北米4大プロスポーツリーグ 北米4大プロスポーツリーグの概要

北米4大プロスポーツリーグ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/06 01:45 UTC 版)

競技全体としての人気では、アメリカ合衆国内においてサッカーがアイスホッケーを既に上回っており[1][2]、アイスホッケーに取って代わり、サッカーを4大スポーツの一つに数えてもよいという意見もあるが[3]、1プロリーグ単位ではメジャーリーグサッカー(MLS)のチーム数や収益などにおいて、4大プロスポーツリーグにまだ遠く及ばないのが現状である。この用語を使用するのは通常スポーツリーグチームの時に限定されているため、個人競技であるゴルフテニス自動車競技などは用いることはないが、ゴルフのPGAツアーと自動車競技のNASCARはファンの多さや競争レベルの高さから4大プロスポーツリーグ並の主要な競技として扱われ、匹敵する報道量を誇っている。

4大プロスポーツリーグ

メジャーリーグベースボール

MLBの試合風景

メジャーリーグベースボール(MLB)は野球の世界最高峰リーグであり、1876年創設のナショナルリーグ1901年創設のアメリカンリーグの2リーグ制で構成されている。毎年、両リーグの覇者がワールドシリーズで対戦し、チャンピオンチームを決定している。

主要リーグの中で最長の歴史を誇り、野球はアメリカで最初のプロスポーツでもあった(1869年にシンシナティ・レッドストッキングスが最初のプロ野球チームとして創設され、ナショナルリーグが創設された1876年がMLBの始まりとされている)。そのために伝統的な人気スポーツとして「国民的娯楽」「国技」と呼ばれてきた。1920年八百長が発覚(ブラックソックス事件)して信用を失い、人気に陰りが出てきた危機をベーブ・ルース本塁打ブームを巻き起こして救い、より人気を高めることに成功した。その後も世界恐慌第二次世界大戦時の不況による存続の危機を乗り越えてきた。

1903年以降は数年を除いて両リーグ成立時の8チームずつの16チーム制が維持されてきたが、1961年球団拡張が始まり、1998年にはタンパベイ・デビルレイズアリゾナ・ダイヤモンドバックスの2チームを新たに加え、30チームにまで増加した。両リーグは別法人としてそれぞれ運営されてきたが、2000年コミッショナー主導で単一の組織に統合された。2013年はアメリカ合衆国に29チーム、カナダに1チーム存在している。

ナショナルフットボールリーグ

NFLの試合風景

ナショナルフットボールリーグ(NFL)はアメリカンフットボールの世界最高峰リーグであり、地域リーグからの様々なチームの組み合わせから1920年8月20日に設立された。

2015年時点では世界のスポーツリーグで最も多い1試合平均観客数を記録している。また、大手世論調査会社「ハリス・インタラクティブ」によると、人気スポーツ調査で調査開始時の1985年にはNFLが24%で伝統的人気スポーツの野球が23%だったが、2015年の調査ではNFLが33%、対する野球が15%であり、ダブルスコア以上の差をつけている[4]。アメリカ合衆国内で最も人気のあるスポーツリーグであり、野球に取って代わり、アメリカの「国技」、「国民的娯楽」であるという意見が主流を占めるまでに至った[5][6]。チャンピオンチームを決定するスーパーボウルは毎年最も注目度の高いテレビ番組であり、1億1440万人の視聴者数を記録した2014年第49回スーパーボウルはアメリカ合衆国のテレビ史上最も視聴された番組となった[7]

カナダで人気のあるカナディアンフットボールリーグ(CFL)はアメリカンフットボールとは違う独自のルールを採用しており、海外プロリーグとの国際競争は皆無である。また、4大スポーツリーグで唯一、アメリカ合衆国外を本拠地にするチームが加盟した事例がない。

1949年にオールアメリカフットボールカンファレンス(AAFC)を部分的に吸収して10チームから13チームに、1970年アメリカンフットボールリーグ(AFL)と合併してそれまでの16チームから26チームにまで増加、2002年から現在の32チームになった。

ナショナルバスケットボールアソシエーション

NBAの試合風景

ナショナルバスケットボールアソシエーション(NBA)はバスケットボールの世界最高峰リーグであり、1946年にバスケットボールアソシエーションオブアメリカ(BAA)の名称で設立された。1979年に革新的なスリーポイントフィールドゴールが採用された。同年にマジック・ジョンソンロサンゼルス・レイカーズ)とラリー・バードボストン・セルティックス)がデビューしてからは一時期低迷していた人気が急上昇していった。1984年にはマイケル・ジョーダンシカゴ・ブルズ)がデビューして更に人気が高まった。1984年に就任したデビッド・スターンコミッショナーは世界戦略を推し進めていき、1992年にはバルセロナオリンピックにおいてマジック・ジョンソン、ラリー・バード、マイケル・ジョーダンらも参加した「ドリームチーム」が編成されるなどして、海外における人気も高まっていった。

