人工知能 製作

人工知能

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/29 06:37 UTC 版)

製作

プログラミング言語はC++のほかPythonが広く使われている。 深層学習を利用するには微分、線形代数、確率・統計といった大学レベル以上の数学知識が必要となる。 脳シミュレーションを行うには脳神経科学の知識も重要となる。

懸念

人工知能学会松尾豊は、著書『人工知能は人間を超えるか』内に於いて、人間に対して反乱を起こす可能性を否定しているが、人工知能の危険性について、警鐘を鳴らしている著名人もいる。

  • スティーブン・ホーキング「人工知能の発明は人類史上最大の出来事だった。だが同時に『最後』の出来事になってしまう可能性もある」[55]
  • イーロン・マスク「人工知能は悪魔を呼び出すようなもの」[56]
  • ビル・ゲイツ「これは確かに不安を招く問題だ。よくコントロールできれば、ロボットは人間に幸福をもたらせる。しかし、数年後、ロボットの知能は充分に発展すれば、必ず人間の心配事になる」[57]

人権侵害

MITのローレン・R・グレアム英語版教授は莫大な資金力と人権の弾圧を併せ持つ中華人民共和国が人工知能の開発競争で成功すれば民主的な国家が技術革新に優位という既成概念が変わると述べ[42]、「ディープラーニングの父」の一人と呼ばれているヨシュア・ベンジオ英語版は中国が市民の監視や政治目的で人工知能を利用していることに警鐘を鳴らしており[58][59]、海外の人権団体やメディアなどは中国に代表される人工知能で人権を抑圧する政治体制を「デジタル権威主義」[60][61]「デジタル独裁」[62][63][64]「デジタル警察国家」[65]「デジタル全体主義」[66]「AI独裁」[67]と呼んだ。中国ではヘルメットや帽子に埋め込んだセンサーから国民の脳波と感情を人工知能で監視する政府支援のプロジェクトが推し進められ[68][69][70][71]ネット検閲[72][73]官僚刑務所の囚人から横断歩道の歩行者まで監視を人工知能に行わせ[74][75][76][77][78][79]監視カメラ警察サングラススマートグラス[80]ロボット[81]顔認識システム天網)を搭載するなど人工知能による監視社会管理社会化が行われている[82][83][84][85]新疆ウイグル自治区では監視カメラや携帯電話などから収集した個人情報を人工知能で解析するプレディクティブ・ポリシング英語版人種プロファイリングで選別した少数民族のウイグル族を法的手続きを経ずに2017年6月時点で約1万5千人もテロ犯罪を犯す可能性があるとして新疆ウイグル再教育キャンプ予防拘禁しているとする中国政府の内部文書であるチャイナ・ケーブル英語版が報じられており[86][87][88]、AIを使った政府による特定の民族の選別やコンピュータが人間を強制収容所に送る人権侵害は前例がないとして国際問題になっている[89][90]香港では、中国本土と同様の人工知能による監視社会化を恐れ[91]2019年香港民主化デモが起きた際は監視カメラを搭載したスマート街灯が市民に次々と破壊された[92][93]。中国はAI監視技術を中東・アジア・アフリカなど世界各国に輸出しており[94][95][96][97][98][60]国際連合専門機関である国際電気通信連合(ITU)を通じて中国がAI監視技術の国際標準化も主導してることから中国のような人権侵害が世界に拡散することが人権団体などから懸念されている[99][100]

中国の社会信用システムに代表されるような、人工知能でビッグデータを活用して人々の適性を決める制度は、社会階層間の格差を固定化することに繋がるとする懸念があり[101]欧州連合では2018年5月から、人工知能のビッグデータ分析のみによる、雇用や融資での差別を認めないEU一般データ保護規則が施行された[102]

マサチューセッツ工科大学が顔認識システムの精度でMicrosoftと中国のMegviiは9割超でIBMは8割に達したのに対してAmazonは6割で人種差別的なバイアスがあるとする研究を発表した際はAmazonと論争になった[103]

軍事利用

主要国の軍隊は、ミサイル防衛の分野での自動化を試みている。アメリカ海軍は完全自動の防空システム「ファランクスCIWS」を導入しガトリング砲により対艦ミサイルを破壊できる。イスラエル軍は対空迎撃ミサイルシステム「アイアンドーム」を所有し、ガザ地区との境界線には標的を自動検知するガーディアムサムソン RCWSを稼働させて複数の人間を射殺している[104][105]。今後AIは新しい軍事能力を生み、軍の指揮、訓練、部隊の展開を変え、戦争を一変させその変化は大国間の軍事バランスを決めることになるとの主張もある[106]P-1 (哨戒機)のように戦闘指揮システムに支援用に搭載されることもある。

