国際単位系
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メートル条約に基づき、メートル法におけるMKS単位系が国際的な標準規格の単位として広く使用されていた。すなわち、長さの単位にメートル (m)と質量の単位にキログラム (kg)、時間の単位に秒 (s) を用いて、この3つの単位の組み合わせで、様々な物理量の単位と値を表現していた。SIは、これをより拡張した一貫性のある単位系である(詳細は後述)。SIは1948年の第9回国際度量衡総会 (CGPM) で設立が決定され、1960年の第11回国際度量衡総会 (CGPM) でその包括的な規定が確立された[1][2]。SIについて、準拠すべき最新の公式国際文書は、2019年に発行された第9版 (2019) である(⇒#公式国際文書)。
なお、SIはメートル法を発展・洗練させたものであるが、同じくメートル法系から発展した単位系として工学単位系(重力単位系)やCGS単位系などがある。これらは異なる単位系であり、使用に当たって混同しないよう注意を要する。また、近年のSIは普遍的な自然法則を重視した単位を志向しているが、純粋に自然のみに拠った自然単位系も存在する。
注釈
- ^ 国際電気標準会議(International Electrotechnical Commission、IEC)の前身である。
- ^ 2019年の改定は、2018年11月に開催された国際度量衡総会で合意に達し、2019年5月20日に発効した。この日が選ばれた理由は、5月20日が1875年にメートル条約が締結された日で「世界計量記念日」となっているためである。
- ^ 組み立て単位の定義において基本単位を記載する順序は、SI文書第8版(2006年)と同第9版(2019年)とで異なる。この意図は、対応する物理量の表式によるもので、物理学を基礎としたものである。ただし、一部の組み立て単位についてこの順序は絶対のものではない。
- ^ なお、この改訂案が議決された日は2018年11月16日である。
- ^ より正確な定義文はSI基本単位を参照。
- ^ 国際単位系国際文書における英語の綴りである。meterではない。
- ^ 独立した存在は、7つの単位そのものではなく、それらのもととなる7つの定義値(物理定数あるいは物質固有の特性値)である。
- ^ a b ただし、歴史的経緯による例外として、キログラム (kg)は、一貫性のあるSI単位でありながら、その名称・記号に接頭語のキロ (k)が含まれている。既にSI接頭語が付いており、キログラムにさらにSI接頭語は付けられない。もちろん、グラム (g; キログラムの1000分の1。一貫性を持たない単位)に対してはSI接頭語を付けてもよい。
- ^ units of the SIとも。
- ^ 倍量および分量接頭語
- ^ BIPMによる原表では当初はCODATA2014の数値が掲げられていたが、その後、CODATA2018の数値に差し替えられた。
- ^ 国際単位系国際文書における英語の綴りである。meterではない。
- ^ 日は計量法上は計量単位ではなく、暦の単位と位置づけられている。
- ^ 国際標準化機構(ISO)による ISO 1000 を翻訳した物。ISO 1000 は2009年に ISO 80000-1 に置き換えられ、JIS Z 8203 も2014年に ISO 80000-1 を翻訳した JIS Z 8000-1 に置き換えられた。
出典
- ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版, pp. 122, 129–134.
- ^ 「図解入門 よくわかる最新単位の基本と仕組み」p67 伊藤幸夫・寒川陽美著 秀和システム 2004年8月10日第1版第1刷
- ^ a b 「図解入門 よくわかる最新単位の基本と仕組み」p.23 伊藤幸夫・寒川陽美著 秀和システム 2004年8月10日第1版第1刷
- ^ 佐藤文隆、北野正雄 『新SI単位と電磁気学』、pp.2-3、岩波書店、2018年6月19日、ISBN 978-4-00-061261-6
- ^ a b 佐藤文隆・北野正雄、「新SI単位と電磁気学」、p.148、岩波書店、2018-06-19、ISBN 978-4-00-061261-6
- ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版, p. 91, 第9版への緒言.
- ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版, p. 122.
- ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版, p. 173.
- ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版, p. 175.
- ^ SI Brochure: The International System of Units (SI)
- ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版, p. 93, 本文に関する注釈.
- ^ 国際単位系 (SI) は世界共通のルールです SIパンフレット、産業技術総合研究所 計量標準総合センター 計量標準普及センター 計量標準調査室、2023年3月、最終の第8ページ下段
- ^ Previous editions of the SI Brochure SI Brochure: The International System of Units (SI), BIPM
- ^ “SI文書第9版(2019)日本語版及び関連資料”. 国際単位系(SI)第9 版(2019)日本語版. 国立研究開発法人産業技術総合研究所. p. 98. 2023年8月16日時点のオリジナルよりアーカイブ。2023年10月4日閲覧。
- ^ a b The InternationalSystem of Units (SI) 9th ed. Text in English 2.2 Definition of the SI, p.127
- ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)要約 日本語版 [リンク切れ]、計量標準総合センター、産総研、経済産業省。表1 SI の七つの基本単位
- ^ 『国際単位系(SI)第9 版(2019)日本語版』国立研究開発法人産業技術総合研究所 計量標準総合センター、2020年3月。
- ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版, pp. 99–103.
- ^ 国際単位系(SI)国際文書第8版(2006) p.15
- ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版, p. 104, 表3.
- ^ a b 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版, p. 105.
- ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版, p. 148.
- ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版, p. 106しかし、接頭語が SI単位と共に使われる場合、接頭語によって、1 以外の係数が導入されるため、結果として生ずる単位は一貫性を持たないものとなる。
- ^ 国際単位系(SI)国際文書第8版(2006) p.16下欄訳注、* 訳注:第2章で述べる SI基本単位(表1),そのべき乗の積からなる SI組立単位(表2),固有の名称と記号を与えられた SI組立単位(表3),及び SI基本単位とSI組立単位のべき乗の積からなる SI組立単位(表4)のことを本文書では「一貫性のあるSI単位」と呼ぶ.第3章で述べる SI接頭語(表5)を付した単位は,SI単位ではあるが一貫性のある単位ではない.
- ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版, p. 114.
- ^ The International System of Units(SI) 9th edition 2019 Bureau International des Poids et Mesures, 2019-05-20, pp.145-146
- ^ unified atomic mass unit The NIST Reference on Constants, Units, and Uncertainty. US National Institute of Standards and Technology. 2019-05-20. 2018 CODATA recommended values
- ^ The International System of Units (SI) 9th ed. Text in English 5.4 Rules and style conventions for expressing values of quantities, pp.149-150
- ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版, pp. 116–120.
- ^ AltCodeUnicode.com ALT Codes for CJK Squared Latin Abbreviations
- ^ CJK Compatibility
- ^ The Unicode Standard, Version 14.0 Chapter 22 Symbols p.839 p.865 p.896
- ^ Unicode Technical Report #25 UNICODE SUPPORT FOR MATHEMATICS p.11
- ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版, p. 118.
- ^ SI国際文書(仏語、英語) (仏語)p.38 5.4.3 Écriture de la valeur d’une grandeur, (英語)p.149 5.4.3 Formatting the value of a quantity
- ^ 理科年表2022、p.372、ISBN 978-4-621-30649-9、2021-11-30
- ^ 単位や学名等の記載方法について JAB NL512:2015 p.3/9、公益財団法人 日本適合性認定協会、2015-10-01(第1版)
- ^ 物理量・数値・単位と分率の表記についての提言 岩本振武、ぶんせきの泉、p.342、ぶんせき、2017年8月
- ^ 国際単位系(SI)第9版(2019)日本語版, p. 119.
- ^ 「図解入門 よくわかる最新単位の基本と仕組み」p24 伊藤幸夫・寒川陽美著 秀和システム 2004年8月10日第1版第1刷
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