出雲大社教 沿革

出雲大社教

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/10/17 03:56 UTC 版)

沿革

1873年(明治6年)、千家尊福が布教のため創設した「出雲大社敬神講」を前身とする。1882年(明治15年)の「神官教導職分離令[6]」によって神職の布教活動が原則禁止されたため、出雲大社より独立し別組織「神道大社派」(のちに「神道大社教」へ改称)となる。1951年(昭和26年)、出雲大社は国家管理を離れ、1882年の分離令も失効したため、出雲大社に復帰合併し、出雲大社の職員が出雲大社教の職員を兼ねる。また教団名を「〜たいしゃきょう」から「〜おおやしろきょう」と改称する。

年表

  • 1873年明治6年) - 出雲大社が「出雲大社敬神講」を組織、社務所内に大社教院を設ける
  • 1875年(明治8年) - 全国の神道家によって神道事務局設立
  • 1882年(明治15年)
    • 1月 - 政府により、神官の布教および葬祭の禁止法令(神官教導職分離令)
    • 5月15日 - 出雲大社と分離、「神道大社派」の設立
    • 11月 - 「神道大社教」と改称、千家尊福が宮司職を後継へ譲り初代管長となる
  • 1886年(明治19年) - 祖霊社が出雲大社(銅鳥居前)を離れ、西方の現在地へ移転
  • 1951年昭和26年)4月 - 出雲大社と出雲大社教が復帰統合
  • 1982年(昭和57年) - 特立100周年祭
  • 1994年平成6年)- 初代管長生誕150周年祭

施設

神語

神語(しんご)とは出雲大社教や出雲大社などが神事などで用いる最も重要な唱え詞。神語は、すなわち「幸魂奇魂守給幸給」(さきみたま くしみたま まもりたまえ さきはえたまえ)である。

日本神話で、大国主大神は少彦名に去られてしまい、大変に困っていた。その時、海原を照らし寄ってくる神があった。それが「幸魂奇魂」であった。大国主大神は、自分の生命の中に潜む「幸魂・奇魂」という偉大な御霊力により「縁結びの大神」になられた。

「幸魂奇魂守給幸給」は、花が「咲く」、布を「裂く」という言葉のように、「増加」や「分裂」の意味と、「櫛」や「串」の言葉のように「整える」や「統一する」という意味を持つ。神語を唱えれば、分化繁殖したものを統一し、調和のとれたものとなり発展し、大国主大神の道に神習い、明るく和やかな日々が送れるという。この「神語」を「奉書」して出雲大社に奉納る神語奉書も大切な儀礼である[7]

仏教では「南無阿弥陀仏」とか「南無妙法蓮華経」…、またキリスト教では「アーメン」ともいう。出雲大社では「神語」すなわち「幸魂奇魂守給幸給」(「さきみたま くしみたま まもりたまえ さきはえたまえ」)である。神語を唱える事により、大国主大神から御霊力を頂く事ができ、大きな幸せの縁を結んで頂けるという。

なお葬儀や慰霊祭などでは幽冥神語(ゆうめいしんご)「幽世大神憐給恵給幸魂奇魂守給幸給」(かくりよのおおかみ あわれみたまえめぐみたまえ さきみたまくしみたま まもりたまえさきわえたまえ)を唱える。「神語」も「幽冥神語」も通常は三唱するが、非常にゆっくりと、また独特な節回しを用いる[8]


注釈

  1. ^ 人間とは、生に始まり死に終わるものではなく、幽世(かくりよ=あの世)と顕世(うつしよ=この世)が交互に連なる、一筋の道
  2. ^ 神を敬うことで得られる恩恵など

出典

  1. ^ 出雲大社教の教祖 - 出雲大社教
  2. ^ 出雲大社教新管長に千家氏が就任 - 産経新聞 2014年6月19日
  3. ^ 我ら立てり - 常陸国出雲大社
  4. ^ フライデー掲載記事について - 出雲大社教(いづもおおやしろきょう)
  5. ^ 出雲大社教神道青年会『縁結び大国主大神とわたくしども』1978年6月17日発行全229頁中40頁
  6. ^ コラム その五十(特立130年に思うこと) - 出雲大社東京分祠
  7. ^ 『見えざる世界』発行出雲大社教教務本庁昭和63年4月1日全179頁中154頁
  8. ^ 『えんむすび』発行出雲大社教青年部昭和55年6月17日発行全226頁中53頁
  9. ^ 『出雲大社教教規』出雲大社教教務本庁昭和58年6月9日発行全31頁中18頁
  10. ^ 『出雲大社教教規』発行出雲大社教教務本庁昭和58年6月9日全33頁中33頁
  11. ^ 『出雲大社教布教師養成講習会』発行出雲大社教教務本庁平成元年9月全427頁中





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