包装
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/07 08:53 UTC 版)
定義
日本工業規格 (JIS) では、包装 (packaging) を「物品の輸送、保管などにあたって価値及び状態を保護するために適切な材料、容器などを物品に施す技術および施した状態」と定義している[1]。
英米の包装の定義では、Packagingは包装を施す行為や技法、Packageは包装された物・製品であり明確に区別される[2]。また、Packingは本来荷造りの意味であるがPackagingの同義語として用いる場合もある[2]。
なお、商品の内容量には含まれない包装(食肉のロウ引き紙やパック商品のトレーやラップなど)や添え物(ワサビやタレなど)・飾りなどを総称して風袋(ふうたい)という[3][4]。
包装の種類
個装・内装・外装
日本工業規格 (JIS) では、包装を個装(物品個々の包装)、内装(包装貨物の内部の包装)、外装(包装貨物の外部の包装)の3種類に分類している。
工業包装と商業包装
日本工業規格 (JIS) には工業包装や商業包装の区別がある。
- 工業包装 (Industrial packaging)
- 工業包装とは、物品の輸送や保管を主目的とする包装の総称をいう[2]。
- 商業包装 (Commercial packaging)
- 商業包装とは、小売を主とする商取引に用いられる、商品の一部として、または商品をまとめて取り扱うために施される包装をいう[2]。
輸送包装
#輸送包装を参照
消費者包装
#消費者包装を参照
その他の分類
単数を包装対象とするものと複数を包装対象とするものといった違いや、包装されたものをさらに包装する入れ子のもの、完成品と未完成品や素材といった違いなどがある[5]。
包装の機能と技法
包装の機能
包装には次のような機能がある。
- 品質保全性 - バリア性(水、水蒸気、光、ガス、香気、臭気などからのバリア)、内容品保護性(衝撃強度、ヒートシール強度、耐ピンホール性など)、安定性(耐水性、耐油性、耐熱性、耐寒性など)の総称[6]。
- 安全性・衛生性 - 有害物質や異味・異臭の移行の防止、微生物や虫、ほこりなどの侵入の防止[6]
- 便利性 - 開封時の易開封性、開封後の再封性、軽量性[6]
- 商品性 - 商品としての標準化、ディスプレイ性、透明性など[6]
- 経済性 - 生産性、保管性、輸送性、材料価格など内容物に見合ったコストであること[6][5]
- 作業性 - 機械加工適性、印刷適性、ヒートシール性(高速シール性)など[6]
包装の技法
包装の技法には、食品の包装では酸素や光などの透過防止、水分や微生物などの侵入防止を目的とする包装、工業製品の包装では防錆包装や静電気防止包装などがある[7]。
包装の材料
包装に用いる主要な材料は「包装資材」と呼ばれ、一般的に以下のようなものがある。
- 紙・・・液体容器・長期保存容器
- 葉(笹、柏、桜、柿、ホオノキ・・・)
- 木材(樽・桶・経木・・・)
- プラスチック(PETボトル・ブローボトル・パウチ・カップ容器)
- ガラス(3R瓶・超軽量化瓶・リターナブル瓶・エコロジーボトル)
- 金属(溶接缶・DR缶・DI缶・TULC缶・ボトル缶)
また、上記の材料を複合的に用いた、複合材料やラミネート材(積層材)も多く用いられている[5]。
- ^ 葛良忠彦『機能性包装の基礎と実践』日刊工業新聞社、2011年、14頁。
- ^ a b c d e f 葛良忠彦『機能性包装の基礎と実践』日刊工業新聞社、2011年、15頁。
- ^ “風袋とは何ですか”. 横須賀市市民部消費生活センター. 2020年1月3日閲覧。
- ^ a b c d “計量に関するQ&A”. 国民生活センター. 2020年1月2日閲覧。
- ^ a b c 石谷孝之祐、水口真一、大須賀弘著、『包装の本』、日刊工業新聞社、2010年6月25日初版1刷発行、ISBN 9784526064807
- ^ a b c d e f 葛良忠彦『機能性包装の基礎と実践』日刊工業新聞社、2011年、18頁。
- ^ 葛良忠彦『機能性包装の基礎と実践』日刊工業新聞社、2011年、16-17頁。
- ^ “ガス充填自動包装機”. 国立科学博物館. 2009年3月27日閲覧。
- ^ a b c d e f g 日本包装技術協会加盟 小旗梱包製作所公式サイト
- ^ a b c d e f g 梱包運輸専業の老舗企業 平戸梱包運送公式サイトより
- ^ a b c 新開トランスポートシステムズ公式サイト
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