冬のソナタ 作品解説

冬のソナタ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/07/23 15:56 UTC 版)

作品解説

日本語の誤訳
日本語吹き替えの誤訳が少なからず指摘されているが、のちに放送された完全版の字幕は一部修正にとどまり、全面改訂は果たされなかった。
ジュンサンの発音
カン・ジュンサンの名前は「ュンサン」と表記されることもあるが、朝鮮語では発音の清濁が日本語と異なるのが原因である[12]。朝鮮語には語頭では濁らないが語中では濁る発音があり、名前だけで呼ぶときは「ュンサン」のように語頭にあるために濁らずに発音されるが、フルネームで呼ぶ場合は「カンュンサン」のように語中にあるために濁って発音される。ハングルではどちらの発音も同一の文字で表記されるが、カタカナで表記するときに姓の有無で清濁の表記を使い分けることを避けるため、片方に表記を統一することもあるのでどちらを使っても間違いではない。
主人公の違い
韓国オリジナル版のクレジットはペ・ヨンジュンがトップだが、日本版ではNHKが独自にチョン・ユジンを主人公と判断してチェ・ジウを先頭に据えた。KBSの了解を得ているとは言え、ストーリーを無視した強引な書き換えに対して、視聴者から疑問が呈されている。
オリジナルからのカット
日本版は1時間枠だが、韓国では70分枠で放送されたため、多少のシーンが削られている。NHKバージョン(実質60分)より民放バージョン(実質53分)のほうがよりカットされるシーンが多い。

反響・記録

反響

ヒロインの性格
ヒロインのユジンは、韓国の古いタイプの女性で、やや優柔不断に見え、韓国の一部の若い視聴者には不評だったが、日本では「けなげで純粋である」として、中高年層の女性に支持された。
支持層
林香里、金相美の調査では、『冬のソナタ』のファン調査に回答した7割が、40代以上の既婚者であった(林香里・金相美「日本女性の間の『冬ソナ』ブーム - 感情生活から生まれる『政治』生活のダイナミズム」2004年11月4日 ソウル大学 - 東京大学合同シンポジウム)[13]

記録

ヒット商品2位
ペ・ヨンジュンが、2004年上半期「ヒット商品」2位[14]
小説の発行部数
2004年7月現在、小説『冬のソナタ』の日本での発行部数は、上・下巻計で122万部[15]
メディア売り上げ
ビデオ・DVD・書籍の2003年 - 2004年度の売上は90億円[16]、NHKの副次収入は6億円[16]
地上波の視聴率
日本のNHK総合テレビジョンでの放送における、ドラマ最終回の平均視聴率は、関東地方で20.6%、関西地方で23.8%(ビデオリサーチ社発表による)と、夜11時台のテレビドラマとしては、驚異的な数字をたたき出した。

エコノミストの門倉貴史は、『冬のソナタ』ブームの日本国内での経済効果を総額1225億円と試算している[17]

批評

音楽が美しいこと、まるで絵画のように静謐で透明感溢れる自然の中でのシーン、「初恋の人」という多くの人が心に抱きつづけている普遍的なテーマ、初めはナイーブな恋が(決して一足飛びにではなく)一歩一歩、深い人間的慈愛へと育っていく心理的過程が全20回に渡り丁寧に描かれていること、などが好感をもって迎えられヒットした。

パトリック・モディアノの小説『暗いブティック通り』に影響を受けたとされている[18][19]

小説家文芸評論家笠井潔によると、韓国では日本よりも自由恋愛の障壁となる父権や性的規範の拘束力が強く、韓国ドラマはそういった前近代的な社会的障壁を利用してメロドラマとしての強度を保っている場合が多いが、本作の場合はそれらの障壁をもたらす社会領域の描写が徹底的に排除されており、その代替として、事故・記憶喪失といった障壁が用意されているという。そして、社会領域の描写抜きに純愛を虚構的に捏造するという意味で、日本のマンガ・アニメオタクカルチャーにおいて1990年代後半から2000年代初頭にかけてムーブメントをおこしたセカイ系作品に通ずるものがあるとしている[20]




