名探偵コナン 銀翼の奇術師 名探偵コナン 銀翼の奇術師の概要

名探偵コナン 銀翼の奇術師

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/26 21:32 UTC 版)

名探偵コナン 銀翼の奇術師マジシャン
Detective Conan
Magician of the Silver Sky
監督 山本泰一郎
脚本 古内一成
原作 青山剛昌
出演者 高山みなみ
山崎和佳奈
神谷明
山口勝平
林原めぐみ
茶風林
緒方賢一
岩居由希子
高木渉
大谷育江
音楽 大野克夫
主題歌 愛内里菜Dream×Dream
撮影 野村隆
編集 岡田輝満
制作会社 トムス・エンタテインメント
製作会社 小学館
よみうりテレビ
日本テレビ
小学館プロダクション
東宝
トムス・エンタテインメント
配給 東宝
公開 2004年4月17日
上映時間 107分
製作国 日本
言語 日本語
興行収入 28億円[1][2][3][4][5][6][7]
$22,618,511[8]
前作 名探偵コナン 迷宮の十字路
次作 名探偵コナン 水平線上の陰謀
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概要

沿革

本作からこだま兼嗣に代わって山本泰一郎が監督を引き継いでいる。

主人公・江戸川コナンのライバル・怪盗キッドがメインキャラクターとして、第3作『世紀末の魔術師』以来2作目の登場となる。キッドがコナンの正体(工藤新一)に気づいている設定は『世紀末の魔術師』で作られたが、本作でも再びその設定が採用され、以降の劇場版でも引き継がれている。

警察関係者では、警視庁捜査二課に所属するキッド専門の刑事・中森警部が主に登場する(『世紀末の魔術師』では前半に登場)。そのため、いつもはコナンたちに協力してくれる目暮警部ら捜査一課の登場は終盤だけになっており(目暮・白鳥警部高木刑事の3人で北海道に出張していた)、佐藤刑事千葉刑事ら他のメンバーは登場しない。エピローグではワンシーンだけだが、原作・アニメ「上野発北斗星3号」で捜査を担当していた北海道警の西村警部と田村刑事が登場している。

魔術師」と「奇術師」は意味も語呂も似た言葉であるが、本作では「奇術師」の振り仮名を英語読みの「マジシャン」にしている。

オープニングCGに登場するキッドは、テレビシリーズの第219話「集められた名探偵!工藤新一vs怪盗キッド」(2001年1月8日放送)で東都タワーにいるキッドの映像がそのまま使用されている。また、オープニング映像でカメラのフラッシュがたかれている際の新一の顔が前作までは口が開いていたが、本作以降は閉じている。

本作では、第4作『瞳の中の暗殺者』とは逆に蘭が新一に対して思いを打ち明けるという試みが行われている。蘭が告白していたときに聞かれていた相手は新一に変装したキッドだと勘違いされ、蘭の中では無かったことになっている。

本作では毛利小五郎を狙った麻酔針が誤って妃英理に当たってしまい、コナンはやむなく英理を探偵役にしている。また、英理が探偵役になったのは、現時点で原作・アニメを通して本作のみである。

本作のダジャレクイズは阿笠博士ではなくキッド(新一に変装)が出題しているが、彼がコナン以外のレギュラーと本格的に交流したのは本作が初である。

本作では汐留が舞台の一つであり、ゆりかもめ東京臨海新交通臨海線が実名で登場している(本作が公開された2004年は日本テレビが社屋を汐留へ移転した年である)。

映画シリーズでは初めて本編終了後に「この作品はフィクションです」というテロップが流された。これは、実在する路線や駅名が実名で登場したことに加え、航空機のコックピットに一般人が立ち入る、その機長と副操縦士が飛行中に同じものを飲食するなど、現実とはかけ離れた描写があったためである[注 1]。第17作『絶海の探偵』でも同様のテロップが流されている。

