仲裁
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/12/20 18:30 UTC 版)
国際仲裁
国際商取引における紛争解決には、仲裁が利用される場合が非常に多い[6]。その理由としては、国際連合国際商取引法委員会の外国仲裁判断の承認及び執行に関する条約、いわゆる「ニューヨーク条約」が、多くの国家によって批准されているからである。
裁判では、特定の国家における判決が、外国では執行できない場合も多いのに対し、仲裁では、ニューヨーク条約の存在から、外国でも承認・執行できる可能性が高い[7]、国際仲裁判断に基づく執行が、当該国の裁判所の判決に基づく執行より容易で、締結国間では裁判所の判決と同等で強制力がある点や、新興国の法整備に不備があったり裁判所の遅延があることが多く、執行がかなり遅れてしまったり、裁判では法廷公開の原則により、営業秘密が漏洩してしまう危険が大きい。
しかし、仲裁では非公開の審理により、情報漏洩の心配が無い、裁判によると必ずしも専門ではない裁判官(陪審制の下では、市民から無作為に選出された陪審員の場合もありうる)によって理不尽な判決が出され、さらに二審制で確定判決まで時間かかってしまうのに対し、仲裁の場合は一審制で、専門分野に精通した法律家による判断を得ることができ、妥当な解決が図られる可能性が高い点が挙げられる[要出典]。
アジアでは、シンガポールと香港が国際仲裁地として広く利用され、英国法の法律家にとって、巨大なリーガルマーケットにつながると同時に、金融・保険・運輸など関連産業のシナジー効果を発揮しているが、日本が国際仲裁地として利用されることは、稀である[6]。
脚注
参考文献
- 喜多村勝徳 『契約の法務』(第2版)勁草書房、2019年1月。ISBN 9784326403608。
- 浜辺陽一郎 『現代国際ビジネス法』日本加除出版、2018年2月。ISBN 978-4-8178-4709-6。
注釈
- ^ 仲裁に関する労働委員会の運営に関しては、労働組合法第28条、第29条、同法施行令第41条等の規定の適用ある外労働委員会の一般運営規程による。申請が当事者の一方よりなされた時は、他の一方に対してもその旨通知される(昭和21年10月14日厚生省発労44号)。
- ^ 労働委員会の権限は、その労働争議が一の都道府県の区域内のみに係るものであるときは当該都道府県労働委員会が、その労働争議が2以上の都道府県にわたるものであるとき、中央労働委員会が全国的に重要な問題に係るものであると認めたものであるとき、または緊急調整の決定に係るものであるときは、中央労働委員会が行う(労働関係調整法施行令第2条の2)。
- ^ 労働関係調整法に基づく調停の申請または請求がなされた場合ならびに仲裁の申請がなされた場合は、原則として申請した者の意向を尊重すべきものであるが、労働委員会が事件の内容その他の情勢を考えて特に必要だと思うときは、申請内容にかかわりなく別の方法によって事件の解決に努めても差し支えない(昭和22年5月15日労発263号)。
- ^ アドホック仲裁であっても物理的な会場を専門仲裁機関から借りて行われることもありうるが、この場合は手続ルールとの関係では仲裁機関を利用していないため、機関仲裁とは扱われない。
出典
- ^ a b 喜多村勝徳 2019, p. 123.
- ^ “仲裁合意 (pdf)”. 国土交通省. 2021年10月19日閲覧。
- ^ “建設工事紛争審査会での紛争処理手続 ~あっせん・調停・仲裁~”. 国土交通省. 2021年10月19日閲覧。
- ^ 東京都建設工事紛争審査会事務局(東京都都市整備局市街地建築部調整課) (2021年4月). “東京都建設工事紛争審査会 - 工事紛争処理手続の手引 - (pdf)”. p. 9. 2021年10月19日閲覧。
- ^ 浜辺陽一郎 2018, p. 73.
- ^ a b 栗田哲郎「アジアにおける外国仲裁判断の承認・執行に関する調査研究」
- ^ “第1回 国際仲裁とは | JIIART”. www.jiiart.com. 2020年11月19日閲覧。
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