千手観音 千手観音の持物

千手観音

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/12/29 10:25 UTC 版)

千手観音の持物

千手観音の持物(じもつ)については、『千手千眼陀羅尼経』(詳しくは『千手千眼観世音菩薩広大円満無礙大悲心陀羅尼経』)などの経典に説かれており、実際の彫像、画像などもおおむね経典にしたがって造形されている。

以下の持物については西村公朝『仏の世界観』(吉川弘文館、1980、[要ページ番号])による。なお、像によっては下記で「左手の持物」としたものを右手に持つ(またはその逆)場合もある。

左手の持物

  • 宝戟(ほうげき)千手観音が左手に持つ杖状のもの。先端が3つに分かれた武器。
  • 化仏(けぶつ)小型の仏像。
  • 宝鐸(ほうたく)小型の鐘のこと。
  • 白蓮華(びゃくれんげ)
  • 払子(ほっす)元来は蝿などを追い払うための道具。
  • 羂索(けんさく)投げ縄のこと。
  • 日輪(にちりん)経典には「日精摩尼」(にっしょうまに)とある。
  • 宝輪(ほうりん)経典には「不退金輪」とある。
  • 宝螺(ほうら)ほら貝。
  • 玉環(ぎょくかん)「金環」とも。これに代えて「宝釧」(ほうせん、腕輪)をもつこともある。
  • 髑髏杖(どくろじょう)
  • 紅蓮華(ぐれんげ)
  • 傍牌(ぼうはい)龍の顔を表した楯のようなもの。
  • 宮殿(くうでん)経典には「化宮殿」とある。
  • 五色雲(ごしきうん)右手に持つ場合もある。
  • 宝鉤(ほうこう)経典には「倶尸鉄鉤」とある。先端が直角に曲がった棒状の武器。
  • 宝剣(ほうけん)柄(つか)の部分が三叉に分かれた三鈷剣。
  • 宝弓(ほうきゅう)右手に持つ矢(宝箭)と対をなす。
  • 澡瓶(そうびょう)「軍持」とも。水差しのこと。

右手の持物

  • 錫杖(しゃくじょう)左手にもつ「宝戟」と対をなす。杖の上方に輪をいくつも付けてあり、これを持って歩くと輪が音を発する。元来はインドで山野を歩く際の毒蛇除けに使用したもの。
  • 化仏(けぶつ)
  • 三鈷杵(さんこしょ)中央に握りがあり、両端が三叉になった法具。経典ではこれを持つ手を「跋折羅手」(ばさらしゅ)とする。
  • 青蓮華(しょうれんげ)
  • 楊枝(ようじ)柳の枝。「楊柳」とも。
  • 数珠(じゅず)
  • 月輪(がちりん)経典には「月精摩尼」とある。
  • 宝珠(ほうじゅ)経典には「如意珠」とある。
  • 宝経(ほうきょう)「経篋」(きょうきょう)とも。仏典のこと。
  • 宝印(ほういん)
  • 蒲桃(ぶどう)葡萄のこと。
  • 紫蓮華(しれんげ)
  • 施無畏手(せむいしゅ)持物を持たない手。
  • 宝鏡(ほうきょう)
  • 宝篋(ほうきょう)小箱。「梵篋」とも。
  • 金剛杵(こんごうしょ)「独鈷杵」(とっこしょ)とも。中央に握りがあり、両端に鋭い刃の付いた武器。
  • 鉞斧(えっぷ)「おの」「まさかり」のこと。
  • 宝箭(ほうせん)矢のこと。
  • 胡瓶(こびょう)ペルシャ風の水差し。「宝瓶」とも。

『千手千眼陀羅尼経』では以上の38本の持物をもつ手に加えて「合掌手」と「宝鉢手」を含めて40本の手について言及している。日本における千手観音の実際の造像例を見ると、腹前(坐像の場合は膝上)で2本の手を組み、その上に宝鉢を乗せる形式のものが多い。宝鉢を持つ2本と胸前で合掌する2本の手を合わせて42臂となる。




  1. ^ 「千手観音」 - ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
  2. ^ 「印と真言の本」、学研、2004年2月、 p.99
  3. ^ 天平の秘仏、葛井寺の国宝「千手観音菩薩坐像」がついに公開!東京国立博物館(2018年2月14日)2018年3月18日閲覧。


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