2016年6月、米シンシナティ大学の研究チームが開発した「ALPHA」は、元米軍パイロットとの模擬空戦で一方的に勝利したと発表された。AIプログラムは遺伝的アルゴリズムとファジィ制御を使用しており、アルゴリズムの動作に高い処理能力は必要とせず、Raspberry Pi上で動作可能[107][108]アメリカ合衆国国防総省は、人道上の観点から人間の判断を介さない自律殺傷兵器の開発禁止令を2012年に出し、2017年にはこれを恒久的なものにした[109]

人工知能に人間が勝ち残る力として、OODAループが注目されている[110]

一部の科学者やハイテク企業の首脳らは、AIの軍事利用により世界の不安定化は加速すると主張している。2015年にブエノスアイレスで開催された人工知能国際合同会議で、スティーブン・ホーキング、アメリカ宇宙ベンチャー企業のスペースX創業者のイーロン・マスク、アップル社の共同創業者のスティーブ・ウォズニアックら、科学者と企業家らにより公開書簡が出されたが、そこには自動操縦による無人爆撃機や銃火器を操る人型ロボットなどAI搭載型兵器は、火薬、核兵器に続く第3の革命ととらえられ、うち一部は数年以内に実用可能となると予測。国家の不安定化、暗殺、抑圧、特定の民族への選別攻撃などに利用され、兵器の開発競争が人類にとって有益なものとはならないと記された。同年4月にはハーバード大学ロースクールと国際人権団体であるヒューマン・ライツ・ウォッチが、自動操縦型武器の禁止を求めている[111]。2017年11月には国際連合でAIの軍事利用に関する初の公式専門家会議が行われ[112]、2019年8月に同会議はAI兵器の運用をめぐる事実上初の国際ルールを採択するも法的拘束力は盛り込まれなかった[113]

東西対立

新冷戦米中冷戦の状態にあるとも評されている米国・中国・ロシアは核開発に匹敵する開発競争を人工知能の軍事利用をめぐって行っている[114]。中国は2017年6月に119機のドローン群の自律飛行実験で前年2016年に103機の飛行実験に成功した米軍の記録を更新して翌2018年5月には北米の都市を爆撃するCGの映像も発表し[115]、同年6月には56隻の自律無人艇を使った世界最大規模の試験[116]を行うなどAIの軍事利用の技術(特にスウォームと呼ばれる大量の徘徊型兵器などの自律兵器の統合運用)で中国が急速に進展しており、アメリカに追い付く可能性があることについて懸念しアメリカ側では将来に備える必要があるとの主張もされている[106]。中国の軍用AI開発はアメリカの軍部や政界に危機感を与え、2019年3月にジョセフ・ダンフォード統合参謀本部議長パトリック・シャナハン国防長官代行、ドナルド・トランプ大統領は中国でのAI研究拠点の設立などで中国人民解放軍に協力しているとGoogleを非難し[117][118]、GoogleのCEOサンダー・ピチャイはダンフォードやトランプ大統領と面談して中国のAI研究拠点の成果は中国に限らず全ての人々に開放されていると釈明する事態になった[119]。アメリカではGoogleが米軍のAIの軍事利用に協力する極秘計画「メイヴン計画」を行っていたことがGoogleの社員に暴露されており[120]、2018年12月のアメリカ議会の公聴会では、同様に暴露された中国政府に協力する秘密計画「ドラゴンフライ計画英語版」とともに、人工知能を用いた兵器開発や人権侵害は拒否するとGoogleが誓った同年6月の人工知能開発6原則との整合性で追及を受けた[121]。中国軍の戦闘機J-20の標的選択支援アルゴリズムにグーグルのAI研究者が関わったと報道された際は「AIではなく、統計学的なモデリング」と否定した[122]。また、Microsoftが中国軍の教育機関とAIの共同研究を発表した際も同様に波紋を呼んだ[123]。2019年11月にマーク・エスパー国防長官は中国がAIによって新しい監視国家を構築しているだけでなく、中東で翼竜彩虹など無人攻撃機を大量に拡散させてAIで自律的に攻撃するドローン兵器も販売していることに警鐘を鳴らした[124]

ロシアと中国は既に実用化してるとされるハッキングの自動化の他[125]、特定の個人を攻撃したりディープフェイクでなりすましたり、ボット投稿により世論を操る等の懸念が挙げられている[126]

哲学とAI

哲学・宗教・芸術

Googleは2019年3月、人工知能プロジェクトを倫理面で指導するために哲学者・政策立案者・経済学者・テクノロジスト等で構成される、AI倫理委員会を設置すると発表した[127]。しかし倫理委員会には反科学・反マイノリティ地球温暖化懐疑論等を支持する人物も含まれており、Google社員らは解任を要請した[127]。4月4日、Googleは倫理委員会が「期待どおりに機能できないことが判明した」という理由で、委員会の解散を発表した[127]

東洋哲学をAIに吸収させるという三宅陽一郎のテーマに応じて、井口尊仁は「鳥居(TORII)」という自分のプロジェクトを挙げ、「われわれはアニミズムで、あらゆるものに的存在を見いだす文化があります」と三宅および立石従寛に語る[128]。アニミズム的人工知能論は現代アートや、「悟りをどうやってAIにやらせるか」を論じた三宅の『人工知能のための哲学塾 東洋哲学篇』にも通じている[128]

