八丈島 地理

八丈島

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/16 17:15 UTC 版)

地理

東京都の本州島側地域の南方海上287キロメートル、御蔵島の南南東方約75キロメートルにあり、東山(別名:三原山・標高701メートル)と西山(別名:八丈富士・標高854メートル)のふたつの火山が接合した北西-南東14キロメートル、北東-南西7.5キロメートルのひょうたん型をした島。面積は山手線の内側とほぼ同じ(面積の比較)。羽田空港から飛行機で片道55分で行けることと、沖縄と比べても安価な旅費で済むため、手軽なリゾート地として親しまれている。

地形図
上が西山(別名:八丈富士)
右が東山(別名:三原山)

富士火山帯に属する火山島で、東山は約10万年前から約3700年前まで活動し、約4万年前にカメソウノ鼻火砕流、鴨川火砕流を噴出した噴火で、山頂部に6×4.5kmの東山カルデラを形成したと考えられている。完新世内では約4千年前と約6.6千年前に規模の大きな噴火が発生している。最終噴火は有史以前であり、歴史記録上の噴火はない。西山は数千年前から活動を始めた新しい火山で、山頂に直径約500メートルの火口がある。1487年文明19年/長享元年)12月、1518年永正15年)2月、1522年大永2年) - 1523年(大永3年)、1605年慶長10年)10月、1606年(慶長11年)1月に噴火が記録されており、特に1606年の記録には、海底噴火によって火山島ができたとされる。なお、最後の噴火の記録については1605年といわれたり1606年といわれたり、多くの資料において統一がされておらず、また八丈島誌などには最後の噴火を富士山宝永噴火の1707年(宝永4年)とする説もある。ただしこれについては伝聞などによる記録の為、信憑性に疑問が残されている。

東山と西山の間にある低地には、20以上の側火山(寄生火山)があり、海岸近くには神止山などのマグマ水蒸気爆発による火砕丘がある。17世紀までに数回活動した記録があるが、規模は大きくなかったと考えられている。

海底地形では、八丈島を含む地塊は島の北側では北方約25kmにある黒瀬(黒瀬堆)が地塊の北縁になっており、島の南側では南八丈堆が島棚の南端になっている[1]

気候暖流である黒潮の影響を受け、ケッペンの気候区分で言う所の温暖湿潤気候(Cfa)[2]となっている。年平均気温は17.8℃となっており、高温多湿。年間を通してが強く、が多いのが特徴。そのため、「常春の島」とも言われている。なお、雪は全く降らないというわけではなく、数年に一度の頻度で降る[3]

東京都心から遥か南に存在するため、常夏のイメージを持たれているが、八丈島の緯度は大分県大分市と殆ど同じ(北緯33度6分)であるため、ハワイ(北緯18度55分)や沖縄(北緯26度12分)よりも遥かに高緯度になり、常夏とは言い難い環境となっている。それでも日本で海外渡航が自由化された1964年においては、ハワイ旅行が当時の国家国務員大卒初任給(1万9100円)の19倍となる36万4000円と非常に壁が高かった[4]ことに加え、当時は沖縄もアメリカ軍統治下にあったため、ハワイの代替として旅行先(特に新婚旅行)に選ばれることが多かった。


八丈島八丈町大賀郷(八丈島特別地域気象観測所、標高151m)の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 21.5
(70.7)
21.9
(71.4)
22.7
(72.9)
26.3
(79.3)
27.4
(81.3)
30.4
(86.7)
34.2
(93.6)
34.8
(94.6)
33.2
(91.8)
31.0
(87.8)
26.3
(79.3)
24.6
(76.3)
34.8
(94.6)
平均最高気温 °C°F 12.9
(55.2)
13.5
(56.3)
15.8
(60.4)
18.9
(66)
21.8
(71.2)
24.1
(75.4)
27.7
(81.9)
29.6
(85.3)
27.6
(81.7)
23.8
(74.8)
20.0
(68)
15.6
(60.1)
20.9
(69.6)
日平均気温 °C°F 10.1
(50.2)
10.4
(50.7)
12.5
(54.5)
15.8
(60.4)
18.8
(65.8)
21.3
(70.3)
25.2
(77.4)
26.5
(79.7)
24.5
(76.1)
21.0
(69.8)
16.9
(62.4)
12.7
(54.9)
18.0
(64.4)
平均最低気温 °C°F 7.6
(45.7)
7.5
(45.5)
9.3
(48.7)
12.9
(55.2)
16.2
(61.2)
19.4
(66.9)
23.3
(73.9)
24.3
(75.7)
22.3
(72.1)
18.7
(65.7)
14.2
(57.6)
9.9
(49.8)
15.5
(59.9)
最低気温記録 °C°F −1.8
(28.8)
−2.0
(28.4)
0.0
(32)
4.5
(40.1)
8.3
(46.9)
11.5
(52.7)
15.6
(60.1)
16.7
(62.1)
14.7
(58.5)
10.4
(50.7)
5.9
(42.6)
0.3
(32.5)
−2.0
(28.4)
降水量 mm (inch) 201.7
(7.941)
205.5
(8.091)
296.5
(11.673)
215.2
(8.472)
256.7
(10.106)
390.3
(15.366)
254.1
(10.004)
169.5
(6.673)
360.5
(14.193)
479.1
(18.862)
277.4
(10.921)
200.2
(7.882)
3,306.6
(130.181)
平均降水日数 (≥0.5 mm) 16.3 15.5 17.9 14.1 14.1 16.9 12.0 12.1 16.7 17.8 15.2 16.0 184.7
湿度 68 69 71 77 84 91 92 87 86 82 74 69 79
平均月間日照時間 84.9 87.8 124.5 139.4 148.5 87.1 137.3 185.9 139.6 107.1 102.6 100.4 1,445
出典:気象庁 (平均値:1991年-2020年、極値:1906年-現在)[5][6]

