信長のシェフ 信長のシェフの概要

信長のシェフ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/05 02:35 UTC 版)

信長のシェフ
ジャンル 料理・グルメ漫画歴史漫画
漫画
原作・原案など 西村ミツル
作画 梶川卓郎
出版社 芳文社
掲載誌 週刊漫画TIMES
レーベル 芳文社コミックス
発表号 2011年3月18日号 - 2024年4月12日号
巻数 既刊36巻(2023年12月14日現在)
テンプレート - ノート
プロジェクト 漫画
ポータル 漫画

現代の料理人が戦国時代にタイムスリップするというSF作品。単行本第10巻までは西村が原作、梶川が作画をそれぞれ担当していたが、第11巻以降は梶川がすべて担当する一方、西村は第11巻・第12巻のみ料理監修を担当してその後は手を退いている。第12巻からは主人公が作る料理として西洋料理が封印され、それ以降は諸外国の料理に限定されるなど、ストーリー的にも影響が見受けられる。

あらすじ

第一巻
料理人ケンは、永禄11年(1568年)の戦国時代タイムスリップし記憶を失っていた。間者と思われ斬り殺されそうになり、川へ飛び込んで逃げた瀕死のケンを助けたのは、夏という女性の刀鍛冶であった。
自分自身については過去はおろか、本名すら思い出せないケンであったが、料理の技法や料理に関連する記憶だけは残っており、自身が未来から来た者であることを自覚する。この時代に存在しない調理法による料理を売り出し、京の都で評判になったケンを、織田信長は自分の料理頭に取り立てた。
第二巻
信長はケンに将軍足利義昭に料理を供するように命じる。ケンの料理の味に魅せられた義昭は、ケンを自分の料理人に取り立てようとするが、信長に阻止される。全ては義昭に釘を刺すための、信長の策であった。
4月、ケンは越前の名物を料理として足利義昭に供する。それを義昭が食することは、朝倉攻めを義昭が承諾したことを意味した。かくして信長は、越前に出兵する。
第三巻
信長の朝倉攻めは、浅井長政裏切りにより失敗する。信長はケンの料理を、同盟者・徳川家康をつなぎとめるため、また浅井方堀秀村を寝返らせるための工作にと、活用する。
元亀元年(1570年)6月、信長は浅井氏の北近江攻略へと出兵する。ケンは間者・楓とともに小谷城へと潜入する。そこで信長ので浅井長政のお市の方が、浅井氏に殉じる覚悟を確認するも、ケンは浅井方に捕らえられてしまう。
第四巻
ケンは浅井長政に処刑されようとしたが、偏食の娘・茶々に「お子様ランチ」を作り、これを茶々が好んで食べたことで助命される。お市の方の好意により、ケンは小谷城を脱出する。
6月28日の姉川の合戦において、戦況は浅井・朝倉連合優位で推移する。だが信長の命令により、ケンの「料理の匂いを嗅がせて、興奮した敵兵を正気に戻す」という作戦により、織田徳川連合は逆転勝利する。
第五巻
信長が浅井氏の息の根を止めなかったことを好機ととらえた三好三人衆が、反信長の旗をかかげ挙兵。その三好党に本願寺も加勢し、挙兵する。その影には、本願寺門主に情報を提供する、西洋の菓子を作る女性の存在があった。
さらに比叡山も、反信長の旗をかかげ挙兵する。
第六巻
元亀元年(1570年)9月19日、森可成は討ち死。圧倒的に不利な状況を打開するため、信長は本願寺との和睦を決意し、足利義昭に仲介を依頼。その条件は、の目の前での料理勝負であった。
料理勝負は菓子と決定。ケンは噂の本願寺の女性料理人と勝負する。信長の思惑通りに、帝は料理勝負に引き分けの判定を下し、期限付きで本願寺との和睦が成立する。
第七巻
ケンは信長に、松永久秀を饗応する料理を出し、その腹をさぐることを命じられる。ケンは松永久秀という人物を知らなかった。
信長の間者・楓は、ケンによる特訓で西洋菓子の基礎を身につけ、今井宗久の仲介で本願寺へと潜入。本願寺の西洋菓子の料理人・ようこの助手となる。
信長は比叡山の焼き討ちを決意。森可成という支柱を無くした家臣たちは、信長の心中をはかりかね、動揺する。だがケンを介して信長の心中を悟った家臣たちは信長に従い、焼き討ちが実行された。だが実際の比叡山はは誰ひとりおらず、無人の寺に放火しただけだったが、信長の行為は比叡山の僧を虐殺したかのごとく風評として広まる。
第八巻
元亀3年(1572年)、信長は顕如と対面。ほころびかけた本願寺との和睦を結び直す。その席で信長は、ようこが作ったナツメグを大量に入れられたマカロンによって、中毒で倒れるも、ケンによって何とか一命をとりとめる。
松永久秀は三好と手を組み、信長に謀叛をおこす。それに呼応して武田信玄西上を決意。信長の背後にいる料理人の存在を知った信玄は、秋山信友にケンの暗殺を命じる。だがケンの料理の才を知った信友は、ケンを甲斐に連れ帰る。そこでケンは、信玄の病を好転させるための料理を作る。
第九巻
あくまで信長に忠誠を誓いながら、それでもなお自分の身体を労る料理を作るケンに感服した信玄は、自らの死期を悟り、ケンを逃がしてやった。
ケンは徳川家康の陣中へと逃げのびる。三方ヶ原の戦いでの徳川の敗北を食い止められなかったケンだが、敗戦にうちひしがれる家康を料理で元気づける。
かくしてケンは信長の元に帰参するが、信玄との約束により、武田方の事情は一切信長には語らなかった。
第十巻
元亀4年(1573年)、信長の命によるケンのスッポン料理(義昭が独断で改元した元号「元亀」と掛けてあった)に激怒した足利義昭は挙兵。信長は兼ねてより岡部又右衛門指揮の下で建造させていた大型船を用いた迅速な行動で逆に義昭勢を包囲。ここに室町幕府は滅亡する。
さらにはケンによる料理・菓子などの贅を尽くした歓待で権大納言山科言継を籠絡し、信長は朝廷を動かして「元亀」から「天正」への改元をなしとげる。改元の流れを食い止められなかった本願寺は、間者の存在を疑う。
天正元年、ここに信長は、浅井朝倉の殲滅を決意。一方で本願寺は朝倉への使者に、あえて楓を同行させる。
第十一巻
楓が信長の間者と発覚し、下間頼廉によって捕らえられるが、楓のもたらした情報により、信長は朝倉をわずか八日で殲滅する。
一方で信長はケンを遣わして、浅井長政に翻意を促すが、あくまで浅井は抵抗を選択。信長は浅井氏を滅ぼすも、ケンの進言と木下藤吉郎秀吉の活躍によって、お市と娘たちは救出される。
楓を捕らえた本願寺は、ケンを使者として申し開きをするように、信長に通達する。信長はあえてこの誘いに乗り、ケンと明智光秀を使者として派遣する。
第十二巻
ケンは、ようこから自分の身元についての情報を得る。そして「西洋料理を封じること」を条件として、楓の身柄を本願寺から貰い受ける。ケンはこの後、西洋料理に代ってインド・東南アジア料理を披露するようになる。
天正2年(1574年)正月、信長は馬廻衆との内輪の宴席において薄濃(はくだみ、漆塗り金粉を施すこと)にした義景久政長政首級を御肴として白木の台に据え置き、酒宴を催したが、実際は本物の骸骨ではなく、ケンのアイディアにより菓子細工でできた偽物であり、長政の遺骨は極秘裏に市に渡された。
