ワカメ 利用

ワカメ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/01/06 01:06 UTC 版)

利用

わかめ、生
100 gあたりの栄養価
エネルギー 188 kJ (45 kcal)
9.14 g
糖類 0.65 g
食物繊維 0.5 g
0.64 g
飽和脂肪酸 0.13 g
一価不飽和 0.058 g
多価不飽和 0.218 g
3.03 g
トリプトファン 0.035 g
トレオニン 0.165 g
イソロイシン 0.087 g
ロイシン 0.257 g
リシン 0.112 g
メチオニン 0.063 g
シスチン 0.028 g
フェニルアラニン 0.112 g
チロシン 0.049 g
バリン 0.209 g
アルギニン 0.092 g
ヒスチジン 0.015 g
アラニン 0.136 g
アスパラギン酸 0.179 g
グルタミン酸 0.199 g
グリシン 0.112 g
プロリン 0.092 g
セリン 0.078 g
ビタミン
ビタミンA相当量
(2%)
18 μg
(2%)
216 μg
0 μg
チアミン (B1)
(5%)
0.06 mg
リボフラビン (B2)
(19%)
0.23 mg
ナイアシン (B3)
(11%)
1.6 mg
パントテン酸 (B5)
(14%)
0.697 mg
ビタミンB6
(0%)
0.002 mg
葉酸 (B9)
(49%)
196 μg
ビタミンB12
(0%)
0 μg
コリン
(3%)
13.9 mg
ビタミンC
(4%)
3 mg
ビタミンD
(0%)
0 IU
ビタミンE
(7%)
1 mg
ビタミンK
(5%)
5.3 μg
ミネラル
ナトリウム
(58%)
872 mg
カリウム
(1%)
50 mg
カルシウム
(15%)
150 mg
マグネシウム
(30%)
107 mg
リン
(11%)
80 mg
鉄分
(17%)
2.18 mg
亜鉛
(4%)
0.38 mg
(14%)
0.284 mg
マンガン
(67%)
1.4 mg
セレン
(1%)
0.7 μg
他の成分
水分 79.99 g
%はアメリカ合衆国における
成人栄養摂取目標 (RDIの割合。
出典: USDA栄養データベース(英語)
ワカメ(100g中)の主な脂肪酸の種類[10]
項目 分量(g)
脂肪 0.64
飽和脂肪酸 0.13
14:0(ミリスチン酸 0.007
16:0(パルミチン酸 0.117
18:0(ステアリン酸 0.006
一価不飽和脂肪酸 0.058
16:1(パルミトレイン酸 0.019
18:1(オレイン酸 0.02
20:1 0.02
多価不飽和脂肪酸 0.218
18:2(リノール酸 0.01
18:3(α-リノレン酸 0.002
20:4(未同定) 0.021
20:5 n-3(エイコサペンタエン酸(EPA)) 0.186
乾物100g中の食物繊維[11]
項目 分量
食物繊維総量 68.9 g
水溶性食物繊維 9.0 g
不溶性食物繊維 59.9 g

食用

旬のものであれば生で流通することもあるが、主に葉の部分を塩漬け乾物に加工されるなどして、保存性を高めて商品化される。使う時は水に漬け、塩抜きあるいは戻して用いる。メカブは湯通ししてからそのまま食べるか、乾燥させてから細かく切って流通されることが多い。市販のワカメは緑色であるが、生きた状態では褐色であり、湯通しすることで緑色となる[12]

ワカメは味噌汁などの汁物の具としてよく使われる。他にも酢の物炒め物煮物タケノコと煮た若竹煮など)、サラダ、地域によっては天麩羅しゃぶしゃぶ等幅広く料理される。メカブは細かく叩いて粘りを出したものがパックになって売られることもある。旨み成分を多く含み、また低カロリーであることから、ダイエット食品としても適している。ワカメに多く含まれる栄養素は、食物繊維アルギン酸フコイダンなどで、血中コレステロール値を下げたり、動脈硬化心筋梗塞を防ぐなどの効果があると言われている。

ワカメを食用に供する習慣はほぼ日本と朝鮮半島にしかなく、日本や朝鮮半島と同じく海藻を食べる習慣が一応ある中国ですら食べなかった。しかし中国でも近年は日本からの養殖技術の導入により、日本向けの輸出用に養殖されたものが中国国内の市場に出回り、食べられるようになっている。

