中華民国 交通

中華民国

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/20 12:51 UTC 版)

交通

科学技術

上記のように世界的な競争力を持つ企業もあり、高度な科学技術力を有している。台湾出身の李遠哲は1986年にノーベル化学賞を受賞した。後に李が院長に就任した中央研究院が、自然科学社会科学を含めた国家アカデミーの役割を担っている。

宇宙開発

1991年に宇宙開発に着手した。台湾国家宇宙センターが中心となり、アメリカに委託しての人工衛星の打ち上げと運用、ロケットの開発に取り組んでいる。地球観測衛星「FORMOSAT(フォルモサット)」シリーズのうち、初めて自主開発した「FORMOSAT-5」(フォルモサット5号)を2017年8月25日、スペースX社のロケットにより打ち上げられた[45]

国民

国民の定義と人口

中華民国の国民は、中華民国憲法第3条の規定によって「中華民国の国籍を有する者」とされており、2016年の時点で 2353万9816人となっている。人口密度は平均 650.42人/km22017年1月)である。人口が1千万人以上の国では世界2位になった。

中華民国の国民は、更に中華民国自由地区人民と無戸籍国民に分けられる。

  • 中華民国自由地区人民

中華民国政府が実際に統治している台湾、澎湖、金門、馬祖列島等地の国民、「無戸籍国民」や「大陸地区人民」などと区別する意味合いで用いられる。

  • 無戸籍国民

海外華人など、中華民国の国籍を保持しているが「中華民国自由地区」に戸籍がない国民、中華民国内政部によると、「無戸籍国民」は数万人が存在している。一部の国で中華民国国民を対象に短期滞在ビザを免除しているが、日本アメリカなどでは中華民国国民身分証の番号記載がない無戸籍国民の旅券所持者は対象外となっている。

また、中華人民共和国支配下の大陸地区人民、香港居民、マカオ居民の国籍帰属については、憲法および法律では明確な規定していないので、外国人には属さず、国民にも属さないという微妙な立場にある。

  • 大陸地区人民

「台湾地区と大陸地区の人民関係条例」によると、台湾地区以外の中華民国領土の人民を指す、大陸委員会という専門の行政機関があり、大陸地区人民関連する事務を処理する。

  • 香港居民、マカオ居民

1997年の「香港マカオ関係条例」制定まで、香港地区とマカオ地区の華人については自由地区人民と同じ、中華民国の国民の権利と義務が保持されていたが、香港およびマカオの返還により、香港居民およびマカオ居民は通常の中華民国の国民の資格を撤廃した。現在は大陸地区人民と同じく、大陸委員会が管理する。

民族と省籍矛盾

中華民国の国民は大きく漢民族原住民族にわかれる。中華民国政府が認定した原住民族は、2016年現在で16民族55万人弱であり全人口の約2.3%である[46][47]。中華民国では、国民である国内各民族が融合して中華民族を形成するとされており、中華民国憲法第5条によって各民族間の平等が定められている。また中華民国国民には省籍が存在し、在籍するによって本省人外省人に分けることがある。原住民族は広義には本省人に含まれるが、通常は分けて考えられる。この区分に従うと、中華民国編入後の台湾島一帯では、人口が多い本省人が政治的には少数派の外省人に支配される構図が浮かび上がるが、これは省籍矛盾と呼ばれ、長年にわたり社会問題とされてきた。

客家と移民

広義の客家人は約500万人であり、全人口の約22%である。中華民国に帰化している人口は7万1398人であり、全人口の約0.3%である。

新移民(外国籍)

外国籍配偶者の数は約40万人で中国大陸とベトナム国籍(在台ベトナム人)が最も多く、約8万6000人であり他にはタイ・インドネシア・フィリピンの順である。外国籍の人口は約65万人である。

言語

中華民国では中国語国語が事実上の国家言語とされていたが2018年に可決された言語発展法により土着の台湾語、客家語、台湾原住民の諸言語、手話が国家言語と平等であるとされている[48][49]

