中核市
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/14 08:54 UTC 版)
概要
日本の大都市制度には、政令指定都市・中核市・特例市の別があり(後に特例市は廃止)、中核市は1996年(平成8年)から施行された。いずれも都市の規模に応じて、市に都道府県の事務権限の一部を移譲する制度であり、中核市には政令指定都市に準じた事務の範囲が移譲されている。ただし、関与の特例については行政分野の大半に認められている政令指定都市と異なり、中核市は福祉に関する事務に限られる。
その後、特例市との区別を無くそうという意見が中核市市長会および全国特例市市長会双方から出されると、これらの問題を取り扱う国の地方制度調査会も前向きな姿勢を見せ[1]、2013年(平成25年)6月25日の第30次地方制度調査会答申では、「まちづくりや環境規制の分野において一般市への事務の移譲が進展した。これを踏まえて、特例市に対して更なる事務の移譲を進めることが必要である。」「人口20万以上であれば保健所を設置することにより中核市となるという形で、中核市・特例市の両制度を統合することにより、一層の事務の移譲を可能とすべきである。」とされた。それを受けて、2014年(平成26年)5月23日可決・成立の改正地方自治法(当該部分の施行は2015年(平成27年)4月1日)により、特例市制度が廃止されるとともに、中核市の人口要件が「法定人口30万人以上」であったものが「法定20万人以上」に緩和されることとなった。なお、改正法施行の時点で既に指定されている特例市(「施行時特例市」と呼ばれる)を対象とする経過措置として、従来の特例市の事務権限を引き続き保持するとともに、前述の改正法施行後5年間(2020年4月1日まで)に限り、人口が20万人未満になっていたとしても中核市に移行できるとされた。
2024年(令和6年)1月現在、三重県・徳島県・佐賀県には政令指定都市及び中核市が存在しない。
注釈
出典
- ^ “「中核市」と「特例市」の統合を”. デイリースポーツ. (2012年11月7日). オリジナルの2012年11月7日時点におけるアーカイブ。
- ^ 『新藤総務大臣閣議後記者会見の概要』(プレスリリース)総務省、2013年11月26日 。2013年11月26日閲覧。
- ^ “大阪府枚方市を中核市指定=佐賀は特例市-政府”. 時事通信. (2013年11月26日). オリジナルの2013年11月26日時点におけるアーカイブ。 2013年11月26日閲覧。
- ^ 中核市市長会ウェブサイト
- ^ “地方自治法”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2009年2月28日閲覧。
- ^ “地方自治法施行令”. e-Gov法令検索. 総務省行政管理局. 2008年10月15日閲覧。
- ^ “大都市に関する制度について” (PDF). 総務省第28次地方制度調査会第14回専門小委員会. 総務省 (2005年1月17日). 2005年5月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2009年2月6日閲覧。
- ^ 読売新聞2007年5月2日付
- ^ “姫路市の「区」”. 姫路の雑学. 姫路市 (2002年9月17日). 2011年7月4日閲覧。
- ^ “地方分権改革推進委員会の第1次勧告における県費負担教職員の人事権移譲の着実な実施を求める要望書”. 中核市市長会 (2008年6月13日). 2012年11月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年7月8日閲覧。
- ^ “資料3 県費負担教職員の人事権等に関する経緯”. 県費負担教職員の人事権等の在り方に関する協議会. 文部科学省 (2008年5月12日). 2008年7月8日閲覧。
- ^ “つくば市が中核市候補市として中核市市長会へ加入しました”. 中核市市長会 (2015年12月1日). 2016年10月20日閲覧。
- ^ 平成28年5月1日発行 くまがや市議会だより第43号 9頁(平成30年4月1日閲覧)
- ^ “藤沢が中核市目指す、人口増背景に市民サービス向上狙う/神奈川”. カナロコ. (2012年6月3日). オリジナルの2012年10月30日時点におけるアーカイブ。 2012年6月3日閲覧。
- ^ “中核市移行へ温度差 特例市廃止で県内5市”. 神奈川新聞. (2015年5月11日)
- ^ “徳島市、単独で中核市移行目指す 所信表明で市長”. 朝日新聞. (2015年3月3日). オリジナルの2015年4月2日時点におけるアーカイブ。 2015年3月21日閲覧。
- ^ “一覧”. 2024年1月7日閲覧。
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