参謀本部 (日本) 参謀局 (明治7年-明治11年)

参謀本部 (日本)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/29 04:40 UTC 版)

参謀局 (明治7年-明治11年)

明治7年(1874年6月18日に「参謀局條例」[9]が制定され、同日付で参謀局が設立された。これが日本の軍令機関独立の嚆矢である。この参謀局は、三宅坂に置かれて、陸軍省に隷属していた。参謀局長には将官が充てられた。

参謀科(兵科の一つとして設置されていた。)の将校は、或いは陸軍省内局に勤務していても、或いは外国派遣の公使に属していても(後の駐在武官)、皆参謀局に籍を置いており、局長は参謀科将校の進退等について全て関与していた。

  • 第1課(総務課)
  • 第2課(亜細亜兵制課):亜細亜洲(アジア州)各国兵制の課。
  • 第3課(欧亜兵制課):欧羅巴(ヨーロッパ)、亜墨利加(アメリカ)兵制の課。
  • 第4課(兵史課)
  • 第5課(地図政誌課)
  • 第6課(測量課)
  • 第7課(文庫課)

歴代参謀局長

参謀本部 (明治11年-明治19年)

明治11年(1878年12月5日に「参謀本部条例」[10]が制定され、陸軍省の一局であった参謀局が「参謀本部」と改称され、独立機構となった。後の昭和時代には、統帥権の独立により軍が政府の統制から暴走して行ったが、陸軍を自分の権力基盤とするために参謀本部の独立を推進したのが山縣有朋であった[11]参謀本部長には陸軍将官が充てられた。海軍将官でなかったのは山縣の強い意向があったためである。

  • 管東局
  • 管西局
  • 総務課
  • 伴属諸課
    • 地図課(明治17年9月9日参謀本部条例を改正し測量課とともに測量局へ格上げ)
    • 編纂課
    • 翻訳課
    • 測量課(明治17年9月9日参謀本部条例を改正し地図課とともに測量局へ格上げ)
    • 文庫課

歴代参謀本部長

  • 山縣有朋 中将(1878年12月24日 - 1882年2月27日)
  • 山縣有朋 中将(1882年8月7日 -)参謀本部長御用取扱
  • 大山巌 中将(1882年9月4日 -)兼
  • 山縣有朋 中将(1884年2月13日 - 1885年8月31日)兼
  • 有栖川宮熾仁親王 大将(1885年12月22日 - 1886年3月18日)

歴代参謀本部次長

参謀本部 (明治19年-明治21年)

1886年(明治19年)3月18日に陸海軍統合参謀部門として「参謀本部」が設立され、その内部に陸軍部及び海軍部が置かれることとなった。

この参謀本部は、陸海軍軍事計画を司るところであって、各監軍部近衛、各鎮台、各鎮守府、各艦隊の参謀部並びに陸軍大学校、軍用電信隊を統括した。

参謀本部長は、皇族が勅任されるものと定められ、有栖川宮熾仁親王(陸軍大将、在任:1886年3月18日 - 1888年5月14日)が任じられた。本部次長は陸海軍将官からそれぞれ1人が充てられた。戦時を除くとはいえ、日本近代史で唯一、陸海軍統合の統帥組織であった。

参謀本部陸軍部

  • 第1局:陸軍出師に係る計画を掌り、団隊の編制及び布置を規定することを任とする。
  • 第2局:外国の兵制、地理、政誌を詳悉し、作戦の計画を掌り、団隊一般の教育に係る事項を調査、規画することを任とする。
  • 第3局:陸地、海岸防御の方法に係る事項を規画し、全国地理、政誌を詳悉し、運輸の便否方法を調査することを任とする。

歴代参謀本部次長

参謀本部海軍部

  • なお、海軍は陸軍に対する闘争心から、次長の名称を部長(本部長ではない)とし、陸軍側を立腹させる結果となった。

支部

「支部」とは外局を意味する用語である。


  1. ^ 百科事典マイペディア
  2. ^ a b 旺文社日本史事典 三訂版
  3. ^ 日本大百科全書(ニッポニカ)
  4. ^ 『官報』第4581号、明治31年10月5日。
  5. ^ 小林 龍夫、島田 俊彦編『現代史資料7』p26
  6. ^ 中野雅夫『橋本大佐の手記』p24~p28
  7. ^ 法令全書. 明治6年 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  8. ^ 法令全書. 明治7年 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  9. ^ 法令全書. 明治7年 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  10. ^ 法令全書. 明治11年 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  11. ^ 黒野耐『参謀本部と陸軍大学校』p6、講談社、2004/3/21
  12. ^ 法令全書. 明治21年 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  13. ^ 陸軍法令全集. 第1号 - 国立国会図書館デジタルコレクション
  14. ^ 監修上法快男、編集外山操『陸海軍将官人事総覧』p9p
  15. ^ 自治大学校史料編集室編 『山崎内務大臣時代を語る座談会』p67
  16. ^ 保阪正康『検証・昭和史の焦点』p182
  17. ^ 監修上法快男、編集外山操『陸海軍将官人事総覧』p9
  18. ^ 監修上法快男、編集外山操『陸海軍将官人事総覧』p9~p12


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