国語は基本的には中華人民共和国で使われている普通話と同一言語とされるが、21世紀初頭では政治・文化・社会の違いにより語彙や発音などの細かい部分に多少の相違点が生じているため台湾国語や台湾華語と称されることも多い。

正体字(繁体字)と呼ばれる簡略化されていない漢字の字体を標準としている。これは日本の旧字体に近いが、中華人民共和国で大幅に簡略化された簡体字とは大きく異なる。ただし実際の生活においてはある程度の略字や俗字が使用されている。漢字の発音表記には北京政府時代に制定された注音符号を教育で使用しており、コンピュータスマートフォンへの入力に広く用いられている。

日常生活では台湾語閩南語)、客家語なども用いられている。

宗教

教育

中華民国は教育制度として国民小学(小学校)6年間と国民中学(中学校)3年間が義務教育とされている。21世紀初頭では小中学をあわせた「九年一貫課程綱要」に基づいてカリキュラムが編成されている。儒教圏の例に漏れず学歴社会であり、高等教育を受ける者が多い。

民主化後、国語以外の言語、すなわち台湾語客家語台湾原住民語の教育が義務付けられたが、中国国民党による戒厳令時代はすべて国語のみで教育することとされていた。このため、1920年代生まれ前後の世代は台湾語(または客家語)のみで国語が話せない者がおり、その下の世代では両方を解するが、1950年生まれ世代前後以下では国語のみで台湾語を解しない者が少なくない(特に北部の都市部)。たとえ話せたとしても発音に国語の訛りがある場合も多い。

従って同じ「台湾人」でも高齢者と若者との間でコミュニケーションが成り立たないということも珍しくない。日本統治時代には日本語での教育が義務付けられていたため日本語を話すことのできる日本語世代と呼ばれる人達がいる[50]

医療

LGBT

2019年5月17日、同性結婚を認める特別法が立法院で可決された[51]

文化

代表的な文化施設

中正紀念堂
台北市中正区にある中正紀念堂は、1975年に死去した初代総統・蔣介石の業績を称えるために建てられた高さ70メートルの建築物であり、紀念館の外観には中華民国の思想が視覚的に反映されている。
国父紀念館
台北市信義区にある記念館博物館としても分類される。名称の「中華民国国父」とは孫文のこと。11ヘクタールの敷地をもつ中山公園の中に建っている。 1866年生まれの孫文の生誕100年を記念して建設されたもの。1968年に着工し、1972年5月に竣工した。設計は大洪建築師事務所の王大閎 (zh)、施工は毅成建設であった。
国立故宮博物院
台北市の士林区にある国立故宮博物院は、国共内戦に敗れた中華民国政府が台湾へと撤退する際に、北京の故宮(旧紫禁城)と南京の国立中央博物院から持ち運んだ中国歴代の貴重な美術品を収納・展示している博物館である。
国立故宮博物院のコレクションは、宋、元、明、清の歴代宮廷の収蔵文物を継承しており、その内容も数も極めて豊富である。これらの文物の発展は、近代中国社会の変遷と密接な関係がある。中華民国が建国されて13年後、清朝を退位した溥儀皇帝を紫禁城から追放し、宮廷にあった文物を点検すると同時に、故宮博物院を設立した。
1925年10月10日、故宮博物院が正式に設立された。この時から、歴代皇室と宮廷が所蔵していた貴重な文物は、中華文化遺産として永く後世に伝えられることとなり、全ての人々が自由に宮廷に出入りし、国の至宝を鑑賞できるようになった。初代院長は易培基(1880-1973)氏で、1925-1931年は北平故宮博物院の啓蒙の時代であるといえる。

