中華まん 中華まんの概要

中華まん

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/02/17 17:38 UTC 版)

包子 > 中華まん

皮の中の具の種類などによりそれぞれ個別名称もあり、肉まん[3]あんまん[4]など多岐にわたる。

名称とルーツ

直接の原型となったのは中国の「包子(パオズ)」であるとされ、名前の元は包子では無く、「饅頭 (マントウ)」という中国の蒸しパン。現代の中国にはおいては、具のないものは饅頭、具のあるものは包子と呼ばれている。日本においては、中身の具材も独自の発展を遂げている。

中華まんは、中国の三国時代220年頃)、蜀漢の宰相である諸葛亮が作らせたことが始まりといわれている[5](「伝説」節で後述)。

中華まんは料理であると同時に、餡子などを用いた和菓子饅頭のルーツにもなっている。

日本の中華まん

販売場所

日本では中華街に伝わった大正・昭和の頃から各地で食べられており[2]、中華料理店やスーパー・コンビニ・小さな売店における人気のテイクアウト商品となっている。家庭で作られる事は少ないがチルドや冷凍食品は多く販売されており、適した蒸し器に入れて解凍する他、蒸し器がない場合は加熱時に真空ができないようにゆるめにラッピングし、少量の水を加えて上で電子レンジで解凍する。コンビニエンスストアでは例年8月~9月頃より冬季にかけて、あるいは通年、スチームで蒸し上げた商品をカウンター商材の1つとして販売している。

底の部分にはシート(元々はの皮)が付されていることが多く、これは蒸し器とまんじゅうが付着するのを防ぐ役割がある。また種類が判別できるよう、シートに「肉まん」や「あんまん」といった文字を入れる場合もある。

中華まんの具

日本では、一般的には豚肉などを使用した肉まんや小豆のあんまんがあり、ピザまん・カレーまんなど中国には無い多様な変り種も販売されている。中国の包子は朝食や間食などの点心として食されることが多く、豚肉や中華葱・醤油・老酒などで作る肉まん、小白菜・干し豆腐・椎茸が入っている野菜まん、あんまんなど各種ある。皮は中華まんより薄くしっとりしている。詳しくは「包子」の項目に参考。

中華まんの歴史

日本で最初に登場したのがいつなのかは諸説ある。「中村屋」での発売は、1927年の「天下一品 支那饅頭」が最初である。これは大正14年に同社創業者の相馬夫妻が中国へ視察旅行した際、目に止まった「包子(パオズ)」と呼ばれていた具の入った饅頭を元に、帰国後に商品化したものである[6]

それ以前にも、中華街などの専門店や一部の中華料理店では、本場中国の中華まんが売られていたが、日本人の好みには合わなかったとされる[2]

神戸中華街(南京町)の「老祥記」の先代は、1915年に「豚饅頭」として売り出した同店の中国包子が日本の中華まんの起こりであるとしている[7]が、現在の日本の中華まんと同一かどうかは定かではない[2]


  1. ^ 大辞泉(yahoo辞書)「中華饅頭」
  2. ^ a b c d グリコ栄養食品たべもの事典
  3. ^ a b 大辞泉(yahoo辞書)「にくまん(肉饅)」
  4. ^ a b 大辞泉(yahoo辞書)「あんまん(餡饅)」
  5. ^ a b 竹内真彦. “諸葛孔明とマントウ”. 龍谷大学. 2022年5月7日閲覧。
  6. ^ 中華まん 新宿中村屋”. 新宿中村屋. 2022年5月7日閲覧。
  7. ^ 豚まんファン集まれ!発祥地・神戸で11月にサミット”. 朝日新聞 (2011年9月18日). 2011年9月19日閲覧。
  8. ^ “セブン「豚まん」よりも「肉まん」を選んだほうがよい理由”. 週刊アスキー. (2017年9月27日). https://weekly.ascii.jp/elem/000/001/558/1558496/ 2021年1月12日閲覧。 
  9. ^ 豚まんサミット 11月11日神戸・南京町で”. 神戸新聞 (2011年9月16日). 2011年9月19日閲覧。
  10. ^ KOBE 豚まんサミット
  11. ^ 尾原崇也 (2022年1月11日). “こしあん、粒あんの境界線はどこ?”. 静岡新聞. 2022年5月7日閲覧。
  12. ^ セブンイレブンのあんまん "こしあん" "つぶあん" の境界線”. togetter (2021年11月13日). 2022年5月7日閲覧。
  13. ^ a b 加来翔太郎監修・オカタオカ著『カレー語辞典』株式会社誠文堂新光社、2016年8月18日、81頁。 
  14. ^ 井村屋 昭和46年から昭和63年まで
  15. ^ 神戸新聞(2005/06/14日号・はてな?探偵団)


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