上越新幹線
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/02 19:28 UTC 版)
運行形態
東京駅 - 新潟駅間を通して運転する「とき」はおおむね1時間に1 - 3本の運行。停車駅は列車ごとに異なるが、途中で上野駅・大宮駅・高崎駅と、越後湯沢駅 - 新潟駅間の各駅に停車するものが標準的である。2013年(平成25年)3月16日のダイヤ改正以前は、朝に1日1往復のみ東京駅 - 新潟駅間ノンストップ列車が存在していた[報道 1]。越後湯沢駅・長岡駅 - 新潟駅間を区間運転する「とき」は、全列車が各駅停車である。
東京駅 - 高崎駅・越後湯沢駅間の区間運転列車である「たにがわ」は、臨時列車を除いて全列車が各駅停車である。
2015年(平成27年)3月14日のダイヤ改正で「Maxとき310号」が大宮駅に停車することになったため、大宮駅を通過する上越新幹線の定期列車はなくなった。
ダイヤパターンと停車駅
現行
2022年3月12日時点のもの。
種別 | 東京駅 発車時刻 |
東京 | 上野 | 大宮 | 熊谷 | 本庄早稲田 | 高崎 | 上毛高原 | 越後湯沢 | 浦佐 | 長岡 | 燕三条 | 新潟 | 終着 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
とき ◇ | 12、16分 | ● | ● | ● | △ | △ | ▲ | △ | ▲ | △ | ● | ▲ | ● | 新潟 |
とき ◇ | 40分 | ● | ● | ● | △ | △ | ● | △ | ● | ▲ | ● | ▲ | ● | 新潟 |
たにがわ ◆ | 不定 | ● | ● | ● | ▲ | ▲ | ● | ● | ● | 高崎/越後湯沢 |
種別 | 始発 | 新潟 | 燕三条 | 長岡 | 浦佐 | 越後湯沢 | 上毛高原 | 高崎 | 本庄早稲田 | 熊谷 | 大宮 | 上野 | 東京 | 東京駅 到着時刻 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
とき ◇ | 新潟 | ● | ▲ | ● | → | △ | △ | △ | △ | △ | ● | ● | ● | 00分 |
とき ◇ | 新潟 | ● | ▲ | ● | ▲ | ● | ▲ | ● | △ | △ | ● | ● | ● | 28分/40分 |
たにがわ ◆ | 越後湯沢/高崎 | ● | ● | ● | ▲ | ▲ | ● | ● | ● | 不定 |
- ●:停車 ▲:一部列車通過 △:一部列車停車 →:通過
- ◇:時間帯によってどちらかが運行 ◆:おおむね朝・夕夜間に運行
- ※「たにがわ」を除いたダイヤパターン化されていない定期列車、臨時列車は掲載していない。
号数の振り方
- とき
- 東京駅 - 新潟駅間:定期列車は300 - 351号、臨時列車は50号台 - 90号台
- 越後湯沢駅 - 新潟駅間:480・481号(共に毎日運転)
- 長岡駅 - 新潟駅間:491号(土休日運休)
1987年(昭和62年)に上野駅 - 新潟駅間を途中で長岡駅のみに停車する最速達列車に1桁台(例:あさひ1号)の号数が割り当てられた。以降も東京駅 - 新潟駅間の最速達列車に1桁が割り当てられたが、現在は全て上記のように統一されている。なお、繁忙期の一部の臨時列車には1桁や2桁の号数が使われており、2023年以降はこの臨時列車を全車指定席として運行する。
- たにがわ
- 東京駅 - 越後湯沢駅間:定期列車は400 - 417号(かつて、東京駅 - 高崎駅・越後湯沢駅間で「とき」と併結していた定期列車は「とき」の号数を使用していた)、臨時列車は70号 - 100号台
- 東京駅 - 高崎駅間:470 - 477号(一部は土休日運休)
- 列車番号は、定期列車は基本的に0、1000、2000+号数+C、臨時列車は4000、8000、9000+号数+Cである。
- また、「たにがわ」をガーラ湯沢駅まで延長運転する場合は、4000+号数+Cとなる。
- 東京駅 - 高崎駅間を走行する列車のうち、上り始発列車であるたにがわ470号と下り最終列車のたにがわ477号については、2021年(令和3年)3月のダイヤ改正より北陸新幹線の運用に組み込まれたため[注 4]、号数+Eとなる。
