兵器 開発・量産・調達

兵器

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/08/01 07:38 UTC 版)

開発・量産・調達

兵器の開発・量産は国営企業や民間企業が行なう。

自国単独の技術力で求める兵器の開発が可能か否かが重要な要素となり、国内での独自開発が難しい場合は他国との共同開発や、外国から兵器そのものを購入すること、製造技術の購入[8]ノックダウン生産ライセンス生産を行なうことになり、外国製兵器の模造を行なう国もある。また、他国の技術を購入してこれを改良する場合[9]もある。一方で、コストよりも国内メーカーの技術育成などを考慮し、あえて自力開発やライセンス生産を行う場合もある。

兵器全体や主要部品を自国内で生産せずに他国からの輸入に頼る場合には、何らかの事情でその入手が困難になった場合に、保守整備や修理などに支障が出るリスクが考慮される。

近年は電子機器類の多用などから、兵器の開発・製造コストが高騰する傾向にある。この為、F-35の開発の様に、ほぼ同一の機体構造を用いながら様々な派生タイプの機体を開発する統合打撃戦闘機(JSF:Joint Strike Fighter)計画や、NATOのように軍事同盟を結び、一国では賄いきれない兵器コストを相互に補完しあう[注 3]ことで削減する試みも行なわれている[10]。陸軍・海軍・空軍に分かれていた兵器も、20世紀末からはミサイルレーダーといった技術から相互の共通化が顕著になり、21世紀には当初から2軍で共通する兵器開発が行なわれることが珍しくなくなっている[2]


たとえば、戦闘機のユーロファイター タイフーンはイギリス、ドイツ(計画開始当時は西ドイツ)、イタリア、スペインの4ヶ国が共同開発し、組み立てについても各国の分業体制で行っている。

たとえばF-35は、アメリカ合衆国の航空機メーカー、ロッキード・マーティンが中心となって開発されたが、その後統合打撃戦闘機計画に基づき、アメリカやイギリスなどが共同でF-35ライトニングを開発。F/A-18ホーネットの後継として、基本型の通常離着陸機(CTOL)、艦載機(CV)、短距離離陸・垂直着陸(STOVL)という3つの派生型を開発、製造を目指している。

たとえば大韓民国陸軍K1戦車については、戦車開発の経験が無かったため、クライスラー・ディフェンス社(後のジェネラル・ダイナミクス社)が設計・開発を担当し、生産を韓国の現代車輌社(現代精密、後の現代ロテム)が担当した。


注釈

  1. ^ 本記事では銃弾、砲弾、ミサイルの弾頭などを破壊体としたが、これらを発射体と呼ぶこともある
  2. ^ 兵器システムにおける運搬体は、プラットフォームと呼ばれることが多い
  3. ^ 欧州各国でエアバス A400Mを共同開発した例や、NATOで輸送機を共同保有する例がある
  4. ^ つまり、初期型の初飛行からほぼ一世紀運用される可能性を有している
  5. ^ 政治的に対立するイランへの部品流出を防ぐため、レーダーやエンジン等の重要備品は完全に撤去されてから引き渡されている
  6. ^ ドイツ空軍のMiG-29は西側の有する数少ない東側戦闘機として他国との共同訓練に頻繁に参加していたが、部品供給や稼働率の低さなど問題を抱え、2005年ユーロファイター タイフーンの導入により全機が退役した。しかし、その多くがポーランドに売却され、第二(第三)の人生を送っている
  7. ^ アメリカ海軍の協力が得られた「トップガン」、自衛隊の協力を得られたゴジラシリーズガメラシリーズ、「戦国自衛隊1549」など

出典

  1. ^ a b c ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「兵器」
  2. ^ a b c 出典:加藤朗著 『兵器の歴史』 芙蓉書房出版 2008年1月25日第一刷発行 ISBN 9784829504130
  3. ^ さらに言うと、戦車や戦闘機ですら、米国では個人が趣味で所有して乗り回したり飛ばしたりすることもあるわけで、個人が趣味で所有したら戦車や戦闘機ですら「兵器」扱いではなくなる。
  4. ^ a b c d e 小学館『日本大百科全書』「兵器」
  5. ^ なお、念のために言っておくと、軍隊が所有するありとあらゆるものが「兵器」というわけではない。「兵器」はあくまで軍事目的で重要な装置や設備のことである。軍隊が保有・使用しているものでも、たとえば軍隊の施設内に、たとえば寝台・運動用器具(ランニングマシン、ベンチプレス器具)やカラオケ装置などを保有していても、その寝台・運動用器具 等までが「兵器」というわけではない。攻撃や防御などの目的に使用されるわけでもなく、軍事的に重要な器具・装置類ではないからである。
  6. ^ 岩狭源清著 『中国原潜技術&漢級侵犯事件』 軍事研究2005年4月号 ジャパン・ミリタリー・レビュー2005年4月1日発行 ISSN 0533-6716 Page195
  7. ^ 三鷹聡著 『2010年アジア欧州の陸戦主力兵器』 軍事研究2005年2月号 ジャパン・ミリタリー・レビュー2005年2月1日発行 ISSN 0533-6716 Page75
  8. ^ 宮園道明著 『発展する中国のミサイル産業』 軍事研究2008年9月号 ジャパン・ミリタリー・レビュー2008年9月1日発行 ISSN 0533-6716
  9. ^ 清谷信一著 『実需要の高い新型ジープ』 軍事研究2008年10月号 ジャパン・ミリタリー・レビュー2008年10月1日発行 ISSN 0533-6716 Page73
  10. ^ 菊池雅之著 『DLO:空中機動作戦師団』 軍事研究2008年10月号 ジャパン・ミリタリー・レビュー2008年10月1日発行 ISSN 0533-6716 Page78




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