三洋電機 不祥事・事件

三洋電機

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/04/20 01:50 UTC 版)

不祥事・事件

石油ファンヒーター事故 (1985年・1990年代)

1984年(昭和59年)に発売された石油ファンヒーター「CFH-S221F」を使っていた45人が一酸化炭素中毒となり、うち4人が死亡した。原因は空気取入口が上に向いていたためで、そこにホコリがたまって不完全燃焼を起こしやすくなっていたとされる。暖房器具の安全性が見直された重要な事件である。事件が多発した1985年(昭和60年)から1986年(昭和61年)にかけて、三洋はその後のテレビCM新聞広告などのマスメディアを用いて『三洋電機からのお詫びとお願い』と題したリコールにより回収を進め、提供番組では数ヶ月間通常のテレビCMを自粛した。なお、このCMは我が国初の宣伝を目的としない「リコールCM」とされており、事故を起こした製品の写真とテロップスーパーインポーズ (映像編集))が表示され、男性ナレーターが事故の報告と謝罪、製品の回収ならびに修理依頼のお願いをBGM無しで淡々と語る、ストレートニュースのようなものだった。

さらに1986年1月には前年12月に起きた事故により新タイプのCMが制作され、CMの途中には「人命に及ぶ重大事故の恐れ」という恐怖心を煽らせる文言が入る。 [26]

20年後となる2005年(平成17年)以降に発覚した松下電器のFF式石油温風機の欠陥による死亡事故や、パロマリンナイガス給湯器による一酸化炭素中毒事故が発覚した際にも似たようなCMが長期間放映され、事実上製品リコール告知CMのデファクトスタンダードとなっている。

この事故をうけ、当該ファンヒーターを製造した子会社の東京三洋電機を吸収合併すると同時に、ブランドロゴ(ワードマーク)を一新し「第二の創業」に踏み切ることとなる。

また、CFH-S221F型は2002年10月1日に茨城県潮来市でも事故を起こした模様。[27]

また1994年(平成6年)から1998年(平成10年)にかけて、同社が生産・発売した石油ファンヒーターによって瞬間的に炎が噴き出るという事故もあった。症状は、燃料検出センサーが故障した状態で運転を続けた場合、灯油を使い切る直前に温風吹出し口から瞬間的に炎が出てすぐに運転を停止してしまうというもの。原因は、灯油を使い切る直前に灯油と一緒に空気が吸い込まれることで、燃焼状態が不安定になるために生ずる一時的なものである。三洋で22機種販売したほか、ユアサプライムス(ユアサ)は4機種、日本電気ホームエレクトロニクス(NEC)でも3機種、同様の機種を販売している。

これらの事故をきっかけに、三洋は2001年(平成13年)に石油ファンヒーターの製造を終了。石油ファンヒーターからは撤退したが、FF式石油暖房機は2007年(平成19年)まで継続して製造された。

2005年(平成17年)以降、未点検機種がまだあることが利用者からの修理問い合わせなどで発覚しているため、過去に事故が発生した上記2製品の回収告知を事業を承継したパナソニックで再び行っている[28][29]

発電パネル不正販売事件

ソーラーアーク(岐阜県安八郡安八町・岐阜事業所内)
事件による回収品を使って建設された。
なお、中央の「SANYO」ロゴは2011年8月に「Panasonic」ロゴに掛け替えられている

1990年代後半、子会社である三洋ソーラーインダストリーズが販売してきたソーラー発電システムの太陽電池パネルに、仕様より低い出力のものが多く含まれていた。市民団体による再三に渡る事実確認にもかかわらず、2000年(平成12年)10月20日に記者会見で不良品の存在を認めるまで、何度も事実を認めなかった。さらにその記者会見でも、当初から低出力のパネルを販売していたことを認識していたにも関わらず同年9月に初めて発覚したと虚偽の発言をしたことから批判が集中、ついには三洋ソーラーインダストリーズのみならず親会社の三洋本社の社長までもが辞任に追い込まれる事態となった。同年12月、通産省は三洋及び三洋ソーラーインダストリーズに行政処分を行った。三洋は行政処分を受け該当するパネルを回収、それを用いて岐阜事業所内にソーラーアークを建設した。

