佐賀市 観光・文化

佐賀市

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/10/30 06:55 UTC 版)

観光・文化

中心市街地周辺では、江戸時代成富兵庫茂安の石井樋建設によって嘉瀬川から分流された多布施川が市中を縦断、城内を経て佐賀江川に至るのをはじめ、中小河川の支流が街中を張り巡らしていた。古くからの城下市街地では表通りを流れる水運路が美しい景観を生み出す一方で、家々の裏にも飲用水の供給を目的とした背割り水路が網羅されていて、昭和40年ごろまでは生活用水や水遊び場として広く利用されていた。またこの水はやがて用水路に至り農業用水としても活用されていた。しかし次第に生活排水による水質悪化が問題となって、生活用水としては利用されなくなっていたところ、市民運動から始まった「水対策市民会議」(1980年 - )によって年2回の市内一斉河川清掃「川を愛する週間」運動が展開されたことにより水質改善、また水路網の修景や保存意識が高まり水辺の環境が向上した。こうした経緯、環境から旧・佐賀市は水の郷百選に選ばれている。

また、平野部では佐賀平野特有のクリークが多く点在している。クリークは、夏季には河川と水量を調節しながら水が供給され、冬季などはため池のような役割を担い、年中ほとんどの時期で水を有している。そのため、トンボホタルなどが多く生息しており、この地域の自然の特徴とされている。これらは観光資源でもあり、「トンボ王国・さが」と題して観光や環境教育に活用されている。

一方で、水辺が多いことで蚊が多く発生しやすいといわれており、市報でも毎年蚊対策を呼びかけるほどで[21]、蚊の羽音になぞらえて「ぶーんか都市」(「文化都市」と掛けている)と自嘲する声もある。

一方で、山岳部でも水辺の環境は良好で、旧・富士町も「緑と清流と温泉の町」として水の郷百選に選ばれている。

中心部の街角の至る所に恵比寿像が点在し、総数は500体近くあるとされている。これらは、江戸時代より商売繁盛などを願って設置されたもので、古くより身近な存在として市民に親しまれてきた。観光素材として取り上げる動きはこれまでなかったが、2004年より市民団体や行政によって「恵比須八十八ヶ所巡り」などの観光事業も行われている[22]

古墳時代の遺跡から佐賀藩時代の城跡、さらに幕末期の反射炉跡まで、比較的多くの史跡が残っている歴史のある街である。近年、観光資源の発掘が盛んでかつて住宅街に埋もれていた佐賀城本丸周辺も立ち退きが進み観光地的雰囲気を醸し出し、特に2004年の天保期の本丸御殿を再現した県立佐賀城本丸歴史館の開館以降市内観光の中心的役割を担っている。また日本の科学技術近代化の一翼をになった佐賀藩のお膝元だけに国産初の蒸気機関車模型(蒸気車雛形)、蒸気船模型、湿板写真機、高度な撮影・現像技術に裏打ちされた藩主直正公の鮮明な肖像や慶応年間の城下の古写真、トンメス分析表などの幕末に製作された科学技術近代化遺産が豊富である。現在もその名残として佐賀藩精錬方の流れを汲むガラス器製造が副島硝子によって継承されている。その他無形遺産が比較的豊富で、古くは肥前国風土記の伝承があるほか、葉隠徐福などの伝説も残っている。

食文化で特筆すべき点は長崎街道(シュガーロード)沿いにあることによる菓子文化の発達が挙げられる。潤沢に手に入った砂糖と豊饒な佐賀平野で穫れるもち米や小麦を材料とした上に、南蛮・中華貿易を通じて伝来した製法により古くからバリエーション豊かな菓子が作られてきており、今では信じられないことに多くの市内老舗菓子店でもカステラの斤単位≒600gでの量り売りなどが盛んに行われ、戦前には製菓業は人気の職業として三番目にあげられるほどであったが、中心部の衰退とともに菓子店は次第に数を減らし、かつて盛んに生産され名物になっていた米おこしや、婚礼用の金華糖の一種である寿賀台(すがだい)など幻となった菓子も多い。しかし近年シュガーロードが脚光を浴びることで観光資源として再び注目を集め始めている。

