倉敷市 概要

倉敷市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/28 14:48 UTC 版)

概要

岡山県下では県庁所在地で東に隣接する岡山市に次いで第2位(中国地方では第3位)となる約48万人の人口を擁し、岡山市や周辺自治体と共に岡山都市圏を形成している[注 1]。また、備中県民局の本庁が置かれ、県西部(高梁川流域圏)の中枢都市としての機能も有する[1]。市中心部の倉敷川沿いの一帯は江戸時代に幕府直轄地(天領)が置かれたのを機に繁栄し、和洋織りなす白壁の町並みが今も美観地区として保存され、県内有数の観光の街としての顔を持つ。一方で臨海部には石油コンビナートなど重化学工業地帯が形成されており、市内の製造品出荷額(2016年)は3兆円超に上るなど[2]大阪市などと並び西日本を代表する工業都市としての顔も併せ持つ。

倉敷市の発足は1928年(昭和3年)の昭和初期である。その後1967年に旧倉敷・児島・玉島の3市が新設合併したことにより現在の倉敷市(2代目)が成立した。さらに旧3市や現在の市が周辺町村の編入合併を繰り返し市域を拡げてきたため、地理や歴史、文化の異なる多様な地域で構成され、核となる市街地も各地に分布する。主要な地域としては行政観光倉敷重化学工業地帯のお膝元・水島学生服ジーンズメッカ児島貿易港新幹線駅を有する玉島などがある。

地理・地勢

倉敷市中心部周辺の空中写真。
2007年7月24日撮影の16枚を合成作成。国土交通省 国土地理院 地図・空中写真閲覧サービスの空中写真を基に作成。

市域は岡山県の南中央部に位置し、市の中西部を高梁川が北から南に流れ瀬戸内海に注いでいる。平野の多くは干拓地や沖積平野で占められ、児島地域を除き比較的平坦である。市内には児島、亀島山、玉島、連島など「島」の付く地名が多いが、それらの地域は元来文字通り「島」であり、干拓により陸続きになって今の市域が形成されている。

山陽新幹線山陽本線山陽自動車道国道2号が東西に横断し、山陰地方を結ぶ伯備線四国を結ぶ瀬戸大橋瀬戸大橋線瀬戸中央自動車道)も市内を経由しており、交通・物流の結節点としての重要な地位を占めるに至っている。

主な自然地形

  • 主な山岳
    • 種松山 - 258.4m 倉敷 粒江
    • 大山 - 143.7m 倉敷 生坂
    • 向山 - 100.0m 倉敷 向山
    • 大平山 - 161.9m 水島 連島矢柄
    • 鴨ヶ辻山 - 283.9m 水島 呼松
    • 弥高山 - 307.6m 玉島 陶
    • 鷲羽山 - 133.5m 児島 下津井田ノ浦
    • 竜王山 - 203.4m 児島 味野
    • 王子が岳 - 227.8m 児島 唐琴
    • 由加山 - 273.1m 児島 由加
    • 仙随山 - 269.9m 児島 田の口
    • 鷲峰山 - 399.2m 真備 妹(せ) ※市内最高峰
平成30年7月豪雨では小田川の堤防が決壊、甚大な被害を出した。

気候・環境

温暖で晴れの日が多く雨が少ない瀬戸内海式気候に属する反面、高梁川による豊富な水資源の恩恵で水不足になることは稀である。冬から春にかけては、中国大陸から流入する黄砂に見舞われることもある。また冬には積雪の観測される日も年に1~2回程度はあるが、大雪は極めて少ない。

太平洋高気圧に覆われる夏季には瀬戸内海沿岸特有の「」が発生し、気温が35度以上の猛暑熱帯夜になる日もある。また、瀬戸内海を隔てて南方に位置する千数百メートル級の急峻な山々が連なる四国山地により台風が直撃することが滅多に無く、直上を通過しても四国山地で勢力が弱められて甚大な被害とはならない場合が多いのも特徴。

