参議院の緊急集会 概説

参議院の緊急集会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/26 06:50 UTC 版)

概説

日本国憲法第54条第2項但書・3項に規定された制度で、1955年(昭和30年)3月18日以降は国会法第99条 - 第102条の5参議院規則第251条 - 第252条にその詳細が規定されている(その前日までは国会法・参議院規則の両方に規定がなく参議院緊急集会規則に詳細が規定されていた)。

衆議院が解散され総選挙で新しい衆議院が成立するまでの間に、国に緊急の必要があるときに、内閣の求めにより開かれる(憲法第54条第2項但書、国会法第99条)。両院制の同時活動の原則の例外として位置づけられる。国会の会期ではないため、天皇による国事行為としての国会召集は行われない。

原則として緊急集会は通常時に国会に属するすべての権能を行使することができる[1]。緊急集会では衆院予算先議権の例外として、衆議院より先に参議院で予算案を審議して採決をすることができる。ただし、内閣総理大臣の指名憲法改正の発議は議題にできないとされている[2][3]。また、「国会」の権能ではなく「両議院」の権能とされているものも代行できない[4](国会の議決と両議院の議決の相違については議決の項目を参照)。各種法令において任命に「両議院の同意」を必要としている国会同意人事については参議院の緊急集会では代行できないため、各種法令では衆議院の解散のために両議院の同意を経ることができない場合には任命権者は両議院の同意なく任命できるものとした上で任命後最初に召集される国会において両議院の承認を求めなければならないものとしている(会計検査院法第4条第2項・第3項、警察法第7条第2項・第3項など)[4]

なお、緊急集会期間中は、参議院議員不逮捕特権現行犯以外では参議院議員は逮捕許諾請求による決議無しには逮捕されず、緊急集会開会前に逮捕された参議院議員への釈放要求)が認められている(国会法第100条)。

大日本帝国憲法では、衆議院解散の有無に関わらず、帝国議会閉会中に必要がある場合は緊急勅令を法律に代わるものとして制定することができ、召集後の帝国議会で承諾されなければ以降効力を失うと第8条に定められていた。また内外の情況により帝国議会を召集することができない場合に、政府は緊急勅令により財政上必要な処分(予算外支出)を行うことができると第70条に定められていた。この場合召集後の帝国議会で承諾は必要であるが、不承諾の場合の失効の規定はなかった。これは財政支出の性格上、将来に向かって失効というのが意味をなさないからである。


  1. ^ 松澤 1987, p. 346.
  2. ^ 佐藤 1984, p. 721.
  3. ^ a b 浅野 & 河野 2003, p. 36.
  4. ^ a b 佐藤 1984, p. 719.
  5. ^ a b 松澤 1987, p. 344.
  6. ^ 加藤 2019, pp. 102–103.
  7. ^ a b 松澤 1987, p. 345.
  8. ^ 浅野 & 河野 2003, p. 37.
  9. ^ a b 松澤 1987, p. 347.





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