五戒 不飲酒戒

五戒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/20 04:52 UTC 版)

不飲酒戒

文献において

5つ目の戒はアルコールや薬物といった中毒性の物質を避けることである[25]

第五の戒は、アルコール、薬物といった中毒性の物質を避けることであり、これは食事、仕事、活動、生活のあり方に対し[26]サティと責任感を重んじることを求める[25][27]。覚醒、瞑想、注意力などもこれに含まれる[50]ブッダゴーサは1-4つ目の戒は、違反の対象となった人物もしくは動物によって、その程度は違って非難されうるが、一方で5つ目の戒は「重く非難される」とし、釈迦の教えの理解を妨げ、自身を狂気に導きうるとしている[51]

現実面

第五の戒は重要とされており、アルコールは酩酊と自己制御の欠如をまねき[52][53]、それにより他の戒をも破る原因となるからである[51]。Spiroの現地調査では、取材した僧の半数が、第五の戒を破ることは、その有害性を挙げて五戒の中で最悪であると考えていた[51]。それにもかかわらず、この戒は仏教徒たちによってよく破られており[54]、タイにおいては飲酒は一般的であり、酩酊もしばしば見られる[55]。チベットにおいてはビールの飲酒は普及しているが、それは少数のアルコール依存症者のみである[56]。医学的なアルコール使用は一般的に問題とされておらず[42]、一部の国(タイやラオス)では喫煙は戒を破るものではないと一般的にみなされている。タイとラオスの僧は喫煙することが知られているが、より深い修行を受けた僧は喫煙することは少ないとされる[57][58]。2000年時点では、仏教国においてアルコールの販売や消費を法的に禁止する国はなく、スリランカでは禁酒法が1956年に試みられたが頓挫した[57]。 なお前共産主義チベットにおいては、首都においては喫煙が禁止されており、僧たちは喫煙を禁じられ、たばこの輸入は禁止されていた[57]


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