七夕 日本の七夕祭り

七夕

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日本の七夕祭り

1687年貞享4年)刊行の藤田理兵衛の『江戸鹿子』(えどかのこ)には、「七夕祭、江戸中子供、短冊七夕ニ奉ル」とある。その他、喜多川守貞の『守貞謾稿』にも、「七月七日、今夜を七夕という、今世、大坂ニテハ、…太鼓など打ちて終日遊ぶこと也。江戸ニテハ、…青竹ニ短冊色紙ヲ付ケ、高ク屋上ニ建ルコト。」とあり、江戸時代中期には既に江戸で七夕祭りが始まっており、江戸時代末期には大坂でも盛んになっている様子が窺える。その他、喜多村筠庭の『喜遊笑覧』には「江戸にて近ごろ文政十二年の頃より」、『諸事留』には「天保十二年六月、例年七月七夕祭と唱」、斎藤月岑の『東都歳時記』には「七月六日、今朝未明より」、屋代弘賢の『古今要覧稿』には「たなばた祭、延喜式、七月七日織女祭と見えたるを初とせり」とある。

現代の「七夕祭り」は、神事との関わりも薄れ、もっぱら、観光客や地元商店街等への集客を目当てとしたものとなっている。神輿山車などを繰り出す祭りと異なり、前日までに、笹飾りをはじめとした七夕飾りの設置を終えれば当日は人的な駆り出しも少なく、また商店前の通行規制も少ないため、商店街の機能を低下させることなく買物客を集められるという点で、商店街との親和性が高く、戦後の復興期以降、商業イベントとして東日本を中心に日本各地で開催されてきた。多くは昼間のイベントと、夕方から夜にかけての花火という組み合わせが殆どで、伝統的あるいは神事としての七夕の風習に頓着せず行われている事が多い。

また、青森の「ねぶた」や「ねぷた」、秋田の「竿燈」などの「眠り流し行事」も七夕祭りが原型である。

主な七夕祭り

名称 開催地 時期 観客数 備考
八戸七夕まつり 青森県八戸市 7月 海の日までの 037万人/4日間(2007年)[29]
盛岡七夕まつり 岩手県盛岡市 8月04日5日6日7日 018万人/4日間(2008年)[30]
うごく七夕まつり 岩手県陸前高田市 8月07日
けんか七夕まつり 岩手県陸前高田市気仙町 8月07日
仙台七夕まつり 宮城県仙台市 8月06日・7日・8日 206万人/3日間(2013年)[31]
能代役七夕(能代ねぶながし) 秋田県能代市 8月06日・7日 能代市選択 記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財
七夕絵どうろうまつり 秋田県湯沢市 8月05日・6日・7日 017万人/3日間(2013年)[32]
平七夕まつり 福島県いわき市 8月06日・7日・8日 043万人/3日間(2010年)[33]
水戸黄門まつり 茨城県水戸市 8月 第1金・土・日
土浦キララまつり 茨城県土浦市 8月 第1土・日
前橋七夕まつり 群馬県前橋市 7月 第1の3日後から4日間 035万人/4日間(2012年)[34]
桐生八木節まつり 群馬県桐生市 8月 第1金・土・日 053万人/3日間(2016年)[35]
入間川七夕まつり 埼玉県狭山市 8月 第1土・日 043万人/2日間(2001年)[36]
深谷七夕まつり 埼玉県深谷市 7月 上旬の金・土・日
上福岡七夕まつり 埼玉県ふじみ野市上福岡 8月 第1土・日 017万人/2日間(2013年)[37]
小川町七夕まつり 埼玉県小川町 7月 最終土・日
茂原七夕まつり 千葉県茂原市 7月 最終金・土・日 084万人/3日間(2008年)[38]
阿佐谷七夕まつり 東京都杉並区阿佐谷 8月07日と土曜を含む5日間 070万人/5日間(2011年)[39]
福生七夕まつり 東京都福生市 8月 第1木・金・土・日 040万人/4日間(2013年)[40]
下町七夕まつり 東京都台東区 7月 初旬の数日間 040万人/6日間(2017年)[41]
橋本七夕まつり 神奈川県相模原市緑区 8月 第1金・土・日 034万人/3日間(2016年)[42]
湘南ひらつか七夕まつり 神奈川県平塚市 7月 第1金・土・日 155万人/3日間(2016年)[43]
慶應義塾大学SFC七夕祭 神奈川県藤沢市 7月 第1
古町七夕まつり 新潟県新潟市中央区古町 7月 上旬の9日間
越後村上七夕祭 新潟県村上市 8月16日17日
戸出七夕まつり 富山県高岡市戸出町 7月03日4日5日6日7日
舟見七夕まつり 富山県入善町舟見 7月06日・7日
高岡七夕まつり 富山県高岡市 8月01日~7日 015万人/7日間(2013年)[44]
尾山の七夕流し 富山県黒部市東布施地区尾山 8月07日 国の記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財選択無形民俗文化財)・富山県指定無形民俗文化財
宝立七夕キリコ祭り 石川県珠洲市宝立町 8月07日 キリコ祭りの一つとして、国の記録作成等の措置を講ずべき無形の民俗文化財及び、日本遺産「灯り舞う半島 能登 ~熱狂のキリコ祭り~」の内の一つ。
水都まつり 岐阜県大垣市 8月 第1木・金・土・日
清水七夕まつり 静岡県静岡市清水区 7月 第1水・木・金・土 060万人/4日間(2017年)[45]
円頓寺七夕まつり 愛知県名古屋市 7月 最終より5日間
一宮七夕まつり 愛知県一宮市 7月 最終日曜の木・金・土・日 118万人/4日間(2017年)[46]
安城七夕まつり 愛知県安城市 8月 第1金・土・日 125万人/3日間(2013年)[47]
松阪七夕まつり 三重県松阪市 8月 第1土
機物神社七夕まつり 大阪府交野市 7月06日・7日
山口七夕ちょうちんまつり 山口県山口市 8月06日・7日 021万人/2日間(2011年)[48]
七夕バルーンリリース 徳島県徳島市 7月07日7時7分7秒
三木町いけのべ七夕まつり 香川県三木町 8月 第1土・日
七夕神社夏祭り 福岡県小郡市 7月07日、8月5日~8日
大分七夕まつり 大分県大分市 8月 第1金・土・日 039万人/3日間(2013年)[49]