一度は謀叛をおこした松永久秀は、城を差し出すことを条件に信長に詫びを入れる。その久秀の陰には、ケンと同じく平成の時代からタイムスリップしてきた松田=果心居士の存在があった。ケンを「葛城」と呼び、信長への繋ぎを頼むがケンに以前の時代の記憶がないと知ると態度を豹変させて去る。細川藤孝の嫡男・忠興と光秀の娘・の婚姻の約束が決まるなど慶事もあったが、松が明けると越前で一向一揆が勃発。これを機に動く勢力を警戒する信長は甲斐の武田勝頼の元に使者としてケンを派遣する。
第十三巻
天正二年(1574年)1月27日、武田勝頼が東美濃明智城を陥落させる。武田の脅威を感じた滝川一益は、上杉謙信との同盟継続を信長に進言する。
ケンの留守中に松田は織田信長に面会し、仕官を申し出るが、この時うかつにも「果心居士」を名乗ってしまう。そして史実通りに「果心居士」は仕官を拒否される。そして松田=果心居士は、織田の次、すなわち「本能寺の変」を起こす人間に取り入ることに目的を変更する。
ケンは羽柴秀吉につき従い、上杉謙信への使者の一員となる。ここでもケンの機転によって、京都での上杉宛の進物の入手、上杉謙信との同盟継続に成功する。
天正2年(1574年)3月28日、ケンの機転と山科言継の取りなしにより、信長は蘭奢待切り取りの勅許を得た。だが、それに先だって松田=果心居士にそのことを予言されていた明智光秀は、予言の的中に驚愕することとなる。松田はもうひとつ、光秀が信長を討つことをも予言していた。
第十四巻
武田勝頼は徳川方の高天神城攻略、落城させる。この徳川の窮地に織田は動かず、織田と徳川の間に不穏な空気が流れる。なおかつ松田=果心居士の策謀が、徳川方の不信をさらに煽る。だがケンの料理によって家康は信長の真意を悟り、織田・徳川の亀裂は免れることとなる。一方で自分の策謀の邪魔をされたことから、松田はケンの暗殺を決意する。
天正3年4月、武田勝頼は再び三河に侵攻する。信長は岡部とケンに対して、徳川への兵糧米の輸送と、秘密裏の築城を命じる。ケンは地元農民を説得して味方につけるのが自分の任務と悟る。だが地元農民は兵糧米を奪わんと襲いかかり、ケンは捕われてしまう。その背景には松田の陰謀があった。
第十五巻
徳川を裏切り武田に従っていた農民たちであったが、ケンの嘆願と飴細工を用いたとりなしによって、徳川方へと帰参することになり、秘密裏の築城の人足を得ることとなる。野戦では負け知らずの武田であったが、まるで堅固な山城のような織田・徳川の野戦築城と、東国西国の圧倒的な地域格差による鉄砲の技量の差で、窮地に陥る。そして穴山信君武田信豊の戦場離脱によって、勝敗が決する。しかしこの最中においてもケンは奔走し、酒井忠次に加勢し、また空腹の長篠城の兵たちをマサラチャイ風栄養ドリンクで蘇らせる。
長篠の合戦における武田の敗北は、日本全土に激震を走らせることとなる。そんな中、信長は、嫡男・信忠への家督相続を決意する。
第十六巻
家督相続の宴に出す料理頭を命じられたケンは、主役となる信忠の人となりを知るために、岩村城攻めの信忠の陣中に向かう。城を粘り強く守り続けた秋山信友は、漸く武田勝頼の援軍の接近を知るや突如として降伏する。ケンからの助言で秋山の意図を察知するも、勝ち戦に安堵した兵たちの士気が大幅に低下してしまっていたことから、信忠は勝頼軍との戦を避け降伏を受け入れることを決断した。その信忠にケンは信長とは違う人物像を見る。
降伏し、岐阜へ連行された秋山は、何とか助命をとのケンの努力も虚しく、天正3年11月26日長良川で磔となる。
家督相続の準備が進む中、信長の三男・信孝は自分こそが家督を継ぐべきだと考え、相続披露の宴に介入する。信孝の配下によって監禁されたケンたちだが、脱出に成功し料理の不手際も挽回する。そして信忠に織田家の家督を譲り渡した信長は、自らは日の本の王になると宣言した。
第十七巻
歴史を変えて、信長を天王寺合戦で抹殺しようと企てる松田。だが、そんな松田に危惧を覚えたようこは、菓子に思いを託しケンに連絡を取る。
顕如と松永久秀は果心居士の予言を利用して光秀が信長を裏切るように画策する。また、毛利と盟約を結び史実には存在しない毛利軍の出陣を画策した。天王寺合戦が始まる。
第十八巻
信長に独りで瀬戸内海を東進する毛利軍を停めることを命じられたケンは、宋花琳ら明の商人の協力を取り付け、足止めに成功する。同時に、果心居士が誘拐していた光秀の娘・玉も無事に取り戻し、果心居士を捕らえることに成功する。
本願寺軍に包囲された砦に立て篭もる光秀を救うために、信長は救援に出たが、突如のことで兵の集まりは悪い。しかし、信長は砦までの単騎駆けで、包囲網を突破し、光秀軍との合流に成功。本願寺軍を退ける。
そんな折り、顕如に従って前線近くまで来ていたようこは信長軍に捕らえられ、そしてケンは流れ弾を頭に受けて意識を無くしてしまう。
第十九巻
信長は捕らえたようこをケンの配下に置いて政局に利用しようとするが、ケンはこれに反対する。ケンの説得を受け入れ、人質交換の体でようこを本願寺に返すとともに、ケンの西洋料理封印を解禁させる。松永久秀の裏切りは明らかであったが、証拠はまったく残っていなかった。最後の生き証人である果心居士=松田も処刑が決まっていたが、ケンの奔走と竹中半兵衛の策によって、「果心居士は処刑の場から妖術を用いて逃げ出した」と仕立てあげることに成功する。松永久秀は自身の裏切りの証人である果心居士の殺害を指示するが、果心居士は信長からの国外永久追放の命令を受け、の船に乗り込んでいった。その際に、松田は史実では信長が天王寺合戦で軽傷を負っていたことをケンに告げた。
第二十巻
松田の去り際の一言によって本来の歴史では天王寺合戦で信長が受けるはずだった銃弾を自身が受けてしまっていた事にケンは気がつく。現代人が複数関わったため歴史が変わったのでは無いか、また自分は歴史を変えうる存在だということを推察しこれに葛藤する。天正四年7月14日に織田方と毛利方の「第一次木津川口」の海戦が始まり織田水軍は大敗する。織田の家臣達の命により場を和ます物として敗走した九鬼嘉隆に阿部橘を使ったオレンジピールのハーブティーを出し気分を落ち着かせ決意を新たにさせる。そしてケンも歴史を変えないために信長の元を去るのか歴史を変えるために今の場所に留まるべきかを夏の励ましもあり考えだす。海戦に勝利した毛利輝元は対織田への措置として上杉謙信に織田討伐の書状を送る。信長の狙いは遷都にあると気がついた謙信は織田との同盟を破棄し七尾城へ進軍するも攻略できないまま天正五年になる。ケンは織田信忠の願いによって秘密裏にやり取りをしている武田の松姫への贈り物に橘の香りを封じ込めた文を提案し作成するなど安土には平穏な時がながれていたが天正五年七月に上杉が再び七尾城に攻撃態勢に入ると信長も滝川一益、丹羽長秀、羽柴秀吉といった武将を越前、北ノ庄の柴田勝家の元に集め織田信長と上杉謙信唯一の戦い「手取川の戦い」が幕を上げる。加賀の一向衆の妨害により柴田勝家の軍が進軍出来ていない事を知った信長は越前に出陣するがこれを見たケンは織田軍と上杉軍の戦はあった気がするが織田信長と上杉謙信の直接対決は無かった気がするという自身の曖昧な知識に気がつき歴史を変える変えない以前の問題だということに気がつく。北ノ庄に着いた信長は柴田勝家を呼び寄せ上杉との一大決戦におよぶことを話すがその前にケンを呼び寄せ謙信と信長自身が似ていることをケンに伝えその上で信長は謙信と会ってみること、そのためにケンに武田勝頼に捕まってくるように命じた。

