五戒 不偸盗戒

五戒

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/06/20 04:52 UTC 版)

不偸盗戒

文献において

2番目の戒律は盗みを禁じており、これは自分が己のものではないと認識したもの(「与えられていないもの」)を盗んだり、その意図に基づいて計画的に行動する意図が含まれる。盗みの重大さは、所有者の価値と盗まれた価値によって判断される。裏取引、詐欺、不正行為、偽造もこの指針に含まれている[11][24]

この精神の徳は離欲[25][17]正命[26]、ポジティブな行動による他人の財産の保護である[27]

現実面

第二の戒には、盗みや詐欺のさまざまな方法が含まれる。許可なく借りることや[28][29]、ギャンブルも含まれることがある[29][30] 心理学者のバンチャイ・アリヤブディフォンは、2000年代2010年代タイで研究を行い、五戒を守らない人は、お金が人生で最も重要な目標であり、戒を厳守した人よりも賄賂をより頻繁に支払うだろうと考える傾向が強いことを発見した[31][32]。一方で、五戒に従う人々は、従わなかった人々よりも裕福で幸福であると考えていた[33]

第二の戒に違反していると思われる職業には、ギャンブル業界や、実際には顧客が必要のない製品のマーケティングが含まれる[34]

不邪淫戒

文献において

第三の戒は、性的逸脱行為を禁じている。初期の経典においては、これは既婚または婚約者との姦通レイプ近親相姦未成年者(または親族によって保護されている人)との性行為売春婦との性行為を含むと解釈されている[35]。後期の経典では、不適切な時間や不適切な場所など、性行為の詳細についても戒に反するとしている[36]マスターベーションは、在家者については禁止されていない[37][38]

第三の戒は、自分を貪欲にし、さらに他人に害を与えるものとして説明されている。その相手が善人であった場合、違反はより深刻であると見なされる[37][38] 。第三の戒と親密さに関連する美徳は、特にパートナーとの満足感[17][39]結婚における忠実さの認識と尊重である[27]

現実面

第三の戒、官能を誤った方法で使用することによる、他者への危害を回避すると解釈されている。これは、不適切なパートナーと関わることだけではなく、その関係への個人的な責任を尊重することも意味する[28]。いくつかの伝統では、行為自体の性質が非難されているため、たとえ配偶者が行為に同意していても姦通は非難される。さらに既婚者といちゃつくことも違反と見なされることがある[29][35]

第三の戒の適用に関しては、仏教の原則は、通常は避妊に対するスタンスとは関係しない[40][41]スリランカなどの伝統的な仏教社会では、結婚前のセックスは戒律に違反していると考えられているが、結婚を予定する人々は、これを常に守ってはいなかった[38][42]。Annuska Derksは、売春は第三の戒では推奨されていないが、通常、師により積極的に禁止されているわけではないとしている[43]

現代の師の解釈では、他人と性的関係にある人が含まれ、これは「性的責任」や「長期的な関与」などの用語によって戒を定義しているためである[35]。 現代の師の中には、マスターベーションを規範の違反として含める者もおり[44]、また他の師では、性的搾取、売春、ポルノなどの特定の職業や、娯楽産業などの不健康な性的行動を助長する職業を含めたりする者もいる[34]

不妄語戒

文献において

第四の戒には、誤ったことを話したり、意図的に実行することなどが対象となる[37]。悪口を避けることには、悪意ある発言、過激な発言、ゴシップなどが含まれる[45][46]。その誤りが裏に意図してあったものである場合、小さな白い嘘と比べて、それは戒への違反はより重いとみなされている[37][47]。この戒の精神は、正直であること、信頼されること[17][39]、仕事においても正直であること、他人に対して正直であること、年長者に忠誠であること、後援者に謝意を持つことなどである[26]

源氏物語のような恋愛を扱った作品の著者や読者も戒律を破っているとされ、両者の罪障を消すため源氏供養のような法会が行われていた。

仏典においては、第四の戒は第一の戒の次に重要であると考えられている。なぜならば嘘をついている人は恥を知らず、したがって多くの誤りを犯す可能性があるためである[44]。不誠実さは、他人に害を及ぼすためだけでなく、真理(Sacca)を見つけるという仏教の理想に反するためにも避けられる[47][48]

現実面

第四の戒には、嘘をつくことや有害な発言を避けることが含まれる[49]ティク・ナット・ハンは、これを誤ったニュースや不確実な情報を広めることを避けることも含めて解釈している[44]。データの操作、虚偽広告、オンライン詐欺を伴う作業も戒に反するとみなすことができる[34]バーレント・ヤン・ターウィール英語版の報告では、タイの仏教徒においては、人々をほのめかしたり、誇張したり、乱用したり、だまして話したりすることも戒に反すると伝えている.[29]


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  57. ^ a b c Harvey 2000, p. 79.
  58. ^ Vanphanom et al. 2009, p. 100.


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