品種改良
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/01 08:00 UTC 版)
動物
家畜やペット等の場合では品種と系統という考え方が用いられている。品種の定義として、特性によって他の同種の生物の集合と区別することができ、かつその特性を保持して繁殖させることができる集団という意味では植物の品種に似ているが、血統的に同じ品種に属している親同士から生まれた子供であることが品種の定義に含まれている[1]。
さらに下位分類として系統と呼ばれるものがあり、同じ品種から生まれ、形態、生理、能力等が他のものと区別できるような特徴を持った遺伝集団を系統と呼び、家畜の生産には近い系統のものは近親交配となるため避けられることがある[1]。
競走馬、牛、豚、鶏などで盛んに品種改良が進められている。競走能力の向上、成長率の向上、繁殖能力の向上、肉質などの性質を向上させる目的で品種改良が行われる。
例えばサラブレッドの場合、原種の一つであるアラブ種と比較し、走力が大幅に強化されている。アラブ限定のドバイカハイラクラシック(ダート2000m)の走破タイムは2分15秒ほどであるが、同日同条件で行われるサラブレッド限定のドバイワールドカップは2分前後と速くなっている。さらに、ごく短い距離ならば時速80kmを出すことも馬によっては可能だという(他に体高で約15cm、体重で約25%増加するなど体型にも変化が見られる)。これらの品種改良は初期にはイギリスで、後には世界各地で合計300年以上をかけ行われ、現在も競馬を通じて品種改良が続けられている。
ペットの場合、外見や性格などの性質を向上させる目的で品種改良が行われる。イヌ、ネコなどで盛んに品種改良が進められている。
生物的防除を目的とした生物農薬に用いる昆虫類なども品種改良の対象となることがある。
- ^ a b “家畜の種の分類 品種とは - 愛媛大学農学部”. 2021年12月1日閲覧。
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