登場人物

主人公

ケン
主人公。現代(平成)から戦国時代にタイムスリップした西洋料理フレンチ)の調理師。ようこ(後述)によれば名は「賢一郎」、松田(後述)によると姓は「葛城」で、京都のホテルで副料理長をしていた[2]。27巻で近衛前久の猶子となり、便宜上公家の小田賢信と名乗ることとなる。
本名をはじめ自身についての記憶は失っているが、日本史の教養(大きな事件、合戦など)や山野草の知識、テーピングなどの応急処置の方法、有機農業など、幅広い知識を持つ。一番知識が深いのは料理分野であり、調味料の普及などから自分が過去の時代にきたことを認識した。
料理の技術と知識は現代人の中でも一流であり、戦国時代の人々にも受け入れやすいよう改良、現代料理の再現に、インスタント料理を開発するなどして信長から評価されてた。その功績で土地を貰い農作物を育ている。
歴史については一通りの知識はあるものの、金ヶ崎の退き口に直前になるまで気づかない、森可成が死去する年を知らない、天王寺合戦を知らないなど、あらゆることを把握しているわけではない。
当時の日本人と比べるとかなり大柄で、鴨居や梁に頭をぶつけている様子がたびたび描かれている。現代日本の男性としてはかなりの長髪を紐で一纏めに括っているが、松田の言によるとおしゃれやポリシーではなく、ただの無精らしい。3巻17話において命令に反論した際に信長から切り付けられ、以降、左の眉尻に傷が残っている。
作中積極的に口にするわけではないが、アルコールを摂取することに対しては相当耐性が強い様子が描かれた。
出世欲や物欲は乏しく、また人殺しを厭う性格で、信長と顕如の対面で出た料理に毒物が入っているのでは警戒した顕如に対して信長から「あれは腕一本切り落としても毒なぞ盛らん」と言われている。顕如の命令とはいえ、信長に害を与えるために多量のナツメグを菓子に盛ったようこには怒りを表した。また信義にも篤く、一時期武田家に拉致され、後に解放された時、信長に武田家の内情を問いただされても、解放された時の約束からきっぱり拒絶している。その一方で時折、相手の心理を徹底的につく戦略的な思考と行動は普段のケンを知る秀吉からも「恐ろしく攻撃的になる」と言われている。
ようこからも「誰にでも優しくて、優しすぎて、本当は誰にも興味がないんじゃないかと思うくらい」と、言われるほどの朴念仁。また楓からも頭が良すぎて過程をすっ飛ばして結論から口にするところがあると言われている。
以前は歴史を変えることに抵抗があったものの、信長と家臣達を守るため、本能寺の変を止めるために奔放する。
【ドラマ版での設定】
宇佐山城に向かった時に瑤子と再会する。明智光秀から平成の時代に帰れる可能性があることを教えられ、料理勝負の後、夏の計らいで光秀が教えた黄泉の祠に瑤子らとともに向かう。しかし、信長や夏たちのことが気になり平成の時代に帰ることを断念し、瑤子には平成の時代に帰るように勧める。
織田信長
本作におけるもう一人の主人公。通説通り、冷酷で残虐だが、同時に革新性を備えており合理的な人物。一度信頼した人物には疑念を抱くことは無いが、裏切られたと知ると激高する。また、寂しがりやであるとお市がケンに語っている。何でも自分で決めないと気が済まない人物であるとのことだが、一方で配下に指示を出す時は全ての事情を明かさず、自分の内心を察して行動するように命じる傾向にある(もっとも間者への対策というやむを得ない事情もある)。ケンに対しては特にその傾向が強く、またケンを信頼すると同時に無理難題をふっかけ、一介の料理人のケンを間者や使者として送り込むこともある。
先進的な考えを持っており、話しても誰も理解されない為、家臣に半ば諦めて話さないことが多い。
複数の軍団を支配する大大名となって以降も武芸の鍛錬や運動を欠かすことはなく代謝も盛んなためか、料理は濃い味付けが好みで、甘党である。気忙しない性格であり、食事をあまり味わうことなくかきこんで食べるが、味覚自体はケンに「グローバル」と称されるよう性格同様鋭敏かつ柔軟であり、ケンの料理の価値を真っ先に認め評価している。その証拠にケンに料理番として格別な特権を与えていることが、徳川家のいる時に判明した。
ケンを召しかかえてからは西洋料理を好物としていたようで、顕如との一件以降ケンが西洋料理を封印してからはそれ以外の料理で我慢していたものの、少なくないフラストレーション溜めていた。
『唐入り』の構想を考えており、実際には武力でなく料理での外交や戦争を行うとしている。しかし、余りに先進的な考えから光秀に誤解され、本能寺の変へと進んでいく。
【ドラマ版での設定】
料理勝負の後で夏の嘆願を受け入れ、ケンを平成の時代に帰すために楓達と共に黄泉の祠に同行する(実は彼も平成の時代に興味があった)。その途中、顕如が追手に差し向けた僧兵と戦う。