本作の挿入歌は、前年まで定番となっていた「キミがいれば」ではなく、「ぼくがいる〜コナンのテーマ〜」が使用された。

ストーリー

毛利小五郎は、「Romeo Juliet Victor Bravo!」 と書かれた怪盗キッドの予告状についての相談を、舞台女優の牧樹里から受ける。狙いは「運命の宝石」というスターサファイアで、小五郎はこれを牧の出演する舞台『ジョゼフィーヌ』の終幕の場面で、キッドがナポレオン役の人物に扮して実行するものだと推理し、牧の要望もあって江戸川コナンたちとともに劇場に赴く。コナンたちは劇場で中森警部と会い、助っ人として工藤新一が来ていることを知る。この新一はキッドの変装であるが、彼は素顔そのものが新一と似ていたことから、変装ではないと見なされていた。舞台の終盤、キッドが抜け出すのを見たコナンは後を追い、規定より長い警棒を持っていた警備員に変装していたキッドを見破ると、ハンググライダーで逃走する彼をパラグライダーを利用して追跡するが、取り逃してしまう。

翌日、宝石を守った礼としてコナンたちは函館にある牧の別荘で行われる打ち上げに招待され、俳優の成沢文二郎、田島天子、俳優で演出家の伴亨、牧のマネージャーの矢口真佐代、牧のヘアメイクの酒井なつきと、体調不良で欠席するはずだった俳優の新庄功とともに、羽田発函館行きのスカイジャパン航空865便(ボーイング747-400D)に搭乗する。昨日のキッドの様子を訝しんでいたコナンは、キッドの暗号が実際にはフォネティックコードを表しており、この機内での犯行を予告したものであると気付くが、その直後にチョコレートを食べた牧が青酸中毒で死亡する。機内で牧が口にしたのは矢口のチョコと田島のビタミン剤のみで、同じくチョコを食べた小五郎に異常はなかった。真相を見抜いたコナンは妃英理を探偵役として[注 2]、推理を披露する。

犯人は酒井であり、彼女は牧が機内で毎回鼻を摘んで耳抜きを行うことを知っていたため、毒を混ぜたファンデーションを鼻に塗ってそこから指へ毒を移し、チョコの付着した指を舐めることで毒を口に入れさせていた。酒井は犯行動機を、牧にハリウッドでの仕事を潰されたうえ、彼女がそうした理由が酒井をメイクとして必要としたためではなく、付き人として置いておきたかったに過ぎなかったことから、メイクとしてのプライドによっておよんだものであると主張する。しかし、小五郎から仕事道具を凶器として使う者にプライドを語る資格はないと叱責されたうえ、阿笠博士から罪を償ってやり直すよう諭された酒井は、泣き崩れる。

殺人事件は解決したが、牧は以前同僚だった機長と副操縦士のいるコックピットへ挨拶に行った際に自分の手の甲にキスをさせており、彼らも中度の青酸中毒に陥ってしまっていた。命に別状はなかったものの2人とも操縦できる状態ではないことから、操縦の経験があるという新庄が操縦の代行を買って出て、助手としてコナンを指名する。2人きりのコックピットで、コナンは新庄がキッドの変装であることを指摘する。本物の新庄は余興でキッドに扮して先に別荘へ到着しており、キッドは牧の手に口づけをした際、本来口に含むと冷たいスターサファイアが偽物であることをすでに知っていた[注 3]。コナンとキッドは管制塔との連絡を経て函館空港への着陸を試みるが、落雷でオートパイロットが故障して中止を余儀なくされたうえ、強風で機体がバランスを崩し、何とか立て直すものの管制塔にエンジンが1基接触して脱落して地上に落下、爆発して地上支援車両群を爆風で吹き飛ばしてしまう。更には爆風で弾き飛ばされた車両で給油車が爆発し、しまいにはそれから給油を受けていた旅客機も爆発するという大惨事となり、滑走路が使用不能となってしまう。

滑走路の状態が整うまで上空での待機はできたはずだったが、機長たちを運び出す際のトラブルでクロスフィードバルブが開いていた結果、燃料がエンジンの脱落跡から大量に漏れていた。そのため機体にはあと10分間程度飛行できるだけの燃料しか残されておらず、無線も不通になってしまう。コナンは別の着陸先として室蘭の崎守埠頭に向かうが、キッドは強風の際に片腕を強打して着陸の操作ができなくなっていたことから、毛利蘭を代役に指名したうえ、埠頭の周辺に夜間の着陸に必要な照明がないのを確認すると、機外へ脱出してしまう。