1949年にライバル関係にあったナショナルバスケットボールリーグ(NBL)を部分的に吸収して12チームから17チームに増加し、現在の名前に改称した。1976年にライバルのアメリカンバスケットボールアソシエーション(ABA)と合併して18チームから22チームに増加した。2013年はアメリカ合衆国に29チーム、カナダに1チーム存在している。

1997年にヴァイオレット・パルマー[8]とディー・キャンター[9]が、NBAと契約を交わし、北米4大プロスポーツリーグでは初めてとなる女性審判員が誕生することとなった。

また、4大リーグの中では世界的に1番人気があるスポーツであることから最もグローバル化が進んでおり、2020-21シーズンの開幕ロスターに41か国を代表する107人(450人中)のアメリカ国外出身選手が登録されたことを発表した。

ナショナルホッケーリーグ

NHLの試合風景

ナショナルホッケーリーグ(NHL)はアイスホッケーの世界最高峰リーグであり、1917年にナショナルホッケーアソシエーション(NHA)から1チームを除いて脱退する形で、カナダ国内に設立された。カナダで最も人気のあるスポーツリーグであり、選手の約半分がカナダ出身者で占められている。一方で、アメリカ合衆国では特にカナダに近い北部の州に人気が偏っており、人気面ではMLBやNBAに大きく差を付けられているため、4大スポーツリーグとして数える事に対して否定的な意見も出ている。

1967年に勢力を拡大していたウェスタンホッケーリーグ(WHL)に対抗してチーム数を6チームから12チームに倍増させた(エクスパンション・シックスの加入)。1979年にライバルのワールドホッケーアソシエーション(WHA)が消滅すると、新たに4チームを加えるなど拡張路線を歩み、2000年には30チーム、2017年には31チーム、2021年には32チームにまで増加した。2021-2022シーズン現在ではアメリカ合衆国に25チーム、カナダに7チーム存在している。

年間収入と観客動員

年間収入

リーグ スポーツ 国名 シーズン チーム数 総収入
(10億ドル)
1チーム換算
(100万ドル)
出典
ナショナルフットボールリーグ アメリカンフットボール アメリカ合衆国 2018年 32 015 469 [10]
メジャーリーグベースボール ベースボール アメリカ合衆国/カナダ 2018年 30 010.6 300 [11]
ナショナルバスケットボールアソシエーション バスケットボール アメリカ合衆国/カナダ 2011-12年 30 05 166 [12]
ナショナルホッケーリーグ アイスホッケー アメリカ合衆国/カナダ 2013-14年 30 03.7 120 [13]
メジャーリーグサッカー サッカー アメリカ合衆国/カナダ 2018年 23 00.8 035 [14]
参考:英プレミアリーグ サッカー イングランド/ウェールズ 2013-14年 20 05.01 250.5 [15]
参考:日本野球機構 野球 日本 2018年 12 01.8 150 [16]

各リーグの年間総収入はNFLが150億ドル、MLBが103億ドル、NBAが50億ドル、NHLが37億ドルとなっている。 参考としてMLSが4億9,000万ドル、プレミアリーグが33億ポンド/50億1,000万ドル(1ドル約0.66ポンド換算)、日本野球機構が2,000億円/20億ドル(1ドル100円換算)である

NFLは最も高額のテレビ契約を結んでおり、2014年から2022年までの9年間のシーズンを通じてFOXCBSNBCESPNとの契約により、年間50億ドルの放映権料収入が入る。MLBは2014年から2021年までの8年間のシーズンを通じてESPNとFOXとの契約により、年間15億ドルの放映権料収入が入る[17]。NBAは2008-09年から2015-16年までの8年間のシーズンを通じてABCTNTとの契約により、年間9億3,000万ドルの放映権料収入が入る[18]。 NHLはアメリカ合衆国(カナダは含まない)において、2011-12年から2020-21年までの10年間のシーズンを通じてNBC&NBCスポーツとの契約により、年間2億ドルの放映権料収入が入る[19]

4大スポーツリーグは専門チャンネルも設置している。NFLのNFLネットワーク(2003年開局)、MLBのMLBネットワーク(2009年開局)、NBAのNBA TV(1999年開局)、NHLのNHLネットワーク(カナダでは2001年に、アメリカ合衆国では2007年に開局)である。

観客動員

1試合平均の観客動員数はNFLが67,604人(16試合制、2012年)[20]、MLBが30,514人(162試合制、2013年)[21]、NHLが17,721人(82試合制、2012-13年)[22]、NBAが17,348人(82試合制、2012-13年)[22]である。