注釈

  1. ^ 為朝の八丈島での自害については、『保元物語』に記述がみられる。

出典

  1. ^ 9.国内外の主な火山現象による津波観測記録一覧表、10.個別火山の津波発生要因に関する調査結果の詳細”. 原子力規制委員会. 2022年1月10日閲覧。
  2. ^ 気候:八丈町-気候グラフ、気温グラフ、雨温図, 水温八丈町 - Climate-Data.org”. ja.climate-data.org. 2020年9月27日閲覧。
  3. ^ 八丈島で降雪=東京から290キロ南 時事通信社(2018年1月26日)2018年1月26日閲覧
  4. ^ 50年前のハワイツアー、旅行代金はいくら? -海外渡航自由化50周年の歴史を読み解く(1)” (日本語). トラベルボイス. 2020年11月20日閲覧。
  5. ^ 平年値ダウンロード”. 気象庁. 2021年6月閲覧。
  6. ^ 観測史上1〜10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2021年6月閲覧。
  7. ^ 八丈町公式サイト
  8. ^ 始祖伝説 問われる真偽南海タイムズ、2020年9月15日閲覧。
  9. ^ 「いまに東京の宝島 安井都知事ら八丈島を視察」『朝日新聞』1947年(昭和22年)7月17日.2面
  10. ^ 「一つになれぬ八丈島 いがみあう二村 都も強硬手段か」『日本経済新聞』昭和30年1月31日
  11. ^ 「買い占められる八丈島 地価うなぎのぼり 道路改修もままならず」『朝日新聞』1972年(昭和47年)6月19日朝刊、24面
  12. ^ 「ストリップ汚染イヤ 劇場ができても給水はせんぞ」『朝日新聞』1972年(昭和47年)8月3日夕刊、9面
  13. ^ 東京地婦連60年のあゆみ(年表) (PDF)”. 東京都地域婦人団体連盟. 2020年9月6日閲覧。
  14. ^ 八丈町教育委員会編著『八丈町誌 改訂増補版』 (八丈町、1993年)257頁
  15. ^ 山田平右エ門 (2012年1月31日). 改訂版 八丈島の戦史. 郁朋社 
  16. ^ 八丈町教育委員会編著『八丈町誌 改訂増補版』 (八丈町、1993年)262-263頁
  17. ^ “運賃一覧(2005年4月1日~2005年9月30日搭乗分)” (PDF) (プレスリリース), 全日本空輸, https://www.ana.co.jp/pr/05-0103/pdf/05-010-2.pdf 
  18. ^ “運賃一覧(2005年10月1日~2006年3月31日搭乗分)” (PDF) (プレスリリース), 全日本空輸, https://www.ana.co.jp/pr/05-0709/pdf/05-104.pdf 
  19. ^ “2017年3月26日~2017年10月28日ご搭乗分 各種運賃一覧” (PDF) (プレスリリース), 全日本空輸, https://www.ana.co.jp/group/pr/pdf/20161222-2.pdf 
  20. ^ (PDF) 航空路旅客運賃の島民割引が始まります!, 東京都八丈町, http://www.town.hachijo.tokyo.jp/info/wp-content/uploads/2017/06/H290701.pdf 
  21. ^ 八丈島・青ヶ島へのアクセス,東京都総務局
  22. ^ 八丈島観光協会
  23. ^ 八丈島と、魔女の夏☆八丈島聖地巡礼においで! (1) 八丈島観光協会ブログ 2012年6月2日 2012年9月閲覧
  24. ^ 夏色キセキ☆八丈島聖地巡礼においで! (2) 八丈島観光協会ブログ 2012年6月11日 2012年9月閲覧






八丈島と同じ種類の言葉


固有名詞の分類


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

八丈島のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



八丈島のページの著作権
Weblio 辞書情報提供元は参加元一覧にて確認できます。

  
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの八丈島 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2022 GRAS Group, Inc.RSS