平成からタイムスリップした人物

ようこ(瑤子)
ケンと同様に現代社会から戦国時代にタイムスリップした、京都ホテルパティシエールをしていた女性[3]。ケン同様、この時代の女性と比べると大柄な部類で、楓曰く「ケンと並ぶとちょうど良い」。5巻より登場。
ケンと異なり、未来人しか知らない歴史知識を顕如に提供しており、予言者として重宝されている。ただ、松田から「天王寺合戦で毛利を動かす」と聞いても、その毛利が何のことなのか分からないなど、ケンや松田と比較すると、それほど歴史に関する知識は無いようである。
戦国時代にタイムスリップしてきた後に乱暴されたため、心的外傷を抱えている。そのため、本願寺や顕如を依存の対象としてみていたが、天王寺合戦で織田方に囚われた際に自身とケンの縁は既に切れていたこと、返還された際に顕如から自由にするよう言われたことで自身の拠り所として本願寺に残ることを選ぶ。その際に常に身に着けていたピアスを捨てている。
松田(後述)のみ、漢字表記の「瑤子」で名前を呼んでいる。
【ドラマ版での設定】
ケンの記憶の断片に現れ、彼が小谷城に捕らわれ牢屋に入れられたときに名前を思い出す。本願寺顕如に明智光秀が信長を討つことを話し、石山本願寺で二条城砂糖を手に入れるために足利義昭と交渉していた明智光秀に、自らが製作した洋菓子「ペ・ド・ノンヌ」(邦訳すると「尼さんの屁」という意味)を出す。ケンのことを知った後、本能寺に向かったが一足違いで宇佐山城にケンが向かったことを明智光秀に教えられて追いかけていった。ケンと再会するが、彼の記憶がおぼろげなのに愕然とする。宇佐山城を包囲している比叡山の僧兵から注意を挽きつけてケン達を逃がす。料理勝負の後で顕如に見捨てられてしまう。夏の計らいで平成の時代に帰ろうとしたケンと一緒に黄泉の祠に同行するが、帰っていなかった。
Part2の撮影期間中、演じている香椎由宇は産休していたため、顕如の命令で料理に多量のナツメグを盛る役回りは、逃亡している間に弟子となったオリジナルキャラクター・香蓮が担っていた。
果心居士/松田(かしんこじ/まつだ)
本作中では、ケンやようこといっしょに平成から戦国時代にタイムスリップした男、「松田」が、果心居士を名乗っている。史実の(伝説上の)人物と同様の運命を辿っていることが暗示されている。
平成ではケンやようこと同じ京都のホテルで給仕長[4]支配人[5]メートル・ド・テル)を務めていた。タイムスリップする前には総支配人待遇での引き抜きの話もあった。ケンたちのホテルでは、専属のソムリエがいなかったようで、松田がその役目を果たしていた。ハモの「骨切り」の技法を知っているなど料理の基本もマスターしており、酒類の知識も豊富。
元の時代では、ようこの頼みでケンと引き合わせ、如才ない持て成しに客からも感謝されるなど、その職に相応しい人格と教養を備えていた。しかし、タイムスリップして以降は、飢えや迫害に苦しんだ結果、性格が一変してしまっている。ただし、中身は平成の人間であり、生き死にを奪う覚悟はなかった。
乞食同然で暮らして居たところ、オイルライターを使って暖を取っていたところ農民が妖術使いと勘違いして『果心居士』になりすました。
支配人として身につけた人の心中を察する能力と、平成の時代から持込んだ道具を使ったトリックで、伝説上の果心居士の幻術を演出している。その他、自分が知っている歴史の知識を駆使して、身を寄せている松永久秀や顕如に進言するなど陰謀を企てている。しかし、松永からはその野望を見抜かれており、顕如からは「早く殺してしまった方が良い」と言われるなど、全く信用されていないことには気づいていない。
歴史の知識については、かなり豊富であり、ケンやようこが知らなかった「史実における天王寺合戦」の詳細な流れまで知っている。
過去の世界に流されたという理不尽から自身の安泰と栄達を望んでいて、信長に引見するが伝承の果心居士同様に仕官を拒否される。そのため、信長の次、すなわち本能寺の変を起こす人物に取り入って栄達することに、目的を変更する。また、自分の目的の妨げになることから、ケンの抹殺を画策するようになる。
天王寺合戦の際に、光秀の娘・玉を誘拐していたが、ケンによって捕らえられる。ケンの助命嘆願と秀吉、竹中半兵衛の策、および信長の判断から生かしておいたほうが松永久秀への抑えとなると、処刑の体はとったものの、処刑の場から妖術で果心居士が鼠に姿を変えて脱したということになっている。松田は国外永久追放となり、宋花琳の船で海外へと逃れた。
初老の料理人(ドラマ版では三原)
ケンらと一緒にタイムスリップしてきた料理人。原作漫画ではコミックス16巻時点では氏名不詳で、ドラマ版のみ名前が設定された。記憶を無くしたケンを危険な場面から助けるが、原作では追っ手に斬殺されてしまい、ドラマ版では野盗化した武士に弓矢で射殺されてしまう。
娘がいたようで、今際の際には、娘の名をつぶやきながら死亡した。
望月
ケンらと一緒にタイムスリップしてきた人物で、ケンと同じく副料理長。年齢はケンより一回り上。ケンの父親から預かった箱を所持している。間者と疑われた際、松田と共に逃げたが、松田に見捨てられるようにして現地人に捕まる。松田はそのことから自分が殺したものと思っていたが、実は望月は太っていたことから、名のある者と勘違いされたため、殺されなかった。ケンたちを襲ったのは三好の雑兵であり、望月は三好家へと連れ去られていた。このことをケンに教えた三好康長によれば、その後、望月と思しき者は三好長治に仕えていたが、長治の自害後の消息は不明といわれていた。その後は一条兼定の隠棲する伊予国の戸島にいる。

戦国時代の架空の人物

ヒロイン。刀鍛冶職人。戦で家族を失い、天涯孤独の身である。刀を作るために真砂を取っていた時に、川上から流れてきたケンを助けた。ケンに好意以上の想いを寄せている。天王寺合戦でケンが傷を負ったと聞き、大慌てで見舞いに駆け付けた際に求婚されるが、自身が受け継いだ鍛冶の技を弟子である勘太に伝えるまで待ってほしいと願う。
刀鍛冶を司る女神金屋子神の嫉妬をかわぬよう、普段は男装で通しており未通の身である。
【ドラマ版での設定】
ケンの料理のアシスタント的存在で、ケンと戦場に同行することが多い。ケンが浅井方に捕らえられた時も救出しようとしたが、楓に阻止される。ケンと宇佐山城に向かった時に瑤子と出会い、ケンと瑤子との関係について悩むことになる。明智光秀がケンに平成の時代に帰れる可能性があることを教えた時、それを近くで聞いてしまう。料理勝負の後で信長にケンと瑤子が平成の時代に帰れるように嘆願する(その際、平成の時代を「たどりつくのが難しい遠い村」と説明している)。
楓(かえで)
信長軍のくノ一。3巻より登場。敵対する浅井長政、お市の方の元へとケンが信長の命で朝倉方の料理人になり代わって小谷城に潜入した際に監視兼護衛役となる。以後、ケンと行動を共にすることも多い。
信長の命を絶対とし、任務や情報収集のためには体を売ることも厭わないが、実はケンには密かな思いを抱いている。ケンに洋菓子の作り方を教わり、石山本願寺に潜入し、ようこと出会い、料理助手として信頼を得て行く。
本願寺から織田に帰参してからしばらくは濃姫付きの菓子職人をしていたが、諜報役に復帰後は毛利方に潜入し情報を織田方に通達している。ケンからの報せで秀吉が撤退を決めた際にケンの手伝いに呼び戻されるが、ケンからは信長への追加の警告役を任される。ケンの朴念仁ぶりに呆れながら、自らの想いを吹っ切る意味で「ケンのことが嫌い」だと言って別れる。
【ドラマ版での設定】
初めから登場している。夏を女と見抜いており、戦場から逃げるよう忠告したこともある。ケンを平成の時代に帰すために信長達と共に黄泉の祠に同行し、その途中、顕如が追手に差し向けた僧兵と戦う。
井上 恭之介(いのうえ きょうのすけ)
織田家に代々仕える料理人の家柄。信長に命じられた鴨料理対決でケンに敗れ、料理頭の座から失脚。
その後、ケンへの協力を一時拒んでいたこともあるが、ケンが武田に拉致された際には帰還を歓迎している。ケンからはこの時代の料理や食材の知識を必要とされている。
信忠の家督相続後はケンが信長に付いて出て行き、改めて織田家(信忠)の料理頭に復帰できると思っていたが、ケンの推薦で引き抜かれた。
【ドラマ版での設定】
再び料理頭の座の地位に返り咲こうとしており、そのために秀吉に近づいたこともあった。
太一・金三・与助(たいち、きんぞう、よすけ)
織田家に仕える料理人で、特にケンを慕って師事している若者3人。ソバカスがあるのが太一、恰幅が良いのが金三、3人の中でいちばん身長が高い(それでもケンより頭一つ低い)のが与助。ケンと行動を共にすることが多く、基本的な下拵えを任されるなどケンの信頼も買っているが、うっかりミスも多い。またケンは命の危険がある場合は、3人をあえて岐阜に帰らせることもあった。
信忠の家督相続によって信長に付いて岐阜城を出るケンは与助を新たな料理頭に指名した。ケンからは若く伸び代もあり、信忠と世代も近い分長く勤められると言われている。
宋花琳(ソン・ファリン)
堺に出入りするの商人たちを束ねる女性。の商人と南蛮人との間を仲介して、巨利を貪る。日本語を理解している。
己の母国を最上と考え、日本人を軽蔑している。だが、ケンの料理や馴染みのない中国茶を本茶含めてすべて利き分けた千宗易には素直に感嘆していた。女性としてはかなり体格が良く長身。
勘太(かんた)
三河・設楽ヶ原近辺の村に住む少年。両親を亡くし、村で作った非常食の葛粉を盗んだことで村八分にされていた。長篠の戦いを経てケンからの助言もあって村八分を解かれることになるが、勘太自身は村の外に興味を持ち、ケンに付いて村を出る。
岐阜では、夏に紹介した際に気に入られて刀匠見習いとして弟子入りすることとなる。順調に成長を見せており、ケンと夏の関係に発破をかけたりもしている。
近江の農民/小者
浅井支配下の近江の農民で小者として戦争に参加する。「金ヶ崎退き口」の際にケンと信長が米と引き換えに家に一泊泊めた。その際に栄養失調で苦しむ息子をケンに救って貰った。
後に姉川の戦いに参加しており、遠藤直経の首実検を手伝いをしていると、信長が小者の顔を覚えており、遠藤が浅井の者だと見破ることができた。その為、信長は小者の命は助けた。

