人権 フランス

人権

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/22 06:42 UTC 版)

フランス

アメリカで結実した自然法思想はフランスの人間と市民の権利の宣言(フランス人権宣言、1789年)を生み出す原動力となった[19]。人権思想は一層の高まりをみせ1793年憲法に至った[20]。しかし、1795年憲法では権利規定が減少するとともに義務規定が増加して人権思想は顕著に後退し始めることとなる[20]1799年憲法では人権宣言そのものが憲法に置かれなかった[20]1814年欽定憲法では国民の権利は法の下の平等や人身の自由などに限られ、質的にも天賦のものから国王によって与えられた恩恵的な権利へと変化した[20]1830年憲法でも天賦人権思想が復活することはなかった[82]

フランスでこのような思想が復活するのは第二次世界大戦後の第四共和国憲法(1946年)であり、前文で1789年の人権宣言にある権利や自由の保障を再確認している[21]第五共和国憲法(1958年)も前文で1789年の人権宣言によって保障された諸権利の尊重を宣言している[21]

ドイツ

フランスの二月革命はドイツにも波及し、フランクフルト憲法は多くの権利や自由を「ドイツ人の基本権」として保障した画期的な憲法であったが、18世紀にみられたような前国家的人権という性質はみられない[21](フランクフルト憲法は未発効に終わった)。1850年のプロイセン憲法も多数の権利規定を盛り込んでいたが、それらの権利や自由は天賦のものではなく法律の範囲内で認められるものにすぎず、それはヴァイマル憲法でも変わることはなかった[21]。ドイツで法律によっても制限することのできない保障として天賦人権思想が登場するのは1949年のドイツ連邦共和国基本法(ボン基本法)においてである[21]

脚注

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注釈

  1. ^ 「かように <人権> の理解は一様ではないが、西洋近代の個人主義思想を多かれ少なかれ基本に置いている点では共通」と樋口陽一は説明した。人権を尊重しない政権や、アラブやアフリカ、アジアなどでは、文化の相違などとして反発することがある。だが、一般的に言えば文化の多元性を尊重しつつも、人権価値の普遍性を擁護するという立場が欧米ではコンセンサスを得つつある。[8]

出典

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  7. ^ a b 『岩波 哲学思想事典』岩波書店 1998年 p.813 樋口陽一 執筆「人権」
  8. ^ 『岩波 哲学思想事典』岩波書店 1998年 p.813 樋口陽一 執筆「人権」
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  12. ^ a b c 小嶋和司、立石眞『有斐閣双書(9)憲法概観 第7版』有斐閣、2011年、71頁。ISBN 978-4-641-11278-0
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  20. ^ a b c d e f 畑博行、水上千之『国際人権法概論第4版』有信堂高文社、2006年、8頁。ISBN 4-842-04047-5
  21. ^ a b c d e f g 畑博行、水上千之『国際人権法概論第4版』有信堂高文社、2006年、9頁。ISBN 4-842-04047-5
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  60. ^ 神道信者である事が義務付けられ、皇室典範により結婚・独立には皇室会議の同意が必要で家制度家長制度が存在する。選挙権ももちろんない
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