  1. ^ a b c Q: What is your favorite sport to watch? Washington Post 2017年9月7日閲覧。
  2. ^ SportsGallup 2015年11月15日閲覧。
  3. ^ Has soccer passed hockey in America? Colin Cowherd says yes Greg Wyshynski Puck DaddyJune 14, 2016 2017年9月18日閲覧
  4. ^ Pro Football is Still America’s Favorite SportHarris Poll 2016年1月26日閲覧。
  5. ^ America’s National Sport: Baseball or Football? Move Over, Baseball: Bloomberg Politics Poll Shows 67% of Americans Now Say Football Is National PastimeBloomberg 2015年11月21日閲覧。
  6. ^ America’s National Sport: Baseball or Football?PRRI 2015年11月21日閲覧。
  7. ^ With 114.4 million viewers, Super Bowl XLIX is most-watched TV show everLos Angeles Times 2015年11月15日閲覧。
  8. ^ Violet Palmer”. basketball-reference.com (2015年). 2018年4月30日閲覧。
  9. ^ Dee Kantner”. basketball-reference.com (2002年). 2018年4月30日閲覧。
  10. ^ NFL Is Bullish on Its $25 Billion Revenue Goal Ahead of Super Bowl”. Bloomberg. 2019年6月14日閲覧。
  11. ^ Major League Baseball Sees Record $9 Billion In Revenues For 2014”. Forbes. 2015年11月15日閲覧。
  12. ^ Stern estimates NBA revenue up 20 percent to $5B”. NBA. 2014年1月21日閲覧。
  13. ^ Report: NHL revenue to hit $3.7B; cap likely to exceed $70 million”. CBS Sports. 2015年11月15日閲覧。
  14. ^ Major League Soccer’s Most Valuable Teams 2019: Atlanta Stays On Top As Expansion Fees, Sale Prices Surge”. 2021年6月12日閲覧。
  15. ^ Premier League football club revenues and profits soar”. BBC. 2014年11月15日閲覧。
  16. ^ 収益格差4倍、メジャーとプロ野球の違いはどこに”. 日経ビジネス. 2014年1月21日閲覧。
  17. ^ MLB completes new TV deals EFPN.com
  18. ^ NBA extends TV deals with ESPN/ABC, TNT USA TODAY
  19. ^ NHL, NBC sign record-setting 10-year TV deal NHL.com
  20. ^ After peaking in 2007, NFL attendance steadily has declined NBC Sports
  21. ^ MLB posts another big attendance mark in 2013 MLB.com
  22. ^ a b Major League Soccer Wants a Brand New Television Deal TheStreet.com
  23. ^ 2020 Ratings Wrap: NFL dominates disastrous year Sports Media Watch 2021年6月5日閲覧。
  24. ^ Pro Sports Interest in Canada #2 Gallup 2015年12月2日閲覧。
  25. ^ a b Highest-Paid Athletes 2021: All-Time Highs For NFL, NBA And Soccer Players, And More Numbers To Know Forbes com. 2021年6月5日閲覧。
  26. ^ a b GLOBAL SPORTS SALARIES SURVEY 2018 sportingintelligence 2019年6月28日閲覧。
  27. ^ MProfessional Sports Average Salary / Revenue / Salary Cap Statistic Brain
  28. ^ ラスベガスに新チームか NHLがエクスパンション 日刊スポーツ 2016年6月15日
  29. ^ Rosenthal, Gregg (2017/3/27). "NFL team owners approve Raiders' move to Las Vegas". National Football League. 2017年5月10日閲覧
  30. ^ Where Does NFL Talent Come From? bleacherreport.com
  31. ^ Creating complete, healthy players MLB.com
  32. ^ Politics makes toxic mix with MLB's investment in Venezuela ESPN.com
  33. ^ Major League Baseball Players by Birthplace During the 2013 Season Baseball-almanac.com
  34. ^ Border Wars: NHL 2012-13 Games Played By Country coppernblue.com
  35. ^ NBA Tips Off With Record 92 International Players ZagsBlog.com
  36. ^ MLS equals MLB in popularity with kidsESPN 2015年12月4日閲覧。
  37. ^ MLS Attendance: 2015 2015年12月4日閲覧。
  38. ^ MLS Is To Salary Cap What Donald Trump Is To HumilityForbes 2015年12月4日閲覧。
  39. ^ MLS Salary Rankings 2015年12月4日閲覧。
  40. ^ Pro Sports Interest in Canada #2 - Nov 22 - Reginald W. Bibby Reginaldbibby.com
  41. ^ Arena Football League shuts down indefinitely Philadelphia Business Journal


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