注釈

  1. ^ 原題 겨울연가 の 겨울(キョウル)は冬。연가(ヨンガ)は漢字語「恋歌」※朝鮮漢字:戀歌」の韓国・朝鮮語の読み方でラブソングという意味(参照:연가 NAVER辞書)。
  2. ^ 続編が書籍『冬ソナ最終章-その後のふたり』として出版されている。また空白の3年間とその後の2人の物語を『もうひとつの冬のソナタ チュンサンとユジンのそれから』として小説化。
  3. ^ 韓国KBS2にて2002年1月 - 3月の毎週、月曜および火曜の夜に放送された(※ゴールデンタイムでの連ドラ放送は、日本では週1回放送が常識なのに対し、韓国では週2回放送するのが常識である。)
  4. ^ 「恋歌」直訳して「ソナタ」になるわけではない。NHKの説明によると、『「恋歌」を「love song」と訳してしまうとニュアンスが異なってしまうので、韓国国外に輸出する際に変更された[要出典]』という。
  5. ^ 日本では、2004年度流行語大賞の上位にノミネートされた(出典:「冬ソナ」、日本の「2004 流行語大賞」トップテン入り、Innolife、2004年12月2日、2008年8月24日閲覧。)
  6. ^ 以上第2話途中まで。(参考:김은희, 윤은경, 오수연. “겨울연가 2회” (韓国語、ハングル表記(Google Chromeで表示確認)). KBS. 2017年9月23日閲覧。深海さなえ&チュンチョン純愛研究会「『冬ソナ』全20話完全ストーリー解説(ノーカット版解説付き)」『ポラリス的「冬のソナタ」バイブル』ナツメ社、2004年、185頁。ISBN 4816337229
  7. ^ 後日譚:事故の後遺症で失明。自分が建てた「不可能な家」で独り暮らす。
  8. ^ 監督自身がどうするか、いくつか考えたエンディングのひとつで、付け足し的な後日譚:3年後帰国し、もう終わってしまった過去、遠い記憶を辿るかのように、ジュンサンが建てた「不可能な家」の夕暮れの海が見える部屋に行ってみたところ、視力を失ったジュンサンと再会、深い愛を込めて口づけをする。
  9. ^ 1, 2話は「ただ君だけを」の曲名で誤記載。
  10. ^ DVD『メイキング・オブ・アニメ「冬のソナタ」 〜再び始まる物語〜』に収録。

出典

  1. ^ a b 冬のソナタ (2002)”. allcinema. スティングレイ. 2019年12月2日閲覧。
  2. ^ a b 겨울연가”. 방송 프로그램 정보. NAVER. 2019年12月2日閲覧。
  3. ^ a b c d 겨울연가”. KBS. 2019年12月2日閲覧。
  4. ^ 겨울 연가”. SERIES. NAVER. 2019年12月2日閲覧。
  5. ^ The Korea Herald「Remembering ‘Winter Sonata,’ the start of hallyu」
  6. ^ SmaTIMEASSmaSTATION!!
  7. ^ 冬ソナのアニメ化が決定、オリコン、2008年3月18日、2008年8月24日閲覧。
  8. ^ ペ・ヨンジュンは出演しない!?「冬のソナタ」続編が高確率でポシャる理由,アサ芸プラス,2015年5月27日
  9. ^ アーカイブされたコピー”. 2011年3月24日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2011年3月24日閲覧。
  10. ^ 田中秀臣『最後の『冬ソナ』論』太田出版、2005年、74頁。
  11. ^ a b c SmaSTATION!!
  12. ^ 冬のソナタ 【NHKエンタープライズの説明】(2005年4月4日時点のインターネットアーカイブ
  13. ^ 田中秀臣 『最後の『冬ソナ』論』 太田出版、2005年、123頁。
  14. ^ 日本経済新聞、2004年6月17日掲載
  15. ^ 嵩高紙(かさだかし)、2005年3月1日、野村総合研究所
  16. ^ a b 「NHK 公共放送のゆくえ・16 「だんご3兄弟」の教訓」『朝日新聞』2008年6月23日付夕刊、朝日新聞東京本社、2頁。
  17. ^ 田中秀臣 『最後の『冬ソナ』論』 太田出版、2005年、101頁。
  18. ^ ノーベル賞:モディアノ氏に文学賞…仏作家、独占領下描く毎日新聞 2014年10月9日
  19. ^ 本よみうり堂 ノーベル文学賞の仏人作家、「冬ソナ」にも影響YOMIURI ONLINE(読売新聞) 2014年10月10日
  20. ^ 笠井潔 『人間の消失・小説の変貌』 東京創元社、2009年、99-104頁。ISBN 978-4488015275
  21. ^ 冬ソナ「ヨン様」の初訪日に5000人がお出迎え、Chosunonline、2004年4月4日、2008年8月24日閲覧。
  22. ^ ニールセンコリア調べ
  23. ^ 放送批評懇談会『ぎゃらく』2004年11月号 視聴率のナゾ「西高東低」藤平芳紀
  24. ^ 全国個人視聴率調査、新たなスタートNHK放送文化研究所 2004年6月
  25. ^ <겨울연가> 일본서 인기 좋네cine21 2004-05-13
  26. ^ 『冬のソナタ』効果、白のエクスプローラーに大ヒットの予感(Response、2004年7月23日)
  27. ^ アニメ版「冬のソナタ」実写撮影で突風でひな壇が倒れ、日本人女性観光客32人がけが財経新聞 2010年3月11日





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