元Googleエンジニアのアンソニー゠レバンドウスキーは2017年、AIをとする宗教団体「Way of the Future (未来の道)」を創立している[129]。団体の使命は「人工知能(AI)に基づいたGodheadの実現を促進し開発すること、そしてGodheadの理解と崇拝を通して社会をより良くすることに貢献すること」と抽象的に表現されており、多くの海外メディアはSF映画歴史などと関連付けて報道した[129]UberとGoogleのWaymoは、レバンドウスキーが自動運転に関する機密情報盗用したことを訴え裁判を行っている一方、レバンドウスキーはUberの元CEO(トラビス゠カラニック)に対し「ボットひとつずつ、我々は世界を征服するんだ」と発言するなど、野心的な振る舞いを示している[129]

相愛大学人文学部教授の釈徹宗は「哲学や思想や文学と、宗教や霊性論との線引きも不明瞭になってきています。」と述べている[130]。哲学者・倫理学者である内田樹によれば、「本物の哲学者はみんな死者と幽霊と異界の話をしている。」という[131]

発明家レイ・カーツワイルが言うには、哲学者ジョン・サールが提起した強いAIと弱いAIの論争は、AIの哲学議論でホットな話題である[132]。哲学者ジョン・サールおよびダニエル・デネットによると、サールの「中国語の部屋」やネド・ブロックらの「中国脳」といった機能主義に批判的な思考実験は、真の意識が形式論理システムによって実現できないと主張している[133][134]

批判

『科学を語るとはどういうことか』において科学者の須藤靖は、科学についての哲学的考察(科学哲学)が、実際には科学と「断絶」していることを指摘している[135]。また、「」や「意識」という問題を解明してきた脳科学計算機科学(コンピュータ科学)・人工知能研究開発等に関連して、科学者のフランシス・クリックは「哲学者たちは2000年という長い間、ほとんど何も成果を残してこなかった」と批判している[136]。こうした観点において、哲学は「二流どころか三流」の学問・科学に過ぎない、と評価されている[136]。脳科学者の澤口俊之は、クリックに賛同し「これは私のため息まじりの愚痴になるが、哲学者や思想家というのはつくづく『』だと思う」と述べている[136]。実際、哲学は暇(スコレー)から始まったとアリストテレスが伝えており、上記のような否定的発言も的外れではないと、科学哲学者の野家啓一は言う[136]

哲学者は、科学とは違う日常的言語で「存在」や「宇宙」を語ろうとしてきた[137]。しかし理論物理学ディラックは、哲学者をことさら信用していなかった[138]。ディラックが見たところ、ウィトゲンシュタインを含め哲学者たちは量子力学どころか、パスカル以降の「確率」の概念さえ理解していない[139]。非科学的な日常的言語をいくら使っても、正確な意思疎通を行うことはできないというのが、ディラックの考えだとされている[138]

生命情報科学者・神経科学者の合原一幸編著『人工知能はこうして創られる』によれば、AIの急激な発展に伴って「技術的特異点シンギュラリティ」の思想や哲学が一部で論じられているが、特異点と言っても「数学」的な話ではない[140]。前掲書は「そもそもシンギュラリティと関係した議論における『人間のを超える』という言明自体がうまく定義できていない」と記している[141]。確かに、脳を「デジタル情報処理システム」として捉える観点から見れば、シンギュラリティは起こり得るかもしれない[142]。しかし実際の脳はそのような単純なシステムではなく、デジタルアナログが融合した「ハイブリッド系」であることが、脳神経科学の観察結果で示されている[142]。前掲書によると、神経膜では様々な「ノイズ」が存在し、このノイズ付きのアナログ量によって脳内のニューロンの「カオス」が生み出されているため、このような状況をデジタルで記述することは「極めて困難」と考えられている[143]

数学者の田中一之は「一般の哲学者は、論理専門家ではない」と述べており[144]、計算機科学者(コンピュータ科学者)・電子工学者のトルケル゠フランセーンは、哲学者たちによる数学的な言及の多くが「ひどい誤解自由連想に基づいている」と批判している[145]。田中によると、ゲーデルの不完全性定理について哲学者が書いた本が、フランセーンの本と同じ頃に書店販売されていたが、哲学者の本は専門誌によって酷評された[144]。その本は全体として読みやすく一般読者からの評判は高かったが、ゲーデルの証明の核(不動点定理)について、根本的な勘違いをしたまま説明していた[144]。同様の間違いは他の入門書などにも見られる[144]。フランセーンによれば、不完全性定理に関する誤解・誤用は哲学をはじめ一般に起こっており[145]、宗教や神学でも乱用されている[146][147]。1931年にゲーデルが示したのは、「特定の形式体系 ブック

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  • 注釈

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