仲人 仲人の概要

仲人

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/08 04:47 UTC 版)

新郎新婦の両脇に座る仲人

仲人の役割

仲人は「月下氷人」とも呼ばれる(縁結びの神“月下老”と“氷上人”を組み合わせた造語)。かつては「仲人は親も同然」という格言があるほど、仲人の影響力は強いものであったが、人間関係や時代背景の変化とともに仲人を設定する結婚式は減少傾向にあり、さらに平成不況による職場環境の激変(終身雇用体制の崩壊)を背景に1990年代後半を境として激減し、仲人を立てる結婚式は首都圏では1%だけとなり、最も多い九州地方でも10.8%に過ぎなくなった(ゼクシィ調査 2004年9月13日発表)。また仲人を立てる場合であっても形だけの仲人を設定するケースが大半である。形だけとは言え、婚約・結納・結婚式(結婚披露宴)などの重要イベントでは臨席と挨拶が求められるので、伝統的なしきたりについて相応の知識を仕入れておくのが一般的である。また婚姻届においては証人となることもある。

明治時代には仲人のいない結婚は卑しい野合であると見なされ、婚姻においてもっとも必要なものは媒酌人であり、仲人はその結婚の正しさを示すうえで不可欠とされた[2]森有礼は「媒(なかだち)を用いて婚する者を夫婦と称し、その婦を妻と称し、媒を用いずして婚する者をと名づく」と記している[2]

明治の中頃になると、各家庭でと新郎新婦が向かい合って三三九度、親子・親族盃と続く盃事のセレモニーを行なう婚礼が一般的となり、媒酌人は三々九度の周旋をした[3]。1902年に行われた民間人初の神前結婚式では媒酌人による誓文の朗読ののち盃事の儀式が行われた[3]。披露宴においては、媒酌人が両人の紹介と後援を乞う挨拶を行なった[3]

仲人と媒酌人

江戸時代の媒酌人(仲人)

戦後の一般的な区別では、実質的な紹介や仲介をする人を「仲人」、結婚式の際に立てる人を「媒酌人」ということが多いが、歴史的にはその逆もあり、仲人、媒酌人に明確な定義の違いはない[1]。「仲人」という言い方は大正時代から普及した語で、戦前までは明治からある「媒酌人」という語のほうがより一般的だった[1]。なお、仲人を立てる結婚形式は江戸時代では武士階級のみの慣行で、江戸中期には庶民の一部で仲人結婚こそが正式であるとする社会規範が広まりはじめたが、庶民の間で全国的に広まるのは明治10年ごろからである[2]


  1. ^ a b c d 『仲人の近代』阪井 裕一郎、青弓社 (2021/10/27)p23-26
  2. ^ a b c d 『仲人の近代』p13-14
  3. ^ a b c 挙式・披露宴におけるブライダルビジネスの現状と戦略田澤 昌枝 境 新一 東京家政学院大学紀要 第 44 号 2004 年
  4. ^ 挙式・披露宴におけるブライダルビジネスの現状と戦略


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