象徴的な施設

台湾桃園国際空港
桃園県にある台湾桃園国際空港 は、中華民国最大の国際空港である。以前は、中華民国の初代総統である蔣介石の本名から取った中正国際空港(英語名は蔣介石の英語 Chiang Kai-Shekの頭文字からC. K. S. airport、チャイナエアラインの機内放送(日本語)では「蔣介石国際空港」と紹介していた)であった。しかし台湾複数政党制の導入を経て、さらに中国国民党が下野してからは、この名称を用いることに批判的な論調が増え、最終的に2006年に台湾桃園国際空港と改称された。
台北101
台北市信義区にある超高層ビル。高さ508mで地上101階+地下5階から成る。旧称は「台北国際金融センター(臺北國際金融大樓)」。7年間の工期を経て2004年、それまで世界一だったマレーシアクアラルンプール)のペトロナスツインタワーを超える建築物として竣工した。コンサートやイベントで使用される「台北南港101」は、これとは別の施設。
道路名
中華民国の道路名は、「中山路」(中山は国父とされる孫文の中国語圏で最も知られる名前)、「中正路」(中正は初代総統である蔣介石の本名)といった国家指導者の名を冠したものや、「民族路」、「民權路」と「民生路」といった国家の基本思想である三民主義に基づくもの、「南京路」「重慶路」「杭州路」といった中国大陸の地名を冠したものが多数を占めている。ただ、21世紀初頭では中華民国の「台湾化」の影響から、台湾原住民族の名に由来する凱達格蘭大道ケタガラン大道の意、台北市)のように台湾に由来のある道路名も登場している。

食文化

世界遺産登録

中華民国は、国際連合から脱退しているため、国際連合教育科学文化機関(ユネスコ)への加盟を認められておらず、世界遺産が一つも登録されていない。しかし、陳水扁政権発足後から、行政院を中心に世界遺産登録を目指す動きが活発化しており、2003年には世界遺産登録候補地として12か所が選定されている。

暦と祝祭日

中華民国では、建国年である1912年を元年とする民国紀元西暦と併用している。民国紀元は中華民国における行政の公式暦法とされ、一般に誕生年も「民国N年」「民前N年(1911年以前)」と表現される。民国紀元も太陽暦によるが、祝日(國定假日)、民間の年中行事は旧暦で行うものもあり、日常生活では併用されている。2016年完全週休二日制度を実施した、労働者にも公務員(2001年に開始され)と同様の完全週休二日制が実施された。合計9日の祝日がある。


注釈

  1. ^ 公共交通機関での放送言語として台湾語客家語も指定されている。
  2. ^ 中華民国の首都を台北市と定める法令は現存しない。詳しくは中華民国の首都中華民国#首都を参照。
  3. ^ アジア初の共和国はフィリピン第一共和国であると見なす場合。ただし、当時のフィリピンはスペイン植民地支配からアメリカの植民地支配下への移行期間にあり、アメリカの支配下から脱し切れていなかったため異論がある。
  4. ^ 中華人民共和国は1949年10月1日に建国されたが、この時点で国共内戦は未だ継続中であり、中華民国政府は華南三省と西南部三省の広範囲を支配し、広州市臨時首都としていた。中華民国政府が大陸地区から台湾へと転戦したのは同年12月7日で、大陸地区における大規模な戦闘は1950年5月1日海南戦役中国語版終結まで、中華民国の支配地域喪失は1955年2月24日大陳列島喪失まで続いた。
  5. ^ 1949年末時点の行政区画。その後の行政区画再編により、6つの都市が台湾省から分離している。
  6. ^ 管轄は高雄市
  7. ^ ただし、2012年以降も「4箇月間の軍事訓練」を受ける義務は残っているので、本来の意味での徴兵制廃止ではなく、実質的には「兵役期間の1年から4箇月への短縮」である。
  8. ^ 行政院直属の区域。ただし、中華民国憲法上に特別行政区に関する規定はない。
  9. ^ 台湾地区台湾省の範囲がほぼ重なるため、中央政府と台湾省政府の管轄区域もほぼ重複してしまい、省単位での地方自治が事実上機能しなくなっていた。

出典

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