動物愛護団体 動物愛護団体の概要

動物愛護団体

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/06 06:03 UTC 版)

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毛皮に抗議する人々

概要

活動の具体的な内容は、野犬(捨て犬)、野良猫(捨て猫)の保護ならびに飼い主探しや、飼い主に飼えなくなったとして保健所、動物管理センター、動物保護施設に連れてこられた犬猫、もしくは捕獲された犬猫の殺処分を減らす運動、地域猫活動などさまざまである。

飼い主から捨てられた動物の生存を社会的に受け入れさせるため、動物を一時収容し、家庭動物としての訓練を行ったり、病気や怪我の治療、不妊去勢手術、ワクチン接種などを行った上で飼い主を募集する施設をアニマル・シェルターと呼び、日本ではまだ認知度が低いが、欧米では、動物の入手先として大きなウェイトを占める。

動物福祉運動(アニマルウェルフェアとも)とは、産業動物を利用することは否定せず、飼育状況の改善などを求める運動をと呼ぶ。これらでは例えばと畜場へと家畜を運搬する場合に、不衛生な環境やストレスを与える要素を減らすなどの運動である。

一方、動物の権利運動(アニマルライツとも)では、研究機関の動物実験への反対、動物園サーカス闘牛ロデオなど飼育動物の虐待への反対など、産業動物を対象とした活動も動物愛護と呼ばれることもある。厳密には動物の権利の運動である。動物園に関しては動物園廃止運動、ズーチェック運動が動物権利運動である。

なお、動物虐待の防止・動物愛護/福祉を目的とした大規模団体として英国動物虐待防止協会が知られており、アメリカ合衆国のアメリカ動物虐待防止協会では動物愛護法執行部門として司法警察権(ニューヨーク州やマイアミの動物警察が有名)を有する。

日本での愛護運動の3期

20世紀初頭には、動物虐待の防止があり、日本でも1901年に動物虐待防止会が結成された[1]。後に動物愛護会となる[1]

20世紀半ばに日本動物愛護協会が、イギリスの王立動物愛護協会の支部として設立され、災害地の動物救助、ペットの里親探しや去勢の周知、闘犬など動物を戦わせることに反対した[1]

20世紀も後半になってくると、欧米で動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)などによる動物の権利運動が活発になり、動物実験の反対をはじめ広範囲に活動を行っており、日本でも1980年代にはその影響で団体が作られた(第3期の日本の権利運動)[1]

動物愛護団体への偏見と誤解

動物愛護活動の一部には、理性的とは言いがたい団体も見られ、時として先鋭な主張を示す団体や構成員に一般の市民や他団体・企業等から苦言が呈されるケースがある。更には、動物愛護を主張するロビイスト団体も見られ、しばしばこれらと混同されるケースが見られる。

保護団体、個人ボランティア、団体に属しての一時預かりボランティアには動物取扱業の登録が義務付けられている[2]。しかし、これが守られているケースは稀である。また保護犬の畜犬登録を行わない団体も多い。さらに保護動物が迷子になった際に他人が所有する電柱にビラを貼るなど違法な方法での捜索を行う団体も存在する。

その一方で、一度は飼い主から捨てられた個体を再譲渡する目的で、ペットとしての訓練を行ったり、保護された際に患っていた病気や怪我の治療、精神的リハビリを行った上で飼い主を募集する団体(アメリカ合衆国の動物年間殺処分数は日本のそれとは桁外れに多い[3])が、欧米では団体が、家庭犬猫の斡旋・供給を行っている地域も多い)もあり、その活動は団体によって大きな較差が見られる。

過激な動物愛護団体

毛皮に抗議するPETA

偏見と誤解については先述した通りであるが、一部の動物愛護団体でしばしば他国(団体)の文化を理解する努力を怠ったまま、一方的な暴力を行使するなど、行きすぎた保護運動の展開が問題視されている。この傾向は日本の団体では見られず、伝統的に市民的不服従を是とする欧米の団体によく見られる傾向がある。

顕著な例として、動物の倫理的扱いを求める人々の会(PETA)の行動が挙げられる。このPETAは営業妨害や破廉恥行為及び暴力沙汰を起こす団体として知られており、連邦捜査局からテロリストとして指定されている動物解放戦線(ALF)への資金援助が指摘されており、批判を受けている[4]

また、何らかの動物虐待や法に違反した行為に対してはすぐさま訴訟行為を起こす団体も多い。一例として、2001年3月24日にアリゾナ・ダイヤモンドバックスランディ・ジョンソンが、サンフランシスコ・ジャイアンツの選手に投じた投球が飛んできたを直撃した際に、動物保護団体がランディを訴えた事があった。


  1. ^ a b c d 伊勢田哲治(2004年)「日本の動物愛護運動の倫理観」(PDF)『社会哲学研究資料集III』、90-100頁。(「21世紀日本の重要諸課題の総合的把握を目指す社会哲学的研究」研究成果報告書)
  2. ^ 動物の愛護及び管理に関する法律第10条および環境省「動物の愛護及び管理に関する法律施行規則」(平成18年1月20日環境省令第1号)
  3. ^ 第5回 動物愛護管理のあり方検討会「資料3 犬ねこの引取りや殺処分等」(PDF)、P.15「引取りや殺処分に関する諸外国の状況」(環境省自然環境局)
  4. ^ 動物愛護・環境保護団体の最近の動向について 〜過激な動物愛護・環境保護活動の歴史と現状〜 (第2部)東京海上日動リスクコンサルティング株式会社


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