ガーラ湯沢駅開業からしばらくの間は、越後湯沢駅 - ガーラ湯沢駅間のみを走る「シャトル・ガーラ」が運転されていた。列車番号は92xxCが割り当てられていた。1995年頃からは運転されていなかったが、2015年(平成27年)3月14日のダイヤ改正で「たにがわ」が運転されない時間帯が発生したため、2015年度と2016年度は同区間のみを走る「たにがわ」が運転されることとなった。博多南線同様に全車自由席で、グリーン車は閉鎖されていた。しかし、2017年度はこの区間運転の列車は運転されなくなり、「たにがわ」の運転のない時間帯は、従前から運行されている越後湯沢駅発着の無料シャトルバスを利用することになる[12]。
列車の概要
新潟駅に発着する列車(東京駅・越後湯沢駅・長岡駅 - 新潟駅間運転の列車)が「とき」、それ以外の東京駅 - 高崎駅・越後湯沢間の区間運転列車が「たにがわ」と分けられている(一部臨時列車を除く)。
1982年(昭和57年)の開業当初は東海道・山陽新幹線にならって、「ひかり」に相当する速達タイプを「あさひ」「こだま」に相当する各駅停車タイプを「とき」としていた。
1997年(平成9年)10月1日、JR東日本は北陸新幹線(当時の呼称は長野新幹線)の開業に合わせて、東北・上越両新幹線の列車名を運行区間別とする愛称の再編を行った[新聞 1]。それによって東京駅 - 新潟駅間の列車は全て「あさひ」、東京駅 - 高崎駅・越後湯沢駅間の列車は全て「たにがわ」とし、「とき」の愛称は東北新幹線の「あおば」とともにいったん消滅した[新聞 1]。
しかしながら、後述の理由により「あさひ」の愛称は2002年(平成14年)12月1日のダイヤ改正で廃止され、「とき」の名称が5年ぶりに復活した。
全ての定期列車と一部の臨時列車は、東京寄りに普通車自由席3両(または4両・5両)を連結した一部指定席扱いで運行されるが、とき359号など全車指定席で運行される臨時列車も存在する。
列車愛称
「とき」
「とき」は、東京駅・越後湯沢駅・長岡駅 - 新潟駅間で運行される上越新幹線の主力列車である。
2023年3月18日時点の東京駅 - 新潟駅間の最短所要時間は下り最速達列車で1時間29分、上り最速達列車で1時間31分である[報道 2]。途中停車駅は大宮駅のみという列車もあれば、全区間各駅に停車するタイプ・途中本庄早稲田駅のみ通過するタイプも存在する(号数は全て300号台)。またMaxとき310号に限っては、2015年3月13日まで越後湯沢駅 - 東京駅間ノンストップであり、大宮駅も通過した。
越後湯沢駅・長岡駅 - 新潟駅間のみを走行する区間運転列車は全て各駅停車である。
上越新幹線開業前日の1982年11月14日までは、上野駅 - 新潟駅間の在来線特急列車の愛称だった歴史があり、新幹線開業後も上記の通り各駅停車タイプの列車愛称として承継された。1997年10月1日に東北・上越新幹線の列車愛称再編のため一度消滅したが[新聞 1]、残った「あさひ」と長野新幹線(現:北陸新幹線)「あさま」とは1文字違いのため紛らわしく誤乗が頻発したことや、「佐渡島のトキ」という新潟県を象徴する観光資源とも関係の深い名であったことなどから、新潟県内を中心に「とき」の復活を求める声が廃止直後から強く、新潟県などの関係機関からもJR東日本に対し列車名を「とき」に変更するよう要請が行われた。このような経緯から、2002年(平成14年)12月1日に「あさひ」を「とき」へ改称する形で、5年ぶりの復活を果たした。一度消滅した新幹線の愛称が復活したのは「とき」が唯一の例である。なお、2020年時点で用いられている全ての新幹線の愛称のうち、2文字のものは「とき」が唯一である。
「たにがわ」
「たにがわ」は、東京駅 - 高崎駅・越後湯沢駅間で運行される近距離列車で、各駅に停車する。
越後湯沢方面の定期列車(400 - 417号)は、全て各駅停車である。冬季期間においては、ガーラ湯沢駅まで延長運転されるものもあるほか、東京駅を発着する臨時列車も多数運転される。臨時列車の中には、途中駅を通過するタイプもある。この列車は、基本的に越後湯沢駅 - 新潟駅間に入線することはないが、2004年(平成16年)夏には臨時列車で新潟駅発上野駅行き、新潟駅発東京駅行きの「Maxたにがわ」が設定されたことがある[報道 3]。現在はおおむね朝と夕・夜間の運転となっている。
