一橋大学
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/04/08 23:39 UTC 版)
基礎データ
所在地
教育及び研究
組織
学部
研究科
以下、特記していない専攻は博士課程(修士課程、博士後期課程)である。
- 経営管理研究科
- 経営管理専攻
- 経営分析プログラム (MBA)
- 経営管理プログラム (MBA)
- 経営管理プログラム(ホスピタリティ)(MBA)
- 金融戦略・経営財務プログラム (MBA)
- 国際企業戦略専攻
- MBAプログラム
- EMBAプログラム
- 経営管理専攻
- 経済学研究科
- 法学研究科
- 社会学研究科
- 言語社会研究科
- 言語社会専攻[注釈 14]
- 第1部門(言語社会部門)
- 第2部門(日本語・日本文化部門) - 日本語教育学位取得プログラム
- 言語社会専攻[注釈 14]
- 国際・公共政策教育部(専門職学位課程、国際・公共政策大学院)
- 国際・公共政策専攻[注釈 15]
- 国際・行政コース
- 公共法政プログラム
- グローバル・ガバナンス・プログラム
- 公共経済コース
- 公共経済プログラム
- アジア公共政策プログラム
- 国際・行政コース
- 国際・公共政策専攻[注釈 15]
- ソーシャル・データサイエンス研究科
※ 2023年4月開設予定- ソーシャル・データサイエンス専攻
附属機関
附属図書館
一橋大学附属図書館は文部科学省から人文・社会科学系外国雑誌センター館の指定を受けている。またEUからEU資料センターに指定されている。
一橋大学附属図書館の蔵書数は約175万冊。なお一橋大学では附属図書館以外にも国際企業戦略研究科図書室、経済研究所資料室、経済研究所属日本経済統計情報センター、社会科学古典資料センター、イノベーション研究センター資料室等にも図書等が所蔵されており、全学の蔵書数は約245万冊である[27]。
一橋大学が社会科学の総合大学であるという特色から、全蔵書の5割は社会科学系である。また原則として同じ本を複数所蔵していない。したがって蔵書数という量的な面にとどまらず、質的な内容の充実度においても優位性が認められる[27]。
一橋大学ではもともと単科大学であったことから、伝統的に中央図書館制が取られており、大学で購入された図書は基本的に中央図書館である一橋大学附属図書館に集中配置される。そのため一つの図書館である一橋大学附属図書館に蔵書約175万冊が集中的に所蔵されている。またその175万冊の図書のうち、100万冊が開架となっており、開架図書数は、他の国立大学図書館に比べ極めて多い。このように図書へのアクセス性が高いため、貸出数が多くなっている[27]。
中国人民大学、東京医科歯科大学、東京外国語大学、東京工業大学、東京学芸大学、東京農工大学、電気通信大学、慶應義塾大学、早稲田大学、国際基督教大学、津田塾大学との間で、図書館の相互利用協定が締結されている[28]。また上智大学との間で、相互貸出協定が締結されている。
一橋大学附属図書館に隣接する社会科学古典資料センターには、カール・メンガーの蔵書を集めたメンガー文庫やオットー・フォン・ギールケの蔵書を集めたギールケ文庫など各種文庫がある他、トマス・ホッブズの『リヴァイアサン』の初版(1651年)や、『百科全書』の初版(1751年)、トマス・ロバート・マルサスのサイン入り『人口論』初版(1798年)や、ジャン=バティスト・セイの書き込みがある、マルサスの『経済学の諸定義』(1827年)といった貴重書も所蔵している。図書以外にも、ヴィクトル・ユーゴーやオノレ・ド・バルザックらの書簡、一橋大学ゆかりの経済学者である福田徳三やヨーゼフ・シュンペーターの手稿、古文書、紙幣、コイン等が所蔵されている。これらのコレクションの保存は、社会科学古典資料センターの修復工房の専門家が行っている[29]。
一橋大学附属図書館は1998年、2002年、2003年には朝日新聞社による"大学図書館ランキング”で総合順位1位となっている[27]。2019年度国立大学図書館協会賞受賞[30]。
研究
21世紀COEプログラム
21世紀COEプログラムとして、4件のプロジェクトが採択されている。
- 2003年
- 社会科学
- 知識・企業・イノベーションのダイナミクス
- 現代経済システムの規範的評価と社会的選択
- 社会科学の統計分析拠点構築
