公安委員会 公安委員会の概要

公安委員会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/07/16 14:24 UTC 版)

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概要

警察庁の管理のために、内閣総理大臣の所管のもとに国家公安委員会と、都道府県警察の管理を自治事務[1]として行う都道府県公安委員会地方自治法第180条の9警察法第38条)[2]とがある。

都道府県公安委員会は都道府県知事の所轄に置かれる[3]

北海道北海道警察)では、さらに、4つの方面本部ごとにこれを管理する方面公安委員会が設置されている[4]

庶務(事務)は国家公安委員会は警察庁、都道府県公安委員会は都道府県警察が行う。

権限

都道府県公安委員会は都道府県警察の運営を管理する権限を有する。公安委員会が警察の民主的運営と政治的中立性に鑑み、警察行政の大綱方針を定め、警察行政の運営がその大綱方針に則して行われるよう都道府県警察に対して事前事後の監督を行う。しかし、警察事務の執行が法令に違反し、あるいは国家公安委員会の定める大綱方針に則していない疑いが生じた場合には、その是正又は再発防止のため、具体的事態に応じ、個別的又は具体的に採るべき措置を指示し得る。その他、法令の規定に基づいて、運転免許証、交通規制、風俗営業の許可、デモ行進の届出受理、古物商の許可、質屋の許可などの事務を行う。

風俗営業等に関する権限

風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」)では、いわゆる風俗営業を営もうとする者に対する許認可権限が都道府県公安委員会に与えられている(風営法第3条)。また特にパチンコパチスロに関しては、各パチンコ店が設置するパチンコ・パチスロ機が過度に射幸心を煽るものとなっていないことを示す検定の実施主体となる(風営法第20条4項)。実際の検定業務は保安通信協会(保通協)等の「指定試験機関」に委託されており、指定試験機関の型式検定に合格していて書類の提出等形式が整っていれば検定は通ることがほとんどだが、稀に指定試験機関をクリアしていても都道府県公安委員会の判断で検定が通らないこともある(2006年に『秘宝伝』(大都技研)が山梨県公安委員会の検定を通過できなかった件などが代表例)。

性風俗関連特殊営業に関しては、都道府県公安委員会は同営業を営もうとする者からの届出の提出先となるほか(風営法第27条等)、一定の条件を満たす場合に営業停止を命じたりすることができる(風営法第30条等)。この他深夜0時以降にアルコール類を提供する飲食店(酒類提供飲食店)についても都道府県公安委員会への届出が必要となる(風営法第33条)。

探偵業に関する権限

探偵業の業務の適正化に関する法律(以下「探偵業法」)では、いわゆる探偵・興信所業務を営もうとする者に対する許認可権限が都道府県公安委員会に与えられている。

運転免許証の発行主体

運転免許証は各都道府県公安委員会が交付するが、実際の業務は各都道府県警察交通部に委任されている。

駐車禁止除外標章の発行主体

歩行困難者の社会活動を促すため、駐車禁止を一部緩和する駐車禁止除外標章を発行する権限を有している

道路標識・道路標示・信号機の設置主体

道路交通法の規定により、道路標識道路標示信号機の設置主体となっている。ただし、実質的管理権は都道府県警察に委任されている。

道路標識は道路管理者も設置する事ができるが、同じ外見の道路標識について道路管理者が設置する場合と公安委員会が設置する場合とがあり、双方において適用法令や違反時の罰則が大きく異なる場合もある。(通行止め自動車運転死傷行為処罰法など)

公安委員会は、特定の道路標識または道路標示による交通規制であって期間が1ヶ月を超えないものを、警察署長に委任することができる(道路交通法5条、同施行令第3条の2)

委員の要件と任免

委員は当該都道府県の議会の議員被選挙権を有する者で、任命前5年間に警察または検察の職務を行う職業的公務員の前歴のないもののうちから、議会の同意を得て知事が任命する[5]。「当該都道府県の議会の議員の被選挙権を有する者」と定められていることから25歳以上の日本国籍所持者(国籍条項)で、当該都道府県の住民であることが要件になっている。

一県当たり3人の委員で組織される。ただし、東京都北海道京都府大阪府及び政令指定都市を含む県(宮城県埼玉県千葉県神奈川県新潟県静岡県愛知県兵庫県岡山県広島県福岡県熊本県)は、2人(特定委員といわれる)を加えて、計5人の委員で組織される[6]。政令指定都市を有する道府県の2人の特定委員は、当該政令指定都市の市長が市議会の同意を得て推薦した者について知事が任命する。特定委員は「指定市の議会の議員の被選挙権を有する者」定められている。すなわち25歳以上の日本国民(国籍条項)で当該政令指定都市の住民であることが要件になっている。

  • 静岡県・大阪府・福岡県のように2つの政令指定都市がある場合は、それぞれの政令指定都市の市長が1人ずつ推薦する。
  • 神奈川県のように3つ以上の政令指定都市がある場合は、うち2つの政令指定都市の市長が1人ずつ推薦する。特定委員の1人が任期満了(再任を除く)または欠けた時に、まだ推薦したことのない政令指定都市、あるいは、推薦した特定委員が任期満了または欠けた日が最も古い政令指定都市、の市長が推薦する[7]

「心身の故障のため職務の執行ができないと認める場合」「委員に職務上の義務違反その他委員たるに適しない非行があると認める場合」は知事は都道府県議会の同意を得て、罷免することができる(特定委員は当該政令指定都市市長と市議会の同意も必要)[8]。また、都道府県の有権者の3分の1以上[9]の署名を集めて請求して都道府県議会に付議し、議員の3分の2の定足数で4分の3以上の多数で同意があればリコールをすることができる。

  • 任期は3年で2回の再任が可能(都合最長3期=9年)である。
  • 委員長は委員の互選により任期は1年(再任可)。

  1. ^ 地方分権一括法施行以前は団体委任事務
  2. ^ なお、旧警察法における都道府県公安委員会は国の機関委任事務たる都道府県国家地方警察を管理していた。
  3. ^ 警察法第38条第1項。
  4. ^ 道警察には方面本部が設置され(警察法第51条)、方面本部を管理するために方面公安委員会(ほうめん―)が設置される(警察法第46条)。委員の人数、任期等については政令指定都市を含まない県についての規定が準用される。現在、唯一の道である北海道にのみ存在している。
  5. ^ 警察法39条
  6. ^ 警察法38条2項
  7. ^ 警察法施行令第3条の3
  8. ^ 警察法41条2項
  9. ^ 地方自治法等の一部を改正する法律(平成14年法律第4号、2002年3月30日公布)により「その総数の3分の1(その総数が40万を超える場合にあつては、その超える数に6分の1を乗じて得た数と40万に3分の1を乗じて得た数とを合算して得た数)以上」と改正されている。
    有権者 規定数 割合
    39万9999人 13万3333人 33.333333%
    40万0004人 13万3334人 33.333331%
    50万0000人 15万0000人 30.000000%
    99万9998人 23万3333人 23.333346%
    100万0004人 23万3334人 23.333306%
    110万0000人 25万0000人 22.727272%


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