実在の人物

織田家

濃姫
信長夫人。本作では本名は「帰蝶」である設定。
ケンを信長と似ていると評した。ケン曰く、急いで食べることが多い信長に対して、濃姫は料理をゆっくりと味わう、味覚が人並み以上に鋭い繊細な人物とのこと。
【ドラマ版での設定】
Part2から登場している。一時、ケンを間者と疑い家臣に命じて夏と一緒に捕らえたが、信長が比叡山を焼き討ちにすると命じて家臣達が動揺し、彼らから真意を探るように頼まれてケンが悩んでいたことを知ると、織田家に嫁いだころの思い出を語り、彼が信長の真意を確認するきっかけを与える[6]。また、ケンが武田信玄の下から岐阜に戻ってきたときにも、信玄に寝返ったのではと疑っていた[7]
織田信忠
織田家嫡男→当主。
ケン曰く、信長のような豪腕なカリスマではないが、人の声に耳を傾けられる人。
当人曰く、父が一代で築いた織田家の威光を壊してしまうのではないかと怯える臆病だが、家同士の都合で組まれ現在は破談となった松姫と文を交わし続けている。
織田信孝
織田家三男。作中で登場した時期は次男の信雄(茶筅丸)が北畠家養子となっていたように伊勢神戸家養子という形で別家の当主に据えられていた。
井上は信長によく似ていると評したが、ケンは外見こそ面影があると感じながらも、性質は異なると感じている。信長自身も「息子の中では最も武に秀でている」と認めているが、信長の観ている将来的な展望には合わなかった。信忠の家督相続の際には妨害に走るも、ケンによって策が失敗に終わり、更にその後の信長の天下統一すると宣言された時には、家督相続の場ですら政略に使う父である信長圧倒的な格の差を実感し、同じく格の差を実感した信忠から父である信長の存命中は余計なことはするなと言う言葉を了承した。
森可成
作中においては、家臣の中でも特に信長と強い絆を持つ人物として描かれている。の名手。記憶を失っているケンに優しい気遣いを見せる父親的存在。ケンと夏の仲に対して気を揉んでいることがある。
歴史の知識に詳しいケンだが、森可成に関してはいつ死ぬかの知識を持ち合わせておらず、その死に愕然とすることになる。
配下に全てを明かさない傾向にある信長の下で、大らかな態度で信長の判断に全てを委ねており、それによって家中の不安・不満を抑える役目を担っており、織田家の精神的支柱でもあった可成の死は織田家中において大きな打撃であった。
原作では秀吉を怒らせるような行動(雑兵に勝手に料理を振る舞う)も笑って許すなど、ケンに対して理解を示す描写が多いが、ドラマ版では金ヶ崎城で信長が浅井の使者を斬ったことにケンが抗議した時、彼を殴って戦の厳しさを説くなど、ケンに対して厳しく接する描写も加えられた。
森蘭丸
森可成の息子。性格はやんちゃで感情が激しく口が良くない。夏の鍛冶場に入り浸って手伝いをしたり、いつも武芸の練習をしたりしている。ケンと夏の仲がなかなか進展しないことに苛立つこともある一方で、夏がケンのものになるのも嫌だという、矛盾した態度を示し、勘太にも揶揄われるようになる。
木下藤吉郎秀吉 → 羽柴藤吉郎秀吉
農民の出で、織田家中において森可成に次いでケンと関わることになる。当初はケンの料理に「南蛮の匂い」を嗅ぎ取り、南蛮からの間者ではないかと疑い監視していた。しかし監視の最中にその本音を大声でしゃべってしまい、あるいは徳川家康や明智光秀が瞬時に悟ったケンの料理に込めた意図を、ワンテンポ遅れてようやく悟るなど、間が抜けたところがあるコミカルな人物。一方で行動派で好戦的な性格の武将として描かれるが北畠を攻めた時に負傷したところをケンに助けられ、その後も窮地を助けられ親しくなる。直接相対した相手を殺すことはともかく、浅井久政が自刃した際には「人間、死んでは意味が無いのう」とこぼしていた。
信長が比叡山を焼き討ちにすると命じて家臣達が動揺した時は「ケンを通じて信長に聞きただしてみる」という柴田勝家の提案に賛同するが、即座に行動を起こす腰の軽さは他の家臣に呆れられていた。だが、それで信長から命じられた山菜取りで自らが語った「山の掟」が信長の真意に辿り着くヒントとなった。
浅井・朝倉との戦いでは、寝返り工作や小谷城攻略にかなりの活躍を見せる。その手柄から近江十二万石の国持大名となり、姓を「羽柴」と改める(改姓についてのいきさつは通説通りだが、作中では手柄を独占したことに対する柴田・丹羽両将への配慮という設定)。
なお織田家に対して忠誠を抱いている訳ではなく、信長個人に忠誠を抱いている様子であり、ケンも同様であろうと察している。
【ドラマ版での設定】
敵の追手から逃げていたら仲間と逸れてしまい、空腹のあまり夏の家に押し入り食料を出すよう脅し、そこでケンの宇治丸を用いた料理に感銘を受けるという描写であり、信長とケンの出会いのきっかけを作る描写になっている。ケンとの付き合いも深いものとなっており、ケンが浅井方に捕らえられた際には、自ら救出しようと上申するほどとなっている。
竹中半兵衛
竹中久作
柴田勝家
長島一向一揆の鎮圧に失敗して信長に叱責される。ケンが出した料理を食べた後、自分が信長の弟の信行側に付いたにもかかわらず許されて家臣になったことや時々信長の心理がわからないこと、森可成との思い出などを語る。
信長が比叡山を焼き討ちにすると命じて家臣達が動揺した時、ケンに真意を探らせることを提案する。
【ドラマ版での設定】
Part2から登場している。
明智光秀
南蛮渡来の眼鏡を愛用する、初老の男。足利義昭との折衝役であり、義昭追放後も京都における差配を信長に任されている。信長からは「凡庸」と評価されつつも、その愚直さと覚悟の強さを高く評価されて絶大な信頼を置かれており、光秀もそんな信長に心酔し、絶対の忠誠心を寄せている。信長の常識外れな数々の行動に驚嘆するも忠臣然とした態度であり、本能寺で信長に叛く運命を知っているケンは慄然とする。
信長の家臣の中では特に秀でているものの、信長とケンの感覚にはついていけないと嘆息したこともあった。
松田=果心居士と面識を持ち、果心の予言に心を乱すことになる。
信長から『唐入り』の戦略を聞き、その計画の無謀さに反対するも受け入れられず、忠誠を誓う信長の名誉を守るために謀反を起こす決意をする。
【ドラマ版での設定】
原作と違い若く描かれている他、眼鏡を愛用している描写も無い。岐阜城の牢屋に囚われたケンから聞かされた未来の話に興味を持つが、一方で未来が分かってしまうとつまらないと感じている。また、個人的に調査をしてタイムスリップと思われる不思議な現象があることを確信する。二条城砂糖を手に入れるために足利義昭と交渉していた時、顕如に接触する。石山本願寺に招かれて、瑤子が製作した洋菓子「ペ・ド・ノンヌ」を出され、手を組むようにそそのかれる。本能寺で信長を出迎えた時、ケンの態度ときりたんぽ鍋を食事に出されたことに疑問を感じて、食事の後に刀で脅かすなどして詰問する(この時、ケンはその質問に答えることが出来なかった)。その後、洋菓子「ペ・ド・ノンヌ」を出されたことや、それを製作した瑤子の存在をケンに話す。瑤子に宇佐山城にケンが向かったことを教える。ケンに平成の時代に帰れる可能性があることを教えるが、ケンがこの時代に留まったことを知ると、信長とケンが自分の野心に邪魔だと暗に示す。
佐久間信盛
信長配下の武将の一人。三方ヶ原の戦いでは平手汎秀と共に徳川勢の援軍として派遣された。織田家当主を退き、岐阜城を出ることになった信長が安土城築城と現地の仮屋敷が出来るまでの間、佐久間の屋敷に住むことを告げた際には他の家臣から同情交じりの称賛を貰っていた[注 1]
信長から自分たちは目的だと思っていた「天下統一」が単なる通過点でしかないと知らされ、困惑する。
光秀の娘で後の細川ガラシャ。天正二年の正月、同じ織田家臣団の一人・細川藤孝の嫡子・忠興との婚約が決まった際に信長に引見した。
当時の身分のある女性としては頻繁に外出しており、非常に好奇心旺盛。供廻りも連れずに外出する奔放さに、光秀やお付きの侍女を冷や冷やさせている。当面のパトロンとして果心居士に目を付けられる。
岡部又右衛門
尾張の宮大工の棟梁。信長の命令で大型船建造の指揮を取った。信長のみならず、ケンからも「(提案した設備を)明日までにお願いします」と無茶ぶりされる苦労人。
九鬼嘉隆
信長に仕える九鬼水軍の将。木津川口村上水軍に大敗するが、ケンの出したオレンジピールハーブティで九鬼浦を思い出し、敗れてもまだ領土を奪われてはいないと再起を誓う。
荒木村重
信長配下の武将の一人だが、本願寺攻めを外されたことで毛利に寝返り情報を流している。ケンによって内通が発覚すると、半兵衛の策により毛利方の予定よりも早く謀反を起こすことになった。
中川清秀
荒木配下の武将。本作では本人は謀反に反対しており、石山本願寺への兵糧の横流しは毛利の策ということになっている。ケンによって内通が発覚するとあっさりと荒木を見限り織田へと帰参。その後は半兵衛の策により、表向きは荒木配下のまま獅子身中の虫として動いている。
黒田官兵衛 / 小寺孝高
秀吉の部下。右顔面の目の周りに大きな痣がある。毛利攻めの最中にケンから伝えられた光秀謀反の報せによって京に引き返すことになった秀吉から毛利への対処を任される。

