創傷 創傷の概要

創傷

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/12 03:37 UTC 版)

創傷
分類および外部参照情報
診療科・
学術分野
外科学
ICD-10 T14.0-T14.1
ICD-9-CM 872-893
MeSH D014947
テンプレートを表示

応急処置の止血は圧迫による。創傷からの回復を促すために創傷環境調整が提唱されており、壊死組織の除去(デブリードマン)、感染や炎症への対処、乾燥の防止、滲出液の管理などがある[1]。軽い傷は水道水や、生理食塩水によって洗浄され、外用薬、適切な湿潤環境を維持するための薄い創傷被覆材(ドレッシング材)が用いられる。目的なく漫然と消毒などは行わず、感染しつつある段階から消毒抗生物質などによる対処が考慮され、壊死組織がある場合には除去され、滲出液を吸収するためのドレッシング材が選択される[1]

定義

「創にきずあり、傷にきずなし」といわれるように、創傷の定義では「創」は皮膚の破綻を伴う損傷を指し、「傷」は皮膚の破綻を伴わない損傷を指す。皮膚表面の損傷部分の、表面を創面(そうめん)と呼び、日常語では傷口(きずぐち)という。創の周辺部を、創縁(そうえん)と呼ぶ。創の底部、深い部分を創底(そうてい)と呼ぶ。銃創や、刺創(しそう)の様に、一般的に総面積が狭く、深い創の場合、創の表面を創口(そうこう)と呼称する。

軽傷と重症

創傷というのは、軽症の場合、生体の持つ自然治癒力によって、肉芽形成、繊維化の段階を経て自然治癒する[2]

人は日常生活を行う中で、些細なことで軽度の傷を作ることはそれなりにある。日常的にできる特に軽度の創傷の場合は、当人は特に何もしなくても、まったく痕跡も残さずきれいに自然治癒することも多い。また軽度のものの場合、一般に人々は、水による洗浄や絆創膏などの簡単な処置をするだけで、あとは自然治癒力にまかせて治しているが、稀に何らかの要因からその傷が痕となる形で残ってしまうことがある。

ただし、軽度の創傷や動物による咬み傷であっても、破傷風狂犬病、その他の感染症により、重篤な事態に至ることがある。

動物などの場合は基本的に自分の舌でなめて(唾液を用いて)、あとは自然治癒力で治している。人間でも、動物に倣って小さな擦過傷などはなめるだけで済ませる人もいる。

創傷を生じる場面

止血は圧迫によってなされ、重症では止血帯が用いられる。

損傷がある程度以上の範囲に及ぶ場合は、止血、縫合、修復、植皮などの外科的治療が必要[3]、あるいは望ましいとされている。こういった創傷というのは主として火災、交通事故、戦争、スポーツ、喧嘩、産業事故などの場面で発生している[2]

高齢者の場合は、日常生活の些細なことからもそれなりの損傷を受けやすい[2]。高齢者では階段の上り下り、敷居をまたぐ、などといった(若者にとってはなんでもない)動作をきっかけにして損傷を受けてしまうことがあるのである。また、高齢者の場合、若者に比べて創傷の自然治癒の速さもそれなりに遅くなるので、なおさらそれに悩まされる時間・頻度が多くなり、生活上の問題(QOLの問題)としてつきまとうことがある。


  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u 日本皮膚科学会 2017.
  2. ^ a b c 保崎清人 『臨床医学概論―生活習慣病を中心として』(第3版)ヘルスシステム研究所;、2008年、26頁。ISBN 978-4902527575 
  3. ^ 保崎清人 『臨床医学概論―生活習慣病を中心として』(第3版)ヘルスシステム研究所;、2008年。ISBN 978-4902527575 
  4. ^ 英国国立医療技術評価機構 (2016年3月). “Chronic wounds: advanced wound dressings and antimicrobial dressings”. National Institute for Health and Care Excellence. 2018年6月10日閲覧。
  5. ^ 内山リカ「「傷跡」よ、さらば! 目立たなくする治療法やセルフケア続々登場」2014年5月9日。
  6. ^ Hemmati AA, Houshmand G, Ghorbanzadeh B, Nemati M, Behmanesh MA (2014). “Topical vitamin K1 promotes repair of full thickness wound in rat”. Indian J Pharmacol (4): 409–12. doi:10.4103/0253-7613.135953. PMC 4118534. PMID 25097279. http://www.ijp-online.com/article.asp?issn=0253-7613;year=2014;volume=46;issue=4;spage=409;epage=412;aulast=Hemmati. 
  7. ^ a b Negut I, Grumezescu V, Grumezescu AM (September 2018). “Treatment Strategies for Infected Wounds”. Molecules (9). doi:10.3390/molecules23092392. PMC 6225154. PMID 30231567. https://www.mdpi.com/1420-3049/23/9/2392/htm. 
  8. ^ Woollard AC, Tatham KC, Barker S (June 2007). “The influence of essential oils on the process of wound healing: a review of the current evidence”. J Wound Care (6): 255–7. doi:10.12968/jowc.2007.16.6.27064. PMID 17722522. 
  9. ^ Hartman D, Coetzee JC (September 2002). “Two US practitioners' experience of using essential oils for wound care”. J Wound Care (8): 317–20. doi:10.12968/jowc.2002.11.8.26432. PMID 12360766. 
  10. ^ Glowania HJ, Raulin C, Swoboda M (September 1987). “[Effect of chamomile on wound healing--a clinical double-blind study]” (German). Z. Hautkr. 62 (17): 1262, 1267–71. PMID 3318194. 
  11. ^ Pérez-Recalde M, Ruiz Arias IE, Hermida ÉB (January 2018). “Could essential oils enhance biopolymers performance for wound healing? A systematic review”. Phytomedicine: 57–65. doi:10.1016/j.phymed.2017.09.024. PMID 29425655. 
  12. ^ Lin TK, Zhong L, Santiago JL (December 2017). “Anti-Inflammatory and Skin Barrier Repair Effects of Topical Application of Some Plant Oils”. Int J Mol Sci (1). doi:10.3390/ijms19010070. PMC 5796020. PMID 29280987. http://www.mdpi.com/1422-0067/19/1/70/htm. 
  13. ^ Dhivya S, Padma VV, Santhini E (December 2015). “Wound dressings - a review”. Biomedicine (Taipei) (4): 22. doi:10.7603/s40681-015-0022-9. PMC 4662938. PMID 26615539. https://www.globalsciencejournals.com/article/10.7603/s40681-015-0022-9/fulltext.html. 


「創傷」の続きの解説一覧




創傷と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「創傷」の関連用語

創傷のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



創傷のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの創傷 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2023 GRAS Group, Inc.RSS