大部分が沖積平野干拓地である平野部は河川や海の水面との差があまりない低地が多く、明治時代まで東西に分かれていた高梁川が度々氾濫を起こす水害の多い地域であった。しかし、大正時代に用水路の整備とともに改修工事が行われ現在の形に一本化された後は大規模な水害が減少した。

近年発生した顕著な気象災害として、2004年の台風集中上陸による高潮などの被害、2018年平成30年7月豪雨(西日本豪雨)による真備地区での大規模水害が挙げられる[4][5]

倉敷[6]の気候
1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月
最高気温記録 °C°F 16.1
(61)
22.5
(72.5)
23.5
(74.3)
30.5
(86.9)
32.6
(90.7)
35.2
(95.4)
36.8
(98.2)
37.1
(98.8)
36.0
(96.8)
32.4
(90.3)
25.4
(77.7)
19.9
(67.8)
37.1
(98.8)
平均最高気温 °C°F 9.2
(48.6)
10.0
(50)
13.6
(56.5)
19.3
(66.7)
24.4
(75.9)
27.3
(81.1)
30.9
(87.6)
32.2
(90)
28.4
(83.1)
23.1
(73.6)
17.1
(62.8)
11.5
(52.7)
20.6
(69.1)
日平均気温 °C°F 4.6
(40.3)
5.2
(41.4)
8.5
(47.3)
13.9
(57)
19.1
(66.4)
22.9
(73.2)
26.9
(80.4)
27.9
(82.2)
23.9
(75)
18.0
(64.4)
12.0
(53.6)
6.7
(44.1)
15.8
(60.4)
平均最低気温 °C°F 0.3
(32.5)
0.6
(33.1)
3.5
(38.3)
8.6
(47.5)
14.0
(57.2)
19.1
(66.4)
23.6
(74.5)
24.4
(75.9)
20.1
(68.2)
13.5
(56.3)
7.3
(45.1)
2.4
(36.3)
11.5
(52.7)
最低気温記録 °C°F −5.4
(22.3)
−8.0
(17.6)
−3.5
(25.7)
−0.8
(30.6)
3.1
(37.6)
9.8
(49.6)
16.0
(60.8)
17.1
(62.8)
8.9
(48)
2.7
(36.9)
−0.9
(30.4)
−4.1
(24.6)
−8.0
(17.6)
降水量 mm (inch) 34.4
(1.354)
42.4
(1.669)
78.2
(3.079)
82.5
(3.248)
101.9
(4.012)
149.8
(5.898)
154.1
(6.067)
81.3
(3.201)
133.0
(5.236)
93.6
(3.685)
51.2
(2.016)
40.4
(1.591)
1,042.2
(41.031)
平均月間日照時間 152.5 144.5 175.7 189.8 199.2 143.1 173.0 206.5 155.2 166.7 149.7 145.8 2,001.3
出典1:気象庁[7](平年値の統計期間:1991-2020年)
出典2:気象庁[8]

市勢

  • 面積:355.63 km²
  • 人口:480,007人
    • 男性:234,194人
    • 女性:245,813人
  • 世帯数:216,317世帯
  • 人口密度:1,349.73/km²

(令和3年11月末日の登録人口による)

人口

倉敷市と全国の年齢別人口分布(2005年) 倉敷市の年齢・男女別人口分布(2005年)
紫色 ― 倉敷市
緑色 ― 日本全国
青色 ― 男性
赤色 ― 女性

倉敷市(に相当する地域)の人口の推移
総務省統計局 国勢調査より


近隣都市との関係

当市は岡山都市圏に含まれ岡山市とは人的交流に加え行政面でも密接な関係を持ち、全体的に岡山への通勤・通学者が圧倒的に多い。しかし、両市は過去に県主導で行われた合併構想を破談にしており、かつて倉敷市は代官所が置かれた天領、岡山市は外様大名城下町であったという中心地域成立の歴史的違いによる対抗心も根強いものがある。なお、児島地域は岡山市と同じ旧備前国、江戸時代は岡山藩の支配下におかれ、交通の便も岡山市の方が良いなど繋がりが強く、本社の移転や最初の出店は岡山市内に構えることが多い。