実在の人物・他の武家

足利義昭
作中では、謀略家だが人の上に立つ器量の無い人物として描かれる。
ケンが作った「うずらの葱焼き照り焼き」を食して感服。自分の料理人として迎え入れようとするも、拒否されると共に、その際に見せた傲慢な性格がケンを失望させる。
将軍である自分をないがしろにする信長に対して、浅井・朝倉を引きこんでの包囲網を展開した。信長の命令でケンがスッポン料理を供したことを切っ掛けに挙兵するが、大安宅船を使った電撃戦によってあっさりと敗北。茶壷櫓に立て篭もり、自身の価値と引き換えに譲歩を引き出そうとするも、ケンの用意した「スッポンのすき焼き」とケンからの説得を受けて降伏した。降伏後にケンにまた料理を作ってもらえるのなら照り焼きが良いと要望した。
信長と顕如(ケンとようこ)の料理勝負の際、「毒見役になっていれば双方の料理を試食できたのに」と悔しがるなど、コメディリリーフの要素も併せ持つ。
【ドラマ版での設定】
岐阜での宴で多くの臣下を参加させて困らせようとする、朝倉義景の進言で信長を貶めようとするなど、信長に嫌がらせをする描写が増えている(いずれもケンの機転で阻止された)。
三淵藤英
北畠具教
北畠家当主。朝廷から権中納言の位を授かったこともあり、自身や一族を将軍家にも影響をおよぼすほどの名門かつ文化人と自負しており、信長のことは「力だけの成り上がり」「粗暴な山猿」と見下していた。圧倒的な兵力差にも関わらず織田軍を相手に善戦し、信長から和睦を持ちかけられるも「何年でも持ちこたえてみせる」「そちらが退くのが筋」と強気な姿勢を崩さなかったが、初めて見るケンの作った品および調理方法に戸惑い、その中に含まれていた「炒める」という方法がの技法であると突きつけられたことで「自分は文化面でも信長に負けている、秀でている部分が何もない」と心が折れ、信長の二男・茶筅丸(織田信雄)を養子に迎えた上で家督を継がせることを無条件で飲んだ(史実では信雄は具教の実子・具房の跡を継いで北畠家当主となる)。
朝倉義景
真柄直隆
松永久秀
信長と足利義昭双方に臣従している点では明智光秀と同じだが、裏で反織田勢力と繋がり、義昭の信長包囲網形成にも加担し、武田家への使者役も務めている(信長も察知しているが、本人はとぼけている)。ただし積極的ではなく、どちらに加担すれば良いのか天秤にかけている風である。信長もそれを承知で、あえて利用している。
情報収集も精力的に行っており、その情報を高く買うところに流す算段をしている。信長の比叡山焼き討ちの際に比叡山がもぬけの殻であり、女子供の死者がほとんどいない事実も、いち早くつかんだ。この時は信長の意図を察知し、自らも「信長の悪評を広める」ため行動した(動揺する義昭に対し、あえて前述の事実を伝えなかった)。後に久秀が信長の意図を見抜いたことを知って、光秀は驚愕することになる。
果心居士(松田)を配下にしているが、人物としては信頼していない。顕如ともつながりがある。
野心家で与力となった後も天下を狙い謀反を起こすが、信貴山城の戦いで敗北が決定的になると信長への嫌がらせのためにケンを道連れに自殺を図る。平蜘蛛に火薬を積め、果心のライターで爆発させる。それを合図に城に火を放ちケンを押さえ込んでいたが、ただの料理人であるケンを押さえ切れなかったことで自らの老いを悟り一人炎に包まれた。
浅井長政
当初は信長に憧れ心酔するが、信長と言葉や書面を交わすうちに、信長の革新的思考が理解できないようになり、不安に陥ることとなる。さらに、浅井の盟友である朝倉に対し、信長が長政に断りなく攻め込んだことをきっかけとして、信長と敵対することになる。
姉川の合戦から3年後、再び開いた織田方との戦に敗れる。お市やケンからも降伏をすすめられたが、自身がお市の情に甘えていたことに気づき妻子を織田方へ帰す。自分は信長の「下」ではなく「隣」にいたかったと最後まで思っており、自分がもう少し強ければそれが出来たと思っていた。自刃する間際、ケンから自身が未来から来たことを聞かされ当初はそれを一蹴したが、ケンから「遠くない未来に戦の無い世の中が来ること」と「自分の娘たちが戦乱を終わらせる礎となる」と聞かされ、「それなら、ここで死んでおくのも悪くない」と納得した上で自害する。
お市
金ヶ崎城の兄の信長へを送り長政の行動をそれとなく知らせる(ケンがその真意を察する)[注 2]
ケンが信長の命で朝倉方の料理人になり代わって小谷城に潜入した際に鮎を使った料理を見て信長のメッセージを読み取るが、長政と一緒に行動するとケンたちに言ったために間者として送り込まれたことが露見する。捕らえられたケンと語り合うが、ケンの話(未来の料理・栄養学の知識)が半分も理解できず、上述の信長と長政のすれ違いについて思い至ることになる。結果、ケンに信長の面影を見て、自らを盾にするように芝居を打って逃がすことになる。
姉川の合戦から3年後、再び開いた織田方との戦に際してもケンから伝えられた料理によって降伏してでも生き延びることを長政にすすめるが、長政はそれを拒絶したことで自分も妻として長政と同じく、自害し一緒に死のうとする覚悟を持ったが、小谷城を包囲した際にケンから出された料理を食べた長政がその料理の真意を悟った長政から「浅井の血を守れ」と娘たちを守るためには自身が必要だと言われ、娘達と共に織田方に帰される。長政を殺した兄である信長のことは恨んでないと帰蝶に語っている。
茶々
浅井長政とお市の娘で肉を食べるのが苦手だった。ケンが作ったを使った料理に興味を示す。ケンが料理したハンバーグをメインしたお子様ランチに興味を示し完食する。
姉川の合戦から3年後、再び開いた織田方との戦のころには幼いながらにおしゃまな女の子になっていたが、親と離れ離れになった際には妹の初と共に両親がいない状況に涙した。それを見たケンが甘味好きの信長のためにいつも用意していた食材を使った料理を食べ、ケンの言葉を聞くと涙を止め、織田家に保護された。合戦終結の後、岐阜で出会った濃姫には「すてき…」と心酔していた。
堀秀村
遠藤直経
姉川の戦いにて三田村国定の首を持ち、織田家臣に化け首実検を申し出てたが、首を持たせた小者が、たまたま近江の村でケンと信長を匿った農民の男だったので見破られ、最終的に勧誘されるも拒否して信長に斬られた。
阿閉貞征
阿閉貞大
三好三人衆
徳川家康
義昭の年賀挨拶の席で、信長の指示によるケンの御膳を見て、その意味を理解する。また情勢の悪化から部下から反織田勢力に着くように提案されるが、ケンの料理で幼少期の信長との記憶を思い出し、織田軍とともに武田信玄をはじめとする反織田勢力と戦うことを決意する。幼少の記憶を思い出させてくれたケンを高く評価している。けっこう食い意地も張っており、平時・有事を問わず織田家を訪れた際にはケンの料理を楽しみにしている。
武田から解放されたケンを一時期手元に置くが、三方ヶ原の戦いの後、ケンを信長の下へと帰す。
酒井忠次榊原康政本多忠勝
後に徳川家四天王と呼ばれる武将たち(井伊直政は未登場)。いずれも家康を慕う股肱の臣であり、信長よりも家康こそ天下を取る器であると期待している。
酒井は四天王筆頭として家康を支えるが、忠勝などの能天気な若手には頭を痛めることが多い。康政は少々毒舌で家康に対しても遠慮のない意見を申すこともある。忠勝は能天気な健啖家だが、食い物の味にはこだわらないところがある。
主君である家康含めてケンも彼らを気に入っており、酒井が別動隊として命懸けの役目に着いた際には危険を冒して手助けをしている。
中根正照
上杉謙信
信長とは盟約を結んでいたが、比叡山焼き討ち、将軍追放、改元とたて続いた信長の行動に激怒、討伐と京奪還を決意する。しかし信長の使者となったケンによって「京を渡す」と告げられ、大義を封じられた格好となり、しばし討伐を断念し、同盟を継続し、状況を観察することとする。
長年、対立してきた信玄の死には思うことがあったのか、自身が知りたかった信玄の最後に関しては、それなら話しても言いと思ったケンから伝えられた信玄との別れ際の言葉に感じ入っていた。
信長の家督委譲後に、遷都の意図を察し織田領へ進軍。七尾城攻略後にケンの手引きにより信長と大将同士の密談を行う。信長の目指す国の形を理解することはできなかったが、誰にも見えぬものを見据える信長を期待通りの男として軍を引く。その後春日山城内にて死去。享年49。謙信の死を知った信長とケンからは『もう自分の出番が無いと知り、この世に未練が無くなったので先に死んだ信玄と決着をつけに行った』と述べている。
実子がなく、また後継者を指名しなかったため、死後、上杉家は、謙信の養子である景勝景虎の間で、内紛状態となる。
毛利輝元
毛利家当主。松田が働きかけたことで天王寺の戦いへ援軍を出すが、ケンの策によって援軍は間に合わなかった。料理人によって援軍が遅れたことを知るとケンに興味を抱き、村上元吉にケンを捕らえるように命じる。自身の才のなさを自覚しており、やれるものがやればいいという考えを持つ。その分人を見る目を養っており、元吉が信長の言葉に揺れていることをすぐに見抜いた。
村上元吉
毛利に協力する村上水軍の武将で、海賊大将武吉の息子。木津川で九鬼水軍を圧倒し、本願寺への補給を成功させる。信長の命でケンが村上水軍の船に乗った際は、腕を誇示せず食材(牡蠣)に真摯に向き合うだけのケンを気に入り、相手が自分の探している人物とは知らずに輝元の探す料理人の心当たりを尋ねている。信長から海賊ではなく世界を相手にする日本の水軍として勧誘された際は拒絶するものの、内面では揺れており第二次木津川口の戦いからは外された。望月と思わしき、「三好長治の料理人」を知っていると語り、織田が村上水軍に勝てたら教えるとケンに伝えた。