文化公共施設

県立博物館
県立美術館
総合運動場陸上競技場

史跡・歴史遺産

筑後川昇開橋
佐嘉神社
三重津海軍所跡
  • 吉村家住宅 - 1789年建造とされる佐賀県下最古の現存する住宅。富士町上無津呂。
  • 久保泉町・金立町・大和町付近には、多数の古墳をはじめとして、古代〜中世あるいはそれ以前の史跡が点在する。
    • 銚子塚古墳 - 4世紀ごろの古墳。国の史跡に指定。
    • 西隈古墳 - 5世紀ごろの古墳。国の史跡に指定。
    • 久保泉丸山遺跡 - 縄文〜弥生時代と古墳時代の遺跡の複合遺跡。長崎自動車道建設に伴い1982年に遺跡ごと移設。
    • 築山古墳(築山瓦経塚) - 成富兵庫茂安夫妻の墓の跡。出土した瓦経は国の重要文化財(佐賀県立博物館保管)。
    • 熊本山古墳 - 出土した舟形石棺は国の重要文化財(佐賀県立博物館保管)。
    • 肥前国府跡 - 律令制時代より肥前国の国府が置かれていた跡地。
    • 舩塚古墳 - 5世紀中頃の前方後円墳。
    • 東名遺跡 - 縄文時代早期末葉の遺跡。2016年に国の史跡に指定。
  • 与止日女神社 - 肥前国の一宮。與止日女神を祀る。
  • 鎮西出雲大社 - 文永十年(1273年)に(再建)建立。関白豊臣秀吉公が訪れた事がある。
  • 葉隠発祥地 - 大和町黒土原とされ、山本常朝の碑が立てられている。
  • 佐賀市街地には佐賀藩時代、明治維新期の史跡が点在する。
    • 佐賀城跡・佐賀城本丸歴史館(ホームページ [1]
    • 佐嘉神社松原神社
    • 与賀神社 - 楼門、三の鳥居、石橋は国の重要文化財に指定。
      • 佐賀城跡の楠群・与賀神社の楠はともに県の天然記念物に指定されている。
      • 本殿・幣殿・拝殿は国の登録有形文化財に登録されている[23]
    • 高伝寺 - 龍造寺氏、鍋島氏の菩提寺。
    • 徴古館 - 鍋島家の資料館。
    • 築地反射炉跡 - 長瀬町にある日本最初の実用反射炉の跡地。
    • 多布施反射炉跡 - 幕府からの鉄製大砲注文に応えるために増設された炉。
    • 精錬方跡 - 幕末西洋科学技術の最先端研究施設「精錬方」の跡地。
    • 大隈重信旧宅 - 早稲田大学の創設者・初代総長大隈重信の生家・旧宅。国指定史跡。
    • 大隈重信記念館 - 大隈重信侯の誕生125年を記念して開館。大隈重信旧宅に隣接。
    • 佐賀市歴史民俗館 -長崎街道沿いに残る 旧古賀銀行・旧古賀家・旧牛島家・旧三省銀行・旧福田家の五つの歴史的建造物群。
    • 野中烏犀圓 - 佐賀の老舗薬店。江戸期の店舗は国の登録有形文化財である。通常非公開であるが、希少な「解体新書初版」と火薬製造に欠かせない無機定性分析表である「トンメス分析表」を所蔵する。
  • 筑後川昇開橋 - 筑後川に架かる、旧国鉄佐賀線の朱塗りの可動式橋梁。国の重要文化財。機械遺産。
  • 山口家住家 - 19世紀前半に建てられたとされる、この地域特有の「じょうご造り」の古民家。国の重要文化財。川副町大詫間。
  • 三重津海軍所跡 - 幕末に設置された佐賀藩の海軍所跡。蒸気船等修船・運用と教育機関が存在した。世界遺産『明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業』構成資産。
  • 佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館 - 佐野常民と三重津海軍所跡に関する常設展示があり、2021年9月25日に「佐野常民記念館」からリニューアルオープン[24]
  • 龍造寺隆信像と燈堂(あかしどう)。
  • 鍋島直正公銅像 - 肥前国佐賀藩10代藩主鍋島直正公の銅像。佐賀城本丸御殿の北側の二の丸跡(鯱の門北側広場)に平成29年に再建。
  • 島義勇銅像 - 「北海道開拓の父」佐賀藩藩士・島義勇の銅像。佐賀城公園「西御門橋」南側。
  • 行幸記念碑 - 東与賀町。昭和天皇最後の行幸地。