全国七夕サミット

七夕に関連したイベントを開いている自治体の代表が集まって情報交換し、課題などを討議する会。商業的七夕祭りの他に、伝統的七夕の習慣がある都市も参加している。開催都市は以下の通り。

五節句が廃止される前の七夕の再現

2009年(平成21年)、第55回茂原七夕まつりにおいて、明治以降初めて、太政官布告第一号によって五節句が廃止される前の七夕が再現された。その再現された内容は、七夕七遊(『古事類苑』−「古今要覧稿」−時令)にちなんで、が作曲しジョン・海山・ネプチューン等が実演した「七調子管弦」と七拍子の郢曲、七十首の川柳俳句、先着70名のビンゴ大会、飲料7本購入で景品、7チーム対抗クイズ他、計7種であった[50]


注釈

  1. ^ 詩経』の小雅、谷風之什の『大東』にも牽牛と織女の名が出ているが、恋愛伝説の形にはなっていない。
  2. ^ 『小説』の原典は失われているが、明代の馮應京(ひょう おうきょう)が万暦年間に著した『月令広義』にこれが引用されている(「七月令」・「牛郎織女」項 [1])。
  3. ^ 直近の例では、2006年7月31日が旧暦7月7日、8月30日が旧暦閏7月7日だった。旧七夕は新暦7月31日だけであり、年に2回行うことはない。
  4. ^ 中国では前日の8月23日。朔の瞬間から起算するため、時差により日本では1日遅い。