- 2004年
- 革新的な学術分野
- ヨーロッパの革新的研究拠点
グローバルCOEプログラム
グローバルCOEプログラムとして、2件のプロジェクトが採択されている。
- 2008年
- 社会科学
- 日本企業のイノベーション
- 社会科学の高度統計・実証分析拠点構築
その他
文部科学省の大学国際戦略本部強化事業に採択されている。
EUインスティテュート・イン・ジャパンにて、日本の研究教育拠点校として指定されている。
この他、以下のような競争的資金の獲得がなされている。
- 文部科学省中核的研究拠点形成プログラム (COE)
- アジア長期経済統計プロジェクト
- 世代間利害調整プロジェクト
- 日本学術振興会アジア研究教育拠点事業
- 東アジアにおける法の継受と創造-東アジア共通法の基盤形成に向けて
- 文部科学省世界を対象としたニーズ対応型地域研究推進事業
- アジアのなかの中東:経済と法を中心に
- 文部科学省近未来の課題解決を目指した実証的社会科学研究推進事業
- 高質の住宅ストックを生み出し支える社会システムの設計
- 持続的成長を可能にする産業・金融ネットワークの設計
教育
国際色ある教育・留学制度
文部科学省よる大学国際戦略本部強化事業への採択やEUインスティテュート・イン・ジャパンによる日本の研究教育拠点校の指定などがなされている。
留学制度としては、世界各国の40以上の大学や期間との間で協定の締結がなされ、グローバルリーダー育成海外留学制度や一橋大学海外派遣留学制度などの留学支援制度が設けられている。
グローバルリーダー育成海外留学制度では、選考を経て、ケンブリッジ大学、ハーヴァード大学、オックスフォード大学、ロンドン大学ロンドン・スクール・オブ・エコノミクスへ、資金援助を受け留学する[31]。
一橋大学海外留学奨学金制度では、社団法人如水会や卒業生が起業した企業等からの支援を受け授業料・旅費・生活費が全額給付され毎年40名超が留学をしている。
この他英語やドイツ語の授業の一環としてスタンフォード大学の短期語学研修プログラムまたはカリフォルニア大学デービス校付属外国語学校や、ドイツ・バウハウス大学で、夏休みの期間に研修を受ける講義も開講されており、一橋基金からこの研修の経費の一部につき援助がある。短期海外研修として、北京大学、オーストラリア・モナシュ大学、スペイン・ベルへ社、韓国・西江大学校で春休みに4週間研修を受ける授業も開講されている。
奨学金・授業料減免制度、学生寮
給付奨学金制度である一橋大学学業優秀学生奨学金制度は、学部在学生および卒業生を対象とし、経済状況に関わらず、成績が優秀な者に、年間96万円支給される[32]。
このほか経済的事情で授業料を払えない場合には、授業料が免除または減額されることがある授業料免除制度等もあり、全学生の9パーセント弱が授業料を免除されている。
学生の経済的負担を軽減するための学生寮としては、国立キャンパス付近および小平国際キャンパス内に、周辺家賃相場に比し安価な学生用宿舎である国際学生宿舎(一橋寮・国際交流会館・中和寮・景明館)が大学施設として設置運営されている。また、国立キャンパスに隣接して一橋大学基督教青年会によるYMCA一橋寮がある。
理科系科目等の履修
四大学連合の協定により、東京医科歯科大学や東京工業大学、東京外国語大学で医学、理工学、外国語学等の授業を履修、単位取得することができる他、編入学、複数学士号の取得も可能である。また多摩地区大学協定により東京農工大学、東京学芸大学等で農学、教育学等の授業を履修、単位取得することもできる。その他お茶の水女子大学などとの単位互換制度も存在する。
5年一貫教育制度
商学部・商学研究科、経済学部・経済学研究科、法学部・法学研究科、社会学部・社会学研究科には、学士・修士一貫教育により、学部入学から5年間で大学院まで修了できる5年一貫教育プログラムがある[33][34][35][34]。
主な競争的資金の獲得状況
- 現代的教育ニーズ取組支援プログラム
- 同窓会と連携する先駆的キャリア教育モデル
- 特色ある大学教育支援プログラム
- 大学教育の国際化推進プログラム
- 一橋大学長期海外留学プログラム
- 日英文章力開発クラス設置と上級TAの養成
- 日本法国際化のための共同研究の推進(3件)
- 「魅力ある大学院教育」イニシアティブ
- 日欧交信型法学研究者養成プログラム
- 社会科学の先端的研究者養成プログラム