このほか、各地に徐福の伝説が残る。佐賀市内だけでも金立町、諸富町、富士町、大和町の4か所が徐福ゆかりの地とされている。上陸地の諸富町寺井津「浮盃」、片葉の葦、新北神社のビャクシン、金立町「千布」、阿辰観音、金立山のフロフキ(徐福記念館)など経路上に多数の伝説がある[25]

名所、景勝地、公園など

北山ダム湖の風景
古湯温泉
神野公園
どんどんどんの森
  • 北山ダム、21世紀県民の森 - 釣りやサイクリングなどの行楽地、避暑地として利用される。散策路、自然景観の名所でもある。
  • 三瀬ルベール牧場 どんぐり村 - 南フランスの田舎町をイメージした観光牧場。
  • 三瀬温泉やまびこの湯
  • 天山スキー場 - 県内唯一のスキー場で、11月 - 3月頃に営業[注釈 2] ドリフトサーキット場などの夏季営業もあり。
  • 西の谷の棚田 - 日本の棚田百選。富士町古湯。
  • 古湯温泉 - 古くより湯治場として栄える。美人の湯。
  • 熊の川温泉 - 盛衰を繰り返し、湯治場として現在に至る。
  • 川上峡 - 「九州の嵐山」とも呼ばれる。渓流の周囲に景勝地や行楽地、温泉などが点在。
  • 川上峡温泉 - 川上峡の近くにある小さな温泉地。
  • 巨石パーク - 10 m以上の巨石群をテーマとした公園。
  • 大和中央公園 - 5 - 6月に見ごろを迎える花しょうぶ園がある。
  • どんどんどんの森
  • 金立公園、金立山いこいの広場 - 遊戯施設・アウトドア施設、紅葉コスモスの名所。植物・薬草の資料館もある。
  • 夢咲公園 - 児童遊園。
  • 蓮池公園 - 蓮池藩の庭園を継承。桜や菖蒲の名所。
  • ひょうたん島公園 - 佐賀平野のクリークを保存。農業をテーマとした体験なども実施。
  • 多布施川河畔公園 - 市街地から郊外に至る散策路、桜の名所。
  • 神野公園 - 小動物園やとんぼ池がある。隔林亭近くの池沿いなど園全体に桜並木(隣接する多布施川ともつながる)が植えられている。
  • 佐賀県立森林公園 - 自然公園とスポーツ施設を併設。
  • 佐賀城公園 - 城堀沿いと城跡周辺に広がる公園。散策路、桜や紅葉の名所。
  • 空港公園 - アスレチック施設、観光施設。
    • 近隣にはコスモス園、わた畑も整備されている。
  • 川副さくらロード
  • 松土居公園
  • 東よか干潟ラムサール条約湿地、2015年5月29日登録)
  • 干潟よか公園 - アスレチック施設。
  • シチメンソウ群生地 - 東与賀町の有明海沿岸一帯。
  • ふれあいクリーク公園

祭事・催事

  • 白鬚神社の田楽 - 久保泉町川久保で10月18日10月19日に行われる田楽。2000年(平成12年)に国の重要無形民俗文化財に指定。
  • 見島のカセドリ - 蓮池町見島地区で小正月にあたる2月第2土曜に行われる来訪神行事。2002年(平成14年)に国の重要無形民俗文化財に指定。
  • 三重の獅子舞 - 諸富町で10月に行われる獅子舞。佐賀県の重要無形民俗文化財に指定されている。
  • 佐賀城下栄の国まつり - 8月初旬市の中心部で開かれる。
  • 精霊流し - 8月15日夕方から夜にかけて実施。現在は主に久保田町の嘉瀬川沿いや八戸町などで行われている。古くは市街地南部の各地で行われていたが、船や供物が岸に流れ着いてその処分が問題になったことから自粛する地域が増え、供物を乗せず灯籠のみとしたり、場所を指定し下流ですべて回収したり、共同の精霊船とするなどの対策をとって実施するようになってきている。
  • 銀天夜市 - 6月・7月から8月まで土曜日を中心に商店街で開かれる。
  • 佐賀インターナショナルバルーンフェスタ - 10月下旬 - 11月上旬に開かれる熱気球の国際大会。
    • SAGAバルーンチャレンジシリーズ - 11月下旬 - 2月下旬まで断続的に行われるバルーンフェスタ開催後の小規模大会。
    • 佐賀ライトファンタジー - バルーンフェスタ開幕前日から翌年1月ごろまで行われる市街部道路のライトアップ。
  • 佐賀城下ひな祭り - 2月から3月まで開かれる。
  • チューリップ祭り - 4月に久保田町で開かれる。
  • 古湯映画祭 - 9月に富士町古湯温泉で開かれる映画祭。

