写ルンです 逸話

写ルンです

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/11/25 05:35 UTC 版)

逸話

開発当初、ネーミング案として「フィルマー」「カメルム」「パットリくん」「西麻布」「写るんです」「チョンパッ」という名前が候補に挙がっていた。この中の「写るんです」と「ルンルン気分」とを合わせ、最終的に「るん」を片仮名表記とした「写ルンです」という名前に決定した[11]

初代モデルはメカ好きの男性をターゲットとした「フォトジャック」、若者向けを意識した「ピッコ」、写真フィルムのパッケージ風のデザインの「スーパーHR100」の、パッケージデザインが異なる3タイプが同時に発売された。結果的には「スーパーHR100」が他に対して圧倒的な売上を記録し、以後のモデルのパッケージデザインは「スーパーHR100」が基本となった[11]

2017年現在使用されている「写ルンです」のロゴは3代目である(初代:1986年制定、2代目:1989年制定、3代目:2000年制定)。初代ロゴは「しゃるんです」と誤読されることを防ぐため、「写」の文字にルビが振られていた[12]

1980年代まで、常用されるカラーネガフィルムの感度は400までで、800はラインナップにはなく、1600は粒子が荒い特殊用途用といった位置付けであった。富士フイルムは、写ルンですで撮影された写真から失敗写真の原因を調査し、感度800のフィルムで撮影されていたなら救えたであろうコマが一定の割合で存在することを把握、感度400のフィルムと比べて遜色なく、写ルンですの固定露出にも堪え、粒子荒れが少なくラティテュードの広い、感度800のフィルムを写ルンです専用として開発し、1993年4月にそれを装填した「写ルンですスーパー800」として発売した。

スーパー800は発売されるやいなや、写真業界誌でフィルム新開発の情報を知ったプロカメラマンたちにより、暗室で「写ルンです」を分解して装填フィルムを巻き取り、パトローネを取り出して、通常の一眼レフカメラに詰めるという買われ方をした。1993年後半 - 1994年前半の報道写真には、このフィルムを用いて撮られたものがある(皇太子徳仁親王と小和田雅子の結婚の儀など)[13]

これを見て、富士フイルムはフィルム単体で商品化することに踏み切り、1994年9月、スーパーG ACE800として発売した[14]。このフィルムはその後も、日本雑誌協会の大相撲取材の指定フィルムとされる(土俵上の光量で、F2.8の望遠レンズで撮影時、動きを止めるぎりぎりの1/500秒で撮影できる[13])など人知れず活躍した。その後も富士フイルムは「写ルンです」での使用を念頭に置いた、常用利用を前提とした粒子荒れの少ないISO感度1600のフィルムを開発するなどしている。

オリオンから、「写ルンです」をもじったラムネ菓子「食ベルンですHi」が発売されている(1990年発売開始)。「写ルンです」の景品に採用されたこともある[15]

その他パロディ的名称は数多い。

初代の「写ルンです」から7月1日に新製品が発売されることが多く、社内では7月1日を「写ルンですの日」と呼んでいる。夏の8月が「写ルンです」の最需要期ということも踏まえているという[3]


  1. ^ 『31年目の「写ルンです」』60頁。
  2. ^ 別冊宝島2611『80年代アイドルcollection』p.93.
  3. ^ a b 読売ADリポート ojo:adv.yomiuri 2000年2月号”. 2020年5月14日閲覧。
  4. ^ 『昭和40年男』Vol. 16、2012年。
  5. ^ a b オトナファミ2012年3月号」 p069 - 073 誕生25周年!フジカラー写ルンです
  6. ^ a b c d 写ルンです 出荷終了品”. 2020年1月24日閲覧。
  7. ^ “「フジカラー 写ルンです COLORS」 販売終了のご案内” (プレスリリース), 富士フイルムイメージングシステムズ株式会社, (2013年9月6日), http://ffis.fujifilm.co.jp/information/articlein_0028.html 2020年1月24日閲覧。 
  8. ^ “「フジカラー写ルンです シンプルエース27枚撮」価格改定およびパッケージリニューアルならびに「フジカラー写ルンです シンプルエース39枚撮」販売終了のご案内” (プレスリリース), 富士フイルムイメージングシステムズ株式会社, (2018年1月19日), http://ffis.fujifilm.co.jp/information/articlein_0077.html 2020年1月24日閲覧。 
  9. ^ FUJIFILM:ニュースリリース一覧”. 2001年8月11日時点のオリジナルよりアーカイブ。2022年6月18日閲覧。
  10. ^ 初代を除きISO400。
  11. ^ a b 『31年目の「写ルンです」』59頁。
  12. ^ 『31年目の「写ルンです」』61頁。
  13. ^ a b 『撮るライカ 1』(ISBN 4-7698-1165-9) p. 153 / 『写真工業』誌の連載では第24回、同誌 Vol. 61, No. 9(通巻653, 2003年9月号) pp. 95 - 99、該当の記述はp.96
  14. ^ 『カラーネガフィルムの技術系統化調査』§10.1.1
  15. ^ 激動の時代に 関西企業トップストーリー(52) オリオン社長 小西 靖介氏 子どもの「憧れ」形に/駄菓子にこだわり63年神戸新聞社、2011年10月2日。
  16. ^ TV-CM index FUJIFILM





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