二酸化炭素 生産

二酸化炭素

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/03 07:50 UTC 版)

生産

日本で工業原料としての利用される炭酸ガスは、石油化学プラントなどから排出されたものを回収し、洗浄・精製を繰り返すことで生産される[5]。工業製品としての炭酸ガスの 2016 年度日本国内生産量は 1,033,580 t、工業消費量は 167,435 t である[6]。実験室レベルでは石灰石に薄い塩酸を加えるか、炭酸水素ナトリウムを加熱することで発生させる。清涼飲料水で使用する炭酸ガスも石油由来のものを回収して使用している。

イギリスでは、アンモニアを製造する際の副産物を利用している[7]

用途

工業用途

工業においては、以下の用途がある。

農業用途

農業においては、以下の用途がある。

  • イチゴ促成栽培、観賞用水槽の水草など、植物の成長を加速させる二酸化炭素施肥に使用されている。
  • 鮮農産物のCA貯蔵(controlled atomosphere storage)にも二酸化炭素が使用される。
その他
  • げっ歯類や小動物などの動物を殺処分する方法にも使われる。通常は麻酔状態になった後意識を喪失し、窒息死に至るため安楽死の手段として使われる。二酸化炭素単独では低コストだが、酸素に対するヘモグロビンの親和性が高いため、15分以上かかることもあり、苦しみ続ける場合もある[10]
  • ドライアイスは昇華時に白煙を生じることから、舞台やパレードでの演出などでも用いられる。これを放送業界などでは俗に『炭ガス』と呼ぶ。この白煙は二酸化炭素そのものではなく、雰囲気の温度低下に伴い空気中の水分が氷結して見えるものである。

二酸化炭素による温室効果

ハワイ島マウナロア火山で観測された二酸化炭素の大気中濃度(Y軸が 310 ppm から始まっていることに注意。また周期的に濃度が上下しているのは、冬と夏とで植物が吸収する二酸化炭素の量が異なるためである。植物が枯れる冬は、夏に比べ植物の二酸化炭素の吸収量は低下する)。

二酸化炭素は赤外線の 2.5 - 3 μm、4 - 5 μm の波長帯域に強い吸収帯を持つため、地上からの熱が宇宙へと拡散することを防ぐ、いわゆる温室効果ガスとして働く。

二酸化炭素の温室効果は、同じ体積あたりではメタンフロンにくらべ小さいものの、排出量が莫大であることから、地球温暖化の最大の原因とされる。

世界気象機関は2015年に世界の年平均二酸化炭素濃度が400ppmに到達したことを報じたが[11]氷床コアなどの分析から産業革命以前は、およそ280 ppm(0.028 %)の濃度であったと推定されている。濃度増加の要因は、主に化石燃料の大量消費と考えられている。

また、二酸化炭素そのものの海水中への溶存量が増えることによって海水が酸性化し、生態系に悪影響を与える海洋酸性化も懸念されている。

1997年には京都議定書によって二酸化炭素を含めた各国の温室効果ガス排出量の削減目標が示され、各国でその削減を努力することを締結した。

その手法は多岐に亘る。エネルギー農業畜産業など人為起源の二酸化炭素の排出量を抑制する努力、および森林の維持・育成や二酸化炭素回収貯留 (CCS) 技術の開発など、二酸化炭素を固定する努力が進められている。また排出権取引などを活用して、世界的に二酸化炭素の排出量を削減を促進する努力も行われている。

2013年5月、米国ハワイ州マウナロア観測所サンディエゴのスクリップス海洋研究所の観測で日間平均二酸化炭素量が人類史上初めて400ppmを突破したことが発表された[12]









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