健康保険組合 健康保険組合の概要

健康保険組合

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/02 07:51 UTC 版)

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監督官庁は厚生労働省の地方支部局である地方厚生(支)局。上部組織として健康保険組合連合会がある。連合会に加盟する健保組合の数は、平成30年(2018年)4月現在、1,389組合にのぼる[2]

日本の国民医療費(制度区別、2016年度)[3]
公費負担医療給付 3兆1433億円 (007.5%)
後期高齢者医療給付 14兆1731億円 (033.6%)
医療保険等給付
19兆5663億円
(45.7%)
被用者保険
9兆7210億円
(22.2%)
協会けんぽ 5兆1171億円 (012.1%)
健康保険組合 3兆5254億円 (008.4%)
船員保険 195億円 (000.0%)
共済組合 1兆0583億円 (002.6%)
国民健康保険 9兆5404億円 (022.6%)
その他労災など 3049億円 (000.7%)
患者等負担 5兆1435億円 (012.2%)
軽減特例措置 1119億円 (000.3%)
総額 42兆1381億円 (100.0%)

目的

健康保険法に基づく保険者 (平成25年)[4]
保険者 加入者数 組合数
加入者計 本人 家族
全国健康保険協会
(日雇特例被保険者以外)
34877千人 19631千人 15246千人 N/A
全国健康保険協会
(日雇特例被保険者)
18千人 12千人 6千人 N/A
健康保険組合 29504千人 15533千人 13951千人 1443組合
健康保険法については、以下では条数のみ記す。

健康保険の保険者は、全国健康保険協会及び健康保険組合とする」と定められ(第4条)、これに基づき、健康保険組合は、その組合員たる適用事業所の事業主、その適用事業所に使用される被保険者、及び任意継続被保険者で構成される(第8条)。特定健康保険組合の場合は、さらに特例退職被保険者が含まれる。

健康保険組合で行っている被用者保険制度を、組合管掌健康保険(通称:組合健保)という。主に大手企業やそのグループ企業[5]の社員が加入している。生活習慣病など疾病予防の活動を積極的に行い、従業員等の健康増進とともに医療費や保険料を抑えることができるという、スケール・メリットを生かした活動が期待されている。

単一型健康保険組合
健保組合を企業が単独で設立する形式。被保険者要件は常時700人以上。
総合型健康保険組合
同業種の複数の企業が共同で設立する形式。被保険者要件は常時3000人以上。
上部組織として総合健康保険組合協議会がある(根拠法令なき任意団体
地域型健康保険組合
同一都道府県内に展開する健保組合が合併した場合の形式(附則第3条の2)。
2006年(平成18年)の法改正により新たに設けられた。小規模・財政窮迫組合の再編・統合を目的とし、安定した保険運営の困難な組合の受け皿として設立される。同一都道府県に複数設立されることもあり得る。
  • 健保組合が分割によって設立される場合は、そのいずれも人数要件を満たさなければならない。

これに対し、現在、全国健康保険協会で行っている被用者保険制度は、全国健康保険協会管掌健康保険(通称:協会けんぽ)といい、2008年(平成20年)9月30日までは国(社会保険庁)が政府管掌健康保険(通称:政管健保)として運営していた。

設立

組合健保の組合数増減内訳[6]
設立 解散 合併消滅 増減
平成21年度 6 23 7 ▲24
平成22年度 5 10 10 ▲15
平成23年度 4 7 12 ▲15
平成24年度 3 1 14 ▲12
平成25年度 10 12 10 ▲12
平成26年度 6 5 11 ▲10
平成27年度 3 4 5 ▲4
平成28年度 7 7 4 ▲6

適用事業所の事業主が健康保険組合を設立しようとするときは、適用事業所に使用される被保険者の2分の1以上の同意を得て規約を作り、厚生労働大臣認可[7]を受けなければならない(第12条1項)。共同設立の場合は全事業主の同意を得たうえで2分の1以上の同意を各事業所について得なければならない(第12条2項)。また、厚生労働大臣は、1又は2以上の強制適用事業所について一定数以上の被保険者を使用する事業主に対し健康保険組合の設立を命ずることができる(第14条)。事業主がこの命令に従わなかった場合は、その手続の遅延した期間、その負担すべき保険料額の2倍位相当額以下の過料に処する。健康保険組合は、設立の認可を受けたときに成立する(第15条)。健康保険組合が事業所を増加・減少させるときも同様の手続きが必要である(第25条)。

