地球環境変動観測ミッション 地球環境変動観測ミッションの概要

地球環境変動観測ミッション

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/03 13:50 UTC 版)

水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)
所属 JAXA
主製造業者 NEC
公式ページ 水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W)
日本
国際標識番号 2012-025A
カタログ番号 38337
状態 運用中
目的 地球観測
設計寿命 5年
打上げ場所 種子島宇宙センター
打上げ機 H-IIAロケット 21号機
打上げ日時 2012年5月18日
1時39分(JST
軌道投入日 2012年5月18日
本体寸法 4.9 m x 3.0 m x 5.1 m
質量 1,900 kg
軌道要素
周回対象 地球
軌道 太陽同期準回帰軌道
高度 (h) 約700 km
軌道傾斜角 (i) 98度
降交点通過
地方時
13:30±00:15 (昇交点通過)
搭載機器
AMSR2 高性能マイクロ波放射計2
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気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C1)
所属 JAXA
主製造業者 NEC
公式ページ 気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)
日本
国際標識番号 2017-082A
カタログ番号 43065
状態 運用中
目的 地球観測
設計寿命 5年
打上げ場所 種子島宇宙センター
打上げ機 H-IIAロケット 37号機
打上げ日時 2017年12月23日
10時26分22秒(JST
軌道投入日 2017年12月23日
本体寸法 2.5 m x 2.5 m x 4.6 m
質量 2060 kg (推薬含む)
発生電力 4,000 W以上
軌道要素
周回対象 地球
軌道 太陽同期準回帰軌道
高度 (h) 798km
軌道傾斜角 (i) 98.6度
降交点通過
地方時
10:30±00:15
搭載機器
SGLI 多波長光学放射計
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2012年5月18日に最初の観測衛星「しずく (GCOM-W1)」が打ち上げられ、2017年12月23日に2機目の観測衛星「しきさい (GCOM-C1)」が打ち上げられた。

背景および位置づけ

GCOMは、日本の国としての政策、国際的な地球観測計画、そしてJAXAの地球観測衛星の開発方針が複雑に絡んで誕生したミッションである。

2003年9月1日、総務大臣文部科学大臣国土交通大臣により「宇宙開発計画に関する長期的な計画」が発表され、今後10年間にJAXAの果たすべき役割の一つとして地球観測計画が挙げられた。また、内閣府総合科学技術会議において2004年に「我が国における宇宙開発利用の基本戦略」および「地球観測の推進戦略」が掲げられた。国際的な動きとしては、2005年2月に第3回地球観測サミットが開催され、「全球地球観測システム(GEOSS)10年実施計画」が承認された。

これらの動きを受けて、2005年6月、JAXAを管轄する文部科学省・宇宙開発委員会・地球観測特別部会が具体的な地球観測衛星計画である「わが国の地球観測における衛星開発計画およびデータ利用の進め方について」の報告書をまとめた。この報告書に基づいてJAXAがかつてのGCOM(後述の#旧GCOMについてを参照)を大きく修正させて誕生したのが、現在の「地球環境変動観測ミッション(GCOM)」である。

GCOMは、日本の第3期科学技術基本計画における国家基幹技術の一つである海洋地球観測探査システムの一部として位置づけされている。

ミッション概要

衛星打ち上げスケジュール

GCOMとは、JAXAが推進する地球観測計画であり、2種類の衛星を5年おきに3回打ち上げ、計6機の衛星を用いて10~15年の長期にわたり地球上の陸地・海洋のさまざまな物理データを継続的に観測する、大規模なミッションである。衛星1機あたりのコストを200億円以下に抑えつつ故障に強い設計にすることで、ミッションの継続性を強く意識している。国際的な地球観測計画であるGEOSS10年計画における「気候変動」と「水資源管理」の分野において日本として貢献することを目的としている。

衛星システムは、水循環変動観測衛星(GCOM-W)シリーズと、気候変動観測衛星(GCOM-C)シリーズに分かれる。前者は高性能マイクロ波放射計AMSR2を、後者は多波長光学イメージャSGLIを搭載し、地球上の大気(エアロゾル水蒸気)、海洋(海面温度・海色)、陸地(植生・土壌水分)、雪氷(海氷、雪氷被覆深度)を総合的に観測する。

観測した1次データはJAXA内の地球観測研究センター(EORC)に集約され、GCOM専用のデータ処理・研究解析システムを使用してより高次のデータに加工された後に、全世界の研究者に提供される。日本の保有する他の地球観測衛星のデータとあわせて、地球環境変動観測・災害監視・資源探査のために利用される。

2008年7月時点で明らかになっているのはGCOM第1期までであり、2期以降の計画の詳細は未定である。

観測対象
衛星 大気圏 雪氷圏 陸圏 海洋圏
GCOM-W 雲水量
水蒸気量
降水量
海氷密接度
積雪深度
土壌水分 海上風速
海面水温
GCOM-C 雲特性
エアロゾル特性
雪氷分布
雪氷面特性
雪氷面温度
地表温度
地上部バイオマス
植物生産
植物生産
海色
海面水温



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