出典

  1. ^ 熟字訓
  2. ^ 古詩十九首之十、迢迢牽牛星(無名氏)
  3. ^ 『西京雑記』巻1「漢彩女常以七月七日穿七孔針於開襟楼、俱以習之。」
  4. ^ 西村白鳥 編「煙霞綺談」吉川弘文館(日本随筆大成 巻2)、1927年,582頁
  5. ^ 直木孝次郎 他訳注『続日本紀1』平凡社(東洋文庫457)1986年、237頁の注14
  6. ^ a b 中村義雄「七夕」『国史大辞典』
  7. ^ 山中裕「相撲節」『国史大辞典』
  8. ^ 中村義雄「乞巧奠」『国史大辞典』
  9. ^ 「乞巧奠」『日本国語大辞典』
  10. ^ 山中裕「乞巧奠」『日本第百科全書』
  11. ^ 内閣官報局『法令全書 明治6年』明20-45
  12. ^ 国立天文台「質問3-10)伝統的七夕について教えて」
  13. ^ 古事類苑』歳時部七月七日
  14. ^ 国際日本文化研究センター『古事類苑』歳時部七月七日
  15. ^ 七夕の由来同志社女子大学 吉海直人(2015年7月1日)2020年2月24日閲覧
  16. ^ 倉石忠彦「民間伝承の分布から見た内陸文化の性格」 (信州大学人文学部 『内陸文化研究』 1号、2001年) 61-79 ISSN [https://www.worldcat.org/search?fq=x0:jrnl&q=n2:1346-4108 1346-4108
  17. ^ 『とやま祭ガイド』(北日本新聞社2004年3月31日発行)76P ISBN 4-906678-87-4
  18. ^ 『てくてく風土記 黒部市東布施地区 4 尾山の七夕流し』北日本新聞 2022年7月4日12面
  19. ^ 沖縄の暮らしと行事の事~旧暦を知る~
  20. ^ チルォルチルソッ(7月七夕)韓国観光旅行ガイド ソウルナビ
  21. ^ 鲁山七夕爱情节系列活动筹备就绪邢台天河山七夕爱情节老河口七夕爱情节
  22. ^ 冯骥才:七夕应为中国爱情节
  23. ^ 商业包装“七夕节” 传统女儿节失落的背后[リンク切れ]
  24. ^ 广东七夕节风俗习惯
  25. ^ 真相大公開”. 台南市進學國小. 2010年3月27日閲覧。
  26. ^ 何烱榮 (2002年9月30日). “拜七娘媽 鹿港小鎮仍流傳” (繁體中文). 聯合報. http://www.udn.com/2002/9/30/NEWS/TRAVEL/TAIWAN_NOTE/1011465.shtml [リンク切れ]
  27. ^ 洪淑苓. “七夕” (繁體中文). 台灣大百科全書. 2011年8月14日時点のオリジナル[リンク切れ]よりアーカイブ。2010年3月27日閲覧。
  28. ^ 七夕飾りプロジェクトロサンゼルス七夕フェスティバル 2020年2月24日閲覧
  29. ^ 七夕まつりに37万人の人出/企業協賛で七夕飾り豪華に(八戸商工ニュース 2007年8月5日号)
  30. ^ 盛岡商工会議所ニュース第599号(盛岡商工会議所 2009年07月発行)
  31. ^ 復興支援目的、平日でも集客増 東北三大祭り閉幕河北新報 2013年8月9日) … 仙台七夕花火祭(約50万人)や夕涼みコンサート(約30万人)などの人出を含まない値。
  32. ^ 秋田県内の主な夏祭りの動向について (PDF)日本銀行秋田支店 2013年9月17日)
  33. ^ 平成22年「いわき夏まつり」入り込みについて(いわき市 2010年9月1日) … 平七夕の期間中に開催される「いわきおどり」の8万人を含む値。
  34. ^ 夏祭りの人出回復し322万人(上毛新聞 2012年9月5日)
  35. ^ 桐生八木節まつり閉幕、人出は延べ53万5000人(桐生タイムス 2016年8月8日)
  36. ^ 狭山市広報・お知らせ版 VOL.362 (PDF) (狭山市 2001年8月25日)
  37. ^ 市長の部屋 公務日記 平成25年度(ふじみ野市)
  38. ^ 事業評価シート【継続事業用】 茂原七夕まつり事業 (PDF) (茂原市)
  39. ^ 平成24年度 杉並区事務事業評価表 (PDF) (杉並区)
  40. ^ 平成25年8月定例記者会見(福生市)
  41. ^ WATCH
  42. ^ 第65回橋本七夕まつり結果概要 (PDF) (相模原市 2016年8月8日)
  43. ^ 第66回湘南ひらつか七夕まつり閉幕のご挨拶 3日間で155万人が来場(湘南ひらつか七夕まつり実行委員会 2016年7月13日)
  44. ^ 来場者14万7千人 今年の高岡七夕まつり北國新聞 2013年10月29日)
  45. ^ 清水七夕まつり終了報告(清水七夕まつり実行委員会 2017年7月12日)
  46. ^ 「I LOVE いちのみや(10分)」 8月21日~27日放映分(一宮市 2017年8月21日)
  47. ^ 多くの方のご来場、ありがとうございました(安城七夕まつり協賛会)
  48. ^ 山口七夕ちょうちんまつり、土日開催に山口新聞 2012年1月14日)
  49. ^ 大分市民の元気を改めて認識した3日間でした(大分市 2013年8月5日)
  50. ^ 邦楽ジャーナル『廃絶した七夕音楽を現代に 茂原七夕まつりで七調子の管弦』2009年07月01日
  51. ^ 国立天文台. “質問3-10) 伝統的七夕について教えて”. よくある質問. 2020年8月27日閲覧。






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