- 大学院教育改革支援プログラム
- 文系修士課程における金融工学教育モデル
- ディベート教育による新時代のリーダー育成
- キャリアデザインの場としての大学院
- 法科大学院等専門職大学院教育推進プログラム
- 科目横断的法曹倫理教育の開発プロジェクト
- 実務基礎教育の在り方に関する調査研究
- 日本発ビジネス・ケースの作成と配信
- 日本発のケースによる高度専門職業人の養成
学生生活
学園祭
KODAIRA祭
KODAIRA祭(コダイラサイ)は国立キャンパス東地区で毎年6月に開かれる、新入生のための大学祭。一橋大学の学部1年生と2年生で組織される、KODAIRA祭実行委員会により運営・実行されている。もともとは小平キャンパスにて「小平祭」として開催されていたが、一橋大学小平分校(教養課程)の廃止に伴い、国立キャンパスでの開催となり、名称も「KODAIRA祭」へと変わった。略称はKODA祭(コダサイ)。
2008年の第12回は、4月に国際学生宿舎一橋寮で新歓イベントに参加していた新入生男子(未成年)が飲酒により死亡した事故を受けて延期され、7月に開催された[36][37]。
2020年は新型コロナウイルス感染症の感染拡大のため第24回KODAIRA祭が開催中止となり、戦時下以来の中止となった。翌2021年に第24回をオンライン開催、2022年に第25回をハイブリッド開催している。2023年の第26回以降は通常どおり実地開催。
最近のテーマ
KODAIRA祭では学園祭のテーマと装飾テーマが分かれている年もある。
- 26回(2023年)Renaissance
- 25回(2022年)彩(装飾テーマは「レトロ」)
- 24回(2021年)KODAIラグーン
- 23回(2019年)タイムトラベル
- 22回(2018年)American pop
- 21回(2017年) SHOW TIME
- 20回(2016年) Autobiography(自叙伝)(装飾テーマは「雅」)
- 19回(2015年) Nature
- 18回(2014年) Carnival
- 17回(2013年) Adventure
- 16回(2012年) magic
- 15回(2011年) 海
- 14回(2010年) KODAmusement
- 13回(2009年) 1=1005/1005(装飾テーマは「ファンタジー」)
- 12回(2008年) WA~和・輪・環~(装飾テーマは「和」)
- 11回(2007年) -
- 10回(2006年) 森のサーカス
- 9回(2005年) 日常から次の日常へ
- 8回(2004年) -
- 7回(2003年) ONE
一橋祭(いっきょうさい)
一橋祭は毎年11月に開催されている一橋大学の全学祭。学内向けイベントや一橋大学OB向けの企画の他に一般市民向けのイベントも開催される[38]。
スポーツ
- 硬式野球部は東京商科大学時代から東都大学野球連盟に加盟している。東京商科大学の加盟が五大学野球連盟から現在の名称である東都大学野球連盟へと改称するきっかけとなった。
- ラグビー部は関東大学ラグビー対抗戦Bグループに所属している。
- 男子ラクロス部は、2009年に関東一部リーグで優勝を収めるなど大学ラクロス屈指の強豪として知られている。2018年現在は一部リーグに所属している。
- 一橋大学クリムゾンは、アメリカンフットボール部の愛称であり、関東学生アメリカンフットボール連盟に加盟している。2018年現在は二部リーグBブロックに所属している。
- 端艇部(ボート部)は、1885年の創部以降「校技」[39] として親しまれてきた本学を代表する部活動であり、2013年以降全日本大学選手権大会の男子エイトで準優勝が三度、男子舵手無しペアで優勝が三度など、近年は大学ボート屈指の強豪校に成長した。卒業生には2016年のリオ五輪ボート競技代表の中野紘志がいる。
商東戦(東商戦)
東京大学との対抗戦は、一橋大学の前身である東京商科大学時代から続いており、端艇部(ボート部)、陸上競技部、ゴルフ部、ホッケー部など様々な運動部で開催されている。両大学では東京大学の「東」と一橋大学の旧称である東京商科大学の「商」を取って、商東戦(東商戦)と呼ぶ。また、単に相手校の名を冠して東大戦(東大側では商大戦・一橋戦)と呼ぶこともある。特に端艇部(ボート部)の「東京大学一橋大学対校競漕大会」(東商レガッタ)は、2018年に第70回目を迎えた歴史ある対校戦であり、近年では2009年から2021年まで(2020年の中止を挟んで)一橋大学が12連勝ののち、2022年は東大の勝利となった。