その他

スポーツ

スポーツチーム

共に鳥栖市をホームタウンとしているサガン鳥栖Jリーグ)と久光スプリングスV.LEAGUE)は当市をホームタウンとしていないがホームゲームを開催している。

スポーツイベント

  1. ^ a b 2011年9月30日

注釈

  1. ^ 佐賀県の自治労の支持政党は現在でも社民党である。
  2. ^ ただし2019年シーズンは例年より遅めの12月9日にオープンした。

出典

  1. ^ a b 市の木・市の花、佐賀市、2015年11月30日時点、2015年11月30日閲覧。
  2. ^ 佐賀市が“中核市”へ 検討をスタート【佐賀県】|佐賀のニュース|サガテレビ
  3. ^ 中核市に関する庁内検討会 | 佐賀市公式ホームページ
  4. ^ 佐賀平野の宿命(洪水と干ばつの歴史) 佐賀中部農地防災事務所[リンク切れ]
  5. ^ 平年値ダウンロード”. 気象庁. 2021年6月閲覧。
  6. ^ 観測史上1〜10位の値(年間を通じての値)”. 気象庁. 2021年6月閲覧。
  7. ^ 発表項目:水道局跡地への対応について(知事記者会見) 佐賀県、2005年4月28日。
  8. ^ 嘉瀬川ダム建設事業
  9. ^ 坂井英隆氏に当選証書 佐賀市長選で市選管 25日に初登庁、西日本新聞、2021年10月21日付、2022年1月18日閲覧
  10. ^ 秀島氏、無投票4選 佐賀市長選 =2017佐賀市長選=|行政・社会|佐賀新聞ニュース|佐賀新聞LiVE” (日本語). 佐賀新聞LiVE. 2020年10月11日閲覧。
  11. ^ 佐賀市長選挙 無投票のお知らせ” (日本語). 佐賀市公式ホームページ. 2020年10月11日閲覧。
  12. ^ 佐賀市行政機構図
  13. ^ 久保田支所” (日本語). 佐賀市公式ホームページ. 2020年10月11日閲覧。
  14. ^ a b 沿革、佐賀市上下水道局、2022年1月18日閲覧
  15. ^ a b c d 令和2年度佐賀市環境報告書(令和元年度実績)e-ガイド、pp.12,23-24,34-38.、佐賀市、2020年8月発行、2022年1月18日閲覧
  16. ^ 2004年9号ケース佐賀中央郵便局――現場改善
  17. ^ 佐賀市議会の会派、ネットワーク佐賀に名称変更|行政・社会|佐賀新聞ニュース|佐賀新聞LiVE” (日本語). 佐賀新聞LiVE. 2020年10月11日閲覧。
  18. ^ 当日の有権者数県計(10月31日午前7時現在)、佐賀県、2020年1月20日閲覧
  19. ^ a b 018産業(大分類)別15歳以上就業者数 佐賀市
  20. ^ 『環状道路の時代』日経BP社、2006年、P81、ISBN 4-8222-2045-1
  21. ^ 市報さが 平成19年6月15日号 p8, 平成18年7月1日号 p36
  22. ^ 佐賀のまちかど恵比寿さん
  23. ^ 文化遺産オンライン(与賀神社)
  24. ^ 世界遺産、見えた 佐賀市の三重津海軍所跡、施設リニューアル 名称は「佐野常民と三重津海軍所跡の歴史館」に”. 佐賀新聞. 2021年9月25日閲覧。
  25. ^ 佐賀県の徐福伝説
  26. ^ a b 協定項目20 市町村の慣行の取扱い p5
  27. ^ 協定項目20 市町の慣行の取扱い p4-5
  28. ^ 第2回子育て・教育分科会 資料(2) p2
  29. ^ 佐賀市 編『佐賀市制100周年記念 さがの歳時記』(1990年) p146






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