全自動洗濯乾燥機発火事故

子会社の「三洋アクア」が製造したトップオープンドラム式洗濯乾燥機で、3度のリコールと1度の再告知を行ったうえで修理対応を行ったものの、修理時の作業不備が原因の発火事故が1件発生した事を受け、再度の無料点検と一部機種の製品交換を発表した。なお、現行機での交換に対応しきれない場合は市価から減価償却費を差し引いた所定金額での返金対応となる[30]

このことに関し、三洋本社の専務執行役員、修理作業を行った三洋電機サービスの代表取締役、並びに製品を製造した三洋アクアの代表取締役(いずれも当時)他数名の降格処分等が行われた[31]

その他の不祥事

2006年(平成18年)12月7日NTTドコモの携帯電話「D902i三菱電機製)」などに使われている三洋ジーエスソフトエナジー製のバッテリー約130万個を不具合により回収[32]

2007年(平成19年)2月23日朝日新聞が「三洋電機巨額粉飾の疑い」と朝刊一面で報道。

2007年(平成19年)12月25日東証大証は、2001年3月期から2006年3月期までの有価証券報告書を訂正したことが、虚偽記載に該当するとして、三洋電機株を監理ポストに割り当てた。翌2008年(平成20年)2月9日に監理ポストの指定を解除。注意勧告が行われ、改善報告書の提出が義務付けられた。

2002年9月-2004年9月の中間配当期に、同社の井植敏元会長ら旧経営陣が子会社の評価額を過少計上した上、違法に配当したことで同社に損害を与えたとして、西日本在住の同社株主らが、旧経営陣に対し同社に約287億円を賠償することを求め、大阪地方裁判所株主代表訴訟を起こす。2012年9月28日に同地裁は、「経営判断が不合理だったとはいえない」などとして、株主側の訴えを棄却する判決を言い渡した[33]




