戻るのに要する時間を「自転周期」といい、2種類ある。

一つは恒星に対してのもので、これを恒星日という。正確には、春分点南中してから次に南中するまでの時間をいう。恒星日は、平均として23時間56分4.0905秒である[24]

もう一つは、太陽に対してのもので、これを平均太陽日(LOD)という。厳密には天の赤道上を等速運動するとした仮想太陽(平均太陽)が、南中してから次に南中するまでの時間をいう。日常生活においては、平均太陽日の方が重要であり、時間の単位(国際単位系における位置づけ)又は暦の単位[注釈 3]である「」はこれに基づいている。

平均太陽日(LOD:つまり日常にいうところの「1日」)の長さは、24時間ちょうどではなく、24時間 + 1から2ミリ秒程度である。LODの長さは一定ではなく、日々変動している(日#一日の長さ(LOD:Length of Day))。これに対して、時間の単位としての日は正確に86400秒である。

1太陽年や1恒星年を表現するのに用いられる1日は、太陽系天体の位置計算における時刻引数として使用される力学時(Dynamical Time)における1日であるが、1平均太陽日と考えても特に問題はない。

平均太陽日は、6億年前には約22時間相当であり、その時点での1年は約400日相当であったと推測されている。また、地球誕生直後の1年は2000日相当と推測されている。このようにかつて早かった自転速度は徐々に遅くなっている。これは、月や太陽の引力によって起こる潮汐作用で動く海水が自転運動よりも遅く、摩擦抵抗として作用するためである。10億年後には地球自転は31時間になると試算されている[25]。ただし、短期的(50年 - 100年程度という意味)には必ずしも長くなっているわけではなく、この30年間では短くなっている。地球の自転と一日の長さ(LOD)の詳細については、「地球の自転」・閏秒を参照のこと。

赤道面の傾き

地球の赤道面は公転面に対して約23度26分傾いている。この傾きは自転軸の傾きでもある。季節変化の主な要因として軌道離心率と自転軸の傾きが考えられるが、地球の場合、自転軸の傾きが効いている。軌道離心率が0.0167ということは、太陽に最も接近したとき(近日点通過)と太陽から最も遠ざかったとき(遠日点通過)で、太陽約3.6個分距離が違うことを意味している(0.01天文単位が太陽直径程度である)。光量に直すと約7%の変動ということになるが、これよりも自転軸の傾斜を原因とする太陽高度の変化(光が差し込む角度)と日照時間が効くのである。太陽に最も接近するのは1月4日前後、最も離れるのは7月5日前後である。離心率や自転軸の傾斜は、木星などの引力の影響により数万年周期で変動している(ミランコビッチ・サイクルを参照)。

地球の赤道の傾きは、22 - 24度の範囲をおよそ4万1000年の周期で変化している[26]


注釈

  1. ^ GRS 80地球楕円体による定義値。
  2. ^ a b c d GRS 80地球楕円体による誘導数値。
  3. ^ 日本の計量法体系では、「日」は時間の単位ではなく、暦の単位と位置づけられている(日#時間の単位としての日)。

出典

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