武田家

武田信玄
義昭の内書(密書)で上洛を促されるが、慎重な態度を取っていた。実は既に病に冒されていた。
顕如からの手紙で信長の料理人(ケン)の噂を聞いて配下の秋山信友に暗殺を命じるも、秋山の独断で連行されたケンの料理を認め、手元に置く。
当初はケンの料理で体調が回復するが、西上作戦開始後からケンの料理を食べなくなり、再び体調を崩す。自分の命が長くないことを悟り、かつ死後を勝頼に任せることを決意しての、最後の夢としての上洛だった。
ケンが信長に心服していることを理解し、にもかかわらずケンが自軍に義理を立てていること、自分の健康を気遣っていることに感謝し、餞別の太刀を持たせてケンを逃がす(この太刀は岐阜まで持ち帰っている)。
三方ヶ原の戦いの後で亡くなったことが間接的に描写される。
武田勝頼
信玄の嫡子だが、父親の威光の陰に隠れてかすみがちな自身に劣等感を感じている。ケンと共に甲斐に連行されてきた夏を気に入る。
ケンに「自ら滝を登らぬただの鯉」と喩えられたことからケンを憎悪するが、同時にその命を賭けた言葉を認め、その時点(西上作戦前)での家督相続を辞退する。また、ケンの懇願を信玄が受け入れたことで夏が岐阜に帰されたことでもケンを憎悪し、三方ヶ原の戦いでは本多忠勝に八つ当たりに近い態度を取った。
生まれた時点で武田には不要と母の実家に養子に出され、必要と言って呼び戻し当主に据えたにも関わらず父・信玄に心酔するがゆえに自分を軽視する家臣たちに辟易するも「それが愉しい」と大器への片鱗をみせる。臣下からも「勇猛果敢にして強すぎる」と評されるが、それゆえに一武将としては優秀であっても、総大将としては貫目が足らぬ部分がある。ゆえに長篠の合戦においては、敗色濃厚になってからも最後まで戦い抜こうとするも、家臣たちに諫言され、あえて屈辱をかぶり撤退することとなる。
正室は夏に似ている。
秋山信友
信玄の命によりケンを拉致、暗殺しようとする。しかし、史実の信玄がその時期に病に冒されていることを知っていたケンが、食事で病人を治すとして自分の腕を売り込んだため、信友はあえて信玄の命に背き、ケンを丁重に甲斐に迎え入れることとなる。
信長の使者として滝川一益やケンらが来訪した際は、監禁されていた彼らを解放した。長篠の合戦以後は東美濃の岩村城の守りについていたが、半年近く守り通したにもかかわらず、突如、信忠軍に降伏。その背景には、弱体化した武田軍と信忠軍との決戦を回避し、勝頼の面目を守りつつ勝頼を救わんとする意図があった。信長との会食の後に、岐阜にて磔となる。享年49。信長との会食の時にケンが出した料理に自分には生きて欲しいと言う意図を実感した時に、ケンに自分は勝頼を救えた事に満足しており、死んで堂々と信玄達に会いに行けると語った。
山県昌景
馬場信房
松姫
武田信玄の四女。織田信忠の婚約者。西上作戦以降も自身を信忠の婚約者であると考え、行動する。
勝頼の死によって武田家が事実上滅亡した後、日本統一が見えてきた信長はもはや政略結婚の意味はなく、むしろ旧武田領統治に松姫が有効と考え、信忠に松姫を迎えに行くように命じた。