  1. ^ 三洋電機ホームページブランドロゴを参照。
  2. ^ 三洋が東芝電池のニッケル水素電池事業を取得 - 2000年10月4日 ASCII
  3. ^ “三洋電機がジーエス・メルコテック社の株式を取得することで基本合意” (日本語) (プレスリリース), 日本電池株式会社, (2002年10月3日), http://www.nippondenchi.co.jp/nippondenchi/gshp/wtn/20021003.htm 2017年8月30日閲覧。 
  4. ^ “ジーエス・メルコテック社の株式譲渡完了について” (日本語) (プレスリリース), 日本電池株式会社, (2003年2月26日), http://www.nippondenchi.co.jp/nippondenchi/gshp/wtn/20030226.htm 2017年8月30日閲覧。 
  5. ^ 親会社の異動に関するお知らせ”. 三洋電機. 2010年1月4日閲覧。
  6. ^ a b c 子会社(三洋エナジートワイセルおよび三洋エナジー鳥取)との会社分割等および子会社の株式の譲渡に関する基本合意のお知らせ - 三洋電機ニュースリリース 2009年(平成21年)10月28日
  7. ^ “子会社(三洋ジーエスソフトエナジー株式会社)の解散及び債権の取立不能のおそれに関するお知らせ” (日本語) (PDF) (プレスリリース), 三洋電機株式会社, (2010年8月20日), https://www.panasonic.com/jp/corporate/ir/pdf/sanyo/2010/di-0820-1.pdf 2017年8月30日閲覧。 
  8. ^ 三洋電機、シャープを提訴 液晶表示技術の特許侵害で 産経新聞 2011年1月27日
  9. ^ 合肥三洋が三洋電機の動向にらみ、新自主ブランド「帝度」を発表”. サーチナ (2011年11月30日). 2015年7月5日閲覧。
  10. ^ 会社分割(簡易分割・略式分割)に関するお知らせ~三洋電機の社債による資金調達・償還・管理業務の承継について~ パナソニック株式会社・プレスリリース2011年8月31日
  11. ^ a b 三洋電機コンシューマエレクトロニクスの簡易吸収合併について - 三洋電機ニュースリリース
  12. ^ 三洋が中国家電市場から撤退 後釜は米ワールプール”. 人民網 (2014年9月18日). 2017年8月30日閲覧。
  13. ^ 三洋電機株式会社社員のパナソニック株式会社への転籍について パナソニック株式会社・プレスリリース2014年11月28日
  14. ^ SANYO、インドで復活 パナ、TV販売苦戦で奥の手”. 朝日新聞社 (2016年9月29日). 2016年10月12日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2016年9月29日閲覧。
  15. ^ 一部報道について - 三洋電機ニュースリリース
  16. ^ 三洋電機クレジット株式会社の株式譲渡に関するお知らせ - 三洋電機ニュースリリース
  17. ^ 第三者割当による新株式(優先株式)発行の基本合意に関するお知らせ - 三洋電機ニュースリリース
  18. ^ 2008年4月1日付 組織再編および人事について - 三洋電機ニュースリリース
  19. ^ パナソニック株式会社が三洋電機株式会社の子会社化を完了”. 三洋電機. 2010年1月4日閲覧。
  20. ^ 人事について”. 三洋電機. 2010年1月4日閲覧。
  21. ^ ブランドビジョンの取り扱いについて - 三洋電機株式会社 ニュースリリース 2010年4月10日インターネットアーカイブ
  22. ^ パナソニック株式会社によるパナソニック電工株式会社及び三洋電機株式会社の完全子会社化に向けた合意のお知らせ (PDF)
  23. ^ 2010年(平成22年)10月23日土曜付、日本経済新聞1面及び10面記事にて報道。
  24. ^ 湖南科力遠新能源股份有限公司への車載用ニッケル水素電池事業の譲渡について - パナソニックニュースリリース 2011年(平成23年)2月1日
  25. ^ がっちりマンデー放送より
  26. ^ CMの研究 第4回
  27. ^ http://www.sydrose.com/case100/331/
  28. ^ 引き続きお客様へのお願いです。23年前のサンヨー石油ファンヒーターを探しています。|重要なお知らせ|三洋電機
  29. ^ 石油ファンヒーターをご愛用のお客様へ(改訂)|重要なお知らせ|三洋電機
  30. ^ トップオープンドラム式洗濯乾燥機をご使用のお客様へのお詫びと無料点検および一部機種の製品交換に関するお知らせ|三洋電機
  31. ^ トップオープンドラム式洗濯乾燥機品質問題に関する対応について|ニュースリリース|三洋電機
  32. ^ 弊社子会社製電池パック「D06」の取替え・回収についてのお詫び”. 三洋電機株式会社 (2006年12月8日). 2017年8月30日閲覧。
  33. ^ 三洋電機の株主代表訴訟、原告の賠償請求棄却 読売新聞 2012年9月29日[リンク切れ]
  34. ^ 子会社(三洋半導体株式会社)株式及び債権の譲渡等に関するお知らせ (PDF)
  35. ^ 子会社(三洋半導体株式会社)株式及び債権の譲渡等に関する 譲渡契約の一部変更について (PDF)
  36. ^ オン・セミコンダクターが三洋電機から三洋半導体の経営統合を完了
  37. ^ 当社及び当社子会社による三洋精密株式会社の株式譲受手続き完了と新子会社概要 (PDF)
  38. ^ a b 洗濯機だけじゃない! 中国ハイアールが「AQUA」63製品投入”. 日経トレンディネット. 2012年2月16日閲覧。
  39. ^ 簡易株式交換による連結子会社(三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社)の完全子会社化に関するお知らせ (PDF)
  40. ^ a b 企業スポーツチームの名称変更について
  41. ^ 三洋電機レッドソア





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