囲い込み
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/10 07:48 UTC 版)
景観
議会囲い込み運動の結果、イースト・ミッドランズとイースト・オブ・イングランドを中心に生垣や石垣で区切られた「囲い込み地」と呼ばれる新しい農地が出現した[1]。中世以来の古い農地は広さが1エーカー前後の細長い土地だったが、新しい囲い込み地は方形で5から10エーカーの広さがあり、大きいものでは60エーカーの規模となる。生垣はサンザシで作られ、合間にトネリコやニレの木が植えられ、生垣に沿って溝が掘られた。石の多い地域では生垣の代わりに石垣が作られた。レスターシャーなどキツネ狩りの盛んな地域では、馬を駆りやすいように生垣を設けず、キツネの隠れ家となるエニシダの草むらや雑木林などを意図的に作った[1]。
その他の用法
日本語としては、(人的)資源を独占的に確保することを囲い込みという意味や、危険なものを封じ込めるという意味がある。「労働者の囲い込み」、「石綿の囲い込み」など。
特にマーケティング論においては自社のサービスや製品の固定客化を図ったり、競合他社との競争を有利に進めたりする際に行われる戦略を「顧客の囲い込み戦略」と表現することがある。場合によっては各国の独占禁止法(日本の私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、アメリカ合衆国の反トラスト法、欧州連合の競争法など)をはじめとする各種法令に抵触する場合がある。
日本では、高齢の親に対して、子供が、他の子供など家族・親族らに会わせないようにすることも「囲い込み」と表現される[2]。
脚注
- ^ a b W.G.ホスキンズ『景観の歴史学』柴田忠作訳 東海大学出版会 2008年、ISBN 9784486017301 pp.191-207.
- ^ 老親「囲い込み」賠償命令/東京地裁 姉2人、妹と会わせず『日本経済新聞』朝刊2019年12月31日(社会面)2020年1月13日閲覧
- 囲い込みのページへのリンク