朝鮮半島ではワカメを日本以上に多食し、韓国国民一人あたりの年間ワカメ平均消費量は、日本の三倍と言われている。出産の時には、乳児への授乳を通じての栄養補給のために、ワカメを茹でてスープを作って食べる習慣を持つ。同様に、誕生日にワカメのスープ(ミヨックク)を飲む習慣がある。日本と異なり、韓国では天然ワカメと養殖ワカメに歴然としたブランド差があり、天然ワカメは非常に貴重視され高値で取引される。天然ワカメが取れる磯や海域は畑や田と同じ不動産扱いされ、厳しい管理の下で一族に代々相続される。

日本では1981年理研ビタミン株式会社が乾燥わかめをスープの味と調和させ、即席の「わかめスープ」を発売した[13]

健康食品としての機能

高血圧症とワカメ
ワカメ等の海草類に含まれるアルギン酸は、消化管中で食物中のナトリウムと化合して一部がアルギン酸ナトリウムに変化する。アルギン酸ナトリウムはヒトの腸管内の消化酵素では分解できないため便として排出され、結果的に体内へのナトリウム吸収量が抑制されることになる。また、ペプチド類にはアンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害作用のタイプも含まれており、ラットによる動物実験では吸収されたペプチドによる血圧降下作用が示されている[14]
肥満予防効果
ワカメに微量に含まれるフコキサンチンは肥満予防効果があることが解明されている[15][16]

水質浄化機能

横浜の「みなとみらい地区」の地先海域では、「夢ワカメ・ワークショップ」という環境教育のプロジェクトを行っており、地元の小学生など総勢三百名で横浜港でワカメを養殖している。ワカメは海中のリン窒素を取り込みながら成長し、海水をきれいにする。

ワカメにまつわる隠語

タクシー運転手の間では隠語として「回送」の意(海藻にかけて)、もしくは酔っ払いの客の意(揺ら揺ら揺れている事から)で使用される。また陰毛を表す隠語として用いられる事もある(わかめ酒)。

また、コンパクトカセットマイクロカセットDATVHSベータカセットなどの磁気テープメディアが損傷した時に形状がワカメのようにくしゃくしゃになってしまうことから用いられることもある。


  1. ^ 吉田忠生・吉永一男 (2010) 『日本産海藻目録』(2010年改訂版), 藻類 Jpn.J.Phycol. (Sorui) 58:69-122, 2010 Archived 2014年4月16日, at the Wayback Machine.
  2. ^ a b c d Guiry, M.D. & Guiry, G.M. (2013年). “Undaria pinnatifida (Harvey) Suringar”. AlgaeBase. World-wide electronic publication, National University of Ireland, Galway. 2013年8月14日閲覧。
  3. ^ 大辞林』にある「裙蔕菜(裙蒂菜)」はワカメの漢名であるが、貝原益軒の『大和本草』などごく一部書物を除いて、日本で実際に使われることは極めて稀である。
  4. ^ Epstein, Graham; Smale, Dan A. (2017-09-22). Undaria pinnatifida: A case study to highlight challenges in marine invasion ecology and management”. Ecol Evol. 7 (20): 8624–8642.. doi:10.1002/ece3.3430. https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5648660/ 2018年2月20日閲覧。. 
  5. ^ 震災漂流物と漂着外来生物笹川平和財団海洋政策研究所【Ocean Newsletter】第312号(2013年8月5日発行)2019年2月10日閲覧。
  6. ^ 日本ひじき協議会わかめ健々学々
  7. ^ 「め」は、元々ワカメを指していたが、やがて海藻一般を指すようになったとする説もある。小島憲之 他(校注・訳), 『新編 日本古典文学全集7 萬葉集(2)』, 東京, 小学館, 1995, 225頁.
  8. ^ 日本国語大辞典』第2版, 小学館, 2000-2002年。
  9. ^ 二野瓶徳夫, 「和布」の項, 『国史大辞典』より, 吉川弘文館, 1979-1997.
  10. ^ http://ndb.nal.usda.gov/
  11. ^ 海藻の食物繊維に関する食品栄養学的研究、吉江由美子、『日本水産学会誌』、Vol.67 (2001) No.4 P619-622
  12. ^ 【こぐれひでこの食悦画帳】新ワカメ タラとしゃぶしゃぶ『読売新聞』夕刊2019年1月26日(2面)。
  13. ^ 原点 - わかめスープ理研ビタミン株式会社HP。
  14. ^ 末綱邦男・前川敬世・陳俊栄、わかめペプチドによる高血圧自然発症ラットの血圧降下作用 (PDF) 『水産大学校研究報告』第51巻 第4号(2003年3月発行) p.141-146
  15. ^ 金沢和樹 「フコキサンチン」『日本食品科学工学会誌』55号、2008年、194頁
  16. ^ 宮下和夫・細川雅史「海藻中に含まれる多機能性カロテノイド:フコキサンチン」 『日本水産学会誌』 Vol.74 (2008) No.2 P261-262





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