本願寺

本願寺顕如
一向宗浄土真宗)の総本山・石山本願寺の門跡。作中においては、ようこから信長が長く生きないことを聞かされ、信長との敵対を決意したと描写される。しかし同時に、信長との戦いが長期戦になることを見据えているなど、戦略眼・洞察力を持つ人物としても描かれる。ようこの菓子作りの才を政略として活用し、まだ同様の理由からケンの料理の才を脅威視している。果心に対しては未知の知識に関する情報源としてはともかく、当人の言う「予言」は最初から信用はしていない。
【ドラマ版での設定】
瑤子から明智光秀が信長を討つことを聞き出し、二条城で砂糖を手に入れるために足利義昭と交渉していた明智光秀に接触。石山本願寺に招き、瑤子が製作した洋菓子「ペ・ド・ノンヌ」を出して手を組むようにそそのかすが失敗する。信長との料理勝負の後で瑤子を見捨てる。平成の時代に帰ろうとしたケンと同行した信長を、重臣に命じて僧兵に襲わせる。
下間頼廉

実在の人物・その他

今井宗久
津田宗及
千宗易
納屋衆のひとりで、人格者として描かれる。ケンと並ぶほどの高身長。
料理に関して決して志を曲げないケンの態度に感服し、自らの志を曲げて、あえて明の女商人・宋花琳との闘茶に臨む。その際は日本人にとって未知の烏龍茶の種類を全て当ててみせて、完勝する。
ルイス・フロイス
布教が目的でポルトガルから来日した宣教師。信長のもてなしを受け、ケンが作る野菜と棒鱈入りのコンソメ(ドラマ版ではポタージュ)に、故郷のバカリャウカルドベルデの味を思い出し、感涙する。再会時にはフロイスをもてなすためケンは「パスティス・デ・バカリャウ」(干し鱈のコロッケ)を用意するが、信長の思惑から別目的で使われてしまったため、食べ損なうことになる。
山科言継
狩野永徳
京に本拠を置く絵師集団「狩野派」の棟梁。上杉への外交交渉を任された秀吉が進物として彼の作品「洛中洛外図屏風」を求めるが、信長の行状などを理由に拒否する。狩野派の棟梁として上り調子の織田に真っ向から逆らうような真似はしない狡猾さを持つが、数年前に亡くなった足利義輝からの依頼である屏風を没した後にも描きあげた絵に対する真摯さも併せ持っている。
安土城築城の際には障壁画を依頼され、面白い仕事が来たとして請け負った。
坪内
料理人。「日の本一の料理人」と呼ばれる。かつて、三好氏に仕えていたが、ケンが信長に仕えるようになったのと前後して織田方に捕らえられる。井上が楽をしようと信長の料理人に推したが、京風の薄味料理を夕食に出したため信長に気に入られず切腹を申し付けられるが、翌朝に田舎風の濃い味付けを出したため赦される(ここまでのエピソードは井上が推したことを除き、史実)。織田方に三好氏が降伏してきた際に帰参を赦されている(これは本作オリジナルのエピソード)。
夕食の作り直しを命じられたケンが多量の塩を使っていたことを見て疑問を抱いていた。それは10年を経たのちに三好康長を訪ねてきたケンと再会したことで、ケンから信長が武を好み、他の武将とは違って日々の鍛錬を欠かさずにいたことで、肉体労働者のように発汗が多いため、塩分の強い味付けが好みだったとの答えを聞き得心。ケンを康長に引き合わせる手伝いをする。

注釈

  1. ^ 光秀だけは半ば本気で言っていたが、秀吉を始めとした他の家臣たちは「自分じゃなくて良かった」と言わんばかりの態度で信長も呆れていた。
  2. ^ いわゆる「小豆袋」のエピソードの翻案。
  3. ^ 当初は2013年3月8日に最終話が放送される予定だった。
  4. ^ ドラマのオリジナルキャラクターで原作のようこに相当。

出典

  1. ^ 信長のシェフ:13年の連載に幕 テレビドラマも話題になった戦国グルメマンガ”. まんたんウェブ. MANTAN (2024年3月29日). 2024年3月29日閲覧。
  2. ^ この事実が明らかになるのは11巻-12巻時点。
  3. ^ この事実が明らかになるのは11巻時点。
  4. ^ コミックス12巻第104話より。
  5. ^ コミックス13巻第109話より。
  6. ^ Part2 第2話より。
  7. ^ Part2 第5話より。
  8. ^ 信長のシェフ 既刊一覧”. 芳文社. 2023年12月14日閲覧。
  9. ^ “キスマイ玉森 : 戦国シェフ役で連ドラ単独初主演 信長にミッチー”. 毎日新聞デジタル. (2012年11月14日). https://mantan-web.jp/article/20121113dog00m200034000c.html 
  10. ^ “キスマイ玉森、主演ドラマ『信長のシェフ』シリーズ化に歓喜 続編7月スタート”. ORICON NEWS. (2014年2月12日). https://www.oricon.co.jp/news/2033946/full/ 2017年7月24日閲覧。 
  11. ^ “佐々木希 : 時代劇に初挑戦 玉森主演「信長のシェフ」続編で謎の女料理人に”. 毎日新聞デジタル. (2014-5-143). https://mantan-web.jp/article/20140512dog00m200030000c.html 
  12. ^ a b c d e f 第9話と平均の出典。キスマイ玉森裕太主演「信長のシェフ」 最終回11・0% 深夜枠でヒット! スポーツニッポン(2013年3月18日)
  13. ^ a b スポニチ アネックス (2014年7月11日). “テレ朝「信長のシェフ」続編 初回は9・7%、深夜の前作上回れず”. 2014年8月9日閲覧。
  14. ^ オリコンスタイル (2014年7月16日). “玉森裕太、『信長のシェフ』初“チュー”に緊張”. 2014年7月18日閲覧。
  15. ^ “【信長のシェフ】キスマイ千賀、時代劇初挑戦 玉森は「保護者の気持ち」”. ORICON NEWS. (2014年8月25日). https://www.oricon.co.jp/news/2041303/full/ 2017年7月24日閲覧。 
  16. ^ “キスマイ新曲MVで過酷な“びしょ濡れ”ダンス 気温0度で2トンの水浴びる”. ORICON NEWS. (2013年1月22日). https://www.oricon.co.jp/news/2020879/full/ 2017年7月24日閲覧。 
  17. ^ “キスマイ、ドームツアー初日に新曲発表 『信長のシェフ』主題歌”. ORICON NEWS. (2014年7月5日). https://www.oricon.co.jp/news/2039484/full/ 2017年7月24日閲覧。 
  18. ^ ナレーター杉本るみ「信長のシェフ」出演決定 yamadax 2014年6月17日
  19. ^ 信長のシェフ Sponichi Annex 芸能、2013年3月18日参照。 Archived 2013年1月18日, at the Wayback Machine.
  20. ^ 信長のシェフ Sponichi Annex 芸能、2014年9月7日参照。
  21. ^ 「発表! 第82回ドラマアカデミー賞」『ザテレビジョン関西版』第20巻46号(2014年11月21日号)、KADOKAWA、10頁。 


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