健康保険組合が設立された適用事業所の事業主及びその事業所に使用される被保険者は、たとえ設立に同意しなかった被保険者であっても当該健康保険組合の組合員になる(第17条1項)。事業所に使用されなくなったときでも、任意継続被保険者であるときは、なお当該健康保険組合の組合員となる(第17条2項)。なお、日雇特例被保険者は、健康保険組合のある事業所に使用される場合であっても、組合員となることはできない。

健康保険組合の設立には厚生労働省が定める設立認可基準に適合し、将来にわたって安定した事業運営が見込まれることが必要であり、その審査は厳格である。基準を満たさずに申請して国が認可しなかった場合、上場企業においては市場における当該企業の株価の暴落といった副作用を招く恐れがあるため、実際には設立申請前に入念な事前チェックが行われ、最終的に認可基準に適合すると認められる者のみが認可申請に進む手法が慣例となっている。このため、セレモニーたる申請が却下された事例は一度もない。

健康保険組合が組織されている事業所に日雇特例被保険者が就労する場合、その組合は日雇拠出金を厚生労働大臣に納付しなければならない。その額は1年度の日雇特例被保険者に係る支出総額から収入総額を除いたものを、同年度のその組合ごとの就労日数で按分して算出する。つまり日雇特例被保険者に係る費用は使用実績に応じた負担となるのである。納期限は毎年9月30日と3月31日である。




  1. ^ a b OECD Economic Surveys: Japan 2009 (Report). OECD. (2009-08-13). Chapt.3. doi:10.1787/eco_surveys-jpn-2009-en. ISBN 9789264054561. 
  2. ^ a b c 平成30年度健保組合予算早期集計結果の概要 (Report). 健康保険組合連合会. (2018-04-23). http://www.kenporen.com/include/press/2018/20180423.pdf. 
  3. ^ 平成28年度 国民医療費の概況 (Report). 厚生労働省. (2018-09-21). https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-iryohi/16/index.html. 
  4. ^ 平成25年版 厚生労働白書 (Report). 厚生労働省. 資料編 p26. 
  5. ^ 業種を問わず、多くの大企業が健康保険組合を有しているが、一方でJRA日本相撲協会などの団体も健康保険組合を有している。
  6. ^ “平成30年度健保組合予算早期集計結果の概要(資料編)” (プレスリリース), 健康保険組合連合会, http://www.kenporen.com/include/press/2018/20180423.pdf 
  7. ^ 健康保険法上の厚生労働大臣の権限の多くは地方厚生局長又は地方厚生支局長に委任されているが、健康保険組合の設立の認可については委任されていない。
  8. ^ 昭和20年代頃までは「入院中の栄養品料の支給」を付加給付として認めていたが(昭和23年2月5日保発147号)、昭和30年代以降、「法定給付と併せ行い得る」旨の行政指導が強化され、認められなくなった。
  9. ^ 年度健保組合決算見込の概要 (Report). 健保連. (2016-09-09). http://www.kenporen.com/include/press/2016/20160909-1.pdf. 
  10. ^ “健保組合、平均料率が過去最高 高齢者医療への拠出響く”. 朝日新聞. (2018年4月24日). https://www.asahi.com/articles/ASL4R4R81L4RUTFK012.html 
  11. ^ 橋本佳子 (2018年10月10日). “75歳以上の負担「2割」か?「現役世代の負担は限界」「反対」 医療保険部会、高額薬剤「保険外併用療養」の活用検討”. m3.com (エムスリー). https://www.m3.com/open/iryoIshin/article/634395/ 2018年10月13日閲覧。 
  12. ^ “西濃運輸の健保組合、解散 高齢者医療改革で負担増”. 共同. (2008年8月21日). http://www.47news.jp/CN/200808/CN2008082101000303.html 
  13. ^ “名古屋市健保が12月解散へ 全国14組合が共済へ移行”. 共同. (2008年9月17日). http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008091701000388.html 
  14. ^ “京樽健保組合が解散 高齢者医療費の負担倍増で”. 共同. (2008年9月9日). http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008090901000240.html 
  15. ^ “「新潟運輸健保組合」が解散”. 新潟日報. (2009年6月4日) 
  16. ^ 西村圭史 (2018年9月21日). “国内第2位の健康保険組合、解散を決定 51万人が加入”. 朝日新聞デジタル (朝日新聞社). https://www.asahi.com/articles/ASL9P5Q4DL9PUTFK01D.html 2018年10月12日閲覧。 


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