入学試験
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/03/21 08:22 UTC 版)
用語
漢語
「入学試験(旧字体:入學試驗)」は和製漢語である。実態としての入学試験は明治時代の初頭からあったが、「入学試験」という語の初出(※記録上の初)は、作家・巖谷小波が1889年(明治22年)に江の島の老舗旅館「金亀楼」で著した短編小説『妹背貝(いもせがい)』の「秋」に見られる「陸軍医学校の入学試験があるので」という一節[5]と考えられる。1894年(明治27年)には、尋常中学校規定の中で、学力を基準に[1]「志願者が定員を超えた際には入学試験によって選抜する」ことが定められた[4][1]。それ以来、この入学試験の結果を基準として、成績上位者から順に収容定員まで合格者を決定する方式が[4]中等以上の[1]様々な教育段階における入学者選抜方式として用いられるようになった[4][1]。同じ漢語でも中国語では「入學考試(簡体字:入学考试)」という。
英語
英語では entrance examination [注 2][9]といい、entrance exam [注 3][11]と略すことも多い。ただ、これらは入学に限らず、入社などでも用いられる。共通入学試験は common entrance examination といい、頭字語では CE というのが通例[注 4](※右列の画像の例[注 5]のように構成素となる場合は CEE もあり)。
受験
「受験(じゅけん。旧字体:受驗)」は[12]明治時代生まれの和製漢語であり、中国の漢語では「應考(簡体字:应考)」あるいは「應試(簡体字:应试)」という。いずれも「試験を受けること」を意味する。現代における代表的な受験としては、入学試験を始め、入社試験・公務員試験・資格試験などがある[12]。「応募して受験する」を意味する動詞は、日本語には無いが、中国語では「投考」という。「受験する生徒」を日本語では「受験生(じゅけんせい)」といい、中国語では「應考生(簡体字:应考生)」などという。「受験する子供」を日本語では「受験子(じゅけんし)」というが[注 6]、中国語では確認できない。
注釈
- ^ Common Entrance Examination for Design(en. 頭字語:CEED)は、インドにおける技術設計分野の大学院のための共通入学試験で、全てのインド工科大学 (IIT) とインド理科大学院 (IISc) で毎年実施される。試験はインド政府の人材開発省に代わってインド工科大学ボンベイ校 (en. IITB) の旧インダストリアルデザインセンター (en) が主催している。
- ^ 日本語音写例:エントゥランス イグザミネイション、エントランス エグザミネーション。[7][8]
- ^ 日本語音写例: - イグザム、- エグザム。[10]
- ^ [ CE < Common Entrance (examination) ]
- ^ [ CEED < Common Entrance Examination for Design ]
- ^ ただし、21世紀の日本では俳句を始めとする詩歌以外で使われることはほとんど無い。
- ^ 東山中学校・高等学校。
- ^ 「天に手が届くように見えて決して届かない見えざる壁」の意。
- ^ 歳時記によって用語が異なるが、要するに、「人が生活するなかで行うこと」を指す。
- ^ マントを翻しながら街灯をゆく受験生はかなり古風なイメージ。
- ^ 作者は高校の国語教師であり、1970年代前半の入学試験の頃の日、無事に受験し終えて母校への報告も済ませた生徒達の、すっかり緊張を解いて仲良く帰路に着く様子を、ほっとした心持ちで職員室から眺めた情景を詠んでいる[43]。
- ^ 「かなしめる」は「愛かなしめる」を意すると同時に「悲かなしめる」でもある。漢字を使っていないのは、「かなしむ」の原義どおりにどちらも含意させているということ。この句では、受験を控えた大変な時期のやり場の無い重圧感のなかで愛犬をいつにも増して可愛がっている少年の、その心の内をおもんばかって詠んでいる。[44]
出典
- ^ a b c d e 『ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典』. “入学試験”. コトバンク. 2020年2月7日閲覧。
- ^ a b 小学館『デジタル大辞泉』. “入学試験”. コトバンク. 2020年2月7日閲覧。
- ^ a b 三省堂『大辞林』第3版. “入学試験”. コトバンク. 2020年2月7日閲覧。
- ^ a b c d 日立デジタル平凡社『世界大百科事典』第2版. “入学試験”. コトバンク. 2020年2月7日閲覧。
- ^ a b 小学館『精選版 日本国語大辞典』. “入学試験”. コトバンク. 2020年2月7日閲覧。
- ^ 桑原敏明[1]、広瀬義徳[2]、小学館『日本大百科全書(ニッポニカ)』. “試験制度”. コトバンク. 2020年2月7日閲覧。
- ^ “entrance”. 英辞郎 on the WEB. アルク. 2020年2月7日閲覧。
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- ^ “entrance examination”. Weblio英和辞書. ウェブリオ株式会社. 2020年2月7日閲覧。
- ^ “exam”. 英辞郎 on the WEB. アルク. 2020年2月7日閲覧。
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- ^ “昨年度の入試ミスで5人不合格 富山大、教授ら13人チェック甘く:朝日新聞デジタル”. 朝日新聞デジタル (2023年3月6日). 2023年3月10日閲覧。
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- ^ a b c d “受験のゲン担ぎは本当に効果がある!?本末転倒にならないジンクスの総まとめ‼ | 中学受験ママのお悩みあれこれ… プロ家庭教師の総合進学セミナー”. www.sougousingaku.co.jp. 2020年6月3日閲覧。
- ^ “『勉強頑張れ!』は禁句!受験生に言ってはいけない禁句5選と対処法を東大生が解説!”. 東大BKK(勉強計画研究)サークル (2018年7月27日). 2020年6月3日閲覧。
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