コナンは不安げな様子の蘭を見てコックピット外へ出ると、新一の声で励ましの電話をかけるが、蘭は新一の真意を質して自身の好意を伝える。コナンが虚を突かれて答えあぐねている中、蘭は地上を動いていく光の帯を発見する。これはキッドがパトカーの赤色灯を照明として用いるためにおびきよせたものであり[注 4]、蘭は新一による指示のもとで鈴木園子と協力して着陸に成功する。

着陸後、救急隊員に扮したキッドから話しかけられた蘭は、機内で通話した新一がキッドの変装だったと解釈し、告白は不成立だったと考えて胸を撫で下ろすのだった。


注釈

  1. ^ コックピットにおけるこれらの行為は、現実にはハイジャック航空事故を防止するためにも厳禁とされている。詳細は旅客機のコックピット#コックピットの出入り口を参照。
  2. ^ 当初は普段通り小五郎を眠らせるつもりだったが、飛行機の揺れで麻酔銃の針が英理に命中してしまったため。
  3. ^ キッドがキスをしたのは彼女が耳抜きを行う前だったため、キッドは青酸中毒になっていない
  4. ^ 中森は別荘にキッドが来ると見込んだ結果、多数の警官とともにキッドに扮した新庄を追い詰めており、彼も時計を盗んでいたことから逃走していた。
  5. ^ 「まじっく快斗」シリーズでは、中谷一博が担当している。
  6. ^ テレビアニメでは、花田光が担当していた。
  7. ^ テレビアニメでは、長嶝高士が担当していた。
  8. ^ 第22作『ゼロの執行人』でも同様。

出典

  1. ^ a b 2004年(平成16年)興収10億円以上番組 (PDF)”. 日本映画製作者連盟. 2015年5月16日閲覧。
  2. ^ a b “名探偵コナン:劇場版新作が興収60億円突破 シリーズ最高記録を更新”. MANTANWEB (毎日新聞社). (2016年6月6日). https://mantan-web.jp/2016/06/06/20160606dog00m200008000c.html 2017年7月6日閲覧。 
  3. ^ a b “劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』興行収入は、ついにシリーズ最高60億到達!?”. アニメイトタイムズ (アニメイト). (2016年6月6日). http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1465190280 2017年7月6日閲覧。 
  4. ^ a b “劇場版『名探偵コナン から紅の恋歌(ラブレター)』が、シリーズ歴代最高興収を記録! まもなく500万人動員、65億円突破へ”. アニメイトタイムズ (アニメイト). (2017年5月29日). http://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1496040765 2017年7月6日閲覧。 
  5. ^ a b “「劇場 名探偵コナン」シリーズ史上初 興収50億円突破で『純黒の悪夢(ナイトメア)』メガヒットに突入”. 映画/ドラマ (アニメ!アニメ!). (2016年5月9日). https://animeanime.jp/article/2016/05/09/28432.html 2017年7月6日閲覧。 
  6. ^ a b “劇場版「名探偵コナン 純黒の悪夢」興収60億円突破 シリーズ累計は600億円に”. アニメニュース (アニメ!アニメ!). (2016年6月6日). https://animeanime.jp/article/2016/06/06/28848.html 2017年7月6日閲覧。 
  7. ^ a b “【どこまで行く!?】『名探偵コナン から紅の恋歌』63.5億でシリーズ最高興行収入突破!”. T-SITE NEWS (TSUTAYA). (2017年5月29日). http://top.tsite.jp/entertainment/cinema/i/35612870 2017年7月6日閲覧。 
  8. ^ Detective Conan: Magician of the Silver Sky (2004)”. Box Office Mojo. 2022年7月22日閲覧。
  9. ^ 映画チラシにて
  10. ^ 映画ポスタ―にて
  11. ^ 名探偵コナン「銀翼の奇術師」[DVD] - Amazon.co.jp。2018年12月21日閲覧。
  12. ^ 名探偵コナン 銀翼の奇術師[VHS] - Amazon.co.jp。2018年12月21日閲覧。
  13. ^ 劇場版 名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン) ブルーレイディスク - Musing、ビーイング。2018年12月21日閲覧。
  14. ^ “劇場版 名探偵コナン 新価格版Blu-ray10巻”. 名探偵コナン[DVD/Blu-ray公式サイト]. https://beinggiza.com/conan/news/newpricebd.html 2020年8月11日閲覧。 
  15. ^ 名探偵コナン シークレットファイル Vol.2[DVD] - Amazon.co.jp。2018年12月21日閲覧。


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