注釈
- ^ ただし、東京・上野・大宮の3駅では誤乗防止のため、発車標で6方面の新幹線(東北・山形・秋田・北海道・上越・北陸)を識別する色を独自に用いており、上越新幹線では朱鷺色(■)を採用する。なお、フルカラーLED式の行先表示器を採用する車両(E3系2000番台、E2系1000番台J70番台編成、E5系、E6系、E7系、ならびに北海道旅客鉄道〈JR北海道〉所有のH5系、西日本旅客鉄道〈JR西日本〉所有のW7系)では、行先表示器の列車名もこれらの路線色で表示される。
- ^ 「国有鉄道線路名称」での区間は、「東北線」の高崎線に〔大宮 - 高崎〕・上越線に〔高崎 - 上毛高原 - 長岡〕、「信越線」の信越本線に〔長岡 - 燕三条 - 新潟〕と記載[6][7]され、JR線路名称公告ではJR東日本の高崎線・上越線・信越本線にそれぞれ前述の区間が記載された。
- ^ 現在この組織体系を取っているのはJR西日本の北陸新幹線(上越妙高駅 - 金沢駅間)、北陸地域の在来線を一体管理している同社金沢支社である。東海旅客鉄道(JR東海)の東海道新幹線は同社新幹線鉄道事業本部が在来線とは分離して独立管理している。同様にJR西日本の山陽新幹線は同社新幹線鉄道事業本部が、九州旅客鉄道(JR九州)の九州新幹線は同社新幹線部が独立管理する。
- ^ これにより、車両運用の関係で、JR西日本所有のW7系も使用される。
- ^ W7系の営業運転は2015年から。
- ^ 1998年12月8日 - 2002年11月30日はJ編成8両編成、またはN編成8両編成で運用された。
- ^ 高崎駅 - 新潟駅間は区間外である。
- ^ 長野新幹線(現在の北陸新幹線)は2005年から全面禁煙化済。
- ^ リース料は再調達価格と輸送量(直近2年間の実績)に基づいて30年元利均等で計算され、当初のリース料は東北・上越新幹線の合計で1,979億円であった[42]
- ^ 東海道・山陽新幹線のATCは220信号以上での抑止速度は現示速度+5 km/hであるのに対し、東北・上越・長野新幹線では現示速度=頭打ち速度であるため。
- ^ 東北新幹線と異なり、当時から速達列車の停車駅パターンは統一されていなかった。(『国鉄監修 交通公社時刻表1983年12月号』より)
- ^ 「あさひ」「とき」合わせて毎時1往復以上の運転で、「あさひ」の運転間隔が3時間空く時間帯もあった。通過列車のある駅では2時間につき1往復の発着となる場合が多々あり、その時間帯も長かった。(『国鉄監修 交通公社時刻表1983年12月号』より)
- ^ 当初はJ編成8両編成、またはN編成8両編成による運用だった。2002年12月1日からはJ編成10両編成で運転。
- ^ 2017年3月23日のJR東日本による発表では、トンネルが無い大宮駅 - 高崎駅間および長岡駅 - 新潟駅間では、既に携帯電話の利用が可能とされている[報道 31]。
- ^ 「新」の文字が使用されているとの観点ならば新潟駅が該当する。なお、本庄早稲田駅の建設時の仮称は「新本庄駅」であった。
出典
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- ^ ~上越新幹線開業40周年記念企画~新幹線リレー号と上越新幹線開業40周年記念号を乗り継ぎ秋深まる新潟へ行こう! 東日本旅客鉄道大宮支社(2022年9月9日)2022年12月11日閲覧
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- ^ 「新潟)E7系、上越新幹線デビュー 車両にトキ・稲穂」朝日新聞デジタル(2019年3月17日)2022年12月11日閲覧
- ^ 「獲れたて鮮魚を東京へ、新幹線物流に挑むJR東グループ」日経ビジネス電子版(2019年6月12日)2020年3月30日閲覧
- ^ 「JR東、上越新幹線で自動運転東京―新潟間で30年代に」日本経済新聞(2023年5月10日)2023年5月14日閲覧
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