注釈
- ^ 一橋大学の大学院の専攻及び講座等に関する規則、2015年度版の大学概要 [1] によると、学科目として、経営・会計がある。
- ^ 一橋大学の大学院の専攻及び講座等に関する規則、2015年度版の大学概要によると、学科目として、市場・金融がある。
- ^ 一橋大学の大学院の専攻及び講座等に関する規則、2015年度版の大学概要によると、学科目として、経済理論・経済統計、応用経済、経済史・地域経済がある。
- ^ 一橋大学の大学院の専攻及び講座等に関する規則によると、学科目として、経済関係法、公共関係法、国際関係がある。なお、2015年度版の大学概要には記載がない。
- ^ 一橋大学の大学院の専攻及び講座等に関する規則、2015年度版の大学概要によると、学科目として、社会動態研究、社会文化研究、人間行動研究、人間・社会形成研究、総合政策研究、歴史社会研究がある。
- ^ 一橋大学の大学院の専攻及び講座等に関する規則、2015年度版の大学概要によると、講座は、経済理論、経済統計、社会経済システム、情報数理がある。
- ^ 一橋大学の大学院の専攻及び講座等に関する規則、2015年度版の大学概要によると、講座は、経済政策、公共経済、現代経済、環境・技術、経済地理がある。
- ^ 一橋大学の大学院の専攻及び講座等に関する規則、2015年度版の大学概要によると、講座は、経済史、地域経済、経済文化情報がある。
- ^ 一橋大学の大学院の専攻及び講座等に関する規則、2015年度版の大学概要によると、講座は、比較経済(協力講座)、地域開発(協力講座)がある。
- ^ 一橋大学の大学院の専攻及び講座等に関する規則、2015年度版の大学概要によると、講座は、法学、国際関係がある。
- ^ 一橋大学の大学院の専攻及び講座等に関する規則、2015年度版の大学概要によると、講座は、法務がある。
- ^ 一橋大学の大学院の専攻及び講座等に関する規則、2015年度版の大学概要によると、講座は、社会動態研究、社会文化研究、人間行動研究、人間・社会形成研究、総合政策研究、歴史社会研究がある。
- ^ 一橋大学の大学院の専攻及び講座等に関する規則、2015年度版の大学概要によると、講座は、地球社会研究がある。
- ^ 部門は、一橋大学大学院言語社会研究科規則による。2016年入学生用の大学案内 [2] によると、授業科目には、社会言語系、思想・哲学・歴史系、欧米文化系、アジア文化系、芸術系、日本語学・日本語教育学系の6系統があるとされているが、一橋大学大学院言語社会研究科規則では、授業科目系として、社会言語系科目、思想・哲学・歴史系科目、言語文化論系科目、芸術系科目、日本語教育学系科目、日本語学系科目、比較文化学系科目、演習系科目が記載されている。一橋大学の大学院の専攻及び講座等に関する規則によると、講座として、言語動態、社会言語、言語文化、思想・文化論(協力講座)、日本語・日本文化(連携講座)があるとされているが、2015年度版の「大学概要」では、これらに加え、アジア文化(連携講座)が記載されている。
- ^ コース、プログラムの構成は、一橋大学大学院国際・公共政策教育部規則による。なお、グローバル・ガバナンス・プログラムに外交政策サブプログラムを設けるとされている。一橋大学の大学院の専攻及び講座等に関する規則、2015年度版の大学概要によると、講座として、国際・行政、公共経済があるとされる。
- ^ 一橋大学経済研究所規則によると、研究部門には、日本・アジア経済、米・欧・ロシア経済、現代経済、経済体制、経済システム解析、比較経済改革(国内客員部門)がある。
- ^ BELCA賞-優良既存建築物の表彰制度
- ^ 十二支の「申」と「酉」をつないだ「申酉」(しん・ゆう)であって、十干の「辛」と十二支の「酉」を組み合わせた干支の「辛酉」(しんゆう)ではない。「辛酉革命」と混同するせいか、これを「辛酉事件」と誤記する例が目立ち、たとえば一橋大学の同窓会 「如水会」のサイト や 一橋大学附属図書館のサイト でも「辛酉事件」と記した箇所があるが、いずれも誤記である。
出典
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