不当解雇 ラテンアメリカ

不当解雇

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/07 02:37 UTC 版)

ラテンアメリカ

19世紀に独立したラテンアメリカ諸国でははじめ、無期限の雇用契約を禁止し、解雇を自由としてきた。メキシコ革命によって成立した1917年憲法が、正当な理由のない解雇を禁じたのが、不当解雇を禁じる最初の法である。以後同様の立法が広まり、第2次世界大戦がおわるまでにほとんどの国で不当解雇を禁じる法律が作られた[7]

不当解雇の法律上の扱いはおおよそ三つに分れる。不当解雇が無効となるのはキューバメキシコパナマペルーで、不当な解雇に対して補償金を支払うのがアルゼンチンコロンビアコスタリカエルサルバドルグアテマラウルグアイ、正当・不当にかかわらず解雇に補償金を支払わせるのがボリビアチリエクアドルハイチホンジュラスニカラグアドミニカ共和国である[8]

いくらかの国では不当解雇に対して復職を命じる法律をもっているが、そうした国でも、また不当解雇を無効とする国でも、実務的には補償金を積むことで決着させることが多い[9]。不当でない解雇の圧倒多数は業績悪化のような経済的理由(レイオフ)によるもので、多くの国がこれを認めている[10]。個々の労働者が故意または重大な過失で損害をもたらした場合も正当な解雇理由になるが、そうした解雇権の乱用に対しては労働裁判所のような機関に訴えることができる[11]。この場合、不当でないことの証明責任は、雇用者が負う[11]。ただし、この手続きには時間がかかり、ときには確定するまで10年かかることもあって、十分な救済手段にはなっていない[12]




  1. ^ a b c OECD Employment Outlook 2020, OECD, (2020-07), doi:10.1787/1686c758-en, ISBN 9789264459793 
  2. ^ OECD 2019.
  3. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q 『データブック国際労働比較2019』 労働政策研究・研修機構、2019年。ISBN 978-4-538-49054-0 
  4. ^ a b c d e OECD 2019, Country: United Kingdom.
  5. ^ a b c d e f g h OECD 2019, Country: Netherlands.
  6. ^ a b c d OECD 2019, Country: Sweden.
  7. ^ Arturo S. Bronstein (1990) "Protection against unjustified dismissal in Latin America", p593.
  8. ^ Arturo S. Bronstein (1990) "Protection against unjustified dismissal in Latin America", p599.
  9. ^ Arturo S. Bronstein (1990) "Protection against unjustified dismissal in Latin America", p603 - p605.
  10. ^ Arturo S. Bronstein (1990) "Protection against unjustified dismissal in Latin America", p600.
  11. ^ a b Arturo S. Bronstein (1990) "Protection against unjustified dismissal in Latin America", p602.
  12. ^ Arturo S. Bronstein (1990) "Protection against unjustified dismissal in Latin America", p602. p610.


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