出前
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/30 09:18 UTC 版)
配送
料金
配送料金は無料、もしくはあらかじめ飲食物の代金に含まれている場合が多い。このため大手チェーンでは少量(1人前など)の出前は採算に合わないこともあり、配達には「出前は2人前以上」や「2,000円以上」「1,000円以下の出前の場合には100円の出前料を頂きます」などとしている店もある。ピザ店は代金に含まれている事が多く、店舗に出向いて直接購入する場合は一定の金額を割り引く事が多い。
容器
飲食物の容器は配送した業者によって、追って数時間後から数日中に回収されることが多いが、近年は使い捨ての容器を用いて回収の手間を省くケースも増えている。
返却する食器は玄関前に置いておく。一般的には洗って返却するものとされているが、店舗や地域によっては洗わずに返却するのが通例となっている場合もある[3]。
「そば屋の出前」
調理と配達にはバックオーダーや調理場の混雑具合、道路の渋滞(特に夕刻の渋滞は夕食時間帯と重なる)などの理由により、出前には遅延が付きものである。これに対して苦情の電話を入れるとよく「今出ました」と言い訳されるといわれており、このことに例えて物事の遅延に対する安易な応対や言い訳を「そば屋の出前」と称されている。
配送手段
配送は自動車、原動機付自転車、自転車を使用して、あるいは徒歩によって行われる。
配達員をアルバイトによって揃えることが多いため、オートバイでの配達は普通自動車免許でも運転可能な50cc以下の原動機付自転車を用いることが多く、道交法上で自動二輪車に分類される比較的大型のバイクはほとんど使用されない。
かつては自転車やオートバイで配達するとき、片手でハンドルを持ち、空いた側の肩に蕎麦数十人前のせいろを高々と積み重ねたり、片手に岡持ちを提げるアクロバティックな運転が普通に見られた。ホンダ・カブ(1958年発売)のウィンカースイッチが変則的な取り付け方をしてあったり、手動式でない自動クラッチ式変速機を装備していたのも、このような用途を念頭において最初から片手運転可能なよう設計されたためであった。
しかし片手に重量物を持っての運転は不安定であり、特に蕎麦を肩に担ぐスタイルは片方の視界が妨げられ、出前中の交通事故が多発した。そのため1950年代後期、蕎麦店主によって出前機(スプリングやエアクッションがついた専用の岡持ち台)が発明され、これを自転車やオートバイに取り付けて料理を運ぶことが一般化した。さらに1980年代には後部に大型荷台を取り付けられる3輪スクーター(ホンダ・ジャイロ)も市販化された。片手運転による無理な荷運びは法規面からも規制されており、こうした出前機や3輪スクーターを使うことが普通になっている。
食糧管理法による制限
日本では、戦時中の1942年から戦後の1951年にかけて、食糧管理法に基づく移動制限により、ソバ(中華麺を含む)の出前が禁止されていた[4]。
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