また、県境を越えて西にある福山都市圏や、瀬戸大橋瀬戸内海)を越えた対岸の高松都市圏との交流も少なくない。市内の地域によって事情は異なるが、地理的な位置関係からJR山陽本線沿線の玉島地域・倉敷地域は福山、南の児島地域は高松への通勤・通学者もいる。

隣接している自治体・行政区

香川県(海上で隣接)


注釈

  1. ^ 1995年国勢調査まで、倉敷市を中心とした倉敷都市圏は独立した都市圏として統計が取られていたが、2000年国勢調査より倉敷市から岡山市への通勤率が10%を超えたため、岡山都市圏が倉敷都市圏を合一して、地域が拡大し、統計上人口が増加した形となった。
  2. ^ 括弧内は前年比(%)。
  3. ^ 下水道や健康保険等の特定事業関係
  4. ^ 競艇や市民病院等の独立採算関係

出典

  1. ^ 連携中枢都市宣言書 (PDF, 倉敷市)
  2. ^ 工業統計調査 平成29年確報 地域別統計表(平成28年実績)”. 経済産業省 (2018年8月24日). 2019年4月21日閲覧。
  3. ^ 高梁川水系の流域及び河川の概要(案) 国土交通省河川局(2007年4月25日)
  4. ^ 平成16年 台風災害記録 - 倉敷市
  5. ^ 平成30年7月豪雨災害 対応検証報告書の発表について - 倉敷市
  6. ^ 観測地点 - 岡山地方気象台倉敷地域気象観測所(岡山県倉敷市中央2丁目20-1, 北緯34度35分10秒, 東経 133度46分20秒, 海抜3.0 m)
  7. ^ 倉敷 平年値(年・月ごとの値)”. 気象庁. 2021年8月29日閲覧。
  8. ^ 倉敷 観測史上1~10位の値”. 気象庁. 2021年8月29日閲覧。
  9. ^ a b 倉敷市都市計画マスタープラン/倉敷市 2014年4月閲覧
  10. ^ 地域別まちづくりの方針<地域別構想>2014年4月閲覧(PDF)
  11. ^ 平成28年度(4月~3月)選挙予定一覧 - 県・市町村選挙等 - 岡山県ホームページ(選挙管理委員会事務局)
  12. ^ a b c 平成29年度当初予算案(2019年2月9日閲覧)
  13. ^ 倉敷市の財政(2019年2月9日閲覧)
  14. ^ a b 倉敷市統計書平成29年度版(2019年2月9日閲覧)
  15. ^ 倉敷三斎市 公式HP 2020年2月16日閲覧
  16. ^ 三白市 こじまさんぽ 2020年2月16日閲覧
  17. ^ 石油化学コンビナート所在地及びエチレン生産能力”. 石油化学工業協会. 2020年2月16日閲覧。
  18. ^ 新たな地域名表示ナンバープレートの導入について 国土交通省(2005年7月29日)
  19. ^ 標板地名について ドライバーの皆様へ 岡山県自動車整備振興会 2020年2月16日閲覧
  20. ^ 業務統計 - 倉敷市水道局
  21. ^ 公共下水道整備状況 - 岡山県 土木部
  22. ^ じじばば 倉敷素隠居保存会 2020年2月16日閲覧
  23. ^ 大原美術館は日本初の私立西洋美術館 タビヨリ 2020年2月16日閲覧
  24. ^ 映画「しあわせのマスカット」×岡山ロケ地”. 公益社団法人 岡山県観光連盟. 2021年5月15日閲覧。
  25. ^ 映画「とんび」×岡山ロケ地”. 公益社団法人 岡山県観光連盟. 2022年4月23日閲覧。
  26. ^ 『職業研究』2010年春季号 「しごとインタビュー」 声優・ナレーター 大本眞基子さん”. 2020年11月13日閲覧。






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