中世哲学
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注解
ここで述べる注解とは『エイサゴーゲー』のような独立して一冊の本にまとめられた注釈書のようなものではなく、教科書の欄外・行間にある余白に書き込まれるもののことである。そういった注解が書き込まれる理由は大きく分けて三つある。一つ目は生徒たちに説明しようとして教師が行うもの、二つ目は教師の講義をメモしておこうとする生徒が行うもの、そして三つ目はテクストに対する自分の解釈を書き留めておこうとする独習者が行うものである[42]。あるテクストの注釈書を執筆しようとする研究者がそのテクストの写本で注解の書き込まれているものを用意し、それに書き込まれた注解の中から自分の関心のあるものを選んで自著に入れるということも可能だった[42](上述のオセールのレミギウスによる注釈書はそうして作成された)。また、あるテクストのある写本に書き込まれた注解を自分の写本にコピーするということが非常に頻繁に行われた。そして、必ずしもコピーは完全ではなく多くの場合少しずつ異なっているものなので、同じテクストの写本は家族的類似によってごく大雑把な系統関係を示すことができる。同じ事情から、大多数の写本は複数の人物の注解を含んでいるうえにその注解がコピーの大本となった注解を書き込んだ人物の考えたことを完全・正確に表しはいないということも起こった。さらに、注解に署名する人はめったにいなかったので、どの注解が誰に由来するのかを決定するのは難しいし、誰に由来するのかわかったところで少しずつ文面の異なる同じ注解のいくつものヴァージョンのうちどれがその注解者の考えを正確に表しているかも決定しがたい[43]。
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- ^ J・マレンボン『初期中世の哲学 480-1150』中村治訳、勁草書房、1992年5月30日、ISBN:978-4326100941、p146。このため哲学史においてアンセルムスは二流の役割しか果たさなかったとマレンボンは評している
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- ^ Brentano, tr. Chisholm p.50
- ^ That is, our idea of a rabbit necessarily represents a rabbit. A mental state 'is a true similitude of the external thing, on account of which it represents (repraesentat) the external thing itself, and stands for it